狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載『 泉北高速ライン"阪和線直結・直通!で"なにわ筋線"では叶わない!大阪駅直通が...』ー第6回ー

★第4節 御堂筋線中百舌鳥延着?仕組まれたシナリオ!とは 

大阪府は建設費・工期ともに有利で、かつ建設補助金(道路特定財源)面でも有利と判断して、南海接続案を採択して、1965年泉北ニュータウン着工と同時に.設立した大阪府の第3セクター大阪府都市開発(株)に地方鉄道として当時の地方鉄道法に下ずく事業免許申請をさせて、1969年に鉄道敷設免許を取得して建設に取り掛かり、運行は南海電鉄に全面委託する形、今で言う上下分離の形で直接鉄道事業に乗り出しました。

そして大阪万博の翌年の1971年に一部を開業させて24年後の1995年に栂・美木多迄開通させています。

第0項 そもそも泉北ニュータウン計画とは...

南区 推計人口、139,918人/2019年10月1日現在

冒頭で述べた通り、1967年の泉北ニュータウン第1次入居開始以来、2024年現在57年!が過ぎてしまい、鉄道を取り巻く状況も大きく変わりました。

第1項 建設当初大阪府が描いたバラ色の『泉北ニュータウン』構想とは...

同時期に開催された"exsp1970大阪万博"の開催に際して、メインアクセス路線として検討していた御堂筋線千里ニュータウン延伸を渋った大阪市交通局の為に、八方手を尽くして、やっと阪急の協力で北大阪急行電鉄を開通させて、体面を保てた苦い経験!がありました。

当ねん時の大阪府は"泉北ニュータウン構想"に際して、『府道の完成に合わせて中百舌鳥迄御堂筋線を延伸させましょう...』(※32)という大阪市(交通局)のペテン?などは信じられなかった!のは事実です。

そこで、明治以来"共に歩できた"旧知の仲の「南海鐡道」(※33)に話を持ち掛けて、直通運行(と業務委託)を条件に「泉北高速鉄道」を建設することにしたわけです!

参※32)事実この区間は着工後2年という短工期で、府道・高速地下軌道?共に開通しています!

参※33)当サイト関連記事 第3項 その後の南海鉄道事業に絡む"重要なキーワード"大阪府との強い絆!はこちら。

第1目 歴史が語る"泉北ニュータウンと鉄道3社の関係"

再度鉄道事業者とニュータウン開発を時系列で整理すると...

※印は大阪メトロ関連次項

19世紀 明治新政府
  • ●1889年4月1日 町村制施行により、大鳥郡北上神村、中上神村、南上神村、美木多村が発足。
  • ●1894年11月10日 中上神村と南上神村が合併。上神谷村となる。
  • ●1896年4月1日 郡の統廃合により、大鳥郡から泉北郡に変更。
20世紀 大日本帝国時代
  • ●1935年2月11日 北上神村が鶴田村と合併。福泉町となる。
大東亜戦争敗戦後の民主主義国家?になり
  • ●1955年4月1日 上神谷村が周辺3村と合併。泉ヶ丘町となる。
  • ●1956年9月30日 美木多村を福泉町に編入。
  • ●1959年5月3日 泉ヶ丘町を堺市に編入。
  • ●1961年 大阪府が泉北丘陵開発に関する基本構想発表。
  • ●同年3月1日 福泉町を堺市に編入。
  • ●1964年 基本計画決定。用地買収が始まる。
  • ●1965年 大阪府の新住宅市街地開発事業として認可し 最3セクター「大阪府都市開発」を設立。
1966年 

