狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載『バストラム がメトロ ・トラムと呼ばれる日が必ずやってくる!』ー第4回ー

第3節 地方都市でも導入に関するハードルが低い!

最大のメリットは、LRTでは開業後に忍び寄る「軌道設備に係る膨大な維持管理・更新費用必要ない!」事です。

第1項 "鉄輪"LRTには膨大な路線維持管理設備更新費!が...

労働集約産業の代表格である鉄道・軌道事業の「落とし穴」は、運行開始後の保線作業・給電設備・保安設備・車両設備に関する膨大な維持管理費と設備更新費です。

建設費は40年ローンで支払えますが?...

問題は毎年発生する巨額の「維持管理費と設備更新費」です。

安全運行を担保するには、保安設備の点検・保守・保全・補修作業と保線作業を専門業者(信号設備屋、軌道工事屋)に委託したとしても、路線長が長いと年間数億円!もの「膨大な維持管理費と設備更新費」が発生します!

これを怠ると、旧共産圏のように悲惨な状態となります!

第2項 脆弱な財政基盤の地方都市に最適!

財源の脆弱な東北の中核都市、青森市、八戸市、福島市、山形市、中部圏の、岐阜市、金沢市、近畿・中国・四国の和歌山市、岡山市、徳島市、九州の佐賀市などの地方中核都市の市内のアクセス手段として最適ではないでしょうか。

欧米先進国!の都市では無理をしない交通行政が

日本で言うところの「中核都市」程度の小都市?が地方の主要都市となっている"ヨーロッパの先進国"では...

「日本のような後進国?」とは異なり「身の丈に応じた交通行政」が最重要視」されています!

「仙台市の愚例」の様に見栄を張って「地下鉄建設に猛進」などはせず、建設コスト・運営コスト共に財政を圧迫しない新しいシステムの一つとして、各都市でバストラムが盛んに導入されています。

新都市交通システム建設と比較にならないほどの低予算で導入(設備)可能!

  • ●新都市交通・モノレールを含む高架鉄道建設が約61.5憶/km。
  • ●LRT建設が本体(併用軌道、停留所設備建設)建設費で約27.8億/km。

対して「BusTram」の導入に関する専用設備費は「停留所」や路線端の専用転回場の設置費のみ、2車線の専用レーンを増設(建設)しても、設備投資は道路改良(拡幅・歩道整備等)が主体なので、道路特定財源(ガソリン税)の利用が可能です!

LRT専用軌道建設に比べても♥道路拡幅整備事業の方が格段に安上がり

平均約23.3億円/㎞(但し用地取得費も含む!)(※21)程度で、LRT建設と大差ないように思われるでしょうが、

この数値はあくまでも全線高架の高速道路並みの道路建設の話であって、立体交差部分での高架橋部分の建設などに適用される数値で、

用地費が最大(2.7憶/㎞・2線分)としても、実際には10憶円/1㎞2車線と考えられるので、「LRT専用軌道建設に比べても道路拡幅整備事業の方が格段に安上がり」でしょう。

(お判りですか宇都宮の皆さん?)

※21) 我が国における 公共工事コスト構造の特徴

車格(全長)が同じならば鉄輪トラムと比べて♥バストラムのほうがコスパが良い!

鉄輪トラムの例
  • 30m級 定員149名の広電5100型をモデルとした国産連接車両で1ユニット 3.2億円。(広電公式発表値)
  • 18m級 定員82名の2連接熊本市電タイプ で 約1.5憶/1ユニット。

  • 12m級 定員60名の単行車両(伊予鉄5000形タイプ)で 約1.2億/1両
乗り合いバスの例
  • 18m級定員120名 クラス2連接国産ハイブリッドバスで1台8000万円程度?
  • 12m定員座席30席(定員約60名)  「標準仕様ノンステップ路線バス」

※、ここで言う定員とは、いす席(着座席)とつり革の総計。

トータルコストでは♥断然お得

通常の路線バスなどに比べて割高ですが、鉄輪系超低床トラム車両に比べれば断然安上がり!です。

更に、24m級3連接車両で180人/1両!の輸送力は30m級フルサイズ鉄輪トラムの約1.2倍!で♥運転手1名当たりの輸送効率はこちらの方が高くなります

つまり運行密度(運行本数/時間)を考慮に入れると鉄輪トラムと同じ車格(全長)ならBusTramのほうが1日の輸送力では勝っています!

第3項 低予算で運転手養成が可能で乗務員確保が容易!

