連載《 路面電車・軽便鉄道・森林鉄道が日本各地から"消えた理由!"とは...》ー第7回ー
第7回 1963年の名神高速道路建設に始まった全国高速道路網建設が流れを変えた!
ご存じの通り、日本初の本格的自動車専用道路「名神高速道路」は1963年 →1965年にかけて建設!されて開通しました。
つまり1964年の東京オリンピック開催時期になって初めて「高速周回路(※41)」を使った連続高速耐久性試験の様子などがTVコマーシャルに登場するようになり、マイカーへのあこがれも高まっていきました。
第1節 名神高速道路建設用大型建設機材の輸入が転機!に...
名神高速道路建設用大型建設機材の輸入が日本の道路建設の転機!になりました。
高速道路網建設に必要な大型土木機械、特に大型自走式の「モーターグレーダー」や「アスファルトフィニッシャー」の輸入・国産化により、各地の道路舗装率が急激に向上したためです。(※42)
※41、バンク伝説シリーズ記事はこちら。
※42) グラフでみる道路建設業 はこちら。
モーターグレーダーの普及が道路整備を一変させた!
土石採掘、アスファルトプラントを除くと、一般的な築堤(盛り土)タイプの道路建設では、以下のような大型建設機械が用いられています。
小型のブルドーザーやロードローラーは日本でも戦前から用いられていました。(中学校でグランド整備に用いられる手で引っ張る例のヤツの大型版)
更に大型ブルドーザー(※43)、グレーダー、アスファルトフィニッシャーは名神高速道路建設時に、米国から大量に輸入された建設機械が原型となりリバースエンジニアリングされて国産化されたものが殆どです。
参※43)超大型ブルドーザー、25ton超大型ダンプ(工事道路専用)は佐久間ダム建設時(1953年着工1956年竣工))に米国から輸入された"中古機"が国内初登場とされていますが、
一般道は走行禁止!なので、名神高速道路建設時には一部の区間でしか使用できませんでした。
また1964年の第一期開通部分(吹田⇔栗東間)は、従来通りのコンクリート舗装が大部分を占めていますが、
それに続く第2期、更に続く東名高速道路建設ではアスファルトフィニッシャーが大活躍!しました。
第2節 土砂搬送の機械化!
大型ダンプトラックの登場
1960年当時でも道路建設は、工事用に軽便軌道を敷いて「トロッコ」を土工2人が手押しして、土砂を建設用地に運んで手作業で伸ばしていくのが普通でした!(※実際に小生が幼少の頃、近くで建設されていた府道12号堺大和高田線はこの方法で建設されていました!)
道路建設の手順とは...
2)均しその1
ブルドーザーの登場で機械化されました。
3)法面成形
バックホーが普及しだして機械化されました。(以前は手作業!)
4)均しその2
モーターグレーダーは敗戦後米軍が持ち込んだブルに牽引されるグレーダーが、自走式のモーターグレーダーへと進化したもので、これの登場で全国の道路網の整備が一期に進んだといっても過言ではないでしょう!
前途したように、モーターグレーダーの登場以前は、全て道路工夫による手作業!でした!。
ブルドーザーとグレーダーの登場で、大規模舗装工事も可能となり、進駐軍に接収された各地の飛行場の滑走路もコンクリート舗装(※44)されて、その後の空輸の繫栄に繋がるのです。
参※44)当サイト内関連記事 千歳空港は2か所にあった!陽炎のように終わった連山飛行場! はこちら。
5)転圧その1
ロードローラー は戦前の1929年にガソリンエンジン使用の6tonタイプが国産化されて、使用されていましたが...
第3項 舗装は最後の仕上げ「路面の厚いお化粧?」
舗装は、道路建設の最後の段階であり、いわば「道路の厚いお化粧?」です。
全国に高速道路網の建設が始まったとはいえ、
アスファルトフィニッシャーはそうそう年中出番のある機械でもありませんでした!
つまり高速道路建設で全国各地にアスファルトプラントと共に出現した舗装会社の作業所(事業所)の普段の「凌ぎ」に、
当時の建設省の各地方建設事務所、地方公共団体(県道・市道管理者)などへ猛烈なプロモーション活動が展開されて、瞬く間に全国の幹線・準幹線・主要都市の市街地が舗装整備されたのです。
さらに自走式のアスファルトフィニッシャーが導入されて、大都市近郊の周辺都市にまで「簡易舗装」が普及しだして...
アスファルト舗装
アスファルトフィニッシャーの例。
2)転圧その2
当初は"転圧"されない"簡易舗装"が一般的でしたが、その後やや遅れて現在一般的なタイヤローラーが登場して、全国に高規格アスファルト舗装幹線道路網が整備されて行きました!
そしてそれと共に鉄道網が...
公開:2019年7月23日
更新:2024年3月21日
投稿者:デジタヌ
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