Essay『海上コンテナ鉄道輸送の"持続可能な営業規模"など運輸賊・経産族には理解の範囲外!?』ー第6回ー
※ここをクリックするとこの Content の Opening に戻れます!
Double-stack を実施するには車両限界・建築限界を大幅に拡大する必要があります!
例えばBNSFでは図に示されたように、日本の車両限界より大幅に大きなサイズとなっています!
元々4ft8in(1420mm!)のStephenson gauge( standard gauge)を採用しているUSAでは、(※21)
鉄道線を走行するpassenger-carは通勤車両も含めて日本のShinkansen同様に25m級の大型車両が普通ですが...
Freight Car(貨車)は、payload(ton/m)とAxle load limitation(軸重制限)の為に18m程度と日本並みに?短い車両となっています!
参※21)当サイト関連記事 鉄道発祥の地・英国で生まれた国際標準軌 (4 ft 8 in) !と各国標準軌の歴史... はこちら。
第1項 payload と Axle load
輸送力を決定付けるRailway trackの性能(制限)として、Axle load limitation(ton/axle) & payload( t/m)があります。
第1目 payload(ton/m)とは
これは主に、橋梁(連続高架橋)などの許容耐荷重設計値からきており、
車両総重量を全長(連結面間長さ)で除した値となっています。
この値は、使用するRail profile (レール)と枕木(本数)によって制限されます。
(※後述するように、BNSFのtranscontinental railroadでは141 lb/yd (69.9 kg/m) railを使用することにより推定40 t/axle!まで引き上げています)
第2目 Axle load limitation; ton/axle とは
Axle load (軸重)とは、Wheelset(輪軸)1軸当りの、"Railway track"に対するload(荷重)のことで、一般的には静荷重(※25)を示します。
(※なのでeccentricでincongruous(アンバランス)なloading(搭載)を行うと、最大積載重量以下でもAxle load limitation(軸重制限)をexcess(超過)することが有ります(特に truck輸送では))
(※25)静荷重とは静止状態つまりはカンカン(重量計)で計測できる荷重で、走行中の荷重を動荷重と称します。
動荷重は、走行状態(走行速度による縦揺れ、横揺れ)などで変化しますので、Wheelset(輪軸)ごとにロードセル(荷重センサー)を装着しないと実測は不可能です!
USAの(Double-stack rail transport対応70kg/m rail 使用幹線)ではAxle load limitation(軸重制限値)は 24 ton/axle となっています。
USA一般路線(at 50kg/m rail track)
※Association of American Railroads(アメリカ鉄道協会)規定一般路線
- ●Axle load limitation;22.5 tonnes (50kg/m rail)
- ●payload Limit.;8 t/m
※Double-stack rail transport 対応幹線(70kg/m rail track)
- ●BNSF main line; Axle load limitation♥ 24 ton/axle
嘗てのUSAでも、ヨーロッパ同様に幹線でも37kg/m ASCEレール( 75 lb/yd ASCEレール)が普通に使われていて、
この場合の Axle load limitation は 20 ton/axle でした。
つまり、USAの一般鉄道会社では50kg/m のレールが普及して、上記の値となった訳です。
※ 日本では長らく幹線(本線)で6t/m、地方線で5t/m 以下となっていました。
ヨーロッパ一般路線 75 lb/yd rail track(37kg/m ASCEレール)
- payload ; 6 ton/m,
- Axle load limitation;20 ton/axle、
※なので、(トンネルの建築限界もあり)日本同様に Double-stack rail transport は行われていません!
Russian
- ●payload limitation;6 t/m
※main line 50kg/m ASCE rail (アメリカ土木学会規格!)
- ●25 t/axle、
- ●regional line 75 PS rail(75 lb/m=34kg / m)!20 ton/axleに据え置き
こちらも、日本同様に Double-stack rail transport には対応していません!
注※ Ton とはMKS(メートル法)単位だけの表記ではない!
Ton:t(トン) とはMKSでは1,000kgを意味しますが...日本の運送屋が好んで用いる尺貫法単位の"才(さい)"同様に長年ポンドヤード法に慣れ親しんだ(拘り続ける)米・英の運送業界では...
- ●国際ポンドヤードを使用する アメリカでは 1t:2000lb=907.18474kg
- ●"埃"高き強情者・英国病を病む イギリスでは 1t:2240lb=1016.0469088 kg
となっていて共に1t=1000kg ではありません!
