Essay『 高額3セク鉄道の問題点は第一種鉄道事業への拘り!』ー第5回ー
※ここをクリックするとこの Content の Opening に戻れます!
第0項 首都圏、名古屋都市圏、大阪都市圏の3大都市圏を除いては...
LRTは" 地方の中核都市を核とする"広域交通"なければなりません。
しかもシームレスに市街中心部(ビジネス街や繁華街)に乗り入れる広域交通網でなければ成功しないでしょう。
現在日本各地で計画されているLRT新設とトラム導入計画を見ると、「地方都市周辺の"広域交通網"の一翼を担う。」と言う部分が欠けています。
単なる懐古趣味で、市街地だけの路面電車(併用軌道)の復活を目論んでも、結局はマイカーからの転向(モーダルシフト)はなしえないでしょう。
例えば、カールスルーエ方式を見習い、地方都市近郊のJRの interurban (都市近郊線)などを取り込んで、広域交通として検討する必要が有るように思われます。
♥首都圏においては...
♥Megalopolis(首都圏)においては、JR maine line 自体の線路容量に余裕がなく!、
local line の直通乗り入れは不可能に近く、あくまでも首都圏を除いた「地方の政令指定都市・中核都市」でのお話!となります。
エコロジー問題
現在日本各地ではやっている、"超低床トラムカー"だけに拘らず、 interurban (都市近郊線)に投入する場合は、
カールスルーエタイプのトラムトレイン方式も再検討してみる必要があるでしょう。
つまり鉄道線に直通しても安定して中高速(80㎞/h)運行が可能なトラムトレイン(※41)を開発・量産化する必要が有ります。
参※41)当サイト関連記事 トラムトレイン方式(カールスルーエタイプ)とは? はこちら。
2021年現在大都市では、ユニバーサルデザイン対応に名を借りたホームドア設置圧力(※42)が加速しているので、輸送密度8000人以上の中核都市近郊ローカル線では、
高床トラムトレインタイプは自らの首を絞める結果!となる可能性が高いのです。
★第1項 バリアフリー対策・ユニバーサルデザイン化には毎年巨費が必要!
新交通システムや日本跨座式モノレールなども含め連続高架橋や、地下鉄などの立体交差事業や橋上駅舎化事業では、 バリアフリー法((2006年12月20日施行)とユニバーサルデザイン政治圧力に対応するために、
巨額の初期投資と(設備維持管理の為に)毎年の巨額出費が必要となります。
第1目 バリアフリー対策が...
これらの立体構造の駅では、バリアフリー法に対応させるために、エレベーター、エスカレータが必須となります!つまり駅施設が利用者数に係わらず大掛かり!となるのです。
バリアフリー法圧力で本末転倒に!
福井市(福大前西福井駅)、長野市(長野電鉄本郷駅)などでは、せっかく設備した橋上駅舎の使用を断念して廃止しています!
更に更に、長野電鉄(長野市)では2006年12月20日バリアフリー法が施行されて以降、
御自慢の地方都市初の地下鉄区間!(長電長野駅(始発駅)、市役所前、権堂駅、善光寺下駅)4駅で、
バリアフリー法対応(エレベーター設置)の為に、複数あった出入口通路を閉鎖!して集約!してしまいました。
これでは全く"本末転倒!"としか言いようがありません!
★
第2目 ユニバーサルデザイン対応には
※ホームドア このお金(20億円!)は"誰(自民党?共産党?)の懐"を潤した?のでしょうか...
さらに厄介!なのが、ユニバーサルデザイン対応、つまりホーム転落事故防止柵;ホームドア設置!です。
とても財政基盤が脆弱な地方都市・地方私鉄では設備できる代物ではありません!
ホームドア設置には毎年巨費が!...
ホームドアを導入するには、現行のCTC(列車集中制御装置)+ATS(自動列車停止装置)を、CTC+ATO(自動列車運転装置)or TASC(定位置停止装置)に改修する必要があります!
つまり信号設備(地上設備)、走行車両共に大規模改修!が必要で、巨額の refinance(再投融資)を必要とします!
