連載『英語圏のYoutube鉄道動画や出版物で用いられる単語・用語・慣用句・記述について』ー第4回ー
第1項 Terminal
鉄道雑誌が(大学のお勉強よりも)大好きな鉄オタ最大の誤解表現がターミナル!
彼らYoutuberがよく間違う、カタカナ日本語表現では「結節駅」を表現したい?ようですが...
ターミナル駅を「頭端・ターミナル?」などと表現は、蛇足もいいところです!
鉄道系?に通う大学生Youtuber も、たまには真面目に大学に行きなさい!
終着駅(終端駅)がターミナル
Terminal とはそもそもが終端を表す言葉です。
田舎町江戸?では珍しい終着駅も、欧米や"なにわ"では当たり前で、これが本物のTerminalです。
但し、電気回路でも使われるように、ターミナルは node(結節点)としても利用されるのは事実ですが。
上野駅は、常磐線のターミナルで、東京駅の東海道新幹線、東北新幹線、中央線、京葉線ホームはターミナルと言っても間違いではありませんが...
東京駅んほ他の在来線ホームや、JR品川駅、JR渋谷駅、JR新宿駅、JR池袋駅は巨大ターミナルではありません!
渋谷駅では、東京メトロ渋谷駅(頭端ではありませんが終着駅です)、京王・井の頭線渋谷駅、そして嘗ての「東急渋谷駅」がターミナルで、新宿では、小田急、京王、西武がターミナル駅です!
鉄道の途中駅はターミナルとは言いません!
バス路線など「他の交通機関の中心・要となるHub station」若しくは「node station(結節駅)が正しい呼び方です!
駅前にあるOmunibusの終点ならば「バスターミナルを併設した鉄道駅」が正しい表現でしょう。
※こんなバカ丸出しの学生には、欠点・追試験、若しくは単位なし(再履修)!ぐらいの強い処置を講じるべきです。
英文Wikipediaなどの鉄道に関する記述で、度々出てくるCharter(チャーター)と言う単語は、日本では「憲章」と訳される場合もありますが"許認可"を与えるに行為です。
イギリス帝国とその分身?の米国では、railroadの前身となった、Canal(運河)事業も(ごく一部の例外を除いて)商用運河事業つまり民間企業が行う公共事業でした。
つまり日本各地で見られる有料道路「XXドライブウェイ」と同じで、通行料をとる"有料運河"でした。
しかし公民が利用する"社会資産"でもあるわけで、政府の許認可が必要だったわけです。
更に、大"後悔?"時代に、海外のcolony(植民地)開発、さらには海外との貿易(業)も国家のCharter(チャーター)が必要な事業となっていました。
英文で度々登場するTrackage rights(追跡権)とLeasing(リース)とは、日本の鉄道事業法で言うところの、第二種鉄道事業に当たる事業契約のことです。
最も、現状の鉄道事業法(1986年12月4日に公布)そのものが、1987年4月1日の国鉄分割民営化を行いやすくするために、諸外国の先例(制度・法律)を取り入れて日本国有鉄道法と地方鉄道法を統合して制定された法律なので、鉄道先進国・欧米諸国の制度が先と言うことになります。
第1目 Trackage rights
鉄道雑誌表現?(労働組合用語!)では"追跡権"???と訳されていますが...
日本語ウィキペディアの編者(労働組合関係者!)が翻訳に困った項目なのでしょう!
"機械式自走鉄道"発祥の地!イギリスで生まれた制度です
Trackage rights契約とは、「低頻度のレンタル乗り入れ」に関する契約で、rentalに当たります。
元々石炭輸送などの、馬車輸送用木道!有料道路だった木道(鉄道)なので(※31)、"定期通行契約!"の形で成立したのがTrackage rightsです。
$/1ton・mire(㎞)と言った風に、利用した輸送密度X走行距離に応じたレンタル料金決済が基本となります。
勿論、事業者間の協議内容(契約条件設定)により、、所有者(第一種鉄道事業)の排他的条件が加わり借り手(第二種鉄道事業)が随意(ダイヤ)に利用できない場合もあります。
また後述するAmtrakのように(第一種鉄道事業)鉄道会社(貨物)の運行に、優先して運行されている場合も在ります。
参※31)当サイト内関連記事 鉄道 の 歴史 は荷馬車用の" 木道 "から始まった ! はこちら。
JR貨物同様の第二種鉄道事業!
日本ではJR貨物の第二種鉄道事業が正しくTrackage rights契約に相当します。
JR各社や3セク極貧!regional road(地方交通線)に乗務員込みで「乗り入れている」JR貨物の貨物営業(第二種鉄道事業)がTrackage rights契約そのものです。
有名なKeddie Wyeでは
例えば撮影スポットとして有名なKeddie Wyeでは、UPとBNSFの貨物列車が橋上で"合流"していますが...
