狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

歴史探訪『 アメリカ建国に重要な役割を果たした大河川と鉄道』ー第10回ー

ここをクリックするとこの Content の Opening に戻れます!

第10回 米国における大陸横断運輸の変遷  

第1項 アメリカ大陸横断の歴史

前途したように、最初の大陸横断鉄道は1855年にパナマに開設されたPanama Canal Railway(パナマ地峡鉄道)で、

それまでトレイル(幌馬車隊)と駅馬車に頼っていた、東海岸(アメリカ建国時の13州)と西海岸の準州(カリフォルニア州など沿岸属州)を結ぶ、閉じスティクス、トランジットが一気に活発化したわけです。

そして、1914年のPanama Canal(パナマ運河)開通(全長約80)に繋がり、それまでのマゼラン海峡回りから、大幅に距離時間が短縮できcargo transportationでも大変革をもたらしたわけですが...

そして、リンカーン大統領の掛け声でPacific Railroad Acts(太平洋鉄道法)が制定されて、国策企業Union Pacific RailroadCentral Pacific Railroadが(Omaha, NebraskaからSacramento, Californiaまでの 1,756マイル(2,826キロメートルを結んだ)が繋がり第2の転機となった訳です!

第2項 最初の大陸横断鉄道ユニオンパシフィック鉄道と統廃合の歴史

日本でもなじみの深い?鉄道会社ですが、Union Pacific Corporation(ホールディングス)の現業部門の子会社です。

元々は前途したようにリンカーン大統領の功績で、1862年に制定されたPacific Railroad Acts(太平洋鉄道法)で起業した"国策企業ユニオン・パシフィック鉄道とセントラル・パシフィック鉄道"が一つになり、その他サザンパシフィック鉄道などを吸収合併してアメリカ西部をカバーする巨大鉄道事業者!となっているわけです。

※以下に同じ名称の鉄道が何度も登場しますが、これらは直接関連はありません!

日本でも嘗て、「大阪鉄道」が何度も鉄道史に現れたように、本社の登記場所が異なった自治体だったり、同じ登記場所でも同時期に重複しなければ「同一社名」で会社を登記(設立)することが可能なわけです。

第1目 Union Pacific Railroad

現在、Union Pacific Corporationが所有する北西部を網羅する鉄道網の、鉄道事業の中核企業としての役割を果たしています。

自社所有26,354マイル(42,413km)、アライアンス各社の路線を使用した、営業距離32,205マイル(51,829km)

第2目 Central Pacific Railroad

生い立ちと経路

Sacrament⇔Winnermucca⇔Ogden

1862年に、Pacific Railroad Actsで最初に設立された国策鉄道事業者で、Sacramentoからユタ州のPromontory, Utahまでの建設を行ないました。

Scramentoが終着点となったのは、Sacramento Riverが,ミシシッピー河同様に、河口から180mile(約290km )上流まで、船舶の航行が可能で、かつAmerican Riverとの合流点に出来た新しい町は、サクラメントの住民は1849年に市憲章を採択し、1850年に州議会によって承認されました。、1850年2月27日にカリフォルニアで最も古い地方自治体となりました。(そしてその後も発展を続け1879年に州都となりました。)

なので、Pacific Railroadの西の起点とされたわけです!

1862年創設→1885年Southern Pacific Transportation Companyに買収される→1988年リオグランデインダストリーズ(ホールディングス)傘下→1996年ユニオンパシフィックコーポレーション(ホールディングス)傘下→1998年Union Pacific Railroadとして事業統合。

第3目 Western Pacific Railroad

初代 Western Pacific Railroad (1862-1870)

1885年、Southern Pacific Transportation Companyの子会社→1959年Southern Pacific と事業統合(合併)→1996年Union Pacific Corporationの傘下→1998年Union Pacific Railroadとして事業統合。

ミシシッピー河同様にサクラメントと河口部のSuisun Bayの間約42マイル(68 km)は大きく蛇行しており、この間の大型船による水運はeconomyではありませんでした。

そこで、輸送コストの削減を図るために、Pacific Railroadが建設開始されるのに合わせ、カリフォルニア州サクラメントで Western Pacific Railroadが起業されて1852年にすでに完成していた、オークランド河口の輸送埠頭とサクラメント間を結ぶ鉄道を起工したわけ!

この間に、大型船が航行できるSacramento Deep Water Ship Channel(運河)が完成したのは20世紀後半の1963年になってからのことです。、

そして、1869年5月10日Pacific Railroadが開通して、運行を開始した翌年1870年にCentral Pacific Railroad に吸収合併されました。

オークランドが本格的な貿易港となったのは1874年に浚渫が完成して、外洋航路の大型船舶が着岸できるようになってからのことです。

2代目 Western Pacific Railroad(1870年→1916年)

この会社が、後述するDenver and Rio Grande Western Railroadの資金援助を得て、もう一つのロッキー越えラインの1909年開通のFeather River Routeを完成させて、初代CaliforniaZephyr(1950年→)の運行ルートとなった訳です。

3代目 Western Pacific Railroad(1903年→)

1903年設立→1916年2代目Western Pacific Railroadを買収合併、1982年ユニオンパシフィックコーポレーション子会社→1998年Union Pacific Railroadとして事業統合。