参※)当サイト関連記事 ユニバーサルデザインはホームドア業界・政治圧力!の"隠れ蓑!" はこちら。
第3目 大きくのしかかる毎年の維持管理・設備御更新費!
更に、これらの付帯設備は、一度設置すれば永久に使用できる設備ではありません!
設備には必ず"耐用年数"の呪縛!という政治ゴロの「裏金造りの資金の流れ罠(trap)」が隠されているのです。
なので、賢明な地方都市ではこれらの設備が"不要!"な低床 Tramcar を用いたLRTの導入が進められています。
参※)当サイト関連記事 芳賀宇都宮LRTは政令指定都市・宇都宮市に至る光明 "ライトライン" となれるか?... はこちら。
参※)当サイト関連記事 今や内需拡大の標的となった"1兆円市場"!軌道会社・鉄道事業者 はこちら。
第4目 LRT(超低床鉄輪トラム車両使用)だと
26億円/㎞x13.4㎞約349億円!(車両購入費別、宇都宮トラム実施計画より算定)
何と新都市交通の1/10!
※参考、北陸新幹線建設でも 147億円/km
- 宇都宮ライトレール 26億円/km(14.6km 約380億)
- 新都市交通 大阪市長堀鶴見緑地線高架線 239億円/Km
- 地下鉄建設 なにわ筋線計画 470億円/km!
駅前通りに関してはお国の助成も受けられます
※参0)2011年国土交通省編街路交通施設課作成 LRT等の都市交通整備のまちづくりへの効果 公式ガイダンス資料はこちら。
※参0)LRTだBRTだたおとの整備等に対する総合的な支援スキーム に関する公式ページはこちら。
※国交省の支援で見違えるようになった豊橋市内
★
参※21)当サイト関連記事 大都市圏の"ローカル線"をホームドア設置圧力!から守り"廃線"の危機を回避するには"超低床トラムカー"の導入しか...はこちら。
参※22)当サイト関連記事 トラムトレイン方式(カールスルーエタイプ)とは?はこちら。
第5目 地方の政令指定都市では...
仙台市の場合
- ●宮城野区内併用軌道から仙山線小鶴新田以遠へ
- ●青葉区市内併用軌道から仙山線国見以遠へ
新潟市の場合は
- ●東区内併用軌道から白新線 東新潟以遠へ
広島市の場合は
- ●中区広島市役所から呉線海田駅以遠への 3セク狭軌新線など
- ●同じく広島市役所から府中町軽油芸備線矢賀以遠への3セク狭軌新線など
郊外の新路線建設に当たっては、「従来からの幹線道路に併用軌道を設ける。」安直な考えは捨て!
主要幹線道路から一筋離れたぐらいの"裏通り"ないしは"旧街道"などを、トランジットモールすなわち車道を持たない歩道(側道)と専用軌道だけの"一般車両進入禁止道路"として、従来よりある幹線道路との"干渉"を出来るだけ避ける"配慮"が必要だろう。
「人とトラムは共存できても、車とトラムは共存しにくい」現実を認識するべき!
トラム文化の先進国?ヨーロッパでは"トランジットモール"などのマイカー規制策を講じている都市が多い。
何故なら、車道併用区間では「車をいくら排除しても、右折車の軌道進入は避けることが難しく」この事がトラムの定時運行を妨げる最大の要因となっている場合が多いから。
幹線道での併用軌道併設に拘るのであれば、併用全区間車両"右折禁止"など思い切った処置が必要と成る。
♥日本一整備された軌道を軽快にトラムカーが駆け抜ける、まるでヨーロッパの街並みのような!鹿児島市
公開:2008年7月 6日
更新:2024年11月 4日
投稿者:デジタヌ
Essay『 高額3セク鉄道の問題点は第一種鉄道事業への拘り!』ー第4回ー< TOP >Essay『 日本の高額3セク鉄道の問題点は第一種鉄道事業への拘り!』ー最終回ー
▲三セク交通事業者調査班へ戻る