狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 オムニバスタウンは地方都市が「地方衰退の逆風」を走り抜ける"秘策!》ー第4回ー

第4回 バス専用道(私道)に拘らなかった福井・石川方式の Omunibus 転換

前途したようないろんな施策が講じられる前から、北陸の福井県と石川県では、軌道を一般公道に転換して、バス専用道(私道)転換に拘らない、バス路線転換方式を編み出して(※21)沿線住人からも大好評で大成功を収めてきました!

伊達軌道(※21)のように併用軌道ではなく、福井鉄道、京福電鉄、石川交通の各路線では、「独立した軌道設備」を持つ立派な鉄道網を整備していたことが裏目に出て、軌道の維持管理費、設備更新費の負担で交通事業者としての「旨みが無くなり」自主的にバス路線転換をしたわけです。

参※21)当サイト内関連記事 日本における 広域 LRT 網 の故郷 信達軌道 発祥の地 福島県 伊達市 はこちら。

第0項 鉄道事業者は運営上の大きなハンディを抱えている!

鉄道(軌道)事業は、軌道の維持管理・設備更新費を自前で行わなければならない大きなハンディを抱えています!

逆に言うとこれらが、道路管理者任せで済む乗り合いバス事業には、事業としての大きな優位性があることになります。

つまり車両の、維持管理・設備更新だけで良いわけです。

なので、路線バス事業は、定員に遥か満たない、空気輸送に近い状態でも、何とか採算ベースを"意地"出来るわけです。

第1項 福井・石川方式バス転換法とは

福井・石川方式バス路線転換手法とは、廃線跡を自治体(県)が買い上げて、「新たなバイパス」道を整備する施策です!

福井・石川方式のメリット

廃線跡をバス専用道(私道)に転換するのではなく、一般車両も通行できる「一般道」として整備するところが味噌です!

利点1 バイパス効果

廃線跡を一般道に整備し直すということは、すでに整備が終わっている「幹線国道・県道」の「新たなバイパス建設」と同じ効果が得られるわけです!

つまり一般道の交通渋滞解消にも役立つわけです!

利点2 交通事業が身軽に

更に、軌道の維持管理・設備更新から解放された交通事業者は、運行経費が節減出来て、自治体からの赤字補填公的支援を受けなくても、十分採算が取れるようになります!

利点3 利便性・快適性が向上!

更に利用者にとっては、快適な新型路線バスが、よく整備された「バイパス」を走行することになり、利便性が向上します。

下手をすると2時間に1本程度!しか運行されていなかった鉄道が、30分に1本以上、ラッシュ時には大増発されて一気に利便性が向上します!

第2項 但し中核都市近郊でバス路線転換をする際は...

但し中核都市近郊でバス路線転換をする際には、十分な配慮が必要です!

えちぜん鉄道復活劇が示したInterurban区間専用走路の必要性!

京福電鉄越前本線の廃止バス転換までは、スムーズにバス路線転換が進んでいた福井県ですが、

えちぜん鉄道復活劇は、その典型事例といえるでしょう!

それまでは、丸岡支線、越前本線(大野支線)、南越線、越鯖線など、丸岡、越前大野、鯖江、金津(現蘆原温泉)などの福井市郊外の遠方?にあるrural area(田園地帯)からの路線だったので、(敗戦後に「おっとり刀」でバイパス整備を行っていても)問題が生じなかった訳ですが...

都市近郊のInterurban(都市圏近郊電車)区間の旧京福電鉄・勝山線では...

都市近郊路線のバス転換には先行した道路拡幅整備が必須

この時は京福電鉄の度重なる失態で、急に決まった廃線だたので仕方無かったにせよ...

福井市街に直結した、京福電鉄勝山線では、並行する"県道の未整備"で通勤渋滞が発生する大問題!が生じたわけです。

※詳しくは 当サイト関連記事 北陸新幹線 福井県内 の並行在来線 はトラムトレイン方式の LRT で... をご参照願います!

 

公開:2019年8月14日
更新:2024年3月29日

投稿者:デジタヌ

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