狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

お気楽な下呂市?《 タウンレビュー 》 

デジタヌの独り言

(※このレビュー記事は「旅するタヌキ」泉ホール/下呂交流会館紹介記事の続編です。)

下呂市のアウトライン

2004年3月1日に益田郡の4町1村を合併し発足した市で推計人口32,604人/2017年5月1日現在の観光都市。

このエリアは1975年の45293人をピーク時に以来年々人口減少傾向に有り、

合併翌年の2005年に4万人をわり、

直近の2015年の国勢調査では、33585人と実に26%も人口が減少している。

地勢

JR普通列車名鉄鵜沼乗り継ぎで名古屋まで101.1km2時間36分/1920円。

IR特急「ワイドビューひだ」で同じく118.6km1時間37分/4.620円。

いずれにせよ、遠隔地であって「名古屋の通勤圏では無い!」

以下参考他の自治体との比較。

  • 高山市、推計人口87,807人/2017年5月1日現在

高速バスで名古屋まで2時間30分/2,980円。

IR特急「ワイドビューひだ」で同じく166.7km2時間24分/6,030円。

  • 中津川市、推定人口77,770人/2017年5月1日現在。

JR快速 79.9Km1時間23分/1320円

JR特急ワイドビューしなの 55分/3020円。

  • 三重県名張市、推計人口77,691人/2017年5月1日現在。

近鉄急行 69.2km1時間18分/10.10円

近鉄特急 同じく57分/1910円。

中津川市とほぼ同じだ概要だがこちらは「大阪の通勤圏

  • 合併当時の下呂町、推計人口が14、527人/2004年2月1日、人口密度74.8人/km²、であった。
  • 和歌山県白浜町、推計人口21,060人/2017年5月1日現在人口密度105人/km²、年齢別人口比率は合併以前の下呂町とほぼ同じ規模の温泉町。

天王寺(大阪)から高速バス乗り継ぎ3時間46分3.280円

JR特急くろしお166.8km/2時間/5270円

ホールとしては類似施設は無い。

但し白浜町立総合体育館;プロセニアム形式舞台付き3000人収容のアリーナ。

白浜会館(体育館・講堂)プロセニアム形式舞台付き3030人収容の平土間講堂はある。

年齢別の人口構成比率

大都市通勤圏である名張市を除く上記、旧下呂町、中津川市、高山市、白浜町の4自治体で共通しているのは、年齢別の人口構成比率。

18才以上の、就労・修学人口が...

2005年度の全国の人口比率はいわゆる団塊(当時56才)世代を100として18才の占める割合が約6割なのに対して対して当市は約3割と18才以上の、就労・修学人口が「ガクっと減る」こと!

18才以下の就学年齢者の比率は全国と変わらないので、18才以上の進学・就労人口に達した人達が、都会に出て行っている地方都市の傾向が如実に表れている。

つまり、進学、就職のために、古里を去る人達の割合が多い事、そして55才以上の中高年層の比率が高いこと。

1方62才以上の高齢者層の占める割合は全国レベルの約150%とかなりの高齢化が進んでいることがうかがわれる。

つまり目立った企業や大学が無い点がこれら4つの地方都市の共通点。(但し高山市には高山自動車短期大学なる短大が1校有る。)

但し高山市は他3自治体と違い、推定人口はピーク時97,023人/2000年に対して、89,182人/2015年と何と比べても-8%と一桁台におさまっている。

観光産業の衰退

下呂市においては、観光産業(温泉街)以外に目立った産業も無く、観光客の減少に伴う、観光産業の衰退で益々人口流出の傾向は続くであろう。

ひょっとすると、数十年後には、町や村に先祖返りするかもしれない?

