連載『 つくばエクスプレス(TX)茨城空港延伸計画!では"南北対立"は解消できない!』ー第5回ー
生い立ちが"開発鉄道"である"首都圏新都市鉄道㈱"の沿線宅地開発事業も、茨城県下では前途した背景で「首都圏に出稼ぎ?に入っている人達」からは敬遠されています!
"つくばエキス"プレスの守谷以遠の旅客需要が思ったほど伸びないのは、つくば学研都市のとん挫!とも関連があります。
つまり、当初の期待通り"つくば市"に、「魅力ある企業(本社)を引き連れて"永田町"がお引越し」してくれて、つくば副首都が実現できていれば...
つくば駅前のデパートも敗退しなくて済んだでいたでしょう。
帝都東京の下僕!から♥茨城県を背負って立つ「経済の中心地」に脱皮できていたわけです!
第1項 武漢ウィルス総攻撃にあっている現状では大義名分が...
「水戸のご老公(知事)」さんは2018年当時、比較的裕福な「沿線自治体の地上げ勢力(※10)を煽って」「つくば新都心のセールスポイント!」、TX空港アクセス線延伸構想をぶち上げられたのでしょうが...
参※10)当サイト内関連記事 運輸族・地方議会議員が鉄道新線を"建設したがる訳!"とは... はこちら。
第1目 現在予定されている延伸ルートは
★
現在予定されている延伸ルートは、図中の紫ラインでしょうが...
"茨城空港が目玉"になっていますが、嘗て「石岡駅から鉾田迄伸びて潮来市を目指していた」"鹿島鉄道"の当初計画をリバイバルしたものにすぎません!
つまり、廃線になり現在日本版BRT(※11)関鉄グリーンバスが走っている路線と大して変わり映えのない路線です。
TXつくば駅からの延伸であっても、嘗ての常磐線の石岡駅からの盲腸線でも、"東京"⇔茨城空港ではさほどの利用客は見込めません!
つまり、「つくば市」そのものがMetropolis(大都市)になり、行方⇔つくば駅間の通勤利用客ができないと、鹿島鉄道同様にabandoned road(廃線)となることは目に見えています!
参※11)当サイト内関連記事 廃線への(軌)道を走り続ける日本版BRT... はこちら。
つくば市
- ●推計人口 252,481人(2022年10月1日)
- ♥標高20m~標高30mの平坦な(安全な)好立地にある!
つくば市が、東京都から「大手企業の本社」を奪い、地域経済を背負う中核都市に成長して、"自給自足"出来るMetropolis(コンパクトシティ-※12)を目指さない限りは、つくばエクスプレスの守谷⇔つくば間の利用客増加は見込めない!でしょう。
更したからといって、通勤客(&昼間利用者)増加は見込めません!
参※12)当サイト内関連記事 コンパクトシティー 構想は"痛み"と"都市災害"が内在する大博打! はこちら。
土浦市
推計人口 141,980人(、2022年10月1日)
(※以下何れもコロナ禍以前2019年度一日平均利用者数(乗車のみ)
- ●荒川沖駅 一日平均利用者数 8,158人
- ●土浦駅 一日平均利用者数 15,956人
- ●神立駅 一日平均利用者数 5,572人
石岡市
推計人口 71,173人人(、2022年10月1日)
- ●高浜駅 一日平均利用者数 1,118 人!
- ●石岡駅 一日平均利用者数 5,591人
- ※関鉄グリーンバス(BRT?)利用者不明
小美玉市
推計人口 47,753人(、2022年10月1日)
- ●羽鳥駅 一日平均利用者数 2,290人!
