狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

駒川商店街 に見るレガシー・モールの現状の問題点と Solution とは...

前書き(要約) 駒川商店街には活気があった!

ーシリーズ「レガシー・モール」2017-2

『レガシー・モール』と言う呼び名を造語して見ました。

いわゆる、駅前にある『駅前商店街』や『アーケード街』のことです。

南北に並行して走る近鉄線は高架化されているので東西の連絡通路も多数有り、町が分断されていません。駒川中野駅/地下鉄谷町筋線と針中野駅/近鉄南大阪線との連絡アクセス道となっていて人通りも結構ありますが...
針中野停車の区間準急を親切できればさらに...

プロローグ 駒川商店街に見るレガシー・モールの現状と今後の問題点

過日、久しぶりに駒川商店街を訪れてみました。

駒川商店街は東住吉区駒川にある商店街で、駒川中野駅西口/地下鉄谷町筋線、を上がった駒川中野駅前交差点からまっすぐ南へ南北に三井住友銀行駒川支店まで延びる540m程のメインアーケード街とこれとクロスする形で、近鉄南大阪線の針中野駅に通ずる東西190mほどの駅前アーケードと、途中の4丁目に60m程の東西の枝が出ているアーケード街を中心に形成された商店街です。
10の0商店会から成っている大阪を代表する商店街の一つでもあります。

以前「何とかしようよ我が町柏原」第5回 と 駅前・市街地空洞化は役人の一人芝居。 にも書きました幾つかの「存続好条件」が満たされているのが駒川商店街です。

第1節 駒川商店街の利点とは

1)町が分断されていない

南北に並行して走る近鉄線は高架化されています。

なので東西の連絡通路も多数有り、町が分断されていません。

2)乗り換え商店街

当事者のアーケード街の理事の方々は気づいておられないようですが、駒川中野駅/地下鉄谷町筋線と針中野駅/近鉄南大阪線との連絡アクセス道となっています? 

例えば、川越駅/JR東日本・東武と本川越駅間/西武間約800mにあるクレアモール(ここにはアーケードもありません!)は四六時中乗り換え客で賑わっており毎年新規出店があり躍進を続けている様です!

それに比べれば程よい連絡距離の両駅間約550mならこの点をもっとPRすべきではないでしょうか。

別項レポートでも触れましたが、両線とも朝・夕のラッシュ時には地下鉄が最高で上下19本、17時代の下り八尾南方面で14本、近鉄はデイアワーはコンスタントに上下6本と停車列車が多く乗換にも便利のよい駅なのです。

♥適度な乗り変え距離で、本川越 川越の2つの駅間を結ぶクレアモール

3)レガシーモールの花型!生活物資が豊富!

日常生活で一番重要な・生鮮食料品の品揃えの品揃えが豊富で、かつ割安感があります。

数多くの八百屋さん、お魚屋さん、お肉やさんあり、特にお肉やさんの数は大阪市内のレガシーモール有数だとおもいます。

もちろんドラッグチェーンや100円ショップチェーンも出店していて、日常のお買い物先として欲しい物全てが揃っています。

4)自動車締め出しの歩行者天国になっている

日中は歩行者天国です。

5)弱者にやさしい天然?バリアフリー

散策中に介助のボランティアの人が押す車いすの老人を何人か見かけました。

レガシーモールの最大の特徴の一つがこの点です、平坦な道路に同一面上に連なる店舗はそれ自体がバリアフリーです。

と同時に、最大の弱点でもありますが。

第2節 今後に期待するところ

但し幾つかの懸念・不安材料もあります。

1)自転車問題

何処の商店街も同じ問題を抱えている様ですが、傍若無人な自転車族の振る舞いが問題です。
至る所に自転車が路駐(放置)してあり、通行の妨げとなっています。

思わぬ事故も相当あると聞きます、その為に商店街では

『道交法で......、自転車で走行されている方は速やかに自転車を降り、押してご通行下さい!』

と城内放送で呼びかけています。

しかし正直あまり効果はないみたいです。

このことが、子育て中のヤングママ(古い表現で御免なさい)や障害者に敬遠されることと成り、前項5)の天然バリアフリー環境が活かされているとは言え無い現状です。

2)車社会のヤングファミリー層離れをどうするか

若者の自動車ばなれが話題となっていますが、依然として郊外型巨大モールの利用者は大半がマイカー族です。
『ロードサイド型』巨大モールは周辺住人以外は車が無いと利用しずらい『公共交通アクセス僻地』にあります。

このあたりの『交通アクセス環境』問題については2000年の大店立地法(大規模小売店舗立地法)の施行以後は大資本のオーガナイズしたモールでも鉄道・地下鉄などの『駅隣接』に変わってきています。

ますますレガシーモールには厳しい状況となってきているわけです。

レガシーモール離れはマイカー族に留まらず交通弱者にまで拡大しそうです。

3)昼間の納品・搬入対策をどうするか

生鮮品を扱う、自前の買い出しをする商店は、当日早朝開店前に中央市場などに買い出しに走り、そのまま自前の小型トラックで搬入するのでしょうが、問題は、昼間に仕入れ先の手配車両で納入される、薬品も含めての、生活物資。

大資本の大型モールでは

大型車横付け可能な納品ヤードがあり、営業時間中常時入荷が出来、通行人(来店者)のショッピングに妨げにならないように配慮されています。

エピローグ デジタヌの具申コーナー

21世紀を生き延びるには積極策に打って出るしかないでしょう!

