狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 中共の"一帯一路"(新万里の長城!)とロシアの"鉄(道)のカーテン"とは...》ー第4回ー

第4回 "一帯一路"構想と Islam の協調

一路一帯構想とは、中國が提案している、ユーラシア大陸をinternational standard gauge(4 ft 8 inのStephenson gauge)でつなぐtranscontinental railroadを構築して、

Freight Car(貨車)同士のtransshipを無くして、船便のようなseamlessなRail transport (鐡道輸送)を目指す提案です。

正式名称は「シルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロード(絲綢之路經濟帶和21世紀海上絲綢之路)」と言います。

第0項 シルクロードをrail-roadで再現しようという壮大な計画!

一帯一路構想では新疆ウイグル 自治区の喀什市(カシュガル)からキルギスのТоругартский перевал(トルガイト峠)、Arpa、Өзгөн(ウスゲン)を経由して、ウズベキスタン鉄道に接続してJu-Ju-Klu Junctionで分岐してSarakhs Railway Station近傍の国境でから、イラン国内に入り、トルコとの国境を越えて、ヨーロッパに至るStephenson gaugeルートを提案しています。

実現の第一歩として、前途したようにキルギスルートをStephenson gaugeで建設することを、ウズベキスタン鉄道と交渉中ですが...

※注)以下はあくまでも、Red Chinaの資金援助の下に、制作されたPropaganda content !です、したがって後述するような不都合なことは一切取り上げていません!

つまりあくまでもRed Chinaの主張にしかすぎません!

第1項 複雑な友好?(利害!)関係で結びついた一帯一路

ランドブリッジ(Trans-Asian Railway構想)、一帯一路(絲綢之路經濟帶和21世紀海上絲綢之路)は当たり前のことながら、遥か昔のシルクロード、インド洋ルート同様にヨーロッパとアジアを結ぶ"交易ルート"として各国間で協議?されているわけですが...

第1目 インド洋・黒海ルートは完成している!

この辺の「大人の事情(共通利害)」を如実に表しているのが、イラン高原を横断して、インド洋(Port martyr Rajai)と黒海(APM Terminals Poti - Poti Sea Port Corporation)を結ぶ「ソマリア海賊対策ルート」でしょう...

西欧大国の"モラル"(ご都合主義)は通用しない!

(耶蘇教国家・西欧諸国から見て)ホメイニ氏が率いていた「いらん国」と、"西欧かぶれの殺人鬼フセイン!"が支配していた苛苦(いらく)は、同じ毒裁(指導者)国家としか映らないのでしょうが...

耶蘇教のご都合主義はこのエリアには当てはまりません!

ある意味、一帯一路(絲綢之路經濟帶和21世紀海上絲綢之路)はこのエリアの「地政学的な判断の上に構想されている!」と言えるでしょう...

第2項 複雑に絡み合った国家間の「大人の事情(利害・思惑)」

国家間の"ご近所付き合い"は「各国の大人の事情(利害)」が密接に影響します!

つまりは過去の、territory(領有地)攻防に関するborder dispute(国境紛争)の歴史的経緯が重要です。

※参)当サイト内関連記事 白人" 耶蘇 "社会の"ご都合主義" imperialism とは... はこちら。

第1目 ♥支配者同士の友好?(利害)関係を示す"目安"とは...

以下の視点が必要です。

  • ♥生活圏(経済圏)との係り
  • ♥宗教圏との係り
  • ♥border (国境)周辺のdemilitarized zone(非軍事區・地雷地帯!)の有無
  • ♥両国共同土木事業(Dam)

※イラン高原を拡大してみてください!