※画面左方向がBNSFのSeattle(Tacoma)方面、右がUPのOgden(オグデン)方面となります。
UPのDenver North Yard⇔Salt Lake ⇔Oakland container terminal 間は BNSFとTrackage rights 契約をしており、更に、旧ATSFの大陸温暖の西の起点Long Beach 港(ロサンゼルス)⇔Oakland container terminal(Sacramento)⇔本拠地Tacomaに至る西回廊も、一部区間以外はUPの路線となっています。
なのでこの区間もTrackage rights 契約で旧BN路線と旧ATSF路線間を繋いでいるわけです!
Amtrak もTrackage rights契約運行!
「自社で路線も有する!」Amtrakは長距離のinter-city passenger traffic(都市間旅客)便については、鉄道各社から上記Trackage rights(レンタル)契約で路線を借りて運行されています。
但し、Amtrakに関する特別立法で、借り手側の「Amtrakが優先的に使用できる排他契約!」となっています。
なので、Amtrakの列車を(ダイヤ通り)優先運行させるために、鉄道会社の貨物列車が待機を行うという本末転倒の事態?も生じているわけです。
国策会社であっても"民間企業"なので、BNSFが"根を上げて"路線使用料の"値上げ"を持ちだしたりするわけです!
※同じようにJR北海道がJR貨物に利用料の値上げを持ちかけていますが...両社ともにJRTT(※93)の100%子会社なので、内輪もめであり"世間の風当たりを躱すポーズ"にすぎませんので事情が異なります!
参※93)当サイト内関連記事 JRTTが改組できれば 地方の 鉄道事業者 にも未来への希望が... はこちら。
日本で近い旅客営業は
- ●北近畿タンゴ鉄道(KTR)
- ●伊勢鉄道(全区間にJR東海が乗り入れ)
- ●土佐くろしお鉄道株式会社(全区間にJR四国が乗り入れ!)
- ●井原鉄道井原線(総社 - 清音間 3.4 kmJR伯備線区間)
- ●鹿島臨海鉄道(鹿島サッカースタジアム⇔鹿島神宮間 JR鹿島線)
等で行われているJR特急列車の「乗務員込みの"乗り入れ"」第二種鉄道事業がTrackage rights契約運行!ということです。
JR西日本の特急列車(快速列車)が乗務員込みで"直通乗り入れ"したりしていますが、KTRそのものが上下分離方式で第三種鉄道事業となっているので、JR西日本と京都丹後鉄道が第二種鉄道事業を共同で行っているわけです。
但し、日本では井原鉄道、伊勢鉄道・泉北高速鉄道(※33)の場合などの様に、乗り入れ先の鉄道会社の運賃収入になるために初乗り運賃が加算されて割高となっていて利用客にはメリットが無い手法です。
※現在は路線のみを所有する第三種鉄道事業者の神戸高速鉄道ですが、嘗て"鉄道事業法(1986年公布)"が出来る前に当たる設立当初は、(車両は(直通会社の)借り物でしたが)運行管理業務担当、駅員、乗務員も所属している地方鉄道でした。
参※33)当サイト内関連記事 御堂筋線が泉北高速に直通出来れば...初乗り運賃3重取りが♥解消!される はこちら。
第2目 Operating
Operatingも日本で言うところの第二種鉄道事業に当たりますが...
USAの場合は、"業務委託"に当たる手法をとっている点です。
つまり、旅客営業路線を対象に考えているのではなく!
大工場などの構内線・引き込み線の運行を、運輸専門業者が車両持ち込みで受託運行する場合に相当します。
鉄道会社が、鉱山会社などの「企業が所有するspur track(引き込み線)での運行を請け負う(受託)」する事で、いわば「車両持ち込みの派遣事業」と言うことになります。
製鉄所などの構内で、運輸事業者(子会社)が運行している構内線がそれです。
また、一部の臨港鉄道が行てっている、引き込み線・構内線への貨物の「受け渡し」運行もこれに相当します。
旅客営業では関西国際空港・成田国際空港が
有名な?関西国際空港では、南海・JR共に日根野⇔関空間、"りんくうタウン⇔関空間"の第二種鉄道事業を個々にOperating(業務受託運行)しているのと同じで、成田国際空港も同様です。
(※トラック運輸業界の"カタカナ英語スラング"で言えば、「チャーター便」と言うことになります)
なので、spur trackその物は「企業の所有物」で、メンテナンスは企業側の負担となりますが、実際には"別料金"で軌道メンテナンスも請け負っている場合もあるようです。
事故などの運行上の責任は前途したTrackage rights同様に運行会社の責任となります。
第3目 Leasing(リース契約)
長期間に渡りLease(リース契約)を行う事で、日本では2通りのLease契約があります。
整備新幹線に代表されるように、鉄道施設をJRTT(旧鉄建公団)(※94)が建設所有して第二種鉄道事業に設備リースを行う手法と、第三種鉄道事業者がて第二種鉄道事業者に、Leasingする手法です。
参※94)当サイト関連記事 "鉄拳公団"が擬態しただけのJRTT ・独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 とは... はこちら。
1)については、整備新幹線以外では...
旧鉄拳公団!(現JRTT)が建設して、鉄道会社にリースしている、伊勢鉄道㈱、㈱東海交通事業城北線などがこれに当たります。
2)の例としては...
