狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載『 西九州新幹線は "彼方を立てれば此方が立たず"で未成線!に...』ー第3回ー

★第2節 西九州新幹線 とは

半世紀以上も昔の1970年5月18日に公布された、全国新幹線鉄道整備法に下づいて整備されている鉄道の事ですが...

第1項 他の交通インフラと長崎本線の関係を時系列から見ると

第1目 長崎本線電化

1972年10月2日  喜々津 - 市布 - 浦上間 新線電化開業(特急・急行列車などを新線経由に変更)。

1973年11月16日  九州自動車道鳥栖IC⇔南関IC間の長崎自動車道が一部開通

第2目 長崎空港開港!

1975年 長崎本線完全電化完成、同年 長崎空港が国管理空港として開港。

第3目 長崎自動車道全線開通

2004年3月27日 : 長崎IC⇔ 長崎多良見IC開通(暫定2車線)により鳥栖JC⇔長崎IC全線開通。

2019年6月28日 : 長崎芒塚IC ⇔ 長崎多良見ICが4車線化。

1972年(昭和47年)12月12日、全国新幹線鉄道整備法第4条第1項の規定による『建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画』(昭和47年運輸省告示第466号)により告示され、1973年(昭和48年)11月13日に整備計画が決定された5路線(いわゆる整備新幹線)の路線の一つである。<Wikipediaより引用>

つまり、元々旧・肥前国の両県民が必要に迫られて欲した訳でもなくて、高度成長時代当時の「日本列島改造論」者達が率いる「天(お上)から降ってきた地方振興策?」の一つにしか過ぎなかったのです。

第2項 "名分はあっても大義を欠く"西九州新幹線 !の歴史背景

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名分(全幹法)?は有っても大儀(地域振興)を欠いていた「名が先震撼線」とは...

第0目 名が先震撼線を企てた!のは?なのか...

西九州新幹線 についていえば、地元での public hearing も行わずに、誰が恣意的な「名が先震撼線妄想」を思いついた!のかは"闇のかなた"となっています!

別途したように、当時の運輸政策審議会(現交通政策審議会)(※31)は諮問機関であり、国交省より示された議案を審議(精査)するだけ!で、起案・立案は出来ない立場です。

つまり、1970年当時であれば、旧・運輸省・鉄道局(キャリア官僚)の誰か?が起案して、親分(大臣)に決裁を求めたことになる訳ですが...

多分、地元のconsensus(総意)等は全く考慮(調査)しないで、(恣意的な)お役人根性むき出しで田中角栄先生の「列島改造論」の中のルート案をそのまま拝借したのでしょう?

はっきり言えば、恣意的(全く論拠の無い、自分勝手)な路線計画!という訳です。

北陸新幹線敦賀以西小浜ルート(※32)もいい加減ですが、一応3経路を比較検討した???ことにはなっていて???その意味では"まだまし"なのかもしれません...

参※31)当サイト内関連記事 交通政策審議会の答申とは与党政権・産業界の"思惑!"を表明しているにすぎない はこちら。

参※32)当サイト関連記事 北陸新幹線 ・ 敦賀以西・小浜ルート だけでは『 旧越前国 』は疲弊する?はこちら。

第3項 長崎県民にとってもメリットの無い"震撼線妄想"

長崎県民にとってもほとんどメリット(必要性)の無い"西九州震撼線妄想"ですが...

大阪・東京などの"遠隔地"からの(地元民や)ビジネス客の"鞍替え"はあまり期待できま線(せん)!

第1目 帝都東京・short!大阪とは既に♥空路で結ばれている!

福岡(大阪)⇔長崎間の中・近距離ならビジネス客・観光客共に「多少の鞍替え客の増加?」は見込める???かもしれませんが...

前途したように現状すでに帝都東京、商都(short!)大阪とは空路で結ばれており、長距離旅客アクセスではさほど困っていなかった!と思われます。

※事実小生も、営業マン当時は"しょっちゅう大阪⇔大村空港の空路"を利用していました!

第2目 結果 現在は「公共投資?」を嘯く血税投棄事業に...

つまり長崎新幹線を欲していたのは長崎の一般市民ではなく、巨大プロジェクトを漁っている与党運輸族(自民党本部)と、地上げ屋!に煽られた地元県議会議員(※21)だけに過ぎなかった!のではないでしょうか?

参※21)当サイト内関連記事 運輸族 ・ 地方議会議員 が 鉄道 新線を "建設したがる訳!" とは... はこちら。

★第2節 両県民の願いは旧 長崎本線 大村線 と 旧 有明線 の 高速化事業! だったのでは?...

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長崎県・佐賀県両県選出国会議員の先生方と建設に携わる"地元土建屋"以外は、

一般県民の誰も欲してないような「名が先」震撼線!

「整備新幹線建設ありき」で進んでいる西九州新幹線は「誰が!誰の為!に思いついた?」のでしょうか...

