狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載『鉄道事業は軌道維持管理というハンディを抱えている』ー第4回ー

第2節  軌道の"御守り"保線とは...

第0目 鉄道事業者の命題!"安全第一"

保線業務は安全第一を命題とする鉄道事業者にとって一番大切な日常業務です!

Railway track(軌道)(線路・枕木・バラスト等)の点検・保守(修正)・更新(レール・枕木交換)は、更に交通事業者の命題!"安全運行"の為に、最優先されるべき日常業務です!

JR北海道や、弘南電鉄の様な不祥事(インシデント)を生じないためにも、保線業務は欠くべからざる業務と言えます。

第1項 Railway track(軌道)の主役レールの重要性!

  • ●JR各社のmain line(幹線)で使用されている60㎏Nレール 
  • ●大手私鉄鉄で用いられている 50kgN型レール
  • ●regional line(地方交通線)rural line(地方鉄道)で用いいられている 40kgN型レール

軌条 は、単位長さ(yd or kg)当りの重量(lb or kg)で細かくクラス分;Rail profile(規格化)されています。

日本のregional line(地方交通線)rural line(地方ローカル線)の多くでは保線が容易(人力)で、比較的安価?な40kgN型レールを使用しています。

そして日本民営鉄道協会加盟の大手私鉄鉄の多くは、保線作業が省力化(機械化できる)50kgN型レールを使用し、

さらにJR幹線では、メンテナンス頻度の削減!と、列車の長大編成・高速化に対応するために、(嘗て新幹線でも採用されていた60㎏/mレールの亜種)60㎏Nレールを用いて、保線作業の"効率化!"を図っていますが...

省力化=コストダウンにはつながらない!

高価!なマルタイなどの重機を用いて保線作業を効率化できても、

運行経費(維持管理費と設備更新費)に属する保線費用は削減できま線(せん)!

何故なら、保線機材購入に莫大な費用が掛かるので、JR各社や大手私鉄鉄以外では、自前(保線係)では対処できなく、重機を扱える専門業者に委託(外注)せざるを得ないからです。

しかもこれらの重機(レンタル)も、需要の多いMetropolis(大都市・政令指定都市)にしか配備されていません。

レンタル(リース)重機を使った機械化の例!

第2項 軌道事業は労働集約産業!

現在ロシア(※41)が行っている、閉山で失業した石炭労働者の受け皿となっているようにってん

鉄道事業は労働集約型事業です。

つまり、表舞台?(接客)に立つ、乗務員、駅員だけではなく、バックがランドで大勢のの裏方さん(運行管理業務や、大事な保線作業員や電工、検修所の整備士!etc.)がフォローに回っているのです。

参※41)当サイト関連記事 シベリア新幹線 妄想!はロシア版大言壮語 Russian Big Talk! はこちら。

※Новый Ургал 駅(ノーヴィ・ウルガル駅)/バム鉄道

※CSX Replacing Railroad Ties;省力化されたCSXの Ties(枕木) 交換風景2015当時。

第2項 軌条の規格・等級と許容速度

第1目 大手私鉄幹線では50kgNレールが一般的!

JR貨物の高速コンテナれっしゃが運行されているJR各社の main line(幹線)では、高速コンテナ列車運行の為に60kgNレールを用いた高規格 Railway track(軌道)を用いている 路線が多く見受けられますが...

大手私鉄幹線では50kgNレールが一般的!となっています。

大手私鉄各社では最高運転速度は110㎞/h!にも対応している
  • ●標準軌 軌間 (4 ft 8 in!)で直線区間最高速度120㎞/h
  • ●狭軌線(軌間1067mm)では110㎞/h

一部、京成成田空港線160㎞/h!、とか京急、近鉄大阪線のように120㎞/(一部区間130Km/h)で運行している会社もありますが...

(4 ft 8 in!)の標準軌(※31)では直線区間最高速度120㎞/h、狭軌線(軌間1067mm)では110㎞/hが一般的となっています。

参※31)当サイト内関連記事 標準軌 は1420mm (4 ft 8 in) !だった... はこちら。

地方私鉄では40kgNレールが一般的

さらに地方交通線(ローカル線)では最高速度、85㎞/hに抑えられて40kgNレールが用いられています。

更に。弘南鉄道、小湊鉄道、近江鉄道(※001)、等の弱小地方鉄道では、未だに開業当初!のアメリカ製60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)が使用し続けられています!

参※001)当サイト関連記事 近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会が下した存続策決定の齎す先は... はこちら。

人力保線が可能!

40kgNレールは♥修正が容易いので、マルタイや専用の重機(軌陸車)等への高額な設備投資を行わなくても、

昔ながらの熟練保線工夫による人力保線作業が行えます!

第2目 重量級レールでも標準レールでも摩耗(耐久性)は同じ!

一部の、阿保垂れ業界傾 Youtuberが、重量級レールの耐久性?を吹聴していますが...

レールの耐久性は"走行頻度"言い換えれば輸送密度に係るので、

重量級レールを使用しても耐久性(寿命)は変わりません!

最高運転速度を規制すれば60kgNレールを用いなくても、50kgNレールや、安価な40kgNレールに換装することが出来て大幅なコストダウンが可能です。

つまり運行速度抑制は、維持管理・設備更新費用の大幅な♥コストダウン!に繋がり、経営基盤が脆弱な3セク rural lineでも"持続可能な鉄道事業"が目指せるのです!

なので、経営基盤がぜい弱な弱小地方鉄道や、極赤字ローカル線!では、(安全運行にも支障をきたす重大な問題となり)速度制限(必殺徐行?)が必要なるのです。

第6目 参考データ 北陸新幹線並行在来線の軌道更新一覧

現行JR各線区
  • 北陸本線 130㎞/h!※普通列車は110㎞/h(60kgレール!
  • JR小浜線 85㎞/h (40kgNレール)(※一部区間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!
  • JR越美北線 制限速度85㎞/h 40kgNレール(※一部区間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)
  • JR七尾線 100㎞/h (50kgNレール)
  • JR城端線 85㎞/h(40kgNレール)(※一部区間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)
  • JR氷見線 85㎞/h (40kgNレール)(※一部区間敷設当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)
  • JR高山本線 110㎞/h (50kgNレール)
3セク各社
ほくほく線
  • 最高営業速度 110㎞/h (60kgレール!)(※但しJR乗り入れ特急型イベント列車は130km/h)
えちごトキめき鉄道株式会社
  • 日本海ひすいライン 110㎞/h(60kgレール!)
  • 妙高はねうまライン 95 km/h(50kgNレール?)(2023年現在貨物営業廃止!)
IRいしかわ鉄道 
  • 110㎞/h 60kgレール!
あいの風とやま鉄道線 
  • 110㎞/h 60kgレール!
しなの鉄道線
  • (軽井沢ー篠ノ井駅間)100㎞/h 50kgNレール
  • 北しなの線 95㎞/h 50kgNレール(JR貨物運行あり)
のと鉄道線
  • ●七尾線(七尾駅⇔穴水駅) 80㎞/h (40kgNレール?)※一部区間敷設1925年12月15日開通当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)区間あり。
えちぜん鉄道
  • ●三国粟原線制限速度65㎞/h! 40kgNレール(※一部区間敷設当初の30kgASCEレール!)
その他の地方私鉄

 

公開:2023年10月17日
更新:2024年2月27日

投稿者:デジタヌ

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