第2項 軌道等級と耐荷重(&最高運転速度)の関係
第1目 Axle load の大きな要素 Tie!
Railway track では Rail とTrack gauge を規制する tie(sleeper)枕木が重要な要件となっています。
つまり英語圏で一般的に"枕木"がsleeperではなくtieと呼ばれているのは、Track gaugeを規制する tie (cross member)としての大事な役割を果たしているからです。
JR在来線を例に挙げると...
JR在来線を例に挙げると、JNR時代は長らく『国有鉄道建設規定』第61条では、枕木本数!による線路等級が細かく規定されていました。
後述するように、幹線・地方交通線共に75 lb/yd ASCErail(37kgレール!) を使用して、枕木本数:丁/10mで"等級付け"してきました。
またrural line(田舎路線)harbour railway,colliery railwayなどの branch line では、60 lb/m ASCErail(30kgレール) と言うASCE(※27)最低ランクの鉄道用普通レールが使用されていました。
※KSとはローマ字の軌道が受ける静加重、つまりローマ字のKidou と"static load"(静加重)を組みあわせた"カタカナ造語"を略して、KSとした?所謂 Axle load limitation(最大許容軸重)と同じ値です。
※1965年以降は1級~4級に再構築。
特別甲線(1級) 50 kgTレール(現60kgNレールに更新中)
※東海道本線・山陽本線の極一部の幹線(いわゆる本社線)、開業当初の東海道新幹線も準拠)
※高速コンテナ列車対応
- ※main line;幹線(110㎞/h)
- ●枕木本数 16丁/10m(62.5 cm 間隔)
- ●道床(Track Foundation)厚 200 mm!以上。
- ●Axle load limitation;18ton/axle(KS18)(1965年以降の改正1級線以降18ton/axle)
- ●payload limitation;6 t/m
甲線(2級) 75 lb/yd ASCEレール(37kg/m rail)
- ※main line;幹線(100㎞/h)
- ●枕木本数 15丁/10m(66.7 cm 間隔)
- ●道床厚 200 mm!以上。
- ●Axle load limitation;16ton/axle(KS16)(1965年以降の改正2級線以降17ton/axle)
- ●payload limitation;6 t/m
乙線(3級) 75 lb/yd ASCEレール(37kg/m rail)
- ※regional line;地方交通線(95㎞/h)
- ●枕木本数 14丁/10m( 71.4 cm 間隔)
- ●道床厚 200 mm!以上。
- ●Axle load limitation;15 ton/axle(KS15)
- ●payload limitation;5 t/m
丙線(4級) 60 lb/yd ASCE rail(30 kg/m ) !
- ※rural line(regional line)harbour railway,colliery railwayなどのbranch line,(85㎞/h!)
- 相当こまめに保線を行わないと危険な速度!
- ●枕木本数 13丁/10m( 76.9 cm 間隔)
- ●道床厚 150 mm!以上。
- ●Axle load limitation;12 ton/axle(KS12)(1965年以降の改正4級線以降14ton/axle)
- ●payload limitation;5 t/m
参※00f)南海天王寺支線、や伊達軌道を始めとする併用軌道事業、の殆ど!
参)、当サイト関連記事 南海電鉄の持つ大阪市に対する根深い不信感! はこちら。
参)、当サイト関連記事 東北・関東における元祖!広域LRT網"伊達軌道" 発祥の地 "福島市・伊達市" はこちら。
※構内の様子ですが、本線?部分も同じ開業当初の60 lb/yd ASCE rail(30 kg/m )が殆ど,
しかも道床0・バラスト"0"です!
"ひとの歩幅"よりも広い枕木間隔がよくわかります!
ー続きはこちらー
※ここをクリックするとこの Content の Opening に戻れます!
公開:2021年11月22日
更新:2024年2月21日
投稿者:デジタヌ
Essay『海上コンテナ鉄道輸送の"持続可能な営業規模"など運輸賊・経産族には理解の範囲外!?』ー第5回ー< TOP >Essay『海上コンテナ鉄道輸送の"持続可能な営業規模"など運輸賊・経産族には理解の範囲外!?』ー第7回ー
▲陸上交通政策調査室へ戻る