狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 トラム・路面電車が走る LRT が Interurban として見直された背景とは...》ー第3回ー

第3回 ヨーロッパでは community がモーダルシフトに積極的に取り組んでいる

諸外国 特にヨーロッパでトラムがブームになっているのは、環境問題から地球に優しい交通機関として"電車"が脚光を浴び、都市内乗り入れの一つの手段として建設費の掛からない路面電車=トラムが注目されている訳です。

いわゆる"モーダルシフト"の一つの解決策として"LRT"を積極的に推進しているわけです。

★第1項 モーダルシフトしなければならない大人の事情とは...

第1目 日本の地方都市と同じ城下町の背景が

日本の城下町自治が発達したヨーロッパでは、日本の城下町の様な城郭都市が未だに地方経済を支えています。

そして、これらの、都市の中心市街地は城郭に取り囲まれた古い町並みで、道路も狭隘、くねくねと曲がりくねっている上に、日本の旧城下町とは異なり、石造りの集合住宅や下駄ばき店舗がメインの街並みとなっています!

つまり、極端に駐車場が不足しているのです。

なので、地方都市が頑張れば頑張るほど、モーダルシフトが重要となるのです。

都市集合住宅で暮らすのが一般的なヨーロッパでは

更に、都市集合住宅で暮らすのが一般的なヨーロッパでは、大気汚染!のほうが問題となるのです。

事実、北欧、やドイツでは、温暖化対策の影に隠れて話題に上がらなくなった"酸性雨問題"のほうが深刻なわけです!

つまり少々古いですが!『森と泉にかーこーまれた...』森林の酸性雨による破壊と、居住区!でもある狭い中心市街地(商工ゾーン)での渋滞による大気汚染が問題となるのです。

つまり、中核都市の周辺衛星都市からマイカー通勤する乗用車を駆逐する必要があるのです。

第2目 ヨーロッパで Tram・Trolley line が多い訳は

排出ガスによる環境汚染問題はもとより、化石燃料を用いた内燃機関によるトランスポーターはいくら頑張っても大気汚染物質をばらまくのです。

そこで水力発電による「電力が豊富なスイス」などの小都市では、リチウムイオンバッテリーが実用化されるかなり前から"バッテリーカー"が実用化されていて、地方都市へのエンジンカーの乗り入れ規制を行ってきたわけですが...

輸送力が要求される大都市でも使えるような大型バスは、リチウムイオン電池が開発される最近まで登場できなかった訳です。

最近では燃料電池車両なども登場しましたが、一億円以上もしてまだまだ一般的とは言えない状況です。

そこで、Overhead line、Trolley(架空線)を用いたTram-Car(路面電車)やトロリーバスが注目を集めたわけです!

第3目 掛け声だけでない、熱心な運営支援策!で

更に、地域コミュニティー(自治体)がソフト面 すなわち運営面でも強力にバックアップして、パークアンドライド推進のために、郊外の駅周辺駐車場整備や、鉄道事業者が各種の割引切符を発行しやすいように、直接的な運賃に対する補助金支出(すなわち税投入)も積極的に行なわれているわけです。

★第2項 ヨーロッパでの都市圏広域交通網としての市内軌道乗り入れ

また、ヨーロッパで "市内乗り入れトラム" が流行している理由は、

Tramを一地方都市市街地だけの"交通問題解決策"として捉えるのではなく、都市を中心とする "地域住人の生活圏全域に渡る広域交通網" としてトラム網を捉えているからです。

 

公開:2024年3月29日
更新:2024年3月29日

投稿者:デジタヌ

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