狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 北陸新幹線・大阪延伸後も"極赤字路線"小浜線を延命させたい?ならば発想転換が...》ー第5回ー

第5回 3セク regional line 事業者にとってもメリットが多い LRT化 と速度抑制!

(Version1,Revision3 ー2023年10月22日改訂)

Railway track&使用車両の維持管理費&更新費用は、最高運転速度にほぼ比例して上昇することがよく知られています。

つまり在来線の最高運転速度130㎞/hを160㎞/hに高速化すると、現行と同じ便数(輸送密度)でも(軌道・車両の)維持管理コストがTotal で23%増し!となり、逆に speed downすると大幅な経費削減に繋がります!

なので、"ほくほく線"では最高運転速度を160km/h→110㎞/h!、に"しなの鉄道"などの第3セクターでは定期列車の運行速度を120km/h→95㎞/hと大幅に引き下げ!て♥「経費節減」を計っています!

つまり、speed downすれば、それだけ Railway track保線費用(維持管理・更新費用)が削減できて、尚且つ車両整備(部品交換)費が抑制!出来るのです。

第1項 運行経費は最高運転速度と比例関係

現在 Metropolis にある interurban (郊外電車)は、殆どが 50kgNレール を使用していますが...

LRT化を図り、軽量 Tram car を導入してspeed down すれば、順次安価な40kgNレールに更新出来て大幅なコストダウンが可能となります!

第1目 高速走行には重量級レールが必須に!

レールは、単位長さ(yd or kg)当りの重量(lb or kg)で細かくクラス分;Rail profile(規格化)されています。

レールにかかる衝撃力と速度と車重

Railway track(軌道)にかかるダメージ(衝撃力)Fニュートンは、

(m;質量、v;速度、Δt ;時間)

F=m・v/Δt であらわされます!

つまり速度に比例して歪(変形)やすくなるのです。

これは、乗り心地や、走行安定線に影響を与える重要項目です。

なので、新幹線では高価な60㎏N型レール使用が必須となります。

第2目 高価な重量級レールでも安価な標準レールでも摩耗(耐久性)は同じ!

レールの耐久性は"走行頻度"言い換えれば輸送密度に係るので、重量級レールを使用しても耐摩耗(寿命)は変わりません!

つまり、重量級レールにアップグレードしても、寿命は延びない!のでコスト削減にはつながりません!

省力化できてもコストダウンにはつながらない!

※レンタル(リース)重機を使った機械化の例!

何故なら、 Railway track の維持管理(変形修正保線作業)が機械化により効率化できても、大掛かりで高価!なマルタイや専用の重機(軌陸車)等への高額な設備投資が必要で、JR各社や大手私鉄鉄以外では、自前(保線係)では対処できなく、重機を扱える専門業者に委託(外注)せざるを得ないからです。

しかもこれらの重機(レンタル)も、需要の多いMetropolis(大都市・政令指定都市)にしか配備されていません。

更には更新時にレール代が嵩みます

レール等級の在来線適用範囲
  • ●60㎏Nレール 新幹線やJR各社のmain line(幹線)で使用 130㎞/h以上
  • ●50㎏Nレール 大手私鉄鉄で使用  狭軌旅客車両110㎞/h 標準軌120㎞/h
  • ♥40㎏Nレール regional line(地方交通線)rural line(地方鉄道)で使用 旅客車両 85㎞/h
大手私鉄幹線では50kgNレールが一般的!ですが...

JR貨物の高速コンテナ列車が運行されているJR各社の main line(幹線)では、高速コンテナ列車運行の為に新幹線!でも用いている 60kgNレールを用いた高規格 Railway track(軌道)を用いている 路線が多く見受けられ、

日本民営鉄道協会加盟の大手私鉄幹線では開業当初の東海道新幹線でも使われていた50kg/mレールの亜種50kgNレールが一般的!となっていますが、

regional line(地方交通線)rural line(地方鉄道)では安価な40㎏Nレールが一般的です。(路線によっては未だに開業当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!を使い続けている例もあります!

JR各社の rural line では

JR各社の regional line(地方交通線)、rural line(地方ローカル線)では、

最高運転速度を85㎞/h以下に抑えて40kgNレールで更新しています。

(※一部のrural line(地方ローカル線)には福井鉄道同様にUSA製の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)の区間も残っています。)

第3目 小浜線も...

小浜線も全線最高速度 85 km/hで、順次40kgNレールで更新されています!※駅構内などの一部では開業当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)レールも残っています!

車両整備費(維持管理コスト)にも影響する

鉄製レール上を鉄輪が転がるのですから、車両(Wheelset:輪軸・ bogie;台車)にも衝撃が加わり、耐久性(部品交換)にも影響します。

最高運転速度はブレーキ性能との兼ね合いで決まる

但し運行速度はブレーキ性能、閉塞方式などとの関係もあり、

最高速度は「線区」毎、使用する「車両」毎に許認可されていて、ほぼ使用車両のブレーキ性能に依存しています。

第五十四条
非常制動による列車の制動距離は、六百メートル以下としなければならない。

2002年に施行された「鉄道に関する技術上の基準を定める省令の施行及びこれに伴う国土交通省関係省令の整備等に関する省令」によって鉄道運転規則は廃止となった。<Wikipediaより引用

したがって同じ線区内でも、車両によって異なり、IRいしかわ鉄道(110㎞/h)、あいの風とやま鉄道線(110㎞/h)は共に、現行の通勤型車両で認可された値です。

有名なところでは、近鉄大阪線の青山トンネルは大阪方面上り線路がまさしく上り勾配になっているために、特急電車に限り制限速度130㎞/hとなっています(下り中川方面は120㎞/h、特急以外の通勤型車両は110㎞/h)

第2項 所要時間は最高速度ではなく♥表定速度(アベレージ)で決まる!

