狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

これでいいのか JR西日本 《 鉄タヌコラム2008 》福知山線の惨事は教訓として活かされているか?その2

福知山線・事故に思うこと

※<本レビューは2008年5月25日に旧サイトで初稿公開したコンテンツのお引っ越し記事です>

2005年に発生したJR福知山線脱線事故からはやくも3年が経過しました。

なくなられた方々には心からご冥福をお祈り申し上げます。

※リンクについて

(参※xx) は当サイト内の参照関連記事リンクです。
但し、その他の直接 hyper-link は当事者・関連団体の公式サイト若しくはオリジナル各国語版Wikipediaへ直接リンクしています。

昔の偉人?がこういったそうです...

『一生懸命だと知恵が出る! 

中途半端だと愚痴が出る ! 

いいかげんだと言い訳が出る!

福知山線事故に対するJR西日本の対応はまさに、「いいかげんだと言い訳が出る」そのままではないでしょうか?

さらに、当時JR西日本のサイトにアクセスすると 本来のページが出ず脱線事故のお詫びのページに飛んでしまい、さらにそのページからは「ご意見・書き込みページ」にアクセスできないようにしてあった有様...。

「いやな意見は聞きたくない」「臭いものにはふた」という態度がありありと感じられた。

このような態度では事故が起こっても不思議はない。

「安全管理にいいかげん」且つ「耳の痛い意見は聞かない」態度、

こんな状態で安全が守れるわけがありま"線"!

人は「理解を超えた」事故や災害が発生すると「魔女狩り」に走りやすい?

人は、謂わが有ろうが・無かろうが魔女を見つけ出し血祭りにさえ上げれば、災害は収まると思いたがるのであろう。

しかし「中世の魔女狩り」に例を取れば、事はそんなに簡単ではないとわかるはず。

中世において「魔女」を狩っても、疫病蔓延は解決し無かったではないか!

それは防疫体制や医療など、当時の「社会の仕組みの問題」であって「魔女のせい」ではなかったからである!

事故原因は「JR西日本の安全管理体制と企業体質」

福知山線脱線転覆事故の直接原因は「遅延運行でパニック状態になった運転手が引き起こした 過失(オーバースピード)による事故」とされましたが...

しかし、本当の原因は、運転手にパニック状態を引き起こさせるような、

「過密ダイヤ」や「過酷な勤務体制」と「陰湿な乗務員再教育」等の「仕組み」であり、

それを容認した「JR西日本の安全管理体制と企業体質」こそが最大の原因で間違いないでしょう。

運転手の「過失」ということで、「運転手が魔女」扱いされていますが...

企業体質を改善しない限り今後とも不幸な事故は無くならない!でしょう。

福知山線の惨事は教訓として活かされているか?

福知山線脱線転覆事故をさかのぼること数年前に、山陽新幹線トンネル内のコンクリート落下事故が多発した際。

当時の社長が、TVニュースでリポーターの質問に答えコンナ暴言を吐いた事が強烈に記憶に残っています!

曰く 『安全に100%は無い!現在 総点検を命じたところでもあり、今後落盤事故が発生しないとは確約できない!

小生は耳を疑った! 乗客の命を預かる「安全第一」ではずの鉄道のトップが言う言葉でしょうか?!

折しも臨時国会開催中の出来事だったので...

翌日の予算委員会でキョ~サン党あたりから、動議が起こり「(当時の)運輸省がきりきり舞いするのでは...」

と期待?したがあっけなく肩すかし!

国会のやとう(夜盗?)がコンナ体たらくなものだから、その後JR西が増長し「利益追求が益々エスカレート」した結果...あの痛ましい大惨事へと繋がったのではないでしょうか?

民営化して以来、併走する私鉄と乗客の奪い合いを繰り返し「営業収益の向上」がJR西日本の「金科玉条」となり、鉄道事業にとっての最重要命題「安全運行」が忘れられてしまったのでしょう...

信楽高原鉄道の正面衝突!事故

1991年5月14日に起こった信楽高原鉄道の事故の時も...

遺族や被害者の方々への補償もそっちのけで、当事者同士で「責任のなすりつけ合い」を演じておきながら、事故その物についての反省と教訓は全く活かされてないままの状態だったのでしょう。

『わしは関係ない』風の"他人事意識"が...

社内に蔓延している「ワイは関係ない」風の他人事意識が無くならない限り、今後も事故は無くならないでしょう。

狸穴総研 安全研究所 出路多留狸

追記 政府(各官庁)の災害対策、危機管理の甘さが...

本年(2022年)またしても北海層斜里町で知床観光船沈没と言う不幸な海難incident(事件)が生じてしまいました。

犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

この海難incidentでも事件を引き起こした(有)知床観光船の安全管理体制が問題となり、2022年5月現在、代表者であり安全管理責任者である桂田誠一(容疑者)の操作が続いているわけですが...

今回の事故については、小型船舶を用いた、不定期航路事業(遊覧船、海上タクシー、釣り船)の認可制度が問題視されています。

参)当サイト内関連記事 斜里町の知床観光船海難事件は縦割り行政、規制緩和の弊害! はこちら。

 

公開:2008年5月25日
更新:2024年2月18日

投稿者:デジタヌ

TOP連載《 頓挫した吉備線LRT化計画に代わる 都市型 BRT "基幹バス"整備提案!》ー第1回ー


 

 



▲JR西日本と共存地方私鉄 調査班へ戻る

 

ページ先頭に戻る