狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載『 ブレーメンタイプ(ライトライン)車両の"欠点"は複合カーブ通過と激しいヨーイング!』ー最終回ー

★エピローグ 高速走行時の yawing に対する solution はすでにある!

第0項 Train Tram で用いられているTrain wheel

第1目 欧米で主流となってきた3両ユニットのトラムトレイン

Train Tram (※91)では、axle(車軸)と(新幹線でも使用されている)円弧状踏み面を持つ Train wheel(車輪)をもつ bogie と、短い短い中間車両で、直進安定性を確保しています。

参※91)当サイト関連記事 新たな極小径輪軸タイプ低床トラムトレインの登場! はこちら。

★第1項 新時代を切り開く国産トラムトレイン!

第0目 純国産・汎用技術で開発されたリトルダンサーシリーズ

広い車内!

♥ペコちゃん電車のコンセプト(小径輪軸ボギー台車・固定編成・制御機器屋根上搭載)を忠実に再現した!ともいえる福井鉄道F2000形低床電車は、

純国産技術で開発を続けてきた国産低床 Tram car のパイオニア「アルナ車両」が福井鉄道共同開発!した、ミドルサイズの国産次世代低床トラムトレイン(※001)のホープです!

更に、既にオリジナル車両はリトルダンサータイプLとして開発され、2002年4月より100形としとさでん交通で営業運転を開始していました!

そして今回、福井鉄道向けに stretch タイプの 福井鉄道F2000型として、 modify されて再登場したわけです!

参※001)当サイト関連記事 トラムトレイン方式(カールスルーエタイプ)とは? はこちら。

第1目 車両比較

東急300系電車(本家2代目ペコちゃん電車?)

旧・東急車両製造製

  • ●編成 2車体3bogie!・連接車!
  • ●軌間 1,372 mm 給電方式 直流600V (架空電車線方式)
  • ●最高運転速度 40 km/h(設計最高速度 60 km/h)
  • ♥起動加速度(空車時) 3.0 km/h/s
  • ●減速度(常用) 4.4 km/h/s (非常) 5.0 km/h/s
  • ●編成定員 132(座席32)人
  • ●自重 30.7 t
  • ●編成乾燥重量 (運転手1名含む)30.7 t
  • ♥定員乗車時車両総重量(132名)38ton
  • 想定満員(定員155%)乗車時車両総重量(204名42ton
  • 編成長 23,980 mm(2車体連接時)X全幅 2,500 mmX全高 3,945 mm
  • ●車体 セミステンレス
  • ●編成出力 180kw (主電動機 かご形三相誘導電動機 TKM-300形(東洋電機製造形式TDK-6050A)出力 60 kWx3基搭載)制御方式 IGBT-VVVFインバータ制御、制御装置 三菱電機製 MAP-064-60V82形
  • ●動輪径 640Φ  駆動方式 TD継手式中実軸平行カルダン駆動方式
  • ●制動装置 回生ブレーキ・発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ (HRDA-2)

※Tramcar としては大変優秀な性能です!がいかんせん高床タイプです!

参※002)日本では戦前から"慣例"(申し合わせ)として、通勤型(ロングシート)車両の想定満員は、定員の155%、55㎏/人!として想定最大積載重量を算定しています。

アルナ車両製福井鉄道F2000形低床電車

本年(2023年)満を持して登場したのが純国産技術によるミドルサイズのリトルダンサーシリーズ F2000 !です。

とさでん交通の100形を stretch して modify した車両です。

♥bolster タイプの(swing hangeボギー台車を使用して乗降口床面高さ350mm!を実現しています。

  • ●基本仕様 直流600 V(架空電車線方式)(※1500V仕様も製作可能)
  • 軌間 1,067 mm(※狭軌→標準軌対応は、逆の場合と異なり改修が容易!)
  • 3両固定編成(2関節重連タイプ)
  • 車体 耐候性鋼製車体(前頭部:GFRP製)
  • ●動力性能
  • ●常用速度 65km/h(40mph)設計最高速度 70 km/h
  • 起動加速度 2.5 km/h/s 減速度(常用) 4.4 km/h/s(非常) 5.0 km/h/s
  • ●輸送能力
  • 編成定員 115人(座席43人)(※但しロングシートタイプなので想定満員状態では155% 178人/編成!※002)
  • ●車体 編成長21,400mm X 全幅2,600mm X 全高 3,830mm X乾燥重量; X乾燥重量(乗務員1名含む)33 ton
  • 定員乗車時総重量 (115名乗車時約39.3ton 設計定満員総重量(定員155%178名) 約42.8ton
  • 走行装置
  • 先頭車:通常型ボギー台車※カーブに強く乗り心地(対ヨーイング・ローリング・ピッチング)に有利!
  • 中間車:(台車懸架・単台車直接マウント・関節連結)
  • 車輪径 610Φ 
  • 駆動方式平行カルダン駆動 編成出力 180 kW 主電動機 三相誘導電動機 VVVFインバータ制御 定格出量60 kW X3基搭載 (全車電動車)
  • 想定満員時登坂能力 鉄道建設技術基準35‰をクリア
  • ●制動方式  回生・発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ

つまり従来型と同じなので従来の整備技術が継承出来ます!)

※福井鉄道公式発表営業試験1次車両の導入費用 約3億9千万円には特注車両・開発費!が含まれており、2次車(汎用量産型車両)以降は、♥コストダウンする"申し合わせ"となっています!