運転速度を抑制するとRailway track(軌道)点検補修費抑制と、車両の維持管理整備(部品代)のコスト削減につながる!のです。

第1目 speed down しても所要時間は変わらない!

起動加速度の関係で、最高速度に達するには時間を要します!

Metropolisinterurban (都市圏路線)では最高速度で走行できる区間は限られています!

つまり駅間所要時間は表定速度(アベレージ)で決まる!のです!

短い駅間距離の interurbanでは高加減速車両を使用すれば、表定速度を意地(維持)出来て、所要時間はかわりません!

参※)当サイト関連記事 阪神電車の醍醐味は各駅停車!" ジェットカー "の胸のすくような加速! はこちら。

第2目 Rural line では極端な speed down は難しい...

マイカーとの兼ね合いで...

Rural line (地方交通線)では駅間距離も長いので、マイカー通勤との"競合"の兼ね合いで極端は speed down は難しい面もあるのですが...

最高速度を85㎞/hまで speed down すれば安価な40kgNレールに順次更新出来て、

、更に劇的なコストダウンが可能なのですが...

しなの鉄道線では速達列車の所要時間は同じ!

現在最高運転速度を130㎞/h→95㎞/h!にまで speed down させた長野⇔軽井沢間で運行されている"特別快速"の所要時間はJR当時の特急電車と同じ!です。

つまり表定速度(アベレージ)は変わっていません。

speed down により、♥安全性を確保しながら維持管理・設備更新費を♥大幅節減して、その分を「新造」車両」や「駅設備」に回して♥乗客サービスを計っています!

軽井沢⇔篠ノ井駅間では

3セクしなの鉄道線(軽井沢⇔篠ノ井駅間)では、JR当時は(貨物輸送の都合で)60kgレール!を使用して特急列車の最高営業運転速度130km/h運転を行っていましたが...

しなの鉄道線となってからは、貨物輸送が無くなったので順次50kgN型レールに換装して、最高運行速度も100㎞/h→95㎞/hと段階的に制限しました!

最高運転速度130㎞/h→95㎞/hに低速化して軌道の維持管理費と設備更新費(60kgNレール→50kgNレール)、運行車両のメンテナンス費削減で♥30%近い大幅なトータルコスト削減に成功して経常赤字(運営補填金支出)♥削減に成功しています。

ほくほく線では大幅にスピードダウン!

"ほくほく線"では"はくたか"が飛ばなくなった!2015年3月13日以来、、

国交省への届け出速度を、160㎞/hから一気に110km/h(但しJR特急型イベント列車は130㎞/h)まで下げて、さらに本年2023年3月のダイヤ改正からは、95 km/hまで低速化を断行して、保線費用(外注費)の大幅削減を図っています!

この結果、運行本数の減少もあり、特急はくたか運行当時の、約60%以下!と実に-40%以上の設備維持管理経費(営業経費)削減!に成功しています。

第3目 鉄道事業者の命題!は"安全第一"

保線業務は安全第一を命題とする鉄道事業者にとって一番大切な日常業務です!

Railway track(軌道)(線路・枕木・バラスト等)の点検・保守(修正)・更新(レール・枕木交換)は、

交通事業者の命題!"安全運行"の為に、最優先されるべき日常業務!です!。

保線をおろそかにするとJR北海道や弘南鉄道の様な不祥事・重大事件(incident)に繋がって終います!

JR北海道は110㎞/h!迄下げたほうが良かった!

JR北海道の経営状況を考えたら、特急の130㎞/h→120㎞/h引き下げでは手緩い処置と言わざるを得ないでしょう!

大手私鉄並みの、110㎞/h!迄下げれば、保線経費(頻度)ー15%削減が達成出来て、尚且つ安全性も一期に向上!してました。

JR北陸線は60kgNレールを用いた高規格路線ですが...

現在北陸線は高速コンテナ貨物列車運行の為に60kgNレールを用いた高規格路線となっており最高営業運転速度(制限速度)130㎞/h運転が認可されていますが...

JR貨物もそれほど(最高運行速度110㎞/h運行)に拘っていない!

main line を110㎞/hでブッ飛ばしているJR貨物コンテナ列車も、実際には北海道・函館⇔九州・福岡間で、途中 Metropolis(政令指定都市)の貨物駅!で"道草!"を食らい!最短でも4日間!もかかっており、110㎞/hでぶっ飛ばす!意味合いは無!といえるでしょう。

むしろ、貨物駅立ち寄りの道草をしないでも良いように、運行形態を見直して直通コンテナ列車運行を目指すべきでしょう。

参考データ regional line の40㎏Nレール更新一覧
のと鉄道線
  • ●七尾線(七尾駅⇔穴水駅) 最高運転速度80㎞/h ※一部区間敷設1925年12月15日開通当初の60 lb/yd (29.8 kg/m)ASCEレール!)区間あり。
えちぜん鉄道
北陸・甲信越の地方私鉄

第3項 interurban にとっては Convenience !が重要 

interurban (郊外電車)にとっては、多少所要時間が多少増えても、住居の近くに新駅が開業して Convenience (利便性)が向上するほうが、利用者にとってはありがたいのです。

 

公開:2018年11月22日
更新:2024年3月23日

投稿者:デジタヌ

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