第1項 商店街の施設改善

第1目 駐車場・駐輪場の完備

幸い、2本の幹線道路(府道5号線と26号そして2車線の市道に囲まれている環境を活かし、府道5号駒川中野駅前交差点付近と南端の三井住友銀行付近に大規模な駐車施設を作る必要があるでしょう。

両駐車場合わせて最低700台出来れば数千台規模の駐輪施設併設の提携駐車場が必要です。

合わせて発想の転換で、商店街専用カートのステーションとして利用できます。

スーパーのように駐車場にカートを回収にいって入り口にストックするのでは無く

駐車・駐輪施設にストック(保管)場所を設置すれば、商売の邪魔にも成りません。

更にこの両端駐車施設に商店街共同の商品荷受け・搬入ヤードを併設すれば生鮮品以外の各店の昼間入荷にも役立つでしょう。

第2目 シャーター店の活用

所々にある空き店舗については、商店街、市当局共同で賃貸契約し、公衆トイレor、無料休息所(自販機コーナー)及び自転車ステーションとして利用するのは如何でしょうか。
もちろん小規模フードコートとしての利用も考えられるでしょう。

この共用施設と両端の大規模駐車施設にアーケード専用買い物カートを設備すれば、マイカー族、自転車族共に、気軽にアーケード街を利用できるようになるのではないでしょうか。

意外とレガシーモール(アーケード街)の場合、公衆トイレと休息所が無いのが難点で、このことが子連れのマイカー族にとっては最大の敬遠事項かもしれません。

第3目 平面荷物エレベータ?(自動搬送機)の設置

これはかなり大規模な投資が必要となりますが、現在世界各国で開発されている、無人の搬送機を利用し、両端の駐車・駐輪施設や各横断通路にある自転車ステーションまでお買い物荷物を運ぶアイデアです

これで自転車をキャリー代わりに利用している、主婦、や老人が自転車を駐輪施設に駐輪しても重い手荷物?で困ることは無くなでしょう。

ICタグ付きの、小容量(30リットル)程度の専用コンテナを各店に配置し自転車ステーションに回収装置を設置して保証金(500円程度)を返金精算するシステムです。

御買い物時は各商店に、控えのICカードもしくはスマートフォンで専用コンテナを登録し、お店は定期的にアーケードを巡回している、コンピューター制御の無人コンテナ車両(当初は有人運転)に積み込んで、交差通路毎に設けた休憩所を兼ねた自転車ステーションと、両端の大規模駐車施設感を巡回搬送すればアーケード利用者の増加につながると思います。

買い物カゴと同程度の容積20リットル&5リットル程度のboxならば、数十個積載した幅50cm程度の無人コンテナ車が時速4Km程度で無人走行してもそれほど通行人の妨げにはならないと思います。

また昼間の商品搬入時お店や業者にとっても有効な搬送手段となるでしょう。

★第2項 交通アクセス環境を有効に活かすべし!

別稿でも取り上げましたが、駒川商店街は近鉄電車・針中野駅とOsakaMetro駒川中野両駅を結ぶ!という大事な役割(隠し玉!)を持っているわけです。

第1目 北の雄!千林商店街と同条件!

冒頭で述べたように両駅間は約550mで、千林商店街の(京阪千林⇔OsakaMetro千林大宮駅間約530m)と大差ありません!

しかも、両商店街共に、OsakaMetro谷町線の沿線であり、更に両駅ともに速達列車が素通り!する各停停車駅です。

第2目 乗り替え客の殆どはアーケードを利用する!

ただ少し違うのは、両駅を結ぶ近道!歩道付きのガード側道がある点ですが...

よほど急ぐ利用者以外は、利用しない裏道です!更に、雨の日などは、側道を利用する人はいない!でしょう。

第3目 帰宅時には絶対有利!

朝はともかく...さほど急がない帰宅時には、『ちょっと一杯...』の寄り道には好都合です。

さらに共働き世代にも、帰宅途中でお買い物を済ませれるメリットがあります。

★第3項

河内松原以遠の遠方通勤者は、態々利用してくれないかもしれませんが、河内松原から市内よりでは...

  • ●嘗ての様に河内天美発着の各停の復活!
  • ●藤井寺発の区間準急!

のいずれかが、実現できれば...

大阪市内の利用者(沿線住人)が増加に転じて、針中野駅乗り換え客の増加につながります!

