狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 羽田空港アクセス線が"誘"東京都からの企業出奔 Trend " は食い止められ無い!》ー第4回ー

第4回 2010年に国際線が復活!した♥24時間空港「東京国際空港」と羽田空港アクセス線の生い立ち

第0項 国内線専用空港となる

1978年5月20日成田空港開港と共に、中華航空(台湾現・チャイナエアライン)を除くすべての国際線が成田に移転。

1984年1月に沖合展開事業(空港拡張工事)着工。

1993年4月1日 - 京急羽田空港線 第1期空港線延伸工事竣工、穴守稲荷駅 ⇔羽田駅(現天空橋駅)間開業

1993年9月27日 新国内線ターミナルビル(第1旅客ターミナルビル)供用開始。同ターミナルをビッグバード (Big Bird) と命名。

京急空港線全通

1998年11月18日 第2期空港線延伸工事の完成に伴い京急羽田駅が天空橋駅に改称。天空橋駅 - (2代)羽田空港駅(現羽田空港第1・第2ターミナル駅)間開業。エアポート快速特急(現エアポート快特)およびエアポート特急運行開始。

第1項 JR羽田空港アクセス線構想誕生!

2000年に運輸省(現国土交通省)運輸政策審議会答申第18号(第18号答申)で

「東京臨海高速鉄道臨海副都心線(現りんかい線)の建設及び羽田アクセス新線(仮称)の新設」として、東京テレポート駅から東京貨物ターミナル駅を経て羽田空港に向かう路線が...「大崎方面からの直通ルートについても併せ検討する」とした...東海道貨物支線の旅客線化等及び川崎アプローチ線(仮称)の新設」...品川駅および東京テレポート駅から浜川崎駅に向かう途中(現天空橋駅付近)に羽田空港口駅を設けて羽田空港へ連絡する計画...、2002年にJR東日本が東京モノレールを子会社化したこともあり、これらの計画は進捗しなかった。《日本語ウィキペディアより引用》

第1目 東京モノレールのJR東日本グループ入り

2002年2月22日 - JR東日本が日立物流から東京モノレールの株式70%(2019年3月現在79%)を取得して、JR東日本が筆頭株主となり、JR東日本傘下となる。

東海道新幹線品川駅開業

2003年10月1日:JR東海 東海道新幹線品川駅開業

2004年12月1日 第2旅客ターミナルビルが供用開始。

2006年東京都とJR東日本でりんかい線移譲交渉が始まる

『羽田空港連絡線に関してりんかい線の...』という、但し書き付きで、JR東日本と東京都が「りんかい線」の移譲、について協議に入ったが公表されました!が...

つまり、国際線が復活する見込みのたった時点で、羽田空港アクセス線が検討されだしたのですが...

国際線ターミナル起工

2008年4月8日 国際線地区起工式。(新国際線旅客ターミナルビル、国際貨物ターミナル、エプロン)

※2008年9月 リーマンショック勃発!この時点で、鉄道機材 syndicate(cartel)のターゲットが国内市場(鉄道Federation (trust))重視に回帰・転換!

第2項 東京国際空港復活!

2010年7月末 国際線旅客ターミナルビルと国際貨物ターミナル完成同年10月21日に供用開始され国際線が復活"東京国際空港"にカンバック!

第1目 2013年10月29日にJR東日本が発表した"グループ経営構想V(ファイブ)"では

「今後の羽田空港の利用客増加を見据えた、空港アクセス改善策の検討」と記されていましたが...

これは一般個人株主に対する"ポーズ"にすぎず実際には...

第2目 東京総合車両センター田町センター(旧:田町車両センター)再開発交渉開始!

2014 年 6月 3 日 「田町~品川駅間に新駅を設置し、まちづくりを進めます 」とプレスリリース

つまり、この時点で、JR東日本の役員会(政策投資ファンド組)の方針が前面に登場した!訳です。

2015 年 3 月期?第 2 四半期決算 主な Q&A(2014 年 1 0 月 3 1 日付け)では

[羽田空港アクセス線構想]に関する質疑で
Q: 羽田空港アクセス線構想ではどの程度の補助金が見込めるのか。補助金が少ない
場合は取り止める可能性もあるのか。
A: 現在はスキームを検討しているところで、ご利用の増加だけで、3,200 億円の事 業費を賄えないようであれば、運賃あるいは補助金等の工夫が必要となる。有益な施策なので、しっかりとしたスキームを示しながら、実現に向けて進めていきたい。《2015 年 3 月期第 2 四半期決算 主な Q&Aより引用》

●2016年1月27日 リニア中央新幹線 品川駅着工!

JR東日本が羽田空港アクセス線を嫌々検討しだした最大の動機は、

「田町車両センター」の大幅縮小と「グローバルゲートウェイ品川」再開発ですが...