※2002年登場のオリジナルの土佐電気鉄道100形電車は約1億9千万円(とさでん公式発表値)だったので、大幅コストダウンの見込み大です。

♥輪軸タイプのボギー台車を使用

純国産技術で開発されたミドルサイズ(24m)リトルダンサー F2000 !では610Φの小径輪軸タイプの♥bolster (swing hange)付きの bogie を前後に採用しています!

なので、yawing も発生しにく、鉄道路線(専用軌道)区間の高速走行にも対処しています。

参※)当サイト関連記事 "台車懸架・単台車式"ブレーメン型超低床車両の"弱点"は複合カーブ通過とヨーイング はこちら。

郊外鉄道路線駅!発車シーン

♥汎用部品を使用

一般通勤車両にも広く用いられている、汎用部品(技術)を多数流用(応用)しているので、従来の超低床車両とは異なり、部品単価を抑えることが可能で、且つ整備(補修)にも長年経験のある整備技術(要員)そのまま生かせます!

更に、鉄道事業者にとっては、予備部品も超低床車両専用(用特殊仕様)ではないので、調達が容易(経費削減)になります。

短い中間車両で曲線通過も安全に

市街地併用軌道走行シーン

更に短軸台車をボルスターレス構造で直接マウントする中間車両短い形式に変更されています!

つまり急カーブ走行時に起こる捻じれモーメントによる脱線(※28)にも強くなったので、市内併用軌道区間の交差点も問題なく通過できます。

参※28)当サイト内関連記事 ライトライン試運転事故!で発覚した台車懸架・単台車タイプ3重連!と軌道法との相性の悪さ! はこちら。

現状はパワー不足ですが...

現状小型高出力ACモーターが製品化されていないので、起動加速度 2.5 km/h/sに難点!がありますが...

技術は"秒針月歩"で、AotoMobir の世界では既に小型高出力ACモーターが実用化されています!

ライセンス生産のブレーメン型超低床車両に搭載の小型高出力(100kw)ACモーター並みの新型高出力小型ACモーターの出現もそう遠くはありま線(せん)!

つまり、現用の東急300系電車と同等以上の高加減速性能を備える日もまじかです!

★第2目 玉電ファンが待ちに待った"ペコちゃん電車"の再来!

東急デハ200形電車基本仕様

  • ボルスターレス!bogie(2軸ボギー台車!)+ 中間1軸台車連接構造
  • ●極小車輪径 510Φ!
  • ♥起動加速度 最大加速度は2.6km/h/s! 当時としては高性能!
  • ♥床面高さ 590mm!
  • ●中空軸並行カルダン駆動 編成定格出力 150kw(37kWx4基)
  • ●HSC電磁直通ブレーキ &発電ブレーキ

ペコちゃん電車(東急デハ200形電車)は、常にinnovationを追求し続けていた東急車両が1955年に世に送り出した世界初!ともいえる画期的な低床車両!でした。

利用者からは大歓迎され!されましたが、現在にも通じる『あまりにも多くの新機"軸"(小径輪軸、連接車体、制御機器屋根上搭載!)を盛り込み過ぎた!』ために当時の技術力では故障も多く、メンテナンスの厄介さから消えてしまいましたが...

第3目 全国各地のLRT化構想への救世主

プラットフォームの低床化改修が伴う低床車両ですが...

経過処置として現状短編成化で休止している部分のホーム改修だけでも対応できるので、5年計画ぐらいで、徐々に更新しても問題は生じない!でしょう。

※えちぜん鉄道内での高低両用ホームの例

第3項 今後の改良(開発)ポイント

第1目 ♥rolling damper 等の装備で

  • 円弧踏み面 Train wheel
  • rolling damper
  • yawing damper

前途したTrain Tram 用円弧踏み面 Train wheelと、

さらに(制御機器類異を屋根上架装しているために)重心が高いので発生する、rolling 対策の♥ rolling damper!

そして ♥ yawing damper を装着すれば、高速走行時(65㎞/h;24mph)の揺れは改善できるでしょう!

第2目 実際には保線状況によるところ大!(デジタヌの体験談)

福井鉄道、えちぜん鉄道ともに、現在は40㎏N型レール?を使用した最高運転速度65㎞/hの昔で言うところの地方鉄道線ですが、

昔から保線状況(軌道の保守・整備状況)が極悪!

嘗て(1980年頃)北陸出張の帰路に、福井駅前→越前武生間で急行車両(コイルバネ台車200型)に"乗車体験"した時も...

戦前の開業当初!から使用され続けていたASCE(米国土木学会)Rail profile の60 lb/yd (29.8 kg/m) rail を用いたRailway trackでは、情けない保線!状況も合わさり、今にも脱線しそうなくらいに?盛大に揺れた劣悪な乗り心地だったのを覚えています!

つまりJR九州の末端 rural line 並み?というか...

つまり「鉄道系Youtuber(※31)」共が揶揄している物凄い揺れは、新潟トランシス製「ノックダウン・ブレーメン型車両」だけのせいでは無い?ことも事実です。

事実、車軸レスの左右独立車輪方式の TARGO 車両は本国・輸出先いずれでも、240km/hの高速走行!でも不快な揺れは生じていません!

参※31)当サイト内関連記事 今どきの 鉄道系Youtuber・鉄オタ・フリーター , ゴーストライター , 鉄道コラムニストとは?... はこちら。

 

公開:2023年7月22日
更新:2024年2月24日

投稿者:デジタヌ

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