狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

歴史探訪『 アメリカ建国に重要な役割を果たした大河川と鉄道 』ー第13回ー

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第13回 パナマ運河と大西洋・太平洋を結ぶ inter-ocean cargo transportation の変遷 

東西の海の玄関口ニューヨーク⇔オークランド(サンフランシスコ)間が直線距離(大圏距離)にして約4,100km (4140km )、cargo transportationの主要都市、シカゴ⇔オークランド間で約3000㎞(2,980km )にもなります。

第1項 米国の"陸蒸気"海上コンテナ輸送について

アメリカの鉄道が、再生できた要因はズバリ、船舶輸送(貿易)との連携、複合貿易貨物輸送システム(land and water combined transportation)に尽きるでしょう。

★ローッキー越えのFeather River Routeの有名なKeddie Wyeを走行中のDouble-stack rail transportのマイルトレーン!

険しい山岳地帯を踏破する大陸横断鉄道でさえ、全長約3㎞!総重量約1万ton超!のマイルトレインが運行されているわけです。

パナマ運河開通後も、米国での東西沿岸都市を結ぶ物流は各都市の発展と共に増加して、特に近年は輸送コスト低減のためにコンテナ船は年々大型化して、パナマ運河を通れないオーバーパナマックス船が一般化して、アジアから東海岸への物流(貿易)を賄うために、貨物を西海岸から内陸部や東海岸に運ぶ手段として複合貨物鉄道輸送(land and water combined transportation)が必要になりました。

Southern Pacific Transportation Companyは、大手コンテナ船会社シーランドの創設者マルコム・マクリーンと共同で、...1977年に初めて二段重ね貨物列車のアイデアを発表した。

《Wikipediaより引用》

現在Union Pacific Railroadの傘下に入ったSouthern Pacific Transportation CompanyACF Industryと専用台車を共同開発してその後 アメリカンプレジデントラインズと提携(アライアンス※41)して、1984年に最初の総二段重ね貨物列車がSouthern Pacific Transportation CompanyからConsolidated Rail Corporationに直通してロサンゼルスからKearny, New Jersey間に"Stacktrain" rail serviceの名前で運行開始されました。

参※41)当サイト内関連記事 広範囲にわたる企業提携(アライアンス)関係とは? はこちら。

第2項 キーワードは1万トン輸送!と、Double-stack rail transport 

アメリカ鉄道網(鉄道事業者)の再生には、1列車当たり1万トン!の貨物輸送と、それを実現するためのDouble-stack rail transportが欠かせない必須条件となっていたわけです。

つまり結論から言ってしまえば、

現状のJR貨物のMax1,300 ton輸送体制では、"速達性"ですら内航航路の船舶(フェリー※)に対抗できず

最低でもかつて目指したEF200形電気機関車による1,600 ton輸送体制が必要なのです。

参※)燃料やセメントなどの粉・液輸送や原料関係(鉱石、石炭、原油、木材チップ(製紙原料))などのバラ済み輸送はバルク船やタンカーが主体で、その他の製品・生活物資輸送も大型化した長距離フェリーにトレーラー(コンテナ)部分だけを乗せて、積み込み・積み下ろし港からは地元営業所のトラクター(牽引車トレーラーヘッド)が港⇔customer(荷主)間を輸送するシステムが定着しています!

参※)当サイト関連記事 海上コンテナ鉄道輸送の"持続可能な営業スケール"は運輸賊・経産族では理解できない!? はこちら。

第1目 Double-stack rail transport

Double-stack rail transport (複層鉄道輸送)とは海運と鉄道を一体運用して、アジア⇔ヨーロッパの東回りの東西貿易を維持するために考えられたシステムでいわば複合貿易貨物輸送システム(land and water combined transportation)と呼んでも差し支えないシステムです。

第2目 海上コンテナの規格

基本となる海上コンテナには,色々な、形状、サイズ、種類がありますが...

一般的(米国内)で流通しているコンテナは、

長さX巾 X高さX最大積載重量が以下の数値で

○ [1AAA] 12,192 mm (40 ft) 2,438 mm (8 ft) 2,896 mm (9 ft 6 in) 30,480 kg (67,200 lb)
○ [1AA] 12,192 mm (40 ft) 2,438 mm (8 ft) 2,591 mm (8 ft 6 in) 30,480 kg (67,200 lb)

○ 1CC 6,058 mm (19 ft 10-1/2 in) 2,438 mm (8 ft) 2,591 mm (8 ft 6in) 20,320 kg (44,800 lb)

のISO 668コンテナ規格と

アメリカ国内規格 14,630 mm (48 ft) 2,591 mm (8 ft 6 in) 2,908 mm (9 ft 6 in) 重量制限無し!
APL 13,716 mm (45 ft) 2,438mm (8 ft) 2,908mm (9 ft 6 in) 重量制限無し!
マトソン 7,315 mm (24 ft) 2,438 mm (8f t) 2,603 mm (8 ft 6-1/2 in) 22,680 kg (50,000 lb)
シーランド 10,688 mm (35 ft) 2,438 mm (8 ft) 2,603 mm (8 ft 6-1/2 in) 22,680 kg (50,000 lb)

が一般的に鉄道輸送されています。

つまり、最大で、総重量100ton,(軸重25ton)長さ18m

積載重量60ton(又はそれ以上!)の貨物が自重40ton 近いキャリーに積まれて,時には10両のDLと合わせて170両以上!、全長約3㎞!編成重量10000ton以上!の貨物列車が最高時速80mile/h(約120㎞/h)で大草原をつっ走っているわけっです!

第3項 正しく陸上を走る、"陸蒸気"そのもの!

しかしこのシステムが他の鉄道会社にも普及して一般化し、鉄道事業そのものが復活するには更に長い年月を要しました!

♥以下はBNSF鉄道の先頭牽引x4両、中間x3両、後押しx3両 合計10両!DL編成の例 4,400hpX10=44,000hp≒33,000Kw!

第1目 実現までには莫大な再投資も

米国CSX社ではレール上の車両限界として、以下を規定しています。

  • Doublestack 1 -- 18 ft 2 in (5.54 m)
  • Doublestack 2 -- 19 ft 2 in (5.84 m)
  • Doublestack 3 -- 20 ft 2 in (6.15 m)

つまり電化した場合でも、オーストラリア大陸同様にトンネルの必要ないインド大陸?では、架線高さ6.5m!(日本では4.5m)、(新規の3段積?対応路線として7.45m!)が設定されています。

これ以外に積載量が倍増するための軌道強化策、として橋梁の架け替え!、重軌条化(60㎏→70㎏)(※42)

(※42)日本国内では、新幹線で使用されている60kg軌条が一般的には最大で、80kg軌条の規格(ISO,ASME,JIS)はあっても、製鉄所のトーピードカー用の構内軌道ぐらいでしかお目に掛かれませんが、多層化の進む米国では、141 lb/yd (69.9 kg/m)が一般幹線(maine line)でも使用されだしています、

しかも皮肉なことに嘗て(カーネギー製鉄所からの)輸入レールに頼っていた日本でしか製造できない(されていない)」rail なので、米国の鉄道は日本製レールで成り立っているのです!

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公開:2021年10月19日
更新:2024年4月 5日

投稿者:デジタヌ

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