第1目 イランと旧CCCP圏のご近所付き合い

※以下はロシアの立場で語られた"カフカス鉄道"南回廊とЗакаспийская железная дорога(カスピ海横断鉄道;中央回廊)

一番如実に表れるのは、border (国境)周辺の非武装地帯の有無ではないでしょうか。

悪の枢軸(※61)の一角をなすイランと旧CCCP圏の「西・アゼルバイジャン(※62)」の関係は蜜月と言えるでしょう。

参※61)当サイト内関連記事 最悪のシナリオ " 中・露・朝(韓)枢軸軍事同盟は防げるか?!... はこちら。

参※62)Googl地図を拡大すれば一目瞭然ですが、アゼルバイジャンのterritory(領有地)はアルメニアを挟んで、東西に分断!されています。

拡大するとわかる脅威の事実!

非武装地帯が無い!どころか、イラン側の幹線道路・国道12号はborderに接するように建設されて、数区間越境している区間すら散見!できます。

更に、イランと西アゼルバイジャンの国境線の基となったアラス川 の北岸には「Julfa Railway Station」から東部のアルメニア国境に近いSalamalikまで川に沿うように鉄道が引かれています!(以前はアルメニアを通過して、Bakıまで繋がっていました!)

そして殆ど国境(アラス川)に沿うように建設されていて、"非武装地帯(地雷地帯)"は存在していません!

つまりこのアラス川流域のアクセスとなる鉄道と道路を両岸に設けてお互いに"共有"していた訳です!

西・アゼルバイジャン以外の区間は廃線!

但し、前途したように、西・アゼルバイジャン以外の区間は、イラン・旧CCCPの"協力事業"としてDAMが建設されて一部区間が"水没"したこともあり廃線!となっています。

第2目 トルコ⇔アルメニアの関係も

西欧圏(自由圏)に近いトルコとアルメニアの、ご近所付き合いも同じです!

アルメニアは(旧CCCP)時代に協力してJrapi Damを建設してその後も共同管理しています!

つまり、トルコも旧共産圏と関係が深い(不快?)わけです。

当然両者間にはborder dispute(国境紛争)も存在せず?

demilitarized zone(地雷地帯!)も存在しない訳です。

なので、後述する一帯一路のイラン高原ルートも、border 沿いに通っています!

Gymuri Railway Station⇔Kars(カルス)間は廃止された!

アルメニア紛争いらいGymuri Railway Station⇔Kars(カルス)間を繋ぐ鉄道は、廃止されています!

第3目 微妙な関係のトルコvsジョージア

トルコとジョージア(旧CCCPグルジア共和国)"主流派"は微妙な関係です。

demilitarized zone(非軍事區・地雷地帯!)は設けられていません?が...

border に沿った幹線道路(高速公路)はありません

トルコとジョージアのborderはほぼ両国を分かつ高原地帯の山峰に沿って設定されていて前途した河川沿いのborder とは異なりますが...

全く人が暮らせないような不毛地帯でもありません!つまり羊飼いなどの遊牧民などが暮す「昔からの過疎エリア」です。

両国間の♥交易路はある

なので、幹線道路は必要ないので、border に沿った幹線道路(高速公路)はありませんが、両国を繋ぐ交易路としての幹線道路(高速公路)は、以前から複数存在します。(E70,E691)

つまりお互いの「利害関係が一致する!」わけです。

トルコの経済協力でKars近郊のAtatürk J.C.からახალქალაქი(アハルカルキ)近郊のPilipovka廃鉱までの新線を建設して首都Tbilis南東にあるiTbili CNC workshopまでを改軌して、旧カスピ海鉄道(現ジョージア鉄道)に繋げたのでしょう。

第4目 摩訶不思議?アルメニアとアゼルバイジャン

アルメニアは、アゼルバイジャンに挟まれているわけですが...

territory(領土)の中に3か所のアゼルバイジャンの"飛び地"があり、アゼルバイジャンにもアルメニアの飛び地があります。

これ等は、嘗ての鉱山跡であり、全て"廃鉱"エリアとなっていて在住人は居ません!

つまり、ロシア帝国・CCCP当時に鉱山開発されたエリアで、ロシア帝国のterritory(領土)内であったために、各共和国(自治領)知事・住人同士でも問題は生じなかった訳です!

CCCPが崩壊して、3つの共和国が誕生したのですが...