在阪の3セク第三種鉄道事業は(ごく一部の不心得者を除き)ほとんどこの方式です。
- ○ 1974年7月10日設立 株式会社大阪港トランスポートシステム(大阪メトロ中央線大阪港以西)
- ○ 1988年5月25日設立 関西高速鉄道株式会社(JR東西線、)
- ○1996年11月21日設立 大阪外環状鉄道株式会社(おおさか東線)
- ○2001年7月10日設立 中ノ島高速鉄道(京阪中之島線)
- ○2001年7月10日設立 西大阪高速鉄道株式会社(阪神なんば線)
- 〇 1994年6月15日開業 新関西国際空港㈱(関空線(関西空港駅⇔りんくうタウン駅)JR・南海共同運航)
更に現在建設中の「なには筋線」(※34)も関西高速鉄道株式会社の路線として建設されています。
初めから第三種鉄道事業者として鉄道路線を建設して、第二種鉄道事業にLeasingするわけです。
この方法が利用者にとっては最もメリットがある手法!となります。
何故ならば、運行を担当する第二種鉄道事業が自らの路線網に組み入れられるので、東葉高速鉄道(※35)のような初乗り運賃2重取り&高額運賃規定から解放!されるわけです。
参※34)当サイト内関連記事 なにわ筋線 が おおさか東線 を大ブレイクさせられるか?... はこちら。
参※35)当サイト内関連記事 東葉高速鉄道の利用客を" 高額拘束鉄道 "から開放するには関西を見習って第三種鉄道事業に... はこちら。
なにわ筋線の唯一の?美点定額(低額)運賃
★
なにわ筋線運賃はJR特定区間運賃が基本に
通常第三種鉄道事業区間を共用する"乗り入れ方式"(関空方式!)では、安い方の運賃規定を適用する申し合わせとなっています!
何れも(2023年4月1日現在)
南海電鉄
- ♥初乗り区間(1~3㎞) ¥160-
- ●2区 4~7㎞ ¥210-
- ●3区 8~11㎞ ¥260-
JR西日本(電車特定」区間)
- ♥初乗り区間(1~3㎞) ¥140-
- ●2区 4~6㎞ ¥170-
- ●3区 7~10㎞ ¥190-
共用区間
大阪駅地下ホーム⇔西本町 営業距離 2.8㎞では、
JR・南海共通 ¥140-/現金
南海運賃区間
大阪駅地下ホーム⇔南海難波 営業距離 5km
¥210-/現金
JR運賃区間
大阪駅地下ホーム⇔JR難波営業距離 4.6km ¥170-/現金
鉄道事業者にとってのLeasing(リース契約)のメリット
本来のリース物件(建物)はリース会社が所有して、長期貸与を行う案件なので、利用者側は減価償却は考えなくてよい"経費扱い"(非課税)となり、固定資産税はリース会社負担となります。
なので、企業全体として収益が上がっていれば!?経費処理のできるLeasing物件は第二種鉄道事業にもありがたいわけです。
米国では
「長期リース:有償貸与施設」は経費扱いが出来て、固定資産税も免状されます。
契約条件(内容項目)次第ではJR貨物のコンテナターミナルのように、「借用路線内に鉄道事業者が独自の施設」を設ける契約も可能なようです。
但し日本国内のJRTT(旧鉄拳!公団)物件では
JRTT(旧鉄拳!公団)(※36)物件ではJRTTが信販会社のように、建設費を割賦(長期ローン)で回収しているだけで、鉄道施設の名義は、各鉄道会社(城北線はJR東海)の登記資産で、固定資産税もJR東海が払っています。
旧鉄拳公団(JRTT)がらみの"鉄道"は長期ローン扱い、つまり第1種・第3種の鉄道事業者が、事業税とは別に固定資産税も支払っています。
更にややこしいのは、長期ローン(割賦)で、自らの所有物であるはずなのに...
自由に"改築"が許されない"特別立法"案件なので、城北線を電化したり、勝川駅まで延伸して中央線と接続すると、追加工事部分の支払いが加算されて、"支払期間も延長"されてしまうために、「哀れな姿」をさらけ出しているわけです。
参※36)当サイト内関連記事 JRTTが改組できれば 地方の 鉄道事業者 にも未来への希望が... はこちら。
第4目 その他の表現
District
Districtとは直訳すると地域・地区でzoneと同意語ですが、交通機関Transportation(traffic)に用いる場合には、カタカナ日本語の"サービスエリア"とおなじ意味、つまり営業範囲を表します。
passenger service と full service
旅客営業を passenger service と呼び、貨物営業は freight transportation(貨物輸送)となり、
全て行っている鉄道をfull service(貨客営業)と表現します。
つまり現在日本では、full service を行っている路線は有っても、full service(貨客営業)を行っている鉄道事業者は、一部の民鉄・私鉄に限られています!
(※)有名どころでは、秩父鉄道、三岐鉄道、水島臨海鉄道等ごく一部に限られています。
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公開:2022年1月 1日
更新:2024年3月23日
投稿者:デジタヌ
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