狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載『全国の 中核都市 は コンパクトシティー を目指しているが果たして?...』ー第3回ー

★第2節 コンパクトシティー実現には 防災以外の" 痛み " まで伴う!

近畿の大阪市・神戸市では富山市より以前の20世紀末期のバブル景気崩壊に続く阪神・淡路大震災の復興を契機に都市計画が見直されて、京阪神Megalopolis(広域都市圏)指向から、夫々の政令指定都市で「職住一致環境」を目指すMetropolis(大都市)指向になり、九州でも躍進目覚ましい福岡市などが「コンパクトシティ(Metropolis)」実現に向かって都市計画を実行しています!が...

言い換えればコンパクトシティー構想は、「肥満化した都市圏のスリム化」であり、

肥大化しすぎたMetropolisでスリム化を果たすには、サプリメント?「ダイエット補助作戦」も必要となってきます。

つまり痛みを伴う事業でもあるわけです。

第1項 大阪市のコンパクトシティー構想とは

第1目 故堺屋太一氏とその親派であった大阪市都市開発局が描いた大阪市の未来図とは

堺屋太一先生は、大坂の出身ではありませんがそのペンネームが示すように、豊臣秀吉の時代に「旧大阪3郷に」移り住んだ堺商人(※200)の末裔で「堺屋」はご先祖様の「屋号」であったそうです。

つまり、大阪維新の会を率いる「現橋下顧問」と知り合う前から、大阪市本庁舎の幹部とは強い絆で繋がれていたようです。

結果論としては、堺屋太一氏は同胞・協力者(大阪維新の会)を得て、中共の地方政府と同様の絶大な権力を行使できる「大阪都構想」実現を説いたのでしょう。

彼は過去に日本弁護士会から叩かれたこともあるように、中共政府の中國マフィ容認政策同様の「必要悪?」としての (-_-メ) を肯定する持論を持つ人でもありました。

つまり「xxとハサミは使いよう」を公言していた人でもあったわけです。

いつもニコニコして「物わかりのよさそうなご隠居」は、実は強かで計算高い「策士」でもあったわけです!

維新の会が「大阪都妄想?」と取り組み、堺市にちょっかいを出したり、コスモスクエアタワーに府庁舎全面移転などの構想を発表したりして、大阪市議会・大阪府議会をお騒がせして、さらに「悪夢洲"一大カジノ化構想"」を発表したのも、すべて中共の受け売り!です。

参※200)実は...

彼の母方は近江商人?の血筋を引く呉服商の「いとさん」のようで、堺屋氏が関与したセビリア博の日本館総合プロデューサーを務めて、安土城天守(5-6階)の"原寸大レプリカ"の展示案を強行して、閉幕後は予定通り?近江八幡市の「安土城天主信長の館」に寄贈させています!

と言うわけで、近江八幡市を含む滋賀県の"赤化"とも関係が深い(不快?)と言うより、「滋賀維新の会」の設立などに深く関与した?疑いがあります。

当サイト内関連記事 近江鉄道 沿線住人は行政当局に騙されている!上下分離してもいずれは Abandoned road!に はこちら。

※嘗て和歌山にもあった"ICTタウン?"と偽った賭博・犯罪都市!妄想

第2目 未来学者?故堺屋太一氏とその親派であった「大阪市都市開発局」が描いた未来ビジョン「大阪・梅田新都心構想」とは

未来学者?故堺屋太一氏とその親派であった旧大阪三郷四大組出身者で固められた「大阪市都市開発局」が描いた大阪市の近未来ビジョン「大阪・梅田新都心構想」とは、前途した南北ラインを捨てて!

大阪・梅田を"新都心"にして、旧摂津国との間を東西幹線・放射状道路で結んで、大阪梅田新都心を取り囲むように道路網を構築して都市を形成する「パリスタイル」の近代的放射状都市計画でした。

全ての鉄路は梅田に通ずる!?

