狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載『 赤字路線・JR奈良線の全線複線化はあり得ない!』ー第4回ー

★第3節 輸送力増強には莫大な事業費!が...

一般人は、リースとレンタルを混同して使いがちですが...

レンタルは、レンタカーやレンタサイクルに代表される短期貸し出しのことで、

リースはコピー機に代表されるように長期貸借契約で、どちらも"経費処理"できますが...

リース契約は、融資に近い形態で、長期間にわたり設備を借り入れるわけで、一般的な機材だと契約期間は5年60ケ月となっています!

また再リースと言って、61ケ月目から次の5年間は、1カ月の支払いで借り受けることができます!

鉄道の場合は、車両では"全検"(車検)の都合で、3年から8年のリース期間が設定されるようですが...

※英国の鉄道車両リース契約(※21)は有名ですが、"現在の日本"ではリース車両による運行は行われていません!)

参※21)当サイト関連記事 JRTT鉄道建設・運輸施設整備機構が改組できれば 整備新幹線網建設"妄想"が... はこちら。

第1項 リースと融資(借入金)の違い

軌道施設では、リース契約と、割賦(ローン契約)契約が行われていて、前出のJRTTが40年契約を請け負っています。

第1目 在来線はローン契約が主流

再来戦の新線では各「鉄道事業者」と割賦(ローン契約)契約が行われて、JRTTが建設を請け負うことが多いようで、東京メトロ、都営地下鉄、JR東日本の"新線"区間は殆どがこの方式で、2019年11月に開業した相鉄JR連絡線、現在建設中の東急新横浜連絡線、JR東日本の羽田空港連絡線は全てこの方式です。

第2目 整備新幹線は40年リース契約

代表的なのは、整備新幹線で「鉄道事業者」であるJR各社と40年長期契約を行っています!

更に、 JR各社が誕生する1987年4月1日以前に、建設されていた新線は「リース方式」でJR各社に引き継がれました。

そこで、名古屋の城北線(第2種鉄道事業者は、株式会社東海交通事業JR東海がリース契約して、伊勢鉄道は3セク伊勢鉄道株式会社リース契約しているわけです。

  • ●伊勢鉄道40年リース契約満了2026年10月。
  • ●城北線 40年リース契約満了2028年2月。
リース契約の盲点が

両路線ともに、電化、路線延伸、増線(複線化)などの設備増強を行うと、リース価格が上昇(期間延長)されてしまい、おいそれとは手が出せない!わけです。(※22)

なので、両線共に利用者に"高額運賃"負担と、"不便"な盲腸路線という"しわ寄せ"が生じているわけです!

参※22)伊勢鉄道東海交通事業・城北線、共に電化が出来ないのは正にこの為です、更に城北線が中央線と繋がらないのもこのためです。

★第2項 都市部で3セク鉄道事業が増えたわけ

下記はいずれも、新規路線(利益誘導事業)なので、都市計画事業として国庫補助が受けられなかったので、第3セクターが設立された事業です!

大阪では財政悪化と共に、東京でもバブル景気(1986年12月から1991年2月までの51か月間)以前の貧乏財政のあおりで...

※2008年3月開業の日暮里舎人ライナーはバブル景気崩壊後の金融ビッグバンの影響で"焼け太り"して財源が豊富になった東京都(交通局)の直轄事業!

第3項 上手く住み分けて?いた近鉄とJR

GoogleMapをご覧になればお分かりの通り、同じ"奈良線"でも、JRみやこ路快速と近鉄急行は停車駅を千鳥にして、お互いに完全バッティングしないようにしています?...

第1目 宇治市と城陽市の持続可能な都市開発(地上げ!)に貢献

逆に言うと、宇治市と城陽市のJR勢?は、京都市内へのアクセス条件(所要時間)が悪く、駅前の"地上げ!"がなかなか上手くいかなかった!わけです。

つまり、JRが複線化されて大幅にスピードアップ!して、やっと京田辺市との差が縮ったわけです!

奈良線の複線化のおかげで、京都の奥座敷?六地蔵、宇治!、城陽(駅前市街地)が、脚光を浴びて、マンションブーム?となったわけです。

第2目 強敵滋賀県の琵琶湖線沿線各都市対抗策!にも...

新快速のおかげで琵琶湖線沿線都市(新快速停車駅前)に後れを取っていた?京都府南部が、奈良線の複線高速化で見直されたわけです。

一般人はよく勘違いするのですが!

行政当局にとっては住人(市民)が増えるだけでは、支出(公共インフラ整備)が膨らむだけで!いいことばかりではないのですが...

元より、宇治市・城陽市には企業の事業所(工場)もあり、やはり嵩物(市民)も欲しいわけで、特に「少子高齢化」が酒場れている21世紀においては、人口も都市の活力!?を示す一つの指標でもあるわけですが...

自治体が最も重要視する点は税収UP!

転入者に人気が出ると...

地価が高騰します!特に駅前の一等地!は人気(地価)が急騰します!

つまり市にとっては固定資産税の税収アップにつながる訳です!

そういう意味合いでは、奈良線の複線化は「地元の活性化?(地上げ!→固定資産税増収!)」には十分貢献できた!訳です。

というより、今までがあまりにも評価が低かったのかもしれませんが...

駅前シャッター通りや、中心市街地の空洞化!等と自治体が騒ぐ!のは、市民の事など考えた上ではありません。

ずばり税収が目減り!するからです。

参※)当サイト内関連記事 駅前・市街地空洞化は一部のジャーナリストとエコノミスト?がつくり出した造語!では... はこちら。

第2目 ベッドタウンで、駅前が高層化するのは...

琵琶湖線守山駅前の例を見れば一目瞭然ですが...

新快速が停車するようになって、人気が出て、地価が高騰!したわけです。

なので、戸建ての建売などとても建てられなくなっただけ!です。

ど田舎では都市型高層集合住宅では買い手がつかない!が...

例えば、北陸新幹線の、安中榛名駅前では、地上げを期待して、地元自治体が山林を切り開いて!駅前ニュータウンを造成したのですが...

不便!な割には分譲価格がベラボウで、小売店(ショッピングセンター)も出店してくれず!結果として「日常の生活物資ですら入手困難な陸の孤島!」では、宅地も売れ残って!...見事地上げに失敗しています!

これ以外にも、JR四国のオレンジタウンなど全国には数多くの失敗例が...

まあ、城陽市の様に、京都市内から至近?でも、せいぜい駅前マンションぐらいにしておいた方が...

間違って駅前再開発でショッピングモールでも作ろうものなら...

野洲駅前の平和堂の「二の舞」と成って終うでしょう。

 

公開:2021年4月 3日
更新:2024年2月23日

投稿者:デジタヌ

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