最大のきっかけは、兄弟会社のJR東海のリニア中央新幹線の「品川駅」起点!が決定したことでしょう。

第3項 JR東日本の社運を賭けた大事業「グローバルゲートウェイ品川」再開発事業が"発車"

2016年に約20ヘクタールある東京総合車両センター田町センター(旧:田町車両センター)を集約して、東京都とJR東日本で約13ヘクタール!の再開発事業「グローバルゲートウェイ品川」が立ち上がりました!

2018年4月 京葉線新駅設置を決定

JR東日本と幕張新都心拡大地区新駅設置協議会(イオンモール、千葉市、千葉県)が基本協定を締結して新駅(請願駅)設置が決定。

2019 年 3 月期決算説明会 主な Q & A(201 9 年 4 月 2 6 日)では

[羽田空港アクセス線]に関する質疑で
Q: 羽田空港アクセス線が東京モノレールに与える影響について、どのように考えているか。
A: 東京モノレールにおいて、羽田直通のお客さまへの影響はあるものと考えるが、地域住民や今後の沿線開発の需要などをしっかりと取り込んでいきたい。

なお、羽田空港アクセス線の事業スキームについては、引き続き関係者との協議・調整によるが、収入確保にむけた様々な検討を行い、東京モノレールへの影響も含めたうえで、

当社グループ全体として、プラスになる絵を描いていく《2019 年 3 月期決算説明会 主な Q & Aより引用》

2019年3月期 決算説明会 配布資料では

前途の2000年に運輸省(現国土交通省)運輸政策審議会答申第18号を受けて???

トピックス① 羽田空港アクセス線構想の推進として、東京圏鉄道ネットワークを活用し多方面?から羽田空港へのダイレクトアクセスを実現する」全体構想を検討中であることを公表。

第4項 羽田空港アクセス線(仮称)構想公表

東京貨物ターミナル⇔羽田空港国内線ターミナル間 約5.0㎞hの新線(海底トンネル)建設構想を根幹に...

第1目 3ルート構想公表

「東山手ルート」として

東山手ルート (約7.4km)

田町駅付近⇔東京貨物ターミナル付近は休止中の大汐線(貨物線)を改修して再利用し、「上野東京ラインに」接続して宇都宮・高崎、常磐線方面?に向かう。

「西山手ルート」として

東京貨物ターミナル⇔大井駅間に新線を建設して、埼京線!に接続新宿・池袋方面!を目指す。

「臨海部ルート」として

東京テレポート(りんかい線)を経由して京葉線に接続して房総方面に向かう、4ルートが検討中であることを公表

羽田空港アクセス線(仮称)の環境影響評価手続き 【概要】 東京都環境影響評価条例に基づく環境影響評価手続きの着手に向け準備中 【対象】 既存の貨物線(通称:大汐線)を活用する「東山手ルート」と羽田空港に乗り入れるために 新たに整備する「アクセス新線」の約12.4kmの区間 【今後】 事業内容や環境影響評価項目、評価方法等を記載した「環境影響評価調査計画書」を 東京都に提出予定《2019年3月期 決算説明会 配布資料より引用》

※つまりこの時点で東海道線・神奈川県(熱海小田原・横浜)方面無視!が決定事項に。

そして2 0 1 9 年 5 月 2 0 日 付けで

「羽田空港アクセス線(仮称)の環境影響評価手続き着手について」と題して

第一期工事「東山手ルート」及び「アクセス新線」のアウトラインがプレスリリース(公式発表)されました 。

●事 業 延 長 改良区間 : 約 7.4 ㎞ (田町駅付近~東京貨物ターミナル付近)
●建設区間 : 約 5.0 ㎞ (東京貨物ターミナル付近~羽田空港新駅(仮称))
●構 造 形 式 トンネル(シールドトンネル、開削トンネル)、高架橋、地平、擁壁(掘割)
●対象駅(停車駅) 羽田空港新駅(仮称)

2020年3月14日:「高輪ゲートウェイ」暫定開業

当初2020年開催を予定していた東京オリンピック(2021年)に合わせて計画された、

●2020年3月29日東京国際空港の国際線施設の24時間運用開始!に先立ち、

工事中の「グローバルゲートウェイ品川」の目玉として「高輪ゲートウェイ駅」が暫定開業しました。

2020年7月 「イオンモール幕張新都心」名称決定と京葉線新駅着工

"請願駅"事業スキーム(※23)を関連事業者間で協議した結果。

想定総事業費約115億円に関してのスキーム協議が決着して、イオンモールが50%!、残りを千葉市、県、JR東日本が1/3ずつ負担することで決着して、着工されました。そして幕張新都心はイオンモール幕張新都心と改称。