  • ●茶のラインは市境
  • ●赤のラインは既存鉄道網(&着工中路線)
  • ●桃色は 現在整備計画中のサブライン

※京阪中之島線夢洲延伸についての関連記事 京阪中之島線 は京阪神を直結する夢をすてexpo2025大阪万博跡地に造成される夢洲ポートタウンを目指す!をはこちら。

大阪南線(大和川右岸線)に関する関連記事おおさか東線 を延伸して『おおさか南線』を建設しませんか?はこちら。

※紫のラインは 北陸新幹線&リニア中央新幹線 当サイト関連記事 2兆1千億円!のビッグプロジェクト「北陸陸新幹線大阪延伸」の成功の鍵を握るのは「大阪梅田中央駅」終着の成否にかかって要る! はこちら。

阪神高速道路も

淀川左岸線が開通して、市内環状線を経由して名神豊中IC方面に抜ける車を迂回させました、更に大和川線が開通して、名阪自動車道から市内を通過する車両を湾岸線にバイパスさせました。

また東大阪線と市内環状線の「渡り線」を完成させて梅田出口、出入り橋出口、土佐堀出口、堂島ランプ、南森町ランプ、扇町出口、長柄出入り口等大阪梅田新都心の利便性を大幅に改善しています。

第4目 大阪梅田新都心計画の裏に隠されている推進剤とは

参謀総長であった堺屋太一氏がお亡くなりになっても、意思を受け継いだ「大阪市都市開発局」が推し進めた「大阪梅田新都心計画」は着々と身を結び、JR西日本さんの「大阪中央郵便局跡地への38階建て」超高層ビル計画がやっと本格的に動き出したので、最後の詰めの一手として「御堂筋廃道計画」を正面切ってぶち上げたのでしょう!

御堂筋廃道」「本町界隈オフィス街廃墟化」!

更に詰めの一手としてとんでもない「御堂筋廃道」計画が着々と進められています!

はっきり言って、前途した、未来学者・都市工学の堺屋太一氏が中共の都市計画からヒントを得てでは発想ですが...

彼はモデルとなった中共の新都市がその後どうなったか見届ける前に他界なさったわけです!

第5目 大阪丸が21世紀の荒海「少子高齢化・首都圏一極集中、地方経済衰退」を乗り切るため?

さらにダメ押しの最後の詰めとして、御堂筋そのものを車両全面通行禁止!のホコ天!にしてしまって、ビジネスアクセス路としての御堂筋を遮断して未道筋とする都市滅亡計画を、都市開発局を核とした「御堂筋完成80周年記念(廃道)事業推進委員会?」なる"訳の分からない組織"を作って進行させていますが...

中共のabandoned city同様に暗礁に乗り上げて"座礁"する可能性も

都市計画で忘れてならないのは「人の営み(経済活動)暮らし向き(生活圏)」を踏まえる必要がある!と言う原理原則!です。

つまり思想家・哲学者が好む形而上学に則った理想主義的航路では成ら無い!事です。

都市計画とは、冷静に経済分析を行った結果に基づく唯物論に下ずいた精密な海図(実態調査結果)に下ずいて計画されるべきもの!なのです。

日本でも、過去・現在において共産主義・マルクス主義に被れた連中が、市政を握り、大失敗した例は、数えきれません!

事項にし記した、神戸市(六甲アイランドシティー・長田駅前再開発事業などが)がその典型かもしれません!

こんな暴挙を許したら「大阪市の未来を信じて御堂筋建設」に尽力された故池上四郎第6代大阪市長や、その志を継ぎ、1937年5月に見事完成させた關 一(せき はじめ)第7代大阪市長の両先人が、あの世から化けて出てこられるかも?...

詳しくは当サイト関連記事 《 市営モンロー主義 の系譜 》第4回 大阪の表玄関・梅田界隈と大歓楽街ミナミを結ぶ"目抜き通り"は...!をご参照ください。

御堂筋を捨てて新たなるtraffic network構築?

御堂筋は、都市計画学者の故池上四郎第6代大阪市長が発案して關 一(せき はじめ)第7代大阪市長が志を受け継いで「100年先の大阪市の発展を信じて」御堂筋建設に着手して1937年5月に見事に事業を成し遂げて完成した大阪を代表する目抜き通りです。

これはお隣の堺市と共存共栄を図ってきた旧大阪3郷のライフラインであった「堺筋」を、新たなる主要幹線「御堂筋」に置き換えて、御堂筋を基幹に大阪市街地の交通網を整備しようという計画でした。そしてその後も綿々と受け継がれて生きたわけです。

21世紀の荒海を大阪丸が渡りきる安全航路とは...

