狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載『JRTT ・独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構は"鉄拳公団"が擬態しただけ...』ー第5回ー

★附節その1 "鉄道事業者"の落とし穴は"軌道設備の維持管理費"

(Version1,Revision3 ー2023年10月17日改訂)

第0項 軌道事業は大きなハンディーをかかえている

※本稿は当サイト内関連記事 鉄道事業は軌道維持管理というハンディを抱えている の Digest edition です。

第1目 Railway track は公道ではない!維持管理は鉄道事業者負担!

highway(一般公道)は行政(国交省・県・地方自治体)が管理(点検・保守)していますが...

railroad(鉄道)は鉄道事業者軌道会社の Private road(私道;固定資産!)なので、事業者自らが維持管理;点検・保守(補修)負担する必要があります!

逆に言うとこれらが、道路管理者任せで済む乗り合いomunibus(乗り合いバス)にとって、大きな優位性になります。

つまり車両の、維持管理・設備更新だけで良いわけです。

なので、omnibus(乗り合いバス)事業は、定員に遥か満たない、空気輸送に近い状態でも、何とか採算ベースを"意地"出来るわけです。

第1項 payload と Axle load

輸送力を決定付けるRailway trackの性能(制限)として、Axle load limitation(ton/axle) & payload( t/m)があります。

第1目 payload(ton/m)とは

これは主に、橋梁(連続高架橋)などの許容耐荷重設計値からきており、

車両総重量を全長(連結面間長さ)で除した値となっています。

この値は、使用するRail profile (レール)と枕木(本数)によって制限されます。

(※後述するように、BNSFのtranscontinental railroadでは141 lb/yd (69.9 kg/m) railを使用することにより推定40 t/axle!まで引き上げています)

第2目 Axle load limitation; ton/axle とは

Axle load (軸重)とは、Wheelset(輪軸)1軸当りの、"Railway track"に対するload(荷重)のことで、一般的には静荷重(※25)を示します。

(※なのでeccentricでincongruous(アンバランス)なloading(搭載)を行うと、最大積載重量以下でもAxle load limitation(軸重制限)をexcess(超過)することが有ります(特に truck輸送では))

(※25)静荷重とは静止状態つまりはカンカン(重量計)で計測できる荷重で、走行中の荷重を動荷重と称します。

動荷重は、走行状態(走行速度による縦揺れ、横揺れ)などで変化しますので、Wheelset(輪軸)ごとにロードセル(荷重センサー)を装着しないと実測は不可能です!

USAの(Double-stack rail transport対応70kg/m rail 使用幹線)ではAxle load limitation(軸重制限値)は 24 ton/axle となっています。

USA一般路線(at 50kg/m rail track)

Association of American Railroads(アメリカ鉄道協会)規定一般路線

  • ●Axle load limitation;22.5 tonnes (50kg/m rail)
  • ●payload Limit.;8 t/m

※Double-stack rail transport 対応幹線(70kg/m rail track)

  • ●BNSF main line; Axle load limitation♥ 24 ton/axle

嘗てのUSAでも、ヨーロッパ同様に幹線でも37kg/m ASCEレール( 75 lb/yd ASCEレール)が普通に使われていて、

この場合の Axle load limitation は 20 ton/axle  でした。

つまり、USAの一般鉄道会社では50kg/m のレールが普及して、上記の値となった訳です。

※ 日本では長らく幹線(本線)で6t/m、地方線で5t/m 以下となっていました。

ヨーロッパ一般路線 75 lb/yd rail track(37kg/m ASCEレール)
  • payload ; 6 ton/m,
  • Axle load limitation;20 ton/axle、

※なので、(トンネルの建築限界もあり)日本同様に Double-stack rail transport は行われていません!

Russian
  • ●payload limitation;6 t/m

main line 50kg/m ASCE rail (アメリカ土木学会規格!)

  • ●25 t/axle、
  • ●regional line 75 PS rail(75 lb/m=34kg / m)!20 ton/axleに据え置き

こちらも、日本同様に Double-stack rail transport には対応していません!

注※ Ton とはMKS(メートル法)単位だけの表記ではない!

Ton:t(トン) とはMKSでは1,000kgを意味しますが...日本の運送屋が好んで用いる尺貫法単位の"才(さい)"同様に長年ポンドヤード法に慣れ親しんだ(拘り続ける)米・英の運送業界では...

  • ●国際ポンドヤードを使用する アメリカでは 1t:2000lb=907.18474kg
  • ●"埃"高き強情者・英国病を病む イギリスでは 1t:2240lb=1016.0469088 kg

となっていて共に1t=1000kg ではありません!

第1目 Axle load の大きな要素Tie!

Railway track では Rail とTrack gauge を規制する tie(sleeper)枕木が重要な要件となっています。

つまり英語圏で一般的に"枕木"がsleeperではなくtieと呼ばれているのは、Track gaugeを規制する tie (cross member)としての大事な役割を果たしているからです。

JR在来線を例に挙げると...

