連載『鉄道事業は軌道維持管理というハンディを抱えている』ー第2回ー
第1節 バリアフリー対策・ユニバーサルデザイン化対応には毎年!巨額出費が...
新交通システムや日本跨座式モノレールなども含め連続高架橋や、地下鉄などの立体交差事業や橋上駅舎化事業では、
バリアフリー法((2006年12月20日施行)とユニバーサルデザイン政治圧力に対応するために、巨額の初期投資と(設備維持管理の為に)毎年の巨額出費が必要となります。
第1項 バリアフリー対策が...
これらの立体構造の駅では、バリアフリー法に対応させるために、エレベーター、エスカレータが必須!となります。
つまり駅施設が利用者数に係わらず大掛かり!となるのです。
第1目 バリアフリー法圧力で本末転倒に!
福井市(福大前西福井駅)、長野市(長野電鉄本郷駅)などでは、せっかく設備した橋上駅舎の使用を断念して廃止!しています。
更に更に、長野電鉄(長野市)では2006年12月20日バリアフリー法が施行されて以降、
御自慢の地方都市初の地下鉄区間!(長電長野駅(始発駅)、市役所前、権堂駅、善光寺下駅)4駅で、
バリアフリー法対応(エレベーター設置)の為に、複数あった出入口通路を閉鎖!して集約!してしまいました。
これでは全く"本末転倒!"としか言いようがありません!
★
第2項 ユニバーサルデザイン対応には
※ホームドア このお金(20億円!)は"誰(自民党?共産党?)の懐"を潤した?!のでしょうか...
さらに厄介!なのが、ユニバーサルデザイン対応、つまりホーム転落事故防止柵;ホームドア設置!です。
とても財政基盤が脆弱な地方都市・地方私鉄では設備できる代物ではありません!
第1目 ホームドア設置には巨費再投資!が...
ホームドアを導入するには、現行のCTC(列車集中制御装置)+ATS(自動列車停止装置)を、
CTC+ATO(自動列車運転装置)or TASC(定位置停止装置))に改修する必要があります!
つまり信号設備(地上設備)、走行車両共に大規模改修!が必要で、巨額の refinance(再投融資)を必要とします!
参※)当サイト関連記事 ユニバーサルデザインはホームドア業界・政治圧力!の"隠れ蓑!" はこちら。
第2目 大きくのしかかる毎年の維持管理・設備御更新費!
更にこれらの付帯設備は、一度設置すれば永久に使用できる設備ではありません!
設備には必ず"耐用年数"の呪縛!という政治ゴロの「裏金造りの資金の流れの為の罠(trap)」が隠されているのです。
なので賢明な地方都市ではこれらの設備が"不要!"な低床 Tramcar を用いたLRTの導入が進められています。
参※)当サイト関連記事 芳賀宇都宮LRTは政令指定都市・宇都宮市に至る光明 "ライトライン" となれるか?... はこちら。
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第3目 地元土建屋が期待する「新都市交通システム」等の全線連続高架橋立体交差事業では...
大阪市のミニ地下鉄長堀・鶴見緑地線連続高架橋!?建設計画(※21)では、5.3km(新設駅6駅)延伸計画で1,269億円!?
つまり1キロメートル当たりの建設費がなんと239億円/km(2017年の公式資料による試算)
2006年開通の神戸市ポートライナー延伸工事で 1200億円/6.7㎞ 約179億円/km!
2020年現在実施されている難解本線石津側付近の複線連続立体交差事業でも155億円/kmと、
整備新幹線連続高架橋建設と大差ないのに...(※22)
しかも利用者があまり期待できない★では、利用者低迷で「桃花台ピンチライナー?」(※23)の二の舞になって数年で abandoned road(廃線)となるでしょう!
参※21)当サイト関連記事 長堀・鶴見緑地線 大正⇔鶴町間延伸"妄想!"より現実的な BRT 化で... はこちら。
参※22)当サイト関連記事 ミニ地下鉄 や" 新交通システム" が 整備新幹線 より割高になる理由とは? はこちら。
参※23)当サイト関連記事 ピーチライナーが「ピンチライナー?」になって消えた訳はこちら。
第5目 LRTだと
LRT(超低床鉄輪トラム車両使用)だと
延長13.4㎞ 電停数19ケ所!で約349億円!(車両購入費別、宇都宮トラム実施計画より算定)
つまり♥26億円/㎞!
何とミニ地下鉄・高架橋!の1/10!
※参考、北陸新幹線建設でも 147億円/km
- 宇都宮ライトレール 26億円/km(14.6km 約380億)
- 新都市交通 大阪市長堀鶴見緑地線高架線 239億円/Km
- 地下鉄建設 なにわ筋線計画 470億円/km!
駅前通りに関してはお国の助成も受けられます
※参0)2011年国土交通省編街路交通施設課作成 LRT等の都市交通整備のまちづくりへの効果 公式ガイダンス資料はこちら。
※参0)LRTだBRTだたおとの整備等に対する総合的な支援スキーム に関する公式ページはこちら。
※国交省の支援で見違えるようになった豊橋市内
- ♥ホームドアが必要ない!
- ♥駅施設の簡素化(駅"親切"が容易)
- ♥数百m程の短い停留所間隔にも対応
- ♥専用軌道上では定時運行(定刻発着)が担保できる!
- ♥安価な建設コスト
LRTは他の中量都市交通システム(軌道事業)と比べれば、生まれながらのナチュラル・バリアフリー&ユニバーサルデザインの transportation で、以下のような優れた点(※01)があります!
最も大きい美点はホームドアが不要!な事でしょう
地方の財政基盤がぜい弱な自治体の Transit を考える上で、デジタルATCとATO(TASC)が必須条件となる「ホームドア」が必要無くなるのが最大の福音!となります。
さらに連続高架化立体交差事業や橋上駅舎化に伴う、エスカレーター・エレベーター、ホームドア、自動改札機、券売機、空調設備(※991)などの大掛かりな設備が必要ありま線(せん)!。
参※991)自動発券機などのICT機器は膨大な熱を発生して、且つ熱に弱い!ので無人駅!でも空調設備が必要となります。
参※★)当サイト関連記事 超低床トラムの走る LRT の美点は生まれながらの"バリアフリー&ユニバーサルデザイン"を備えている事 はこちら。
LRT程度の中量輸送ならば、専用レーンを走行する都市型BRT"でも同じメリットが
♥METTIS virage serré ベルギーのVanHool社製ハイブリッドBus Tramの例。
前途した通りRailway track、CTC、ATS等の信号設備・保安設備、の維持管理は事業者負担となり車両も含めた維持管理費と設備更新費が事業者に大きくのしかかります!
なので、上下分離で見かけ上体裁を整えても、事業全体では黒字転換が難しい事業です。
さらに乗務員の確保も問題となります、軌道上を走行するトラムには動力車操縦者免許という免許が必要で、
乗務員養成には最低500万円/1名以上(2010年当時!)かかるといわれています!
さらに新たに車両整備基地を整備しても同じく(電気技師、整備士等)人材の確保が大きな問題になります。
公開:2023年10月17日
更新:2024年2月27日
投稿者:デジタヌ
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