※茨城空港利用所数 年間利用者数/2019年度
- ●国内線 635,279人(※2021年度 ↓ 126,648人)
- ●国際線 140,723人(※2021年度 ↓ 0人)
鉾田市
推計人口 44,991人(、2022年10月1日)
- ●涸沼駅(鹿島臨海鉄道線)一日平均利用者数 248人!/2018年度
- ●鹿島旭駅(鹿島臨海鉄道線)一日平均利用者数 344人!/2015年度
- ●徳宿駅(鹿島臨海鉄道線)一日平均利用者数 68人!/2018年度
- ●新鉾田駅(鹿島臨海鉄道線)一日平均利用者数 1,513人!/2018年度
- ●北浦湖畔駅(鹿島臨海鉄道線)一日平均利用者数 30人!/2018年度
- ●大洋駅(鹿島臨海鉄道線)一日平均利用者数 262人!/2018年度
- ※関鉄グリーンバス(BRT?)利用者不明
行方市
推計人口 30,965人(、2022年10月1日)
※鉄道駅なし。
現在、陸の孤島!状態が続いている行方市ですが...
後述するように、E51東関東自動車道が、延伸開通する予定です。
つまりやっと高速バスで東京と直結できる!見通しが立ったわけです!
間繋ぎで麻生港⇔徳島乗船場(潮来市徳島)間にジェットボートを運行して、高速バスに接続する手もあるでしょう!
第2項 東京都のベッドタウン!のままでは...
- ♥赤ラインが東京都心部(お堀端)まで直通しているライン
- ●イエロー電車マークは系統分離(昼間終着駅)
- ♥紫電車マークは新幹線接続駅
第1目 帝都通勤には役立ちません!
つくば市がオフィスエリアとなり茨城経済を背負う中核都市に成長しなければ...
現状、東京23区内の企業に通勤している(共働き世代の)人たちは、23区内の都市型高層集合住宅(タワマン)など、東京駅から50㎞圏内の物件に魅力を感じだしおり、
(住人流出(転出)で)"過疎化傾向"が顕著な"つくば市以遠の茨城県北部に延伸しても、持続可能な鉄道事業とはならないでしょう。
つまりタワーマンなど首都圏内の住宅事情の充実で、首都圏内での住居確保が十分に賄えるようになってきているわけです。
いわばコンパクトシティー(※13)の首都圏版で、"大株主"である東京都としては「無意味なインフラ投棄」は避けたい思惑もあるからです!
参※13)当サイト関連記事 全国の 中核都市 は コンパクトシティー を目指している! はこちら。
第2目 想定事業費9,750億円!をどうするつもりか...
つくば⇔麻生(行方市)間総延長約65km
150億円/㎞(※14) X 65㎞≒9,750億円!以上
※、建設当初とは異なり、特別立法(無利子政府融資)は適用できず!
更に、利益誘導事業に当たるので、都市計画指定もできま線(せん)!
つまり全額、首都圏新都市鉄道株式会社の自己調達資金!で賄わなければなりません!
JRTT(※15)が40年ローン(リース契約)で引き受けてくれる?としても、年間 244億円しかも、年間2%程度の利子が加わるので、年間約249億円以上!の県民負担!が...
参※14)2019年現在連続高架橋鉄道新線建設の相場!
参※15)当サイト内関連記事 JRTT 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 が改組して総合リース業になれば... はこちら。
旅客収益で賄うのはとても不可能!
旅客収益で賄うのはとても不可能!です。
つまり沿線6自治体が赤字補填をすることになります。
いくら、優良企業?をたくさん抱えて、事業税・固定資産税があるといえども、毎年ローン249億円以上!+運行赤字数十億円!合わせて年間300億円!の巨額を、6自治体(589,343人)の血税投入で補填することは不可能です!
更に、茨城県(推計人口2,841,084人、2022年10月1日現在)と建設スキーム(※16)を分かつとしても、関係のない一般県民に負担がかかり、さらには沿線自治体市民は2重払いさせられることになります!
ごく限られる沿線利用者の為に、県民市民の血税を投入することには反対が巻き起こるでしょう!
つまり、6自治体が約59万人の市民を欺けても!、2百25万人以上の県民が、血税投棄を認めるとは考えられません!
参※16)当サイト内関連記事 スキームの語源となった外来語 Scheme は "企み!"を表す単語で言い得て妙 ... はこちら。
第3目 Municipality の財政悪化に繋がって終います!
更に、仮に新駅周辺に中小デベロッパーによる住宅街が形成できたとしても...
