連載『 シベリア新幹線"妄想!"はロシア版大言壮語 Russian Big Talk!』ー第4回ー
別項で記したように(※31)1991年12月のCCCP崩壊!ロシア連邦成立後も、帝国主義は変わらず、ロマノフ王朝→共産主義帝国→プーチン大帝?率いるロシア帝国に変化したにすぎません!
つまりこの時点で新生国営企業Russian Railways(ロシア鉄道公開株式会社)が誕生して、その後は2007年誕生の第一貨物企業体公開株式会社(ПГК, ОАО «Первая грузовая компания» )、2010年誕生の第二貨物企業体公開株式会社(ВГК, ОАО «Вторая грузовая компания» )、同じく旅客会社として連邦旅客企業体公開株式会社(ФПК, ОАО «Федеральная пассажирская компания» )に分社化して、
2014年2月の時点で、アルタイ共和国、トゥヴァ、ネネツ自治管区、マガダン領域、チュクチ自治管区とカムチャッカ地域を除く、JSC AKヤクート鉄道、JSCヤマル鉄道会社、クリミア鉄道)を含む路線を運営していましたが...
その後2014年以降の更なる組織改編で2017年12月現在、本社機構(管理・営業部門)と16の現業(鐡道)部門、16の子会社(運行会社&関連企業)に細分化されています!
参※31)当サイト内関連記事 中・露の両大国と"帝国主義" はこちら。
第1項 ロシア鉄道は正しく前時代の労働集約型産業!
※Новый Ургал 駅(ノーヴィ・ウルガル駅)/バム鉄道
※CSX Replacing Railroad Ties;省力化されたCSXの Ties(枕木) 交換風景2015当時。
ロシア鉄道は、民営化(1987年4月1日)以前のJNR体制によく似た"赤字体質"で極めてLabor productivity(生産性)が悪い、前時代的で非効率な労働集約型産業となっています!
ロシア鉄道はロシアで最大の雇用主です。
2017年現73万7千人が就労しています。
このうち30%以上が女性で、従業員の42%以上(約38万人)が35歳未満の働き盛りです。
2020年には、総従業員数71万1千人のうち、24万人が本社の管理部門で働いていました。
《ロシア語版Wikipedia ; Российские железные дороги(JSC「ロシア鉄道」)より引用》
つまり711,000人ー240,000人=471,000人が現業部門と言うことになります。
さらにOperating(※32)区間を含めた総延長が122,000km,なので3.86人/㎞と言うことになり、
BNSFの0.5人/㎞(※33)より大幅に非効率な鉄道運営となっています。
参※32)当サイト内関連記事 英語圏の鉄道に関する記述・用語について はこちら。
参※33)当サイト内関連記事 持続可能な鉄道事業の指標を示してくれたBNSF! はこちら。
第2項 JSC の輸送密度
第1目 Russian big talk その2
※ロシア語版Wikipedia ; Железнодорожный транспорт в России(ロシアの鉄道輸送)による2018年度実績は、
- ●business district(営業距離)は about 87,000km
- ●Operating(業務受託区間)は about 35,000km
- ●貨物輸送量は about 1.41 G ton(14億1千万屯)
- ●貨物売り上げ高は about 2.6 T рубль (約4兆円)
- ●旅客実績は about 1.16 G persons (11億6千人)
- ●旅客収入は about 130 G рубль(約2千15億円)
と言う数値が掲載されています。
つまり総収入は about 2.73 T рубль (約4兆2千円)と言うことになり、
就労者数 73万7千人で除すると about 3.7 M рубль (約5百74万円???)と言うことになり、
つまりいくら物価が安くて?暮らしやすいロシアでもそれなりの人件費(給与)は必要で...
人件費を差っ引き、更に鉄道施設の維持管理・設備更新費、燃料代(電気代)などを差っ引くと、
大赤字と言うことになります!
つまり、上下分離方式で、軌道施設の維持管理・設備更新費がロシア交通省の責任範囲(税金・国民負担)だとしても、
2018年度の経常利益 139.7 G рубль(約2千165億円)はRussian big talkでしょう...
第2目 省力化が遅れているJNR型労働集約産業!
交通システム全体における鉄道の就労者は 71万1千人/320万人 ≒約22%
全就労人口の"約1%"にもなる訳です。
つまり100人に1人は、鉄道従事者と言うことになります!
Транссибирская магистраль & Байкало-Амурская магистраль 沿線では
つまり、例えばТранссибирская магистраль(シベリア横断鉄道)を例に挙げると、沿線には"多くの地名"が残っており、駅のある集落も結構あり?ますが...
"地名だけが残ったabandoned town(廃墟)で、しかも建物すら残っていない正しく"ゴーストタウン"が殆どです!
これは嘗てのmaining townの跡地だったり、鉄道建設のbase(基地)跡地だったりします。
特にБайкало-Амурская магистраль(バム鉄道・第2シベリア鉄道)ではこの手の元 base がわんさかあります
。
鉱山町以外ではBoarding area(Station?)のあるSignal station(信号所・退避所)の付近でも、数件の人家がある程度で、何れも鉄道関係者(保線係)のcamp(駐在所・番屋?)です。
つまりcampに定住している人たちで、殆ど集落を離れることはありません!
更に、比較的大きな鉱山都市で働く民も大都会へ物見遊山で出向いたりしません!
なので、
ロシアの人口の平均移動距離(2011年)は、1人あたり年間約6300 kmです(西ヨーロッパでは15〜2万キロ、米国、カナダでは年間25〜3万キロ)。《ロシア語版Wikipedia ; Транспортная система России(ロシアの輸送システム)より引用》
と言う事に、なるわけです。
第2目 中国・中央アジア諸国に比べて貧弱なhighway network
更に、比較的大きな鉱山都市以外では、各共和国や各行政地区の中心都市間を結ぶ highway(対向2車線!の幹線国道)から staion も"隔離"されていて!
しかも highway には中国や、中央アジア諸国のような "Long distance bus"(駅バス?)も走っていません!
つまり、途中の Boarding area(Station?)に隣接した集落に、暮らす人たちが生活用品の買い出し"に出かけるには「鉄道しかAccess手段」が無いわけです!
しかも(スーパーはある!がコンビニは無い!)maining town ですら、未舗装の reclamation road(開拓道路)しか通じていないような町も数多く存在します。
嘗ては鉄道だけが頼り
つまりは嘗ては、「鉄道しかアクセス手段がなかった!」鉱山町も多数見受けられます。
※元々これらのMining town は強制労働させられていた囚人(政治犯!)達が暮らしていたPrison(牢獄・人屋)
だったので、"脱走・逃亡"を防ぐためにも、access road は必要なかった!のです。
21世紀の現在でも、鉄道沿いの"人屋"へは、未舗装の!Track maintenance Frontage road(鐡道の側道) でしか到達不可能な集落も存在します!
おそらく嘗てはこの道すら整備されて無く!Hand car(手コキのトロッコ)で保線作業に出向いていたと思われます。
以下はmaining townの一例です。
公開:2021年11月20日
更新:2024年3月21日
投稿者:デジタヌ
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