大阪梅田新都心化構想は、先人が描いた大阪府を貫く南北ラインを基幹とする沿道自治体の団結?よりも、東西に広がる、近畿圏にあるMetropolis間の協調で、生き抜くために、大阪丸の航海士(幹部職員)が舵を切った航路ですが...

  • ●紫ゾーン 大阪梅田新都心エリア
  • ●グレーゾーン&ブラックライン御堂筋廃道区間とゴーストタウンエリア
未動筋化(緑地公園計画)は大阪梅田新都心に企業を集める方便!

つまり御堂筋線に再投資をして輸送力増強(※11)を図るよりは「御堂筋線沿線の(通勤)利用客減」を工作すれば、無駄な投資?が省けるんlでは無いか?

更に、沿線の貸しビルに入居しているテナントの大半が「大阪梅田新都心」に移ってくれれば「大阪市都市開発課」が主導した民間デベロッパーJVによる貸しオフィスも全て埋まり万々歳となる?vision、Delusionを描いたのでしょう...

その最後の詰めの一手が大阪市都市開発局 が組織した「御堂筋完成80周年記念事業推進委員会 」がぶち上げた「御堂筋廃道」プロジェクトとなるわけです!

これが一部の交通ジャーナリストが良心の呵責に耐えかねて?漏らした「なにわ筋線が開業すると、御堂筋線の採算が悪化する!」というからくりの正体です!

参※11)当サイト関連記事 《 大阪メトロ Watch》第5回  御堂筋線 快速運行 は少ない投資で実現できる!はこちら。

御堂筋ぞいのオフィス街は...

地図上のグレーゾーンは正しくグレーゾーンで、「御堂筋沿道」のオフィス街は大阪梅田新都心に移転せざるを得ない!でしょう...

何故なら地下鉄だけでは普段の経済活動が著しく損なわれるからです。

更に、赤坂・六本木のような都心型高級コンドミニアム(マンション街にして)新都心直結の魅力ある高級住宅地を狙っているようですが、消防車以外、緊急車両(救急車・パトカー)でさえ乗り入れ禁止の「遊歩道」では生活道としては役立たずに廃道にするのも同然です!

超高層高級コンドミニアムを建設しても、「買い手、借り手が見つからない!」のは目に見えていて、沿道の地価は急激に下落して、含み損で銀行も出資してくれなくなり、倒産する貸しビル業者が続出するでしょう、含み資産(不動産価値)の下落で、銀行も融資回収が困難となり、第2の不良債権問題に発展する!でしょう。

更には倒産しないまでも、廃墟になったオフィスビルが放置されて廃墟街になるか、更地にして「都会の農園」農耕地を装って、固定資産税を躱そうとする地主も現れるでしょう。

つまり淀屋橋から南海難波駅前までの御堂筋沿道は「ビニールハウスと廃墟が並ぶ」何とも異様な光景となるわけです!

更に「ミナミの繁華街」特に飲食街は間違いなく"疲弊"する!でしょう

何故なら、御堂筋沿道からオフィスビルが無くなり、ほとんどのサラリーマンが大阪梅田新都心に移ってしまえば、お客がいなくなるわけで、北新地にお客を奪われてしまったミナミの飲み屋街はほぼ全滅!となるでしょう!

御堂筋がダメになっても、堺筋と四ツ橋筋が残れば、堺筋沿道に、賑わいが戻って大事な顧客のサラリーマンも早々は枯渇?しないだろうと思いたいところですが...

大正期の昔とは違い、アクセスが悪い堺筋では、移転してくれるのは中小企業ぐらいで大企業は来てくれません!四ツ橋筋も同じです。

夢物語ではありません!

北陸新幹線と京阪中之島線延伸・千日前線茶屋町方面延伸(※99)以外は全て現在、「大阪維新の会」と大阪市都市開発局、JR西日本を含む「民間デベロッパー」が強力に推し進めている事実です!

2004年から行われている「大阪駅開発プロジェクト」で2011年に増築完成したサウスゲートビルと同じく2011年5月4日にグランドオープンしたノースゲートビルを繋ぐギャレ大阪の上に渡された無駄に高い巨大なガラス屋根は、北陸新幹線「大阪・梅田中央駅」開業を見越した、大屋根でしょう!