泉北ニュータウン着工。

  • ●1967年 泉北ニュータウン第1次入居開始。
1969年
  • ●3月 第3セクター大阪府都市開発㈱(通称泉北高速鉄道線) 中百舌鳥 ⇔光明池間の敷設免許を取得(着工)
1971年
  • ●4月1日 3セク俗称泉北高速ライン 第1期区間 中百舌鳥 ⇔ 泉ケ丘間直流600V!電化で開業
  • ●1973年10月7日:泉北高速鉄道 架線電圧を1500Vに昇圧
  • 同年12月7日:泉ケ丘駅 ⇔ 栂・美木多駅間延伸開業。
  • ●1977年8月20日:3セク俗称泉北高速ライン 栂・美木多駅 ⇔光明池駅間延伸開業。光明池車庫を使用開始。
  • 1980年6月11日 大阪メトロ 我孫子⇔中百舌鳥間延伸着工、
  • ●1986年12月 バブル景気勃発!難解電車も大博打(不動産投機)に走る!
  • ●1987年4月1日 国鉄分割民営化でJR西日本誕生
  • ※1987年4月18日:大阪メトロ 我孫子駅 ⇔中百舌鳥駅間 (5.0 km) が延伸開業し全通。9両編成化開始。
  • ●1991年2月 バブル景気はじける!難解電車運転資金難!
  • ※USA系投資ファンドからのRefinancing(再投融資)で切り抜ける!
  • ●1995年4月1日:3セク俗称泉北高速ライン 光明池駅 ⇔和泉中央駅間延伸開業し全通?
1996年
  • ●4月 旧大蔵省主導で旧大蔵省主導で金融ビッグバン政策!始まる。
  • ●10月8日 JR西日本株式公開上場完全民営化達成!
  • ※同時に投資ファンドが経営に参画!
21世紀
  • 2001年1月6日、中央省庁再編?に伴い運輸省・建設省・国土庁・北海道開発庁が統合して、国土交通省誕生。同時に財務省が誕生。
  • ※JR・難解両者に出資してくれた投資ファンド、財務省の主導で日本マスタートラスト信託銀行、日本カストディ銀行が国内の都銀・保険会社なのの資本系列となる。つまり政策投資ファンドが誕生!
  • 日本の運輸事業が国交省各局から財務省所管(投資ファンド)の水先案内人操舵!体制となったのです!。
  • ●2006年(平成18年)4月1日 堺市 政令指定都市に移行。南支所管内区域が南区となる。
2008年
  • ●9月15日 リーマンショック勃発!USA銀行系と海外投資ファンド一斉に日本から撤退!して、鉄道会社乗っ取りの危機が去る!
2013年
  • ●2月12日 南海電車は(財務省所管)の投資ファンドによる新体制(経営陣!)となり本社ビル移転。
2014年
  • ●7月1日 大阪府(およびその他の出資者)が南海電気鉄道に株式を実質払い下げ!して、南海の完全子会社 となり、社名を泉北高速鉄道株式会社に改称!
2017年
  • ●6月1日 OsakaMetro 公営(株式非公開100%大阪市所有!)株式会社?誕生。

第2項 "道路"が無いところには引けない"高速地下軌道"

御堂筋線中百舌鳥延着?は大阪府・堺市・南海電鉄で仕組まれた延着劇!だったわけです!

事実、泉北高速鉄道が事業申請された1969年頃には 新金岡⇔中百舌鳥間は構想はあっても、着工はおろか実施計画(用地買収)も本格的に進んでおらず、地下鉄開業の1987年4月の僅か2年程前の1985年に、やっと道路建設が着手されて、同時着工の形で地下鉄も着工してわずか2年ほどで開通しています!

つまり軌道法に基づいた大阪市営地下鉄は、よほどの事情でも無い限り、「道がないところには新設軌道は敷設出来ず」大阪府の府道28号線の着工を待ちわびていたのでした!

ただし1975年以降に府道と同時着工できたので、道路関係の補助金(主に道路特定財源;ガソリン税)が利用できて、この面では府におせわになった形にもなります?

第1目 開通の目途が立たなかった!府道28号線中百舌鳥⇔我孫子間

一方堺市の協力(了解・都市計画成立)も得られずに用地買収どころか道路計画すら確定していなくて手つかずで"着工の見通しが立たない(ことになっていた?)府道28号線中百舌鳥⇔我孫子間には大阪市が高速軌道(市営地下鉄)を延伸させることはほぼ絶望的な状況が生まれていました!

御堂筋線中百舌鳥延伸は一度破棄!されていた

このために御堂筋線 我孫子⇔中百舌鳥延伸計画は一度破棄!され 、

1971年12月8日都市交通審議会答申第13号からも消えています。(※41)

(※審議内容を作成したのは大阪市交通局で、当時の運輸省に提出した上伸書(検討事項)から漏れていたのでは審議されなくて当たり前!)

railroadprojectflow.png

参※41)当サイト内関連記事、インフラ整備のよりどころ、各省庁の『 XX審議会 』とその答申とは? はこちら。

第3項 時機を逸した"地下鉄出前"では...