JR在来線を例に挙げると、JNR時代は長らく『国有鉄道建設規定』第61条では、枕木本数!による線路等級が細かく規定されていました。

後述するように、幹線・地方交通線共に75 lb/yd ASCErail(37kgレール!) を使用して、枕木本数:丁/10mで"等級付け"してきました。

またrural line(田舎路線)harbour railway,colliery railwayなどの branch line では、60 lb/m ASCErail(30kgレール) と言うASCE(※27)最低ランクの鉄道用普通レールが使用されていました。

※KSとはローマ字の軌道が受ける静加重、つまりローマ字のKidou と"static load"(静加重)を組みあわせた"カタカナ造語"を略して、KSとした?所謂 Axle load limitation(最大許容軸重)と同じ値です。

第1目 Railway track(軌道)の規格

軌条 (レール)は、単位長さ(yd or kg)当りの重量(lb or kg)で細かくクラス分;Rail profile(規格化)されています。

基本単位「長さ当たりの重量」で kg / m(メートル法)で規定されていますが、元々は英国のBSのlb/yd規格(ヤード・ポンド法)が基本となっています。

更にUSAでは長年ASCE(アメリカ土木学会!)とアメリカ鉄道協会(ARA) では、各々独自に規格化されていましたが、1997 年にAREMWA(American Railway Engineering and Maintenance-of-Way Association)規格に統合されました。そして一般鉄道用(90 lb/yd(44.6 kg/m) (ARA)~150 lb/yd (74.4 kg/m) (ARA))と Crane rails (クレーン・その他輸送機用)12 lb/yd (5.95 kg/m)から175 lb/yd (86.8 kg/m)の2つのグループに分けられました!そして現状は75 ポンド/ヤード (37.2 kg/m) (ASCE)~155 ポンド/ヤード (76.9 kg/m) (ペンシルバニア鉄道特注!)までが幅広く敷設されており、

Transcontinental railroad(アメリカ大陸横断鉄道)や、広域に Intermodal container 事業を行っている♥一級鉄道(※0a)の幹線では、

Double-stack rail transport(※0b)実施の為に 日本製鉄製の141 lb/yd (69.9 kg/m)AREMWA規格レールが使用されています!(※0c)

参※0a)当サイト関連記事 USAに於けるクラス分けと"♥一級鉄道"とは... はこちら。

参※0b)当サイト関連記事 Double-stack rail transport を実現させるには莫大な再投資が はこちら。

参※0c)一部のおバカな紛い物鉄道傾YoutuberがUplordしているcontent で述べている80㎏レール説は裏付けの無い Fake バカ丸出しcontentと言えます。当サイト内関連記事 今どきの 鉄道系Youtuber 鉄オタ・フリーター , ゴーストライター , 鉄道コラムニストとは?... はこちら。

※まさしく陸蒸気(船)!と呼んでも差し支えない陸上1万トン輸送!

露西亜(ロシア)では℔/m規格!が...

※1lb(ポンド)=0.45359237 kg

つまり、100 lb/m(45kg/m),75 lb/m(34kg/m)と言う、"査証(偽装)レール"が長年使用されていました。

参※)当サイト内関連記事 Siberia Shinkansen は Russian Big Talk! はこちら。

rural line(田舎路線)では...

別項で詳述した様に、rural line(肥えたご?路線)や、harbour railway、colliery railwayなどの branch line や spur track(引き込み線)、rolling stock yard(留置線)、side-track(側線)、等の yard track(構内線)には、

60 lb/yd ASCErail(30kgレール!) のASCE(アメリカ土木学会)最低ランクの鉄道用普通レールが使用されていました。

参※25)但し現在でも、小湊鉄道、などの rural line(田舎鉄道!)では当時の60 lb/yd ASCE rail(30 kg/m レール)が残っています!

さらに、嘗ての"軽便鉄道"や、"重量物輸送を行う forest railway(森林鉄道)でさえ殆どが 、45 lb/yd (22 kg/m )ASCEレール以下の軽レールで、一部の軽便鉄道では19世紀の Stephenson 当時の規格 28lb/yd(13.9 kg / m)レール!が使用され続けていて、殖民軌道などでは工事現場や構内軌道で用いられた(今では収取困難!な)(15kgレール!)軽レールが、使用されていました。

又レールを支える枕木・道床そのものも貧弱!だったために川越電気鉄道(西武大宮線)や名鉄高富線なども含めて、日常的に"脱線"を繰り返していたのです。

当サイト内関連記事 長良橋から先に伸びていた軽便鉄道!高富線 はこちら。

第3項 Rail profile軌条規格)と輸送能力

Railway track(軌道)の主役である、レールと、枕木は鉄道の輸送力を決める重要な要素となっています!

第1目 参考データ regional line の 40㎏Nレール更新例

別途した様に旧丙線(4級線)では現在40㎏Nレールへの更新と一部区間(曲線部)などの、コンクリート枕木への更新が進められています?

※現在何れも貨物営業(JR貨物運行)はありま線(せん)!

  • 大船渡線 85㎞/h (※一部震災復旧区間を除き敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!を使用)
  • ●JR小浜線 85㎞/h (※一部区間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!
  • ●JR越美北線 制限速度85㎞/h (※一部区間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)
  • ●JR城端線 85㎞/h((※一部区間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)
  • ●JR氷見線 85㎞/h (※一部区間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)
  • ●JR久留里線 木更津駅⇔上総亀山駅 最高運転速度65㎞/h!敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!区間あり、40kgNレールに順次更新中?
  • 和歌山線 制限速度85㎞/h (※一部区間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)
  • 桜井線 制限速度85㎞/h (※一部区間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)
  • 芸備線制限速度85㎞/h (※一部区間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)
  • 木次線 制限速度75㎞/h (※ほぼ全区間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)
  • 予土線 江川崎駅 ⇔北宇和島駅間 65 km/h 間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!
  • 指宿枕崎線制限速度85㎞/h! (※ほぼ全区間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!
3セク&民鉄各社

 

公開:2020年9月20日
更新:2024年2月27日

投稿者:デジタヌ

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