狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 欧米の都市で復興した LTR・トラム網への3つの取り組み方とは...》ー 第6回ー

第6回 現状のブレーメン型台車懸架単台車形式の"関節重連型超低床車両"の問題点!

※本節は 当サイト内関連記事 ライトライン型(単台車・台車懸架・関節重連)車両の欠点"は複合カーブ通過と激しいヨーイング! の Digest edition です。

horizontal 方向のみに対応した"関節機構を用いた首振り操舵を基本としているために、

車体間の捻じれには対応できない機構!となっています。

つまり現状の関節機構車両では一次平面での曲がりには対応しますが、"3次元の捻じれ"には対応しない!のです。

参※321)当サイト関連記事 設計値30R!のライトラインでは25Rは「安全に通過でき無い!」脱線事故は当然の結果... はこちら。

第1項 単台車形式で Railway track の捻じれを吸収するには

この為に Railway track捻じれを吸収するには、サスペンションのストロークが必要となるのですが...

automobile とは違い、サスペンション・ストロークの短い Tramcar では、線形(曲率とCantによる捻じれを吸収しきれず!Train wheel(車輪)の"踏面"の輪重が"抜けて"しまう"のです。

なのでフランジが rail に乗り上げて、ライトラインが脱線した!のです。

通常の鉄道車両では車体間の結合は"3次元的に許容"されており多少の捻じれは吸収してくれるので、逆そり!のポイント部でもなんとか通過できるのです。

更に、一般車両は20mにも及ぶ車長の為に、相当離れている各bogie(台車)相互にも捻じれが生じますが、台車と車体間の大型のエアーバッグのストロークで吸収しているわのです。

台車懸架単台車式近い挙動

超低床車両では、車体とbogieは左右4か所ぐらいの"ラバーブッシュ"で結合されており、

水平方向には4.5から6.5度!程度の僅かな回転自由度を確保していますが、捻じれ方向にはほとんど機能しません!

なので各車輪踏面の輪重が抜けて、フランジの乗り上げ(脱線!)が生じてしまうのです。

※、鉄道においても、カントと曲率が複雑に変化する坂道複合カーブではこの現象が起きて日比谷線の脱線事故に結び付いたわけです!なので現在でもTokyoMetro日比谷線ではボルスタレス台車は使用してい無い!のです。

同様の理由で京急も旧来のボルスタ(揺れ枕付き)台車を使用し続けています。

微小ボギー角の問題!

現在、車軸レス(※322)の台車(台枠)ダイレクトマウン方式では、回転自由度が30R対応(4.5度!)~25R対応(6.5度)と極端に小さく、曲線通過は前途した車体間の首振り関節機構が受け持っているわけです!

豊橋電鉄のカーブ通過光景を見てもわかる通り、

急カーブではボギー角度は30度以上にも及び、10度以下程度の回転自由度では、軌道の僅かなundulation (蛇行) に対応出来る???程度の役目しか果たせないのです。

参※322)超低床車両用ボギーでは,Targo (※322-2)の様に左右輪が繋がっていないのでは無く!

実際には左右輪は Drive shaft で繋がっています!

なので、極端な急コーナーでは、通常の輪軸台車と同じように左右輪の回転差を吸収出来ず

Conflict して一種のブレーキング状態となります。

参※322-2)当サイト関連記事 タルゴは軌間変換の意味では無い! はこちら。

♥日本一の最小半径11Rを通過するボギー車

第2項 関節首振り機構 + 長いオーバーハングを持つ中間車両の問題点

関節で繋がった、各車両長が10m!にも及ぶブレーメン型では

車体中央部にある台車(輪軸)に大きな曲げモーメントが加わってしまいます

つまり地車の"かじ取り棒"と同じ役割を果たしてしまうのです!

なので、カーブ通過時に両端の車輪に外向きの大きな力が働き脱線しやすくなるのです。

第1目 広電タイプでは...

超低床エルアールブイ台車技術研究組合が開発した、広電・広電5100形では、

中間車両長をほぼ台車枠サイズに近づけて、オーバーハングを小さくして曲げモーメントを最小限に抑えています!

それでも、ポイントスイッチ部や、併用軌道交差点部では、ママチャリ速度程度の15㎞/hで最徐行運行を行っているのです。

第3項 車体懸架・単台車形式・超低床車両ウィークポイントは高速安定性!

  • §1)関節連結型構造は車体間の"捻じれ"モーメントに弱い!
  • §2)台車懸架・単台車形式中間車両&長いオーバーハングの問題
  • §2)微小ボギー角?の問題!

メカ音痴!の「Youtuber」共の標的にされているように、

日本で超低床車両が鉄道線直通で高速走行している例(福井鉄道・広電・筑豊電車)では、

猛烈なヨーイング(水平方向の回転振れ・蛇行)を引き起こしているわけです。

低床車両の猛烈な?ヨーイングの原因は前途した輪軸台車構造の違い、

つまり台車懸架による単台車形式が大きく影響!しているのです。

実はsolutionはすでにある!

フクラムF2000や諸外国のトラムトレインでは、3連接構造として、

前後の車両には通常のボルスター(揺れ枕)付きボギー台車を使用して

十分なボギー角度を確保したうえで、左右の揺れを吸収!して、

中間車両のみ「台車懸架」のダイレクトマウント構造としています。

※但し...保線状況によるところ大!(デジタヌの体験談)

福井鉄道、えちぜん鉄道ともに、現在は40㎏N型レール?を使用した最高運転速度65㎞/hの昔で言うところの地方鉄道線ですが、

昔から保線状況(軌道の保守・整備状況)が極悪!

嘗て(1980年頃)北陸出張の帰路に、福井駅前→越前武生間で急行車両(コイルバネ台車200型)に"乗車体験"した時も...

戦前の開業当初!から使用され続けていたASCE(米国土木学会)Rail profile の60 lb/yd (29.8 kg/m) rail を用いたRailway trackでは、情けない保線!状況も合わさり、今にも脱線しそうなくらいに?盛大に揺れた劣悪な乗り心地だったのを覚えています!

つまりJR九州の末端 rural line 並み?というか...

つまり「鉄道系Youtuber(※31)」共が揶揄している物凄い揺れは、新潟トランシス製「ノックダウン・ブレーメン型車両」だけのせいでは無い?ことも事実です。

事実、丸本の車軸レス・左右独立車輪方式の TARGO 車両は、本国・輸出先いずれでも、240km/hの高速走行!下で不快な揺れは生じていません!

第1目 関節首振り車両は捻じれモーメントに弱い!

先般の宇都宮ライトラインにお試運転中の脱線 incident(※27)で明らかになったように、

現状のブレーメンタイプ台車懸架・単台車車両の関節重連!車両では、カントを付けた複合コーナーでは不安定な挙動を引き起こすのです。

参※31)当サイト内関連記事 今どきの 鉄道系Youtuber・鉄オタ・フリーター , ゴーストライター , 鉄道コラムニストとは?... はこちら。

 

公開:2019年8月18日
更新:2024年4月 8日

投稿者:デジタヌ

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