連載《 トラム・路面電車が走る LRT が Interurban として見直された背景とは...》ー第4回ー
ヨーロッパ各国、特にドイツは日本ほどには大都市への一極集中傾向は見られず、数十キロ毎に隣り合った都市が点在した、ハチの巣状の都市網を形成しています。
したがって、日本のように数百万人規模の大都市は少なく、せいぜい数十万人規模の中規模都市が適当な距離をおいて群生している場合が多いわけです。
なので、日本のように都市間をつなぐinter‐city鉄道網、もありますが、東京メトロやニューヨーク、ロンドンのような、超大列車による大規模地下鉄・urban networkではなく、大抵の地方都市では「トラム主体」のインターアーバン(都市圏高速電気軌道)が構築されたわけです。
ヨーロッパの都市は日本のように主要幹線沿いに集中しているのではなく、幹線の通っていない周辺部にも広がっており、しかもこれらの町々を繋ぐregional lineは意外や非電化区間が多いのです。
つまり、日本同様にローカル線では「便数」が少なくアクセス手段としてはあまり役立たない結果となっていました。
そこで、中核都市にある公共交通事業体が「ほぼ休止状態に近いローカル幹線」を再利用(乗り入れ)して、「広域運行」を行い、都市圏広域交通網サービスを行っているのです。
第1項 トラムカーの鉄道路線直通で問題となる点は..
細かなことから先に挙げると、鉄道工学の専門家やコラムニスト?からは車輪のフランジ形状のなど輪軸の違いが上げられやすいのですが...
80Km /h以上の"よほどの高速走行"以外はあまり問題ではなく、むしろ、電化方式・トロリー線電圧の違い(主要幹線直流1500V、トラム線、直流600Ⅴ)のほうが問題となります。
福井鉄道・えちぜん鉄道の場合はともに直流600V(※21世紀)で相互直通運転には支障がありませんでした。
他にも、ATS方式の違いなどの信号設備の違いもありますが、直通先路線と同方式の安全装備を装着すること自体は技術的に余り問題はなく、トラムではありませんが「近鉄・阪神」は両社のATS、および電制連結装置を併載してこの問題を解決しています。
※3、例外として京阪電車・京津線は石山線は軌道特許で許可された「併用軌道線」ですが、1500v電化が特認されています!更に過去においても新潟交通の市内併用軌道区間では1500v電化が特認されていた例もあります!(軌道法上での電圧についての規定はありません)
参※21)当サイト関連記事 チンチン電車の郊外鉄道路線乗り入れと、鉄道車両の市内併用軌道乗り入れの違い!?とは...はこちら。
第1目 最大の問題は車体巾?
むしろ最大の問題は車両限界(車体巾)とそれに絡む「建築限界」でしょう。
旧国鉄幹線(現JR幹線)に乗り入れようとした場合、トラム(路面電車)と鉄道列車(車両)の車両限界が異なり、えちぜん鉄道※で行っているような高さを違えたホームの増設だけでは対処しきれない場合もシィ応じます。
つまり幹線を走る列車の台車部分や・除雪ガードなどが、幅の狭いトラム用に造られたホームに接触する可能性があるわけです!
※えちぜん鉄道の車両はもともと17m級の小型車両であり、しかも乗り入れ車両は、トラムにしては幅広の大型車両なので車両限界・建築限界共に問題は生じていません。
※えちぜん鉄道内での高低両用ホームの例
第2目 諸外国ではどうしているか?
特にアメリカなどでは、幹線を極幅広の貨物コンテナ列車が通る関係上、メトロ車両乗り入れ区間では、貨物列車の高速通過に対応できる建築限界より離れた外側に、乗り入れメトロ車両のホームを造り、ホーム手前から4線軌条として、乗り入れ車両が「外側にズレて」ホームに接岸?するような方式が用いられています。
ヨーロッパの非電化・ローカル幹線区間へのトラム乗り入れも同様の手法を用いています。
第3目 日本での問題点は鉄道幹線2万ボルト交流電化!区間
アメリカの大都市周辺・ヨーロッパの地方都市周辺の鉄道路線は共に「電化の違い」どころか「非電化区間」がかなり多く、新たにトロリーラインを新設すればトラムの乗り入れは比較的簡単に行えるのですが...
日本では主要幹線の電化が進んでおり、地方では「交流20Kv電化区間」も多く存在します。
そこで、日本で交流2Kv電化幹線に乗り入れを実施する場合は、ディーゼル(ハイブリッド)カーにするか(※22)、幹線そのものを直流1500Ⅴ電化に変更して、乗り入れ車両も市内併用区間走行用の直流750v用と鉄道路線用直流1500vの副電圧対応とするか(※23)、
幹線を非電化改修!する必要が生じます!
参※22)交流20kv電化の東北線と直流1.5kv電化の仙石線を行き来する東北仙石ラインでは、ディーゼルハイブリッド車両が、日本海翡翠ラインでは電化されているのにディーゼルカーが用いられているのはこのためです!
参※23)かつて名鉄美濃町線(600V電化)が各務原線(1500V電化)の名鉄岐阜駅⇔田神間1駅区間に乗り入れていた際には"副電圧"装備を備えた車両を用いていました。
第4目 ヨーロッパでの解決法"W Overhead line"給電方式方式!
スイスのいくつかの地方鉄道が用いている方式で、すでに電化されている本線の地方のハブステーション(連絡駅)に乗り入れる場合にこの手法が用いられています。
本線中心に架設されている直流3000V架線、のサイドに600vのサブカテナリーを架設するやり方です。
※)以下はチューリッヒのUetlibergbahn Zürichの例。
本線の上り下りをまたいで走行することはできないが...
乗り入れ区間では上下どちらかの"単線共用"となり、本線の上下線をまたいで走行することはできませんが、
昔の名鉄各務原、美濃町線線共用区間(新岐阜⇔田神駅)のように乗り入れ(線路共用区間)が短い、本線乗り入れ区間が短い場合には有効です。
日本ならば、外側つまり左サイドに600vの路面電車用の架線を併設するやり方で、車両もこれに合わせて車両からサイドにパンタグラフが「はみ出した」ような車両を使用すると、
トラム側には複電圧対応などの高価な設備は必要なくなります!
第5目 ♥高性能バッテリーカーも登場
最近では、在来線用ではJR九州のDENCHAのように"リチウムイオンバッテリー搭載"の高性能バッテリーカーも実用化されています。
更に、欧米では路面電車タイプの超低床バッテリートラムカーも実用化されています!
♥ニューキャッスルの「バッテリートラム」!
第2項 但し鉄道区間の運行ではメリットが
市街地(併用軌道)走行を考慮しなくて良い"ブリュッセル方式"で、旧線の鉄道区間又は専用軌道区間のみを、LRT化するのであれば、道交法の縛り(全長30m以下)が無くなるので、3連60mの"長大編成!"運行も問題ありません。
更に別途詳述した様に、ユニバーサルデザイン政治圧力(ホームドア圧力)を免れることが可能
となり、運賃値上げ(音を上げる!)が必要無くなります!
参※)当サイト関連記事 ユニバーサルデザイン推進?を隠れ蓑にしたホームドア設置業界・政治圧力! はこちら。
第1目 首都圏では...
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- ●京急・大師線
第2目 地方都市では
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公開:2024年3月29日
更新:2024年3月29日
投稿者:デジタヌ
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