参※23)当サイト内関連記事 スキーム (建設費負担枠組み)は整備新幹線 建設だけではない!都市計画事業でも... はこちら。

第2目 2021年1月20日の事業認可報道発表

JR東日本のプレスリリースでは

JR東日本事業範囲として

●予 定 する新線  東京貨物ターミナル⇔羽田空港新駅(仮称)間 約 5.0km
●鉄道事業の種 別 第 1 種鉄道事業
●建 設 費 約 3,000 億円(改良区間含む)
●運行開始予定時期 2029 年度予定

又記者会見で質問に答える形で

  • ●運行本数は1時間に4往復を計画。
  • ●事業認可を受けた区間は海底トンネル建設とする。
  • ●新駅は国内線ターミナルの地下(途中駅は設けない!)
  • ●2022年度ごろの着工を目指す。
  • ●東京駅⇔羽田空港間からの所要時間を約18分。(その後15分に修正)
国交省 関東地方整備局 東京空港整備事務所 のプレスリリースでは

羽田空港アクセス鉄道事業 の概要として

アクセス新線建設区間 5㎞ の事業主体(スキーム)は

  • JR東日本日本が海底トンネル区間2.6㎞を建設。
  • 国交省(関東地方整備局)が空港島内 2.4㎞のフレーム(構造物)を建設してJR東日本が軌道・信号設備・駅付帯施設(※21)の整備を行う。

つまり、JR成田線(成田空港高速鉄道)整備と同じ手法です。

※21)軌道、保安設備(信号)、電化設備、駅整備(ホーム、ホームドア、エスカレーター・エレベーター、照明設備、自動改札、券売機、空調設備、駅舎(事務室)etc.

構造物は国有施設

但しこちらは国交省直轄空港なので、Structure(構造物)は国有(国民)財産!として国交省(血税)で建設します。

Railway track(軌道)を含む鉄道施設はJR東日本の所有・管理となり、JR東日本が路線全体の第一種鉄道事業者となります。

更に後述するように、2020年の段階で、大汐線(休止貨物線)の復旧改修工事(約2.4㎞)を含むJR東日本の事業費は約3800億円以上に、羽田空港内のStructure建設は国交省 関東地方整備局が数百億円規模(国庫血税!)の事業費を想定していることが判明しています。

2021年4月 TokyoMetro新線建設に対する都市計画事業認定方針閣議決定!

西山手ルート・りんかい線のJR東日本移譲交渉が大株主の投資ファンドの拒否により、一向にはかどらないので、大井ふ頭内短絡線建設(都市計画事業)も含めて、東京臨海高速鉄道㈱のTokyoMetro への移譲交渉が開始されました。

2021年10月29日  京葉線新駅名「幕張豊砂駅」で決定

暫定仮称 幕張ゲートウェイ駅としてして進められていた"請願駅"の駅名を「幕張豊砂駅」に正式決定したことをプレスリリースしました。

結局"地元(千葉県)の請願駅"と言うことになり、北側の京葉車両センター(事業用地)の縮小及び再開発については一切触れられていません!

つまりこの時点で、国(国交省)、千葉県、JR東日本の3者で、交渉されていた"幕張新都心"構想が見送りになった!ことが読み取れるわけです。

2023年3月18日:「幕張豊砂駅」(旧仮称幕張ゲートウェイ)開業!

●2024年度:駅前の高層ビル群グローバルゲートウェイ品川」本開業予定

第3目 報道各社の取材と食い違う点も

2014年8月20日の日経の取材では

概算事業費は約3200億円(アクセス新線・大汐線改良工事含む)

終日輸送人員は7万8000人(空港利用客のみ)

1時間当たりのピーク輸送量、約2万1000人(東京モノレールが約1万1000人)

で計画していることを明かす。

2020.5.12 08:30のSankeiBizでは

国交省との間で建設費スキームが決定したことが判明。

アクセス線はJR東日本が主体となって建設!羽田空港島内は国交省が直轄事業として建設する最終案(※24)を公表。

事業費は約3800億円程度!に膨らむ見込みが関係者からリーク

JR東日本担当・羽田空港アクセス線(海底トンネル&大汐線改良)事業費は人件費や資材費の高騰で約3800億円程度!に膨らむ見込みがリーク。

更に国交省 関東地方整備局 東京空港整備事務所担当羽田空港内直轄事業費が数百億円規模を予定していることも明るみに。

つまり第1期工事だけで4000億円!を超える見込みが明るみに...

更に、当初予定していた時間4往復運行を15両編成!8往復運行に変更したことも...

※つまり、「臨海部ルート(京葉線)」よりも、「東山手ルート(常磐線)」と、「西山手ルート(埼京線)」の15両化運行!(混雑緩和)に、主眼が...

参※24)国交省 関東地方整備局 東京空港整備事務所
羽田空港アクセス鉄道事業 事業内容

 

公開:2021年3月 4日
更新:2024年3月19日

投稿者:デジタヌ

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