しかし、「評判の悪い蕎麦屋の出前」同様に時機を逸した"地下鉄出前"では、中百舌鳥駅周辺のマンション・立て売りの販売には寄与できたかもしれませんが?もはや泉北ニュータウンの救世主には成れませんでした...

「泉北ニュータウン」も当初計画の完遂には至らず未成ニュータウンとなり果て、泉北高速も営業不振が続いており?、栂・美木多からさらに南へ延伸する計画も夢と潰えていました!

栂・美木多から先には居住区は開発されていませんが、地下鉄の延伸開業を見込んで、誘致した工業団地が府道226号バイパス沿いあり、進出計画を見直した企業が多くでて、1995年4月に光明池駅 ⇔ 和泉中央駅間が延伸開業して開業し全通?した後も未だに活気がありません!

第1目 結果として迷惑をこうむった入居者!

大阪府(道路事業)と、大阪市(市交通局高速地下軌道)の足並みがそろわずに泉北ニュータウン計画立案当時に二転三転して迷走し続けた「地下鉄御堂筋線南進計画」と「堺筋線南進計画」のもつれの結果、地下鉄延伸計画が16年間もの長きにわたり宙に浮いたままになり、結果として泉北ニュータウン住人に長年不便と「いらぬ出費(初乗り運賃の3重払い!)」を強要する結果になったわけです。

いずみ中央⇔♥梅田新都心間の料金比較

♥泉北高速(なかもず乗り換え)御堂筋線ルート ¥660ー!/57分

×泉北高速・南海電車・御堂筋線ルート ¥800ー!/最短48分 (直通区間急行・難波乗り換え)

第1目 誰がこのような事態を招いた責任をとってくれるのでしょうか?

『運が悪かった...』だけでは済まされない!と思うのは小生だけでしょうか?

第2目 それにしてもおかしい現況!

それにしても、何故???わざわざ南海本体と別会社にしてまで初乗り運賃を2重取りする必要(言い訳)が有るのでしょうか?!

大阪府都市開発(株)払い下げ時に、条件として後述する市営地下鉄(現大阪メトロ)乗り入れのための「設備改良工事」を持ち出すこともできたはずです?

又その方が利用者(泉北ニュータウン住人)には有りがたかったでしょう。

府民は不明朗な泉北高速鉄道の南海電鉄への株式払い下げ共々、もっと追求するべきでは無いでしょうか!?

大阪府民として威信の怪(※31)が行った密議!に納得がいかないのは小生だけではないと思います!

参※31)当サイト関連記事 大阪"いしんのかい"と中国共産党中央統一戦線工作部の時系列から読み取れる相関関係とは はこちら。

※デジタヌの邪推?

上記の大阪府都市開発(株)の株式売却・譲渡・払い下げ・の裏には、当時の橋下大阪市長が南海電鉄と何らかの密約を交わしていた!?のでは無いでしょうか...

2014年1月6日当時の橋本大阪市長が行った定例記者会見では

『「なにわ筋線建設計画」で大阪市と関係各位(大阪府、JR、南海、阪急)の大筋合意を得たので今後強力に建設推進を行う...』

と、意思表明し同表明に基づいた計画案を市当局が作成し同年12月8日に開かれた第6回大阪市鉄道ネットワーク審議会でお墨付き?をえて、政府関係各庁に働きかけを行い本年5月(2018年)の正式発表となった件とは無関係と言いきれるのでしょうか...?

小生は、南海と大阪維新の会(大阪市、大阪府)野党自民党市議団との間で、何らかの密約が交わされていたのでは無いだろうか?と睨んでいます!

そうでもないと、南海が路線の大半の軌道特許の申請を引き受けるはずもないし、野党市議団も自身の票田への延伸要求(今里筋線、鶴見緑地線、千日前線etc.......の票田への延伸公約)をアッサリ取り下げ、「なにわ筋線建設計画」1本で意見がまとまる訳がありません!

もしも小生の読み通り密約に基づいて、南海への大阪府都市開発(株)の実質払い下げ!が行われていたとしたら、府民・市民に対する背任行為!ではないでしょうか...

 

公開:2017年8月 6日
更新:2024年2月23日

投稿者:デジタヌ

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