狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 鉄道の歴史は Wagon(荷馬車)用の"木道" から始まった !》ー第6回ー

第6回 Steel rail の量産化と普及

第1項 製鉄技術の innovation!

第1目  Bessemer converter と Open hearth furnace の発明で... 

1856年になってイギリスの Sir Henry Bessemer により Bessemer converter (転炉)が発明され、同年ドイツの Carl Wilhelm SiemensOpen hearth furnace (平炉)を発明しました。

翌年1857年に初めて Bessemer converter により製造された"鋼鉄製レール"を使用したのはイギリスの Midland RailwayDerby でした。

1864年にはフランスで大量生産が

1864年にはフランスの Pierre-Émile Martin が Open hearth furnace を改良して「鋼鉄大量生産が可能!となりました。

1877年に英国でリン除去に成功!

更に1877年、イギリスの Sidney Gilchrist Thomasの発明で"リン"を除去することが可能となり、これらの製鋼技術の進歩を受けて、"錬鉄製レール"に代わって鋼鉄製のレールが普及するようになりました。

(※つまり日本初の鉄道同様に19世紀末までは西欧でも錬鉄レールが主流だったわけです!)

第2項 Rail profile と輸送能力

Railway track(軌道)の主役である、レールと、枕木は鉄道の輸送力を決める重要な要素となっています!

第1目 Railway track(軌道)の規格

軌条 (レール)は、単位長さ(yd or kg)当りの重量(lb or kg)で細かくクラス分;Rail profile(規格化)されています。

基本単位「長さ当たりの重量」で kg / m(メートル法)で規定されていますが、元々は英国のBSのlb/yd規格(ヤード・ポンド法)が基本となっています。

更にUSAでは長年ASCE(アメリカ土木学会!)とアメリカ鉄道協会(ARA) では、各々独自に規格化されていましたが、1997 年にAREMWA(American Railway Engineering and Maintenance-of-Way Association)規格に統合されました。そして一般鉄道用(90 lb/yd(44.6 kg/m) (ARA)~150 lb/yd (74.4 kg/m) (ARA))と Crane rails (クレーン・その他輸送機用)12 lb/yd (5.95 kg/m)から175 lb/yd (86.8 kg/m)の2つのグループに分けられました!そして現状は75 ポンド/ヤード (37.2 kg/m) (ASCE)~155 ポンド/ヤード (76.9 kg/m) (ペンシルバニア鉄道特注!)までが幅広く敷設されており、

Transcontinental railroad(アメリカ大陸横断鉄道)や、広域に Intermodal container 事業を行っている♥一級鉄道(※0a)の幹線では、Double-stack rail transport(※0b)実施の為に 日本製鉄製の141 lb/yd (69.9 kg/m)AREMWA規格レールが使用されています!(※0c)

参※0a)当サイト関連記事 USAに於けるクラス分けと"♥一級鉄道"とは... はこちら。

参※0b)当サイト関連記事 Double-stack rail transport を実現させるには莫大な再投資が はこちら。

参※0c)一部のおバカな"紛い物"高痛怪節傾 Youtuber が Uplord している content で述べている80㎏レール説は裏付けの無い Fake バカ丸出し content と言えます。

当サイト内関連記事 今どきの 鉄道系Youtuber 鉄オタ・フリーター , ゴーストライター , 鉄道コラムニストとは?... はこちら。

※まさしく陸蒸気(船)!と呼んでも差し支えない陸上1万トン輸送!

露西亜では℔/m規格!が...

※1lb(ポンド)=0.45359237 kg

つまり、100 lb/m(45kg/m),75 lb/m(34kg/m)と言う、"査証(偽装)レール"が長年使用されていました。

参※)当サイト内関連記事 Siberia Shinkansen は Russian Big Talk! はこちら。

rural line(田舎路線)では...

別項で詳述した様に、rural line(肥えたご?路線)や、harbour railway、colliery railwayなどの branch line や spur track(引き込み線)、rolling stock yard(留置線)、side-track(側線)、等の yard track(構内線)には、

60 lb/yd ASCErail(30kgレール!) のASCE(アメリカ土木学会)最低ランクの鉄道用普通レールが使用されていました。

参※25)但し現在でも、小湊鉄道、などの rural line(田舎鉄道!)では当時の60 lb/yd ASCE rail(30 kg/m レール)が残っています!