第4目 Southern Pacific Transportation Company

変遷

1865年設立→1988年リオグランデインダストリーズ(ホールディングス)傘下→1996年ユニオンパシフィックコーポレーション(ホールディングス)傘下→1998年Union Pacific Railroadとして事業統合。

生い立ち

1865年に設立された会社ですが...1885年にセントラルパシフィック鉄道を傘下に収めるまでは鉄道事業は行っていませんでした。

(※いわば、日本の泉北高速鉄道の様な生い立ちです、当サイト内関連記事 何故 泉北高速鉄道 は御堂筋線の 延伸 ではなく南海高野線と繋がったのか... はこちら。

New Orleansからカリフォルニア州へは

これ以後19世紀中に、ルイジアナ州のAlgiers(New Orleans)⇔Lafayette を結ぶTexas and New Orleans Railroadをはじめ、多くの小規模な鉄道会社を次々に買収・総合して、El Paso⇔Tucson⇔Los Angeles⇔San Francisco、Sacramento間を結ぶ路線網となり,

(※San FranciscoとSacramentoへはLos Angelesで分岐していました。)

東部へは

テキサス州のTylerからSt. Louisへ伸びていたSt. Louis Southwestern Railwayを吸収して、別会社SPCSLCorporationの路線を経てChicagoとも繋がりました。

第3項 現在アメリカの鉄道網は共存共栄の時代に!

嘗てアメリカ全土に40万Kmの路線網を誇っていた鉄道網は

嘗て最盛期の1916年当時は総延長40万Km!にも達して隆盛を極めたアメリカ鉄道網ですが、後述するように空路の発達などで衰退を辿りました。

そこで20世紀後半に大型合併が行われて、以下に示すような、8大鉄道網(と一部の地域鉄道)に集約されたわけですが...

  • ●BNSF鉄道 BNSF Railway (BNSF、旧バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道)
  • ●グランド・トランク社 Grand Trunk Corporation (カナディアン・ナショナル鉄道の子会社)
  • ●スー・ライン鉄道 Soo Line Railway (カナディアン・パシフィック鉄道の子会社)
  • ●CSXトランスポーテーション社 CSX Transportation (CSX)
  • ●オムニ・トラックス社 OmniTRAX incorporated (OTI)
  • ●カンザス・シティ・サザン鉄道 Kansas City Southern Railway (KCS)
  • ●ノーフォーク・サザン鉄道 Norfolk Southern Railway (NS)
  • ●ユニオン・パシフィック鉄道 Union Pacific Railroad (UP)

この際に各鉄道会社間のアライアンス(※31)によりRestructuring( 再構築)を行い、"共有区間"を設けて無用な"重複区間"を大幅に削減して、総路線長225,500km(2006年現在)迄路線の断捨離を行いました!

嘗て、 (UP)、Denver and Rio Grande Western Railroad(以降D&RG)、が並走していたOgden⇔Solt Lake City間では共有路線化され、BNSF(Colorado Midland Railway)とDenver and Rio Grande Western Railroad(Union Pacific Railroad)が並走していたDenver⇔Pueblo間では、お互いに行き来できる単線並列区間となり、一部区間はお互いに路線の維持管理・設備更新を折半しあう共有区間にも、Denver⇔Ogden間のD&RGW(Union Pacific Railroad)やOgden⇔Keddie Wye間の旧Western Pacific Railroad(Union Pacific Railroad)などではBNSFの貨物列車がレンタル利用(日本で言う第二種鉄道事業)したりして、競合するのではなく共栄を図っています。

参※31)当サイト内関連記事 広範囲にわたる企業提携(アライアンス)関係とは? はこちら。

日本の鉄オタは"競合関係"が大好きなようですが...

(仙台鳥鉄?)などの日本の「お子ちゃま鉄オタ」は"ライバル関係"という"お言葉が大好き"なようで、日本語版Wikipediaを起筆(翻訳)した「お子ちゃま鉄オタ」も米国鉄道網を理解できないようで、日本で言うところの第二種鉄道事業者区間すなわち「路線レンタル営業区間」区間や、日本にはない"共有区間"(共同所有・共同維持管理区間)の存在に理解が追い付いていないのが読み取れて面白くもあります...

「お子ちゃま鉄オタ」には理解できないのでしょうが、嘗ての西部開拓時代!のような"キョーゴー関係"等は大昔のお話で、今や「無駄を省いて共存共栄(※32)を図る」方向になったわけです!

典型例として、シャイアン郊外に"親切"された、貨物取扱ヤードを"航空写真"をもとに図中に記入しておきました。

サイドバーのCheyenne Cargo Distribution Centerをクリックして拡大してみてください。

広大な敷地に、Union Pacific Railroad、BNSF Railway 共通のDistribution Centerが設けられていて、両社の路線網をconnectしている様子がよくわかります!

参※32)当サイト内関連記事 鉄道事業者 同士が覇権を争うライバル 関係の ご時世 では無くなっている! はこちら。

続きはこちら

ここをクリックするとこの Content の Opening に戻れます!

 

公開:2021年10月19日
更新:2024年4月 5日

投稿者:デジタヌ

歴史探訪『 アメリカ建国に重要な役割を果たした大河川と鉄道』ー第9回ーTOP歴史探訪『 アメリカ建国に重要な役割を果たした大河川と鉄道』ー第11回ー


 

 



▲鉄道史研究班へ戻る

 

ページ先頭に戻る