第1目 早朝・深夜帯を除き藤井寺発区間準急の親切案

朝夕の通勤通学時間帯に限り、藤井寺⇔河内天美間各駅停車で、河内天美・針中野・阿部野橋に停車する「区間準急」を新設すれば、針中野駅(乗り換え)利用客が増えるでしょう。

近鉄さんは、(針中野⇔大阪阿部野橋間の)利用客・運賃収入が多少?減少するので、難色を示すでしょうが...

現在時間当たり6本の各停の内、3本を区間準急に割り当てるのが適当でしょう!

谷町線利用者は、大混雑する天王寺駅での乗り換え避ける♥ことが可能となるので、歓迎(経路変更)してくれるでしょう!

現状、コロナ禍による減便で、河内天美・今川両駅での各停退避は必ずしも終日行われていませんが...

逆説的には、両駅の待避線(※91)が有効活用できます!

さらに、針中野駅での緩急接続は、退避が生じないので、各停の所要時間にはあまり影響が出ません!

参※91)当サイト内関連記事 近鉄 から日本初の 高加減速車 ラビットカーが消えた訳とは.. はこちら。

2023年2月現在の針中野停車各停運行本数

8:00→21:00 概ね10分間隔6本/時間

区間準急運行計画

8:00→21:00 20分間隔3本/時間 ※残りは現状通り各停で運行

第2目 近鉄にとっては、編成縮小・ワンマン化も可能に...

近鉄にとっても、日通無駄に長い6両編成の各停を3両ないし4両編成に統一することが可能となります。

さらに、区間準急を含めてワンマン運転にすることも可能でしょう!

第3項 針中野駅準急停車実現期成同盟会!を...

東住吉区(大阪市)とスクラムを組んで「針中野駅準急停車実現期成同盟会!」を起こし、市民の協力を得て「署名活動」を行えば、近鉄さんも譲歩してくれるでしょう!

矢田駅周辺の住民から反対が出るかもしれませんが?...

各駅の利用者数から言っても、大阪市内からはさほどの反対も怒らないでしょう!

むしろ、河内天美・布忍・高見ノ里駅周辺住民(と不動産屋!)は大歓迎してくれるでしょう!

  • ●高見ノ里駅 一日平均利用者(乗車のみ)2,822人/2019年度
  • ●布忍駅 一日平均利用者(乗車のみ)2,823/2019年度
  • ●河内天美駅 一日平均利用者(乗車のみ)8,708人!/2019年度
  • ●矢田駅 一日平均利用者(乗車のみ)5,181人/2019年度
  • ♥針中野駅 一日平均利用者(乗車のみ)4,937人/2019年度
  • ●今川駅 一日平均利用者(乗車のみ)2,433人/2019年度
  • ●北田辺駅 一日平均利用者(乗車のみ)2,497人/2019年度
  • ●河堀口駅 一日平均利用者(乗車のみ)1,427人!/2019年度

後書き《 都市計画とは...》シリーズについて

嘗て、高度成長期に一世を風靡した近隣都市と連携したメガロシティー(都市圏)構想がすっかり影を潜めて?

昨今は、地方の中核都市ではコンパクトシティーがトレンドとなり、

職住一致環境の構築で『災害時の帰宅困難者』問題や、

過剰なインフラ整備への公共投資を軽減する方向に向かっていますが...

コミュニティーを構成する個人は十人十色で、為政者の思い描くような方向には、都合よく向かってくれないのも実情です!

"統治"に重点を置いた都市計画(道路計画・町割り計画)では、時々刻々と変化する社会情勢(経済活動)に迅速に対応できなく、

特に、今後も一極集中が進むであろう首都圏では"柔軟な展開"が図れるような、"フレキシビリティ"が必要でしょう!

首都圏では

首都圏では、旧河川に下ずいた複雑に入り組んだ行政割りを、見直す時期にもなってきているのではないでしょうか?

特に今後も発展(一極集中)を続ける首都圏では、各行政当局がローカルエゴを捨てて、"首都圏州"構想を前進させたほうが、首都圏全体のインフラ整備・一元化が円滑に行えて、日本の将来の為になるかもしれません!

首都圏以外の"地方都市"では

地方の中核都市(大都市)郊外の衛星都市(ベッドタウン)では、少子高齢化と中核都市にある都市への住人回帰(転出者)による、"過疎化"

にどう対処するか?

更に、嘗て高度成長期を支えてきた"重厚長大産業"と共に栄えてきた、地方の産業都市にとっては、安価な発展途上国製品に押された生産量減少、とリストラによる就労者減少の影響、による財源(税収)減少に伴う都市衰退にどう対処するか...

各市町村がバラバラに都市計画を策定するのではなく、周辺都市との合併も視野に入れた、高域活性化策(広域都市計画)が求められているのではないでしょうか。

鉄道神話と箱物行政に別れを告げて、インフラ(道路)整備に重点を

安直な箱物行政の時代は過去の幻影となっています!

もう一度国家の基盤は"物流・道路行政"にあることを思い起こして、大局的な見地が必要となってきているのではないでしょうか?

狸穴総研 政経調査室 出自多留狸

 

公開:2017年7月12日
更新:2023年2月 2日

投稿者:デジタヌ

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