さらに、嘗ての"軽便鉄道"や、"重量物輸送を行う forest railway(森林鉄道)でさえ殆どが 、45 lb/yd (22 kg/m )ASCEレール以下の軽レールで、一部の軽便鉄道では19世紀の Stephenson 当時の規格 28lb/yd(13.9 kg / m)レール!が使用され続けていて、殖民軌道などでは工事現場や構内軌道で用いられた(今では収取困難!な)(15kgレール!)軽レールが、使用されていました。

又レールを支える枕木・道床そのものも貧弱!だったために川越電気鉄道(西武大宮線)や名鉄高富線なども含めて、日常的に"脱線"を繰り返していたのです。

当サイト内関連記事 長良橋から先に伸びていた軽便鉄道!高富線 はこちら。

第3項 軌道等級と耐荷重&最高運転速度の関係

第1目 JR在来線を例に挙げると...

JR在来線を例に挙げると、JNR時代は長らく『国有鉄道建設規定』第61条では、枕木本数!による線路等級が細かく規定されていました。

後述するように、幹線・地方交通線共に75 lb/yd ASCErail(37kgレール!) を使用して、枕木本数:丁/10mで"等級付け"していました。

第2目 payload と Axle load

輸送力を決定付けるRailway trackの性能(制限)として、Axle load limitation(ton/axle) & payload( t/m)があります。

payload(ton/m)とは

これは主に、橋梁(連続高架橋)などの許容耐荷重設計値からきており、

車両総重量を全長(連結面間長さ)で除した値となっています。

(※25)静荷重とは静止状態つまりはカンカン(重量計)で計測できる荷重で、走行中の荷重を動荷重と称します。但し、動荷重は、走行状態(走行速度による縦揺れ、横揺れ)などで変化しますので、車軸ごとにロードセル(荷重センサー)を装着しないと実測は不可能です!

Axle load limitation; ton/axle とは

Axle load (軸重)とは、車両1軸当りの、"Railway track"に対するload(荷重)のことで、一般的には静荷重(※25)を示します。

(※なのでeccentricでincongruous(アンバランス)なloading(搭載)を行うと、最大積載重量以下でもAxle load limitation(軸重制限)をexcess(超過)することが有ります(特に truck輸送では))

USA(70kg/m rail 使用幹線)ではAxle load limitation(軸重制限値)は 24 ton/axle となっています。

USA一般路線(at 50kg/m rail track)

Association of American Railroads(アメリカ鉄道協会)規定、

  • ●Axle load limitation;22.5 tonnes (50kg/m rail)
  • ●payload Limit.;8 t/m

※Double-stack rail transport 対応幹線(70kg/m rail track)

  • ●BNSF main line; Axle load limitation♥ 24 ton/axle
ヨーロッパ一般路線 75 lb/yd rail track(37kg/m ASCEレール)
  • payload ; 6 ton/m,
  • Axle load limitation;20 ton/axle、

※なので、(トンネルの建築限界もあり)日本同様に Double-stack rail transport は行われていません!

Russian
  • ●payload limitation;6 t/m

main line 50kg/m ASCE rail (アメリカ土木学会規格!)

  • ●25 t/axle、
  • ●regional line 75 PS rail(75 lb/m=34kg / m)!20 ton/axleに据え置き

こちらも、日本同様に Double-stack rail transport には対応していません!

注※ Ton とはMKS(メートル法)単位だけの表記ではない!

Ton:t(トン) とはMKSでは1,000kgを意味しますが...日本の運送屋が好んで用いる尺貫法単位の"才(さい)"同様に長年ポンドヤード法に慣れ親しんだ(拘り続ける)米・英の運送業界では...

  • ●国際ポンドヤードを使用する アメリカでは 1t:2000lb=907.18474kg
  • ●"埃"高き強情者・英国病を病む イギリスでは 1t:2240lb=1016.0469088 kg

となっていて共に1t=1000kg ではありません!