道路整備と職住分離図

  • ●茶色ライン 市境
  • ●紫ゾーン オフィスゾーン
  • ●赤色ゾーン 商工ゾーン
  • ●イエローゾーン ブランコマーク 歓楽街?
  • ●赤いライン 動脈
  • ●青いライン 静脈環状道路・バイパス流路

つまりあかい幹線で新都心と住宅街を結び、青色の環状バイパスで市内トランジット(通過)車両を迂回させて新都心の渋滞を防ぐ狙いのようです?が...

第6目 大阪都市改造計画の盲点高潮・津波対策!

この構想の盲点は、沿岸部に物流・工業地帯を配置している点です、高潮が発生すると、沿岸部のコンテナが流れ出し、水門破壊・橋脚破壊、積載されていた危険物による火災!などの大災害が発生します!

事実前回の、高潮災害では、多くの漂流コンテナが生じて、積載可燃物の自然発火による火災なども生じています!

参※)当サイト関連記事 道路拡幅整備でバス専用レーンを走行する都市型・BRTとははこちら。

参※)当サイト関連記事 『日本の都市(道路)計画』は中央集権が招いた"喜劇"?の産物!はこちら。

地下鉄延伸を夢見ている"やとう市議団"の皆さん

今里筋線延伸に期待をかけている地元議員さん、地図をよくご覧ください、あなた方の夢はかないません!

井高野より先の吹田市に延伸しても大阪市にとってメリットが無い!からです。

同じく今里から南に延伸しても、大阪・梅田新都心へのアクセス路にはなりません!

更にミニ地下鉄長堀鶴見緑地線を鶴町方面に伸ばしても役には立ちません、BRT(※98)で十分です。

但し、中之島"苦情駅"延伸各停で、京阪さんがお漏らし?した「西九条方面延伸を検討している」のも事実でしょうが(小生も含めて「鉄オタ」が期待している阪神なんば線乗り入れではなく)千鳥橋辺りから西進して夢洲を目指すでしょう!

なんで...それはexpo2025大阪万博終了後の夢洲が賭博アイランドではなく、ポートタウン同様の「都市型住宅」になるためです!

これで、大阪梅田新都心周辺12㎞以内の市内は、くまなく「大阪梅田新都心」と結ばれることとなり、大阪梅田新都心を中心にした放射状都市が完成するわけです!

大阪府下の市町村で圧倒的な支持を得て「大阪都構想」を掲げている「大阪維新の会」でも、もはや「この流れは変えられない」でしょう!

つまり、大阪府民には、「大阪市に転入するか、首都圏に転出するかの2者択一!」しか道は残されていないからです。

しかし、このコンパクトシティー"大阪"への転入には前途した防災と言う重大な盲点が隠されているわけです。

参※)当サイト内関連記事 トラム といえば『 BusTram 』を指す日が必ずやってくる! はこちら。

参※)当サイト関連記事 大阪メトロ 千日前線 の先行きは?...巨額再投資で大阪・梅田新都心計画のもう一つの柱に! はこちら。

第2項 周辺都市の形勢を挽回する起死回生の秘策も無くはありませんが...

大阪市との合併を拒んで自主独立路線を選んだ「堺市」を中心に「堺維新の会?」にリニューアルして「旧堺県」復活で「堺都」を目指し大阪市を包囲してしまう手もなくはありませんが...

はっきり言って「嘗ての屋台骨」新日鉄堺製鉄所を失い「ダイキン」を失い、他にもせっかく来てくれた「シャープ」も撤退して今や強力に後ろ盾になってくれる大企業は無い!といえるでしょう!

大阪市と対抗できる後ろ盾(税収)を持つにはお隣「高石市」と合併して味方を増やして旧堺県の復興を試みる以外「堺都」の実現は困難でしょう...

更に大阪市を包囲する堺都が実現できたとしても...あまりにも広がった戦線では兵站を確保するのが難しく「結局は点と線」にもならない点(小規模集落?)が散在する「大昔の姿」に戻ってしまうだけでしょう!

というわけで、小生が住む某市も含め大阪府下にある「弱小都市」の近未来は、少子高齢化と住人転出で過疎化する以外には道は残されていない訳ですが...

 

公開:2020年9月30日
更新:2024年3月 8日

投稿者:デジタヌ

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