狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

第17話 縁談話《連載小説》在る鉄道マンの半生 69年間待ち続けた男

※<本稿は12/29/2007に旧サイトで初稿公開した小説のお引っ越し掲載です>

ー 阪神・近鉄友情物語 ー 第17話


そんな折29才になった徹路に縁談話が持ち込まれた。


吉野の実家から、手紙で、


{小学校の校長がお前の評判を聞き、是非うちの娘をお前にと言ってきた、ついては来週の5月12日の日曜日にお見合いをするので、戻ってこい!}


という内容だった。
久しぶりの帰郷も予てお見合い前日の11日の夜遅く実家に戻った。


お見合い相手の梨花は1926年(大正15年)6月7日生まれで9つ年下、もうすぐ二十歳になる女性だった。


器量は十人並み、であったが笑顔が可愛かった。
それに礼儀正しく、受け答えに聡明さが感じられた。


頭の片隅に教え子祐子に対する思いもあったが、

『お前も29才にもなって、1人でおるのはいかん。それでは、ええ仕事もでけんぞ!ワイがお前の年には、お前ら4人の子供の親になっとった。』

と父庄一から諭された。

徹路は、小学校の校長の3女梨花を貰うことにした。


翌日からは又仕事である、婚礼の日取りなどは父庄一と校長に任せることにして、その日のうちに、独身寮に戻った。


<続く>

 

公開:2007年12月29日
更新:2022年9月 5日

投稿者:デジタヌ

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