第3目 Axle load の大きな要素 Railroad tie!

Railway track)にはRailとTrack gaugeを規制する tie(sleeper)枕木が重要な要件となっています。

つまり英語圏で一般的に"枕木"がsleeperではなくtieと呼ばれているのは、Track gaugeを規制する tie (cross member)としての大事な役割を果たしているからです。

日本の例では

日本を例に説明すると、JNR時代は長らく『国有鉄道建設規定』第61条で、線路等級が細かく規定されていました。

幹線・地方交通線共に75 lb/m ASCErail(37kgレール!) を使用して、枕木本数:丁/10m"等級付け"していました。

またrural line(田舎路線)harbour railway,colliery railwayなどの branch line では、60 lb/m ASCErail(30kgレール) と言うASCE(※27)最低ランクの鉄道用普通レールが使用されていました。

※KSとはローマ字の軌道が受ける静加重、つまりローマ字のKidou と"static load"(静加重)を組みあわせた"カタカナ造語"を略して、KSとした?所謂 Axle load limitation(最大許容軸重)と同じ値です。

※1965年以降は1級~4級に再構築。

特別甲線(1級) 50 kgTレール(現60kgNレールに更新中)

※東海道本線・山陽本線の極一部の幹線(いわゆる本社線)、開業当初の東海道新幹線も準拠)

※高速コンテナ列車対応

  • ※main line;幹線(110㎞/h)
  • ●枕木本数 16丁/10m(62.5 cm 間隔)
  • ●道床(Track Foundation)厚 200 mm!以上。
  • ●Axle load limitation;18ton/axle(KS18)(1965年以降の改正1級線以降18ton/axle)
  • ●payload limitation;6 t/m
甲線(2級) 75 lb/yd ASCEレール(37kg/m rail)
  • ※main line;幹線(100㎞/h)
  • ●枕木本数 15丁/10m(66.7 cm 間隔)
  • ●道床厚 200 mm!以上。
  • ●Axle load limitation;16ton/axle(KS16)(1965年以降の改正2級線以降17ton/axle)
  • ●payload limitation;6 t/m
乙線(3級) 75 lb/yd ASCEレール(37kg/m rail)
  • ※regional line;地方交通線(95㎞/h)
  • ●枕木本数 14丁/10m( 71.4 cm 間隔)
  • ●道床厚 200 mm!以上。
  • ●Axle load limitation;15 ton/axle(KS15)
  • ●payload limitation;5 t/m
丙線(4級) 60 lb/yd ASCE rail(30 kg/m ) 
  • ※rural line(regional line)harbour railway,colliery railwayなどのbranch line,(85㎞/h!
  • 相当こまめに保線を行わないと危険な速度!
  • ●枕木本数 13丁/10m( 76.9 cm 間隔
  • ●道床厚 150 mm!以上。
  • ●Axle load limitation;12 ton/axle(KS12)(1965年以降の改正4級線以降14ton/axle)
  • ●payload limitation;5 t/m

参※00f)南海天王寺支線、や伊達軌道を始めとする併用軌道事業、の殆ど!

参)、当サイト関連記事 南海電鉄の持つ大阪市に対する根深い不信感! はこちら。

参)、当サイト関連記事 東北・関東における元祖!広域LRT網"伊達軌道" 発祥の地 "福島市・伊達市" はこちら。

※構内の様子ですが、本線?部分も同じ開業当初の60 lb/yd ASCE rail(30 kg/m )が殆ど,

しかも道床0・バラスト"0"です!

"ひとの歩幅"よりも広い枕木間隔がよくわかります!

簡易線(等級外!) 60 lb/yd ASCE rail(30 kg/m ) !

spur track(引き込み線),や side-track(側線),Headshunt(機回し線),side-track(側線),rolling stock yard(車両留置線),などの yard track(構内線),及び一部の branch line!(45㎞/h!

  • ●枕木本数 規定なし!
  • ●道床厚 120 mm!以上。
  • ●Axle load limitation;10 ton/axle(KS10)
  • ●payload limitation;5 t/m

 

公開:2011年11月 7日
更新:2024年3月21日

投稿者:デジタヌ

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