ガイドウェイバス(※22)以外の(バス専用レーン走行の)BRT方式では、大型2種と牽引2種免許で運行可能です。

※参22)、LRT、ガイドウエーバストロリーバスでは俗にいう「大人の免許」が必要になります!(動力車操縦者免許についてのWikipediaの解説はこちら。

通常運転手1名当たり5~600万円!程度必要です。(2019年当時)

事業者の規模に応じた運行システムが選べる

同時に「自治体」「バス事業者」の規模に応じて、ディーゼルハイブリッド、リチウムイオンバッテリー電気式、トロリーライン併用充電式...等、規模と予算に応じてフレキシブルな車両システムが導入できます!

状況に応じて♥柔軟な路線拡張・廃止が可能

鉄輪トラム同様に簡単な停留所と、鉄輪とは比較にならない(軌道に縛られない)柔軟な路線見直しが可能で、都市機能の成長(衰退?)に合わせ、路線の延伸・拡大や、路線廃止・規模縮小が「最小の経費でたやすく行えるフレキシビリティ」」を持ち合わせています。

最新ITシステム満載!

単なる連接バスではなく、車両設備も「鉄輪トラム」同等で「両開きスライド・ドア」や対面クロスシートを採用し、車内設備は鉄輪トラム同等以上!

更にLCDディスプレー、等を設備し、GPSによる走行(位置)情報、路線情報、もちろん料金表示など最新のIT機器が搭載されできます。

第4項 ハードルの高い軌道特許申請が必要ない!

電気バスシステムを導入したとしても充電方式なので公道上にはTrolley (架空線施設)が必要なく、従って軌道特許申請も必要ありません!

諸外国ではアクセス手段として定着しているトロリー連接バスも日本では...

西欧では中核都市市街地の公共交通手段としてトロリー連接バスが普及しており、

さらに都心部ではライトレールと共用の地下専用線(走行路)に乗り入れ、トラムと仲良くメトロ運行を行っていたりしますが...

以下はEssen Trollybus の例

日本でTrolly Busが消滅!した理由は無軌条軌道!だった為

日本でトロリーバスが衰退した最大の理由は、ガイドウェーバス同様に「無軌条軌道」というカテゴリーに分類され、同じく「大人の免許」が必要となって、運転手一人当たり500万円!以上の養成費(経費)負担が生じることによります。

さらに道交法上・併用軌道?(一般道路)上での最高時速は40km/hしか認められておらず、一般車両の通行に著しい障害をきたすために各都市から消滅していったわけです!

令和元年7月24日現在日本国内で営業しているのは立山黒部貫光株式会社立山黒部アルペンルートの1路線のみでしかも近日中に廃止予定です!(既に2路線あった片方は廃止されてバッテリーバスに転換されています)

名古屋市の「ガイドウェイバス」日本の国情にマッチしない!

名古屋市が採用した「ガイドウェイバス」方式(※23)"ゆとりーとライン"は以下の点で多方面にわたって怪しいシステム?」です。

(※23)詳しくは当サイト内関連記事 第2節 日本ではほとんど「メリットが無い!」ガイドウェー・バス! はこちら。

お金がかかる運転士養成の障壁「多重資格!」

ガイドウェーバスは軌道走行車両に該当し、

  • ●ガイドウェー走路は専用軌道と見做され鐡道法で動力車操縦者免許が必要となります!

道交法上での大型2種(牽引2種)免許以外に、鐡道法上の動力車操縦者免許(俗にいう大人の免許)が必要となり、養成費用として約500万円/1人以上かかるといわれています!

べらぼうな建設費!の割には「費用」対「効果」が極端に悪い!

「将来新都交通にも転用可能な高架方式」ということは裏を返せば「莫大な建設費」が掛かることをi意味します。

特殊街路(高架ガイドウェイ)本体建設費以外に(エレーベーター、スカレーター等の)駅設備、専用軌道!用の保安設備(信号設備など)設置が必要となり、Trolley(架空線)と給電(変電設備)が必要ないだけで、通常の高架鉄道線と何ら変わらない建設コストとなり61.6億円/km~152億円/kmと整備新幹線並みの建設費がかかります!(※24)

しかも現状の日本では、低床化の目途が立っていません!つまりバリアフルです。

参※24)当サイト内関連記事 地下鉄 や 新都市交通システム が 整備新幹線 より割高になる理由とは? はこちら。

 

公開:2019年7月19日
更新:2024年3月29日

投稿者:デジタヌ

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