タヌキがゆく(狸穴総合研究所)

大阪市営地下鉄 迷走の歴史

※<本記事は10/14/2007に旧サイトで初稿公開したレビューのお引っ越し記事です>

ーシリーズ「誰がために槌音は響く」2007-

Prologue  終わりのない地下鉄建設

前にも述べたが大阪市営地下鉄事業は、都市計画道路の整備・改善工事と供に路線を延ばしてきた。

これには以下のような事情がある

大阪市の地下鉄は法規上、大阪港トランスポートシステムから移管された区間を除く全線が都市計画道路とセットで計画・建設されたという歴史的経緯から、日本の地下鉄では唯一、軌道法準拠の軌道として取り扱われている。路線名に用いられる「高速電気軌道」という呼称もこれによるものである。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

つまり、東京メトロのような、鉄道事業法に基づく鉄道特許ではなく、軌道法に基づく併用軌道特許。

すなわち路面電車として認可されているからである。

地下鉄工事は軌道の地下への移設による、都市計画道路の改善・改良工事の一環として行われてきたのである。

1903年に日本最初の公営路面電車としてスタートした大阪市電。

最盛期は118km弱と、市電では日本有数の路線となった(東京都電に次いで日本第2位)。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

この路線を引き継ぐ形で1933年(昭和8年)に当時の關一市長(現在の市長關淳一の祖父)が市議会の猛烈な反対を押し切って建設された御堂筋が完成し同時に梅田ー心斎橋駅間約3kmに最初の大阪市営地下鉄が開業した。

そしてこれが日本の公営地下鉄の記念すべき第一号となった。

以来拡大を続け、平成18年に今里筋線が開通したことにより、市交通局直営区間だけでも、伸びも伸びたり何と総延長129.9Km!

遂に前身の市電の総延長118kmを超えてしまった!

大阪市交通局はこれでも飽きたらず?さらなる拡張へ迷走を初めてしまった。!

民営化せずにこのまま放置すると、近未来の大阪市は以下のような惨状となるであろう。

市内の通りと言う通りにはくまなく地下鉄が張り巡らされて、老巧化し使えなくなった地下トンネルは最初は運休・休止路線となり、そのうちいつの間にか廃線となる。

大阪中の至る所の地下に使われなくなった地下鉄の廃坑が無惨な姿で横たわり、その傍らで新たな地下鉄建設が行われると言う何とも奇妙なそれでいて不気味な光景が出現するであろう。

第1章、 『市営モンロー主義』がもたらした近畿の顔・大阪市で起こっている交通動脈の血栓!

市交通局は伝統的に以下に示す閉鎖主義を取ってきた。

大阪市は、市街地の交通を市が掌握する、市街交通市営主義(俗に言う市営モンロー主義)を当初から打ち出しており、基本的に市街地へ民営鉄道を入れさせなかった。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

つまり、一部の例外を除いて、両端閉鎖の独自路線主義を貫き通してきた。 これが現在に至るも続く御堂筋線の混雑に代表される、悲劇(いや喜劇?)的事態を生んでしまった。

これに対して、東京メトロは前身の帝都高速度交通営団略して営団地下鉄が

帝都高速度交通営団法にもとづき、東京都区部およびその付近の"地下都市高速度交通事業"を目的として1941年7月4日設立。同年9月1日、太平洋戦争中の運輸統制のため、陸上交通事業調整法により現在の銀座線を運営していた東京地下鉄道及び東京高速鉄道を統合、路線を譲り受けた。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

の通り、当初より、広域交通の円滑化を最大の目的としており。

統合した銀座・池袋両線を除き、全路線が両端開放型で既存鉄道との相互乗り入れによる首都圏の広域交通体系のトータル化と効率的な運用に寄与することを目指し現在に至っており、首都圏交通の円滑化・混雑緩和に大いに寄与してきた。

大阪市で起こっている交通動脈の血栓状態とは、言わずと知れた梅田駅(大阪駅)・難波駅・天王寺駅各ターミナルでの乗り換えに伴う慢性的滞留混雑のことである。

特に梅田の混雑は有名で、ホームからあふれる積み残し客対策のために、建設当初より将来の増線に備えて準備してあった、道床とホームまで飲み込んでホームを拡幅し何とか急場を凌いでいる有様。

毎日、多数の積み残された遅刻確定組の通勤客が発生している。

Epilogue もうこれ以上行き止まりで両端が閉鎖された地下鉄路線なんか要らない!

作るなら、既存の路線と重複した路線でもよいから在阪民鉄と相互乗り入れの出来る"解放された新線"の建設を願う。

懐の狭い考えで、市域だけの利己的な利益・利便追求に走ってほしくない。

民営化によって、地域エゴ(自民党市議団の)から解放され、創建当時の崇高な理想と使命感、そして何よりも鉄道事業者としての誇りを取り戻して欲しい。

近畿圏全体の地域社会の活性化・発展に貢献出来る社会資産として、近畿の中枢、大阪の都市交通の要として、広域交通の一翼を担う都市交通網の構築を目指してほしい。

河内特有の地域エゴの固まりのようなローカルで閉鎖的な地下鉄網の建設拡大にストップかけるのは今しかない。

今決断しないと、大阪市は後世の子孫に利用されなくなった地下鉄の廃墟と、莫大な借財を残し崩壊し、挙げ句の果てに住人や企業からも見放され、彼らが脱出した後には使われなくなった地下の迷路網と、その地上に、同じく使われなくった高層ビルが林立するゴーストタウンと成りはててしまうであろう!    

-おしましー

 

公開:2007年10月14日
更新:2019年2月15日

投稿者:デジタヌ

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