連載《 東海道新幹線"近江八幡新駅"(請願駅)開業で近江鉄道も生き返れる?!》ー第10回ー
たとえ、近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会参加者の自治体長同士で「暗黙の了解」が成立した「共通の思惑」"近江都市圏"が実現できても、
現状の駅配置では新たな利用者(沿線宅地開発)には繋がらないでしょう。
第1項 駅の♥移設と"♥親切"(新設)は必須!
少なくとも地図に図中に示したように駅を移設しないと利用者にとっては、『やはりマイカーでまあいいか...』となって、利用は促進されないでしょう。
その意味でも、前途したLRT路線価ならば簡単に"親切"駅が開業できるわけです。
♥緑の電車マークがLRT新駅
第2目 駅が不便なところに設置された理由は開業当初の汽車ポッポ運行に
途中1時期「軽便鉄道」に免許変更された時期もありましたが、歴史ある近江鉄道は当初より立派な鉄道として敷設!されていました。
つまり、現JR草津線・関西鉄道(かんせい鉄道)などと同じ、陸蒸気!で開業したために、火事に繋がる"火の粉"が嫌われて、町はずれに駅が設置された!のです。
このことがその後の発展に、影を落とした原因の一つでもあるわけです。(※95)
参※95)当サイト内関連記事 関西線 の 加茂 ⇔ 亀山 間 は三江線同様に廃線になる? はこちら。
第3目 開業当初は生活道路すら整備されていななかった!
近江鉄道の開業当初は、県道はおろか、国道すら完備されていなかった時代で、前途した理由で鉄道も街道沿いの集落中心ではなく、町はずれにある玄関辺りに建設されました。
その後整備された、一般道は集落を結ぶ生活道路として整備された訳で、結果論として近江鉄道とは関連性のない経路となったわけです。
つまり「モータリゼーションの現状」では生活道路から離れて、マイカーや路線バスも「立ち寄りにくい」不便な立地となっている駅が多い!わけです。
このことが、沿線住人にしてみれば送り迎えにも不便で、利用をはばかる結果に繋がっている!わけです。
第4目 電停の移設・親切で利用者アップに
駅(停留所)を幹線道路との交差点付近に移設して駅前ん無料駐車場(※96)を親切すれば、マイカーでの送り迎え、路線バスとの乗り換えにも便利となり、モーダルシフトにもつながります!
駅を移設して利用者増に繋がった実例は、阿武隈急行など全国各地のルーラルラインに数多く実例があります。
(※96)USAのSEPTA(Southeastern Pennsylvania Transportation Authority)の郊外鉄道路線区間駅には、沿線自治体が設置した住人専用パーキングが設置されていて、「パークアンドライド」を奨励しています。
実際に、小生が conference 出席のため Boston 近郊の Valley Forge 国際会議場に出張した際に、目のあたりにしています!
好条件を生かすためにも、近江鉄道線がJR西日本のbusiness district(営業網)、
つまりJR西日本さんが第二種鉄道事業を引き受けていただかないと、
京阪神への利便が損なわれたままの"盲腸路線"では、思惑通りに企業進出していただけないでしょう!
企業進出が進まなければ、折角市街地改造で区画整理した、「八日市駅前市街地改造区画整理事業」も宝の持ち腐れ状態に...
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第1目 補助金支出を"減額"するためには小商い(自助努力)も必要に
2-1-1 ♥貨客混載事業の復活も必要
近江鉄道が、今の赤字経営に陥ったのは、頼みの綱にしていた"貨物営業"(セメント輸送)を無くした!ことも大きく響いています。
鉄道事業者も自治体支援に頼るだけではなく、広大なサービスエリアを抱える宅配業者と組んで、新たなる貨客混載事業(※97)に対する試みなどにも積極的に取り組む必要があるでしょう!
さらには、沿線工業団地進出企業の協力を得て、再度製品出荷に役立ててもらえば、幹線道路の混雑対策にもつながります。
多賀大社線沿線事業所は"際物"を生産していないので、輸送コストが合えば米原(コンテナターミナル経由)→首都圏(物流拠点)の製品出荷を再度検討していただけるかもしれません?...
参※97)当サイト関連記事 21世紀のルーラルライン・都市近郊ローカルラインを"意地!"するには"貨客混載"しか残されていない! はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=uJHr76D_-Pg&t=1034s
第3項 ♥尼子コンテナ・ターミナル"親切"で♥JR貨物が乗り入れてくれれば...
電気機関車を入線させるには給電設備(変電所・架線強化)の増強が必要となりますが...
第1目 尼子駅は周辺工場地帯とは県道で結ばれている!
尼子駅近辺にコンテナターミナルを"親切"すれば、周辺の工場地帯とは県道でつながっており、新たな貨物需要も見込めます。
前途した様に、本線の彦根⇔尼子駅を40㎏Nレールに全面更新るだけで、DLならば給電設備を更新しなくともそのまま入線できます!
鹿島臨海鉄道(※99)や水島臨海鉄道ではコンテナターミナルを設けて工業地帯の貨物輸送の一翼を担っています!
更に、前途した宅配業者(佐川急便・ヤマト運輸・日本郵政)の地域集配センターも誘致すれば、「広大な過疎エリア」を抱える宅配業事業者の、合理化にもつながります!
参※99)当サイト内関連記事 何れ 鹿島線 , 成田線 が廃線!となり 茨城県立カシマサッカースタジアム も廃墟と... はこちら。
3-1-1 60kgNレールの高規格路線でなくても貨物運行は確保できる
近江鉄道線のRailway track(軌道)は更新が滞っており40kgN型レールどころか、
未だに大部分が開業当時!のアメリカ製60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)のままで放置!されていますが、
運行最高速度 70 km/h!の彦根多賀大社線ならば、40kgNレールに更新するだけでOKです!
3-1-2 重量級レールでも♥標準レールでも摩耗(耐久性)は同じ!
レールの耐久性は"走行頻度"言い換えれば輸送密度に係るので、重量級レールを使用しても耐久性(寿命)は変わりません!
最高運転速度を規制すれば60kgNレールを用いなくても、安価な40kgNレールに換装することが出来て大幅なコストダウンが可能です!
つまり『運行速度抑制は、維持管理・設備更新費用の大幅な♥コストダウン!』に繋がり、経営基盤が脆弱な3セク rural lineでも"持続可能な鉄道事業"が目指せるのです!
なので、重量級レールは、経営基盤がぜい弱な近江鉄道では、安全運行にも支障をきたす重大な問題となり、速度制限(必殺徐行?)で対処しているのです。
参考データ 北陸線関連の地方私鉄
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第4項 積極的な♥観光路線化策も...
事業継続(赤字補填)にだけ汲々とせずに、小湊鉄道沿線自治体のように、観光トロッコ列車による町おこしも、選択技になるのでは?...(嵯峨野観光鉄道の成功例もあることだし)
公開:2022年10月23日
更新:2025年1月23日
投稿者:デジタヌ
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