先日(2019年8月)与党整備新幹線推進PTが「長崎新幹線は引き続きフル(古)規格整備新幹線」で政府・地元に働きかける決意表明?を行ってお騒がせしていますが...

現在の「建設費スキーム(地元負担仕来り」と「JR押し付け制度」も下では、無理があった 西九州新幹線妄想!と言えるのではないでしょうか。

参※)当サイト内関連記事 新たな 高速鉄道整備促進法 の提案 はこちら。

第1項 長崎県民は長年旧長崎本線(大村線)の高速化望んできた!

地元沿線の皆さんはよくご存じの通り、有明線が1934年4月16日 に全通するまでは大村線が長崎本線でした!

参※)当サイト関連記事 忘れ去られた嘗ての長崎本線!"大村線" はこちら。

長崎市と佐世保を結ぶ大村線の電化が先決!では...

「名が先新幹線」なんぞより...県内第2の都市佐世保とを結ぶ大村線の近代化が先決では?

さらに、ハウステンボス⇔大村⇔諫早間大村線を新ルートに付け替えて"複線電化"して高速化する事を望まれていた方が多いのではないでしょうか?

第2項 長崎県民が有明線 に望んでいたのは完全複線化!

  • ●長崎⇔福岡間153.9km 直行特急かもめ2時間2分/4800円 最高速度130㎞/h 表定速度75.7㎞/h
  • ●博多バスターミナル⇔長崎駅前 高速バス 2時間50分/2620円

"かもめ"の所要時間が短くならない最大の原因は「列車交番」が出来ない単線区間!にありました。

博多⇔肥前山口 68.2㎞ 最速かもめ 48分 最高速度130㎞/h表定速度85.7㎞/hが

肥前山口⇔諫早間60.8kmでは 最速特急かもめ 54分最高速度120㎞/h表定速度67.5㎞/h!

諫早⇔(喜々津・市布)⇔長崎間 ( 喜々津⇔浦上間の新線部分16.8㎞が単線!)新線経由 24.9㎞ 最速特急かもめ 21分最高速度130㎞/h表定速度71.2㎞/h!

  • ●赤線 佐賀県内単線区間38㎞
  • ●青線 長崎県内単線区間40㎞(長崎本線区間23㎞+新線区間16.8㎞)
  • ●緑の線 現行複線区間

第1目 ボトルネックは肥前山口と浦上間の単線区間!

つまり、旧有明線(※21)(肥前山口⇔諫早間と新線・喜々津⇔浦上間の単線区間)がボトルネックになっていたのは明白!

長崎県民の皆さんは両区間を複線化して列車交換(対抗列車すれ違い待ち)の無い長崎本線全線複線化を望んでいた!のではないのでしょうか?

第3項 西九州新幹線 総工費の約1/3の4300億円程度で完成できていた ♥長崎本線 完全複線化事業

現行フル規格整備新幹線計画の総額1兆1千200億円に対して約1/3の4300億円程度で収まって、

更に新幹線並行在来線切り捨て問題も生じなかった!わけです。

第1目 長崎本線・喜々津⇔市布⇔浦上間(16.8㎞)の複線化に要する費用はたったの約2千億円程度

長崎本線新線の喜々津⇔市布⇔浦上間の複線化なら2000億円程度で収まった!

長崎本線新線部分喜々津⇔市布⇔浦上間(16.8㎞)には長大地下トンネル区間がありフル規格新幹線延伸計画区間同様に124億円/km/㎞かかったとしても2000億円程度。

※名西九州新幹線建設費Scheme(企て)長崎県負担金1千億円で「半額が賄えて」

いました!

諫早⇔肥前山口間60.8㎞ の 複線化に要する費用約2千3百億円程度

諫早⇔肥前山口間60.8㎞ は増線するだけなので60.8㎞x75.9億/㎞(長崎区間実績)x1/2(単線)≒2300億円程度。

※つまり現行フル規格新幹線の佐賀県負担額2400億円(佐賀県試算値)の範囲内で佐賀県内と長崎県に跨る長崎本線諫早⇔肥前山口間60.8㎞ が複線化できていました!

都市計画で佐賀県内区間38㎞の複線化を行っていれば軽い県民負担で済んだ!

本来ならば佐賀県内区間38㎞の複線化については、75.9億円/kmx38㎞x単線分1/2≒1千450億円についてJR;国;県で案分すれば良い訳で、数百億の負担金で済んだはずです!

一方の長崎県も75.9億円/kmx23㎞x単線分1/2≒873億 と新線部分の2000億円合わせて2873億円について、JR:国:県で案分すれば1000億円程度で済んだはず!

第2目 両単線区間77.6Kmを複線化するだけで♥14分短縮できていた!

全区間153.9㎞で特急かもめが1時間48分となり14分も時間短縮できていました!

参※21)当サイト関連記事 大廻り迂回路と廃線の歴史はこちら。

第3目 リレー方式ではスーパー特急方式に比べて10分以上ものロスタイム!

