狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

京阪電車 と京都市だからなしえた LRT の 地下鉄 乗り入れ! 

前書き(要約) 常に時代をリードしてきた京都市と京阪だからなしえた、日本初の快挙!

これからの21世紀の都市圏交通網のあり方を日本国内に問うた偉業として、テッチャンだけでなく、自称都市交通専門家?達の間でも今後長らく称えられるでしょう!

常に"時代をリードしてきた両者"だからこそなしえた、日本初の試み「郊外LRT車両の市街地・地下軌道乗り入れ!」

1997年(平成9年)10月12日 東西線醍醐 ⇔二条間が開業と同時に京阪京津線が御陵から京都市役所前(現在は路線延長とともに終点まで)までの片方乗り入れを実現して、日本初のヨーロッパ方式(※1)の「チンチン電車地下鉄乗り入れ」を実現させた"おけいはん"の快挙について。

※参1、当サイト内関連記事 ヨーロッパの3都市が考え出した トラムウェイ 都市圏 ライトレール 網 はこちら。

第1回 京都市 と 京阪電車 だからなしえた『 LRT の 地下鉄 乗り入れ!』の目次

※リンクについて

(参※xx) は当サイト内の参照関連記事リンクです。
但し、その他の直接 hyper-link は当事者・関連団体の公式サイト若しくはオリジナル各国語版Wikipediaへ直接リンクしています。

★第1節 国内で初めて実現した「郊外型 LRT の" 地下軌道 "乗り入れ!」

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※高床式鉄道車両で高速化を図ったチンチン電車 Stadtbahn Stuttgartの例

世界のトレンド「郊外型 LRT の地下軌道乗り入れ!」を日本国内で初めて実現した!

「鉄道車両の市内併用軌道への乗り入れ」や「チンチン電車の郊外専用軌道への延伸」は関東では、京成、京急、東急、京王がそうであり、近畿では、近鉄奈良線、京阪、阪神、阪急、山電、が元軌道特許で敷設したチンチン電車で有り、別段目新しくもないが...

チンチン電車(軌道特許)が地下鉄に乗り入れるのは京阪が日本

東京メトロと相互乗り入れを行っている鉄道各社は前途した通り当初は軌道特許であったが、乗り入れ当時は既に旧・地方鉄道法に基ずく鉄道になっていた。

近年の諸外国のトレンドである小径動輪660㎜径の「路面電車」(※1)が地下軌道にそのまま直接乗り入れたのは国内では京阪が初となる!

※参1、当サイト内関連記事 第1節 カールスルーエ方式(トラムトレイン)とは? はこちら。

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★第2節 常にアグレッシブな京阪電車

京阪電車は 序章でも振れた通り...

1906年12月21日に京阪電気鉄道株式会社が発足し、

1910年(明治43年)3月31日:大阪・天満橋 ⇔ 京都・五条(現・清水五条)間46.57kmの軌道敷設工事が竣工し、同年4月15日になって1時間40分で大阪・天満橋 ⇔京都・五条間を結ぶ現在の京阪本線を開業した会社である。

京津線を走る世界最高性能のチンチン電車!

800系電車は動輪径660㎜のトラム同士で比べても本格的登山電車箱根登山鉄道 3000系電車に対してパワーウエイトレシオ で半分以下(つまり倍以上のハイパワー!)

更に動輪径860㎜の鉄道車両で登山鉄道を自負している南海高野線のズームカーよりも高出力!

また、同じように登坂路の途中に駅のある近鉄奈良線の旧型車両8000系よりもハイパワー!

おまけに、地下軌道・専用軌道上では 運転最高速度 速度75㎞/h!のハイスピード走行で高速性も兼ね備えており、諸外国のトラムトレインと比べてもガン突の性能を誇っている!

(最もこれだけハイパワーでないと、坂道途中の駅で停車した後の再発進が困難になる!)