その時点で、既に廃鉱となっていたので、インフラ(ライフライン・公共設備)整備も必要なく、更には双方ともに領有権を主張して自国に編入しても無意味なのでそのまま"治外法権"エリアとしているのでしょう。

abandoned townと言えども、犯罪者が逃げ込まないとは限らないので、お互いに協定(条約)を結んで対処しているのでしょう。だから飛び地のborder には"検問所"も無くdemilitarized zone(非軍事區・地雷地帯!)にもなっていないようです。

第3項 更に地域格差も...

前途したのはあくまでも「政府(為政者)間」の一般論であり、地域各自治州の共通した「大人の事情(利害・思惑)」ではありません!

簡単に例えるならば、北海道では、過去の経緯(旧CCCPの樺太・北方領土ネコババ!)も忘れて、親露派が多いのですが...

カフカス山脈3国も例に漏れません、元々他民族の暮らすエリアをterritory(領有地)としていたサルタンを、旧ロシア帝国が次々と制覇してterritory(領有地)に加え、それを引き継いだCCCPが、旧オスマントルコ、ペルシャと対峙していたわけですが...

但し、川を境に国家同士が対峙していても、流域に暮らす人達は、同じイスラム文化圏に暮らすMuslim達で、お互いに交易していたわけです。

だから、სოხუმი(スフミ)を中心都市とするブハジア(自治共和国)とトビリシを首都としているსაქართველო(ジョージア)中央政府で、対露政策が異なり、その他の県(自治共和国)でも、隣接国とは中央政府とは"温度差"がかなりあるわけです!

又前途したアゼルバイジャンでも西アゼルバイジャンとアゼルバイジャン本土?とも微妙に異なるわけです。

第3項 イラン高原ルートは3route開通!している

以下3route共に何れも、近年開通!しています。

本年」(2022年)に入り、新・ロシア帝国が「ウクライナ侵攻を始めた!」ので、大々的には報じられていませんが...

既に一帯一路(絲綢之路經濟帶和21世紀海上絲綢之路):Southern Corridorは開通!しているわけです。

第1目 中央アジアカスピ海横断ルートはトルコの協力で開通!

これで、Tbili CNC workshopでのtransshipでカスピ海横断ルートTürkmenbaşy (トルクメンバシ)⇔Bakı(バクー)⇔İstanbul(イスタンブール)が繋がりました。(時期不明)

第2目 イラン国内は3route全通!

イラン高原「最後の難所」Marand Train Station⇔(タブリーズ近郊の)サラン・レイルウェイ・ステーション感が中共の経済協力?で繋がり。

嘗てCCCPの経済協力で完成していたJolfa Railway Ironbridge⇔Marand Train Stationも、更にそこから先の西アゼルバイジャン、アルメニア国内、トビリシに至るジョージア鉄道も4 ft 8 inのStandard-gauge に改修されて、

  • ●Port martyr Rajai(イラン)⇔Tbili CNC workshop(ジョージア)APM Terminals Poti - Poti Sea Port⇔ Corporation(ジョージア)、
  • ●Port martyr Rajai(イラン)⇔Tbili CNC workshop(ジョージア)⇔イスタンブール(トルコ)
  • ●中央アジアルートのJu-Ju-Klu J.C.から分岐してSarakhs Railway Station付近で、国境を渡りイランに入り、Garmsar J.C.でカスピ海縦断ルートのAmirabadport VTSからのルートに合流して、テヘラン近郊でイラン高原縦走ルートに合流して、APM Terminals Poti - Poti Sea Port Corporation(ジョージア)に向かうか、陸路イスタンブールに向かうコースです。

特に最後のコースは、現状、カザフスタンを経由するので、2度のトランスシップが必要ですが、前途したキルギスルートが完成すると、(多少大廻ですが)全行程4 ft 8 inのStephenson gaugeとなり、transshipなしで走破できる点が魅力となります!

 

公開:2021年12月11日
更新:2024年3月21日

投稿者:デジタヌ

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