現状のキセル方式(リレー方式)では「スーパー特急方式に比べて10分以上ものロスタイム"」が生じることが明白であり、

ロスタイムの件を知らされていなかった長崎市民・県民を「欺いて迄」!佐賀県民に犠牲を強いる必要は全くないと思うのですが...

長崎県民の方(を代表しているおつもりのお偉い先生方)、国会議員・県会議員、JR九州、国交省鉄道局の皆さん、お堅い鉄頭をもっとソフト(ウェア)で「柔軟な発想」に変えないと、何時まで待っても「名が先震撼線」は完全開業出来ない!でしょう。

上下共に1時間たった2本の"かもめ"の為に、複線は必要ありません!

たった70㎞足らづ(69.6㎞)なら♥「単線並列」で在来線と仲良くする"手"もあります!

第4項 完全に問題のすり替え!

小生の愚妻の知人で、実母を東京の介護施設に残して佐賀大学に赴任しておられる先生は、

朝夕の時間帯だけにしか定期便がない不要不急空港?の代表のような「佐賀空港」でも...

『東京までひとっ飛びで"日帰り"できるので大変役に立つ空港だ!』と話されていたそうです。

第1目 佐賀県民が Inter-city traffic に利用するとは考えにくい!

この証言からもお分かりのように、現在WEB予約なら航空運賃のほうが安く、おまけに急ぐ人でも「名が先震撼線」と地下鉄を乗り継いでまで利用するとは考えにくいでしょう。

新幹線なら

佐賀駅←(新幹線)→博多駅←(地下鉄)→福岡空港←(空路)→東京羽田というような面倒なルートになりますが、

現状なら

バス(またはマイカー)→佐賀空港→羽田空港と乗り継ぎもいたってスムーズです。

ついでに暴露?すれば

長崎駅→(リムジンバス)→長崎空港→羽田空港 と長崎市民の方も困っておられません!

無理に長崎新幹線を利用しても、大村駅⇔長崎空港間はシャトルバスに乗り換えないといけなくなり面倒なだけです!

第2目 踏んだり蹴られ足り!の佐賀県県民

佐賀市のlocal trafficを考えた場合にも、仕方なく利用するのは「ビジネス客」や「観光客」だけ

同様に博多⇔佐賀駅間の近距離輸送を考えた場合でも、新幹線が通れば仕方なく!利用するのは「ビジネス客」や「観光客」程度。

佐賀県民の日常の足としては切り捨てられて3セク「鍋島藩営鉄道?」(※21)となる現行長崎本線を、地方割増高額運賃+初乗り運賃2重どりで利用させられて、その上に佐賀県(県民)は存続の為に高額補助金で支えるハメになります!

(参※21) 2022年9月23日西九州新幹線開業と同時に、鍋島藩営鉄道は一般社団法人 佐賀・長崎鉄道管理センターとして第三種鉄道事業を開始しましたが...

これも、中央省庁の権威主義・官僚体制の偽善です!

第二種鉄道事業を行い、Railway track(軌道)は旧来通りJR九州に第一種鉄道事業者として、維持管理させて、新たに嘗ての秋田新幹線車両保有(株)や山形ジェイアール直行特急保有の様な車両メンテナンスリース会社3セク鍋島車両リース㈱を設立して、長崎・佐賀両県の3セク鉄道事業者を一般独立行政法人HRTD(肥前地域交通事業団)として事業統合して第二種鉄道事業を行うべきでした。

現状の方式では、基金を使い果たせば、abandoned railroad(廃線)とならざるを得ない!でしょう。

参※当サイト関連記事 地域交通事業体 RTDの必要性! と"障壁"労働組合活動!とは... はこちら。

事実・特急が激減した鹿嶋市では

つまり、佐賀県民・佐賀市民にとっては、フル規格・長崎新幹線建設は建設負担金、3セク補助金、日常の高額運賃と3重苦を背負わされ何ら良いことにはならないし、これではもう踏んだり蹴ったり!

特急がほぼ"0"になった鹿嶋市の大学生は佐賀大学に通うのも大変な状況に...

※実際に有明線では問題が

心配なさっておられる 佐賀大学 の先生は

並行在来線→3セク転換扱いにならざるを得ない?現・長崎本線の先行きについて、

現在多くの学生が(隣接する)福岡県から「JR鹿児島本線⇔長崎本線直通快速で通っている佐賀大」の先生は...

「直通快速がなくなり、おまけに2社にまたがるようになれば初乗り運賃2重払い+地方交通線扱いの高額運賃の2重苦の憂き目にあい、福岡県から通学してくれている学生にとっては負担増になるので、『"志願者が減る"のでは...』と心配なさっておられます。

参※22)第2回 長崎新幹線部分開業後の長崎県は"私鉄王国"に?はこちら。

 

公開:2019年7月15日
更新:2024年2月25日

投稿者:デジタヌ

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