最大勾配61パーミル!の京阪京津線用車両 京阪800系電車

  • 4両固定編成乾燥重量112ton 主電動機 90kwx16基x16軸全軸モーター駆動! 編成出力1,440kw 動輪径660㎜、減速比5.07 パワーウエイトレシオ 77kg/kw 最高設計速度90㎞/h 運転最高速度 速度75㎞/h
  • 定員乗車時総重量 141ton ロード386人x75kg≒29ton パワーウエイトレシオ 98kg/kw
  • 110%混雑時 144ton ロード425人x75kg≒31.9ton パワーウエイトレシオ 100kg /kw
参考 日本最急勾配80パーミルの箱根登山鉄道(強羅⇔箱根湯本)で使用されている車両 箱根登山鉄道 3000系電車の性能
  • 単行1両 乾燥重量35.6on 主電動機 50kwx4基x4軸 モーター駆動! 出力200kw 、動輪径660㎜、減速比7.93 パワーウエイトレシオ 178kg/kw  最高設計速度?㎞/h 運転最高速度速度 55㎞/h
  • 定員乗車時総重量 41.22ton ロード76人x75kg≒5.6ton パワーウエイトレシオ 206.1kg/kw
  • (110%混雑時 41.9ton ロード84人x75kg≒6.3on パワーウエイトレシオ 209.5kg /kw)
参考 最大勾配50パーミルの登山鉄道線?南海高野線(橋本⇔極楽橋)で使用されている車両 南海2300系ズームカーの性能(但し途中駅は平地に設けられている)
  • 2両固定編成乾燥重量72.2on 主電動機 100kwx4基x4軸 モーター駆動! 編成出力400kw 動輪径860㎜、減速比6.07 パワーウエイトレシオ 181kg/kw 最高設計速度120㎞/h 運転最高速度 100㎞/h
  • 定員乗車時総重量 87.35ton ロード203人x75kg≒15.2ton パワーウエイトレシオ 218.4kg/kw
  • 110%混雑時 88.9ton ロード223人x75kg≒16.7on パワーウエイトレシオ 222.3kg /kw
参考 最大35.7パーミルで10パーミル勾配の途中に駅のある近鉄奈良線8000系電車の場合
  • 2両固定ユニット編成 乾燥重量76ton 主電動機 145kwx4基x4軸 モーター駆動! 編成出力580kw 、減速比5.31 パワーウエイトレシオ 181kg/kw 最高設計速度120㎞/h 運転最高速度 105㎞/h
  • 定員乗車時総重量 101.5ton ロード342人x75kg≒25.6ton パワーウエイトレシオ 175kg/kw
  • 110%混雑時 104.2ton ロード376人x75kg≒28.2on パワーウエイトレシオ 179.7kg /kw
  • 更に最近の増備車両は、「アルミ合金車体」で約30%軽量化し「モーター」も165kwにパワーアップし、2両編成で660kw!となっており、定員乗車時でもパワーウエイトレシオ150㎏/kwと大幅な パワーアップを果たしている!

※但し、京阪よりホームの勾配は緩い勾配10パーミルで、最急勾配部も技術基準にほぼ適合している。

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★第3節 京津線の生い立ち

1906年(明治39年)3月 京都市下京区三条通大橋町117番地先⇔大津市御蔵町間の軌道敷設が京津電気軌道、京都電気鉄道株式会社ほか1社の3社が内務省に軌道敷設特許を出願し願となる。

この年 鉄軌道事業の主務官庁(監督官庁)である内務省が3社に対して妥協による合流を要請。
京津電気軌道株式会社と京都電気鉄道株式会社とが妥協し、京都電気鉄道株式会社が京津電気軌道株式会社と合併した。

1907年1月24日:軌道条例に基づき、内務省から京津電気軌道株式会社に対して三条大橋 - 浜大津間10.0kmの軌道敷設特許状、並びに命令書が下付。
1910年3月28日京津電気軌道株式会社、資本金150万円で発足。

大正年間

1912年(大正元年)
8月15日:三条大橋 - 上関寺仮乗降場間と上関寺 - 札ノ辻(間がそれぞれ個別に開業。上関寺駅付近約100mを徒歩連絡で開業。
同年12月14日官設鉄道東海道本線を跨ぐ上関寺国鉄跨線橋の建設工事が竣工し、上関寺仮乗降場 夜⇔上関寺間約100mが開業し、三条大橋 ⇔札ノ辻間10.0kmが一体化し、直通運転を開始。10分毎に30分で結ぶ。