下呂市の現況

観光客(湯治客)の減少

一方頼みの綱の観光客の減少も続いている。

宿泊客数の変化

ピーク時1,129,220/2007年に対して984,501人/2016年で23%減。

  • 鉄道利用客

2006年ピーク時179089人に対して149910人/2016年で16%減

  • マイカー利用客

    ピーク870,172人/2007年に対して632,532人/2016年で28%減

  • 観光バス利用客

ピーク時294,088人/2005年に対して192,913人/2016年で 35%減。

※対策として現在観光バス1台につき5万円の補助金をツーリスト、催行団体に拠出している。参照下呂温泉観光協会公式サイト。

以下下呂市公式サイトより

平成27年(2015年)度の宿泊者数は1,042,570人となり、前年比58,069人の増加となりました。そのうち、外国人宿泊者数は94,946人で、53,787人の増加となりました。

日帰り客数は、105,473人で、前年比18,587人の減少となりました。

方面別でみてみると、岐阜県からの宿泊客は大きく減少しましたが、その他の地域からは大きな変化はなく、緩やかに増加している地域が多くありました。

交通機関別でみてみると、観光バスを利用する人は減少しましたがその他の鉄道や自家用車を利用する人は増加しました。<下呂市観光課公式WEBサイトより引用>

何をノンキなことほざいとる

市当局者は、下呂駅の乗降客数を承知しておるのか?

ローカル駅!下呂駅の現状

1日平均乗車人員で見てみても

1991年の1,593人をピークに、ボトムの2009年には746人、近年やや持ち直したとはいえ、

たったの826人/2015年。

一方JRで繋がっている高山市の高山駅は

高山駅

2000年の2436人をピークに

2010年には1.515人と落ち込んだがその後はほぼ横ばい状況で、

2015年は1,539人と下呂駅のピーク値1593人/1991年に近い数値を保っている。

廃駅の危惧?

「廃線一歩手前で、引き取り手の見つかった路線の終点駅の例

内部駅

三重県四日市市小古曽三丁目にある、四日市あすなろう鉄道内部線の終着駅。

2013年ピーク862人、以下減少を辿り2015年に773人と2002年の水準まで落ちてしまった。

同年2015年近鉄が手放し、四日市あすなろう鉄道となった。」

※参考1、高山市の宿泊客変動(高山市公式資料より)

2011年がボトムで宿泊客184万人(総数348万人)まで落ち込んだが以後順調に回復し、2016年は

宿泊客219万人(総数451万人)まで回復し、これは過去最高であった2006年の228万人に迫り、総数では、2007年の435万人を突破した

参考2※白浜町の宿泊客(白浜町公式資料より)

ピーク時1992年、約250万人/1992年、ボトム約175万人/2011年、以後持ち直し約210万人/2015年。

又観光客・総数では、約375万人/1992年、約290万人/2011年、約350万人/2015年、と順調に回復している。

一連の身の程知らずの施設建設

減り続けた観光客(宿泊客)と税収

下呂温泉宿泊客は、市議会で一連の建設計画(金山公民間&下呂交流会館)が策定・建設予算可決された2007年をピークとして、

2008年が1,075,295人5%減でやや下り気味、

下呂交流会館着工の2009年が1,008,368人11%減、当然市の歳入も落ち込んでいたハズ。

成人式はガラガラに?

で...、向こう十年の人口減少を考えて、主たる使用目的の成人式を迎える人は多く見積もっても3・4百人位。

これだけの広い市域(面積 851.21km2)を抱え、推計総人口が 32,604人/2017年5月1日、人口密度 38.3人/km2の土地で、成人式を行うにしても会場を分散して開催するしか無く、どうして805席のホールと収容人員3000人!のアリーナ(イベントホール&体育館)を持つ下呂交流会館が必要なのでしょうか?

合併前から有った下呂市民会館

旧下呂町町には1982年開館の下呂町民会館(下呂中央公民館)が有った。

収容250人プロセニアム舞台付き平土間の多目的ホールが以前から有り、十分機能(町民交流)を果たしていたハズ。

下呂市は現在財政難に直面している市!

市民の皆さん、1度よく考えて建設業者しか喜ばない?必要のない「箱物」をこれ以上増やさないように努力なさってはいかがでしょうか?

下呂市(教育委員会)当局も...

全国芝居小屋会議等と暢気なことを言ってなくて、ご自慢の下呂交流会館で全国の温泉街(湯治場)の「現状と振興策」についてのパネルディスカッションをメインとする「全国温泉会議」等、呼びかけてみられてはいかがですか?。

ご注意※印は当サイト内の紹介記事リンクです

但し、その他のリンクは当事者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

「誰がために槌音は響く」シリーズ2017。誰が使うの?このホール。

 

公開:2017年10月 8日
更新:2019年9月 5日

投稿者:デジタヌ

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