大都市の市街地から併用軌道「チンチン電車」が駆逐!された訳は...《 LRT・軽便鉄道・森林鉄道が消えた訳は...第11回 》
Metropolis(大都市)市街地から、チンチン電車が敗退した理由は、前途したいずれの理由とも異なる事情によるものです。
道路網の拡充がモータゼーションの津波を発生させて「地方交通路線」を押し流した事実とは逆に、Metropolisでは「舗装路の充実」が、リアス式海岸での「津波増高効果」の様に「モータリゼーションの津波被害」を拡大させたといえます!
第1節 津波(モータリゼーション)を防げる防波堤(道路網)が未整備だった
ビデオでも明らかなように、利用者からはありがたがられた「庶民の足」であり重宝がられていたチンチン電車でしたが、急激に増加した「自動車の津波」を受け止めるだけの防波堤(道路)整備が後手に回っていました。
大阪市、名古屋市、福岡市などの地方大都市では、その場凌ぎの苦肉の策で「一般車両軌道敷内通行」を特認してしまった為に、「トラム」最大のメリット「定時運行」が崩れ、利用者離れにつながり、最後は邪魔者扱いされながら軌道敷から追い出されたわけです!
大阪市営電気鉄道 1969年3月31日全廃。
西鉄福岡市内線 1979年2月11日廃止 。
その後、大阪、福岡の2大都市では、1970年代当時に比べて都市計画道が飛躍的に整備(新設)されました。
特に大阪大正区などでは周辺の木津川(運河)に数カ所の橋梁(※71)が新設され、周辺の陸地部?と島内(中洲・埋め立て地)を結ぶ道路網が完備され、チンチン電車廃止当時とは交通事情が一変しています。
更に、大阪市中心部においても、国道1号線(キタ新地通り)中央大通り、長堀通、千日前通り、新なにわ筋、なにわ筋、谷町筋の拡幅整備・新設などにより、廃止当時とは一変し交通事情は飛躍的に好転しています!
大阪市(※72)を含む全国の中核都市ではもう一度トラムに目を向けるべきでしょう!(※73)
参※71)当サイト関連記事 大阪市 に残る 渡船 への アクセスはこちら。
参※72)当サイト関連記事 ブリュッセル方式 トラムカー地下鉄乗り入れなら 大阪メトロ 長堀鶴見緑地線 の延伸も楽々実現!はこちら。
※73)、関連記事『トラム 建設は お得 で "ナチュラル バリアフリー!"』はこちら。
第2節 不幸にも終戦時灰塵にきしていた広島では
不幸にも敗戦時灰塵にきしていた広島では、都心部で重点的に道路整備が行われて、広~い都市計画道路整備のおかげでチンチン電車・広電がその後のモータリゼーションの津波被害にも屈せずに生き延びることができました!
更に、「砂(州)上の楼閣」広島市では、極端に地盤が悪く、しかも排水路も多く「旧来」のオープンカット工法で地下鉄道を掘削するのは難しく、長らく地下鉄は実現しなかったのも幸運だったのでしょう!
一方同じように戦火にあいながらも、旧態依然の町割りに固執した岐阜市内からは「路面電車が追い出されて」しまい、周辺バイパスが完備するまで日常的な慢性交通渋滞を引き起こしていました!
さらには、軟弱地盤に無理やり地下鉄を掘った福岡市では同時に「墓穴も掘ってしまった」ようです?
さらには、JR九州が過去のトラウマ?で、福岡市内!の香椎線の明け渡し?を拒み、福岡市営地下鉄の貝塚駅以北の西鉄貝塚線線、JR香椎線西戸崎駅(福岡市内)延伸乗り入れの夢も、消え失せてしまいました。(※74)
参※74)当サイト関連記事 福岡市営 地下鉄 箱崎線 と 西鉄貝塚線 相互直通運転の夢は断たれた!はこちら。
公開:2019年7月23日
更新:2025年4月18日
投稿者:デジタヌ
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