1925年2月1日:京津電気軌道株式会社が京阪電気鉄道株式会社と合併し、同社の京津線となる。
同年 5月5日:札ノ辻 ⇔浜大津間が延伸全線開通。浜大津駅を新設。

昭和年間

1934年(昭和9年)3月19日:日本初の連接車60型3編成竣工し、「びわこ号」と命名。
4月2日:三条駅・三条大橋駅経由の京阪本線・京津線 天満橋 ⇔浜大津間にの直通 特急「びわこ号」の運転開始、最速72分で結ぶ。

1939年(昭和14年)6月20日:京津線と石山坂本線との連絡線が完成。

敗戦後

1949年(昭和24年)7月16日:土曜・日曜・祝日に限り浜大津 - 天満橋間直通の「びわこ号」運転再開。

1956年1月10日:線路名称が制定され、大津線に属する京津線となる。

同年10月15日:追分 - 大谷間の(専用軌道区間)重軌条更換工事を完了。

1959年1月20日:電車の集電装置(ポール)をホイール式からスライダー式に変更。

1961年8月12日:抑速回生と発電ブレーキ併用の高性能車80型営業運転開始。

1968年6月15日:集電装置のパンタグラフ化準備のための逢坂山トンネルの掘り下げ工事竣工。

1970年7月30日:三条駅で60型(びわこ号)のお別れ式を挙行。
同年8月23日:電車の集電装置をスライダー式ポールからパンタグラフに変更

1981年1月9日:浜大津駅前の京津線と石山坂本線との連絡線を廃止し、浜大津経由の三条 - 石山寺間の直通運転を廃止。
同年7月31日:浜大津駅の移設・統合化工事が完成。

1984年4月1日:ATSの設置を完了。
同年4月26日:京津線初の冷房車600型営業運転開始。

1987年4月1日:京津線の三条駅を京津三条駅へ改称(5月23日までは同一改札内で三条駅と京津三条駅が同居)。
同年 5月24日:京阪本線の東福寺 - 三条間の地下化完成、地上に京津三条駅が取り残される。

平成

1992年(平成4年)5月1日:建設中の京都市営地下鉄東西線への直通運転開始に伴う大津線の電圧の1500V昇圧に対応した700形営業運転開始。

1995年1月30日:京阪電気鉄道株式会社と京都市の間で京津線列車の京都市営地下鉄東西線への乗り入れ関する基本協定が締結される。

1996年 10月28日:京都市交通局東西線直通用車両800系の搬入開始(翌年6月までに8編成32両が導入される)。
同年11月:終電 - 始発間の深夜に石山坂本線の架線電圧を600Vから1500Vに昇圧し、800系の試運転開始

1997年10月12日:京津三条 - 御陵間3.9km廃止。京津三条駅、東山三条駅、蹴上駅、九条山駅、日ノ岡駅を廃止。(※この区間に伝説の67パーミル勾配区間があった!)
御陵駅を西へ約300m移設し、京都市営地下鉄東西線との共同駅として地下化。御陵府道東踏切付近 - 御陵間を地下新線に切り換え。
架線電圧を600Vから1500Vに昇圧。

21世紀

2008年1月16日:京都市営地下鉄東西線の二条 - 太秦天神川間の延伸開業に伴い、同線への乗り入れ区間を太秦天神川まで延長。

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ヨーロッパの都市で普及した3種類の異なった LRT システムとは のご案内

2022年6月 7日更新版・公開

要約

今、全国区各地の中核都市とその都市圏では、広域鉄道網・整備への新たな動きが始まっています!

地方都市での地下鉄建設・新都市交通建設はもはや過去のものとなっています!

国交省が推進している"ライトレール&トラム化"こそ日本の 地方都市を取り囲む 広域交通 に最適なのではないでしょうか!

続きはこちらから...

後書き《 都市交通 Watch》シリーズについて

都市交通の救世主?として日本全国の大都市で崇めたてられてきた"地下鉄建設"ですが...

"土一升金一升"のメガロポリス以外では、高額な建設費に見合う投資効果、すなわ都市全体の交通インフラ改善にはつながらないことが証明されてきています!

都市交通網の"今後のあるべき姿"を考えるために、各地の地下鉄網を考察してみました。

狸穴総研 都市交通研究室 出自多留狸

 

公開:2019年9月19日
更新:2022年6月20日

投稿者:デジタヌ

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