持続可能な都市開発(固定資産税評価額UP)には繋がりません!
つまり、一時的に駅前の地価が高騰しても...戸建て住宅物件の買い手(住人)があっての「捕らぬ狸の皮算用」で、(買い手が付かずに)地権者が更地(住宅用地)の税金対策!で駅前駐車場として凌ぐだけになり、したがって税収アップに繋がるどころか、年々(地価の下落!で)税収も目減りして、元の木阿弥となって終うでしょう!
更には、駅前駐車場が増えることによって、パークアンドライドが可能となり、駅から離れた郊外に無秩序に一戸建ての住宅地が広がり、上下水道、ゴミ収集、公道整備などのインフラ整備の歳出が増加して、Municipality(自治体)の財政を悪化!させてしまうことにも。
(※17)首都圏ではこうした駅前パーキングが急増しています。
以下は上越・北陸新幹線停車駅!熊谷駅前に広がったパークアンドライド用民間駐車場!
参※17)当サイト内関連記事 "まちつくり3法"は持続可能な都市開発を阻害している! はこちら。
第3項 Rural line 駅周辺には大学が必要!
『持続可能な Rural line 』を維持するには最低限の利用者!が必要です。
特に本格的な鉄道事業には、嘗ての明治維新の鉄道黎明期とは違い、軌道の維持管理・設備更新に膨大な費用が掛かるようになっています!
つまり、嘗ての鉄道黎明期は殖民軌道・簡易軌道の様に、道路建設よりはるかにお手軽だったわけですが...
今や、軌道設備・信号設備の保線に莫大な維持管理・設備更新費を擁するご時世となっています。
参※★)当サイト内関連記事 嘗ては手軽な輸送手段だった?"鉄道" はこちら。
競合するバス路線などとの絡みで利便性が要求されている
更に都市間鉄道(地方交通線)でも競合する高速バス路線などとの絡みで、ある程度の利便性(運行本数)確保が要求されています。
つまり、最低3両編成!で運行するとしても 昼間20分間隔(時間当たり3往復)!ラッシュ時12分間隔(時間当たり5往復)は確保しないと、利用者が本数の多い!バス路線に流れてしまいます。
TX-2000系電車6両編成だと
つまり、守屋以遠で運行されている交直両用TX-2000系電車6両編成を引き続き使用するとすれば、
乗車定員 916名(座席318名)
(※定員とは座席数とつり革数の合計で、この状態でも新聞・週刊誌(スマホ!)が楽に広げられる状況を指します。そして設計満員!は日本では伝統的に定員の155%!として算出されています。
つまりTX-2000系電車6両編成では≒1420人/編成まで、は最高連続運転速度130㎞/hで難なく!輸送出来る仕様となっています。
更に通常、最低!でも座先が満席にならないと、採算が合わない運賃設定となっています!
つまり、乗車率;35%以下(座席318/定員916 )では赤字運行間違いなし!となります。
昼間9時→17時
編成乗車定員 916名!(うち座席318)X 3=2,748名!/時間 X 8 =21,984人!
ラッシュアワー帯 6時→8時 &18時→20時
編成乗車定員 916名!(うち座席318)X 5=4,580名!/時間 X 4 =18,320人!
早朝深夜帯 5時→7時 &21時→23時
編成乗車定員 916名!(うち座席318)X 2=1,832名!/時間 X 4 =7,328人!
つまり 47,632人/日!もの利用者が必要となります!
往復での輸送密度は
95,264人!となり、これだけの利用客は沿線に大学が2つ3つあっても難しい数値となります!
更に、現状の常磐線各駅の利用状況を考えると、つくば駅で3両編成に増解結して短編成で運行したとしても、座席すら埋まらず、つまり乗車率は
座席318/定員916 ≒35%以下!
これでは採算レベルに乗せる黒字化!は不可能でしょう。
つまり、未来永劫ともに、TXの延伸部分は赤字路線となり、沿線自治体の市民の血税を投棄!(運行補助)しなければならなくなります!
公開:2022年11月 4日
更新:2024年4月 1日
投稿者:デジタヌ
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