狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 見果てぬ夢 "大東亜縦貫鉄道"の擬態!SLB(欧亜鉄道貨物輸送)とは...》ー最終回ー

エピローグ ロシアがシベリア鉄道を高速化(改良)出来ない!理由は...

現在の「プーチン大帝!」率いるロシアは、旧ソ連時代の「スターリン将軍」の"独裁恐怖政治"とは違い、旧ロマノフ王朝のような緩やかな"専制政治"なのでしょう、但し最盛期の旧ロシア帝国のように、強大な軍事力で世界を圧倒する"超大国"の復活を狙っている事だけは間違いありません!

現在シベリアを背景に「資源大国、工業立国」であることには違いありませんが、「工業製品の輸出大国」ではありません!

本格的に計画経済から自由経済に移行したのも21世紀に入ってからで、自国内で消費する自動車などの「工業製品・耐久消費財」を生産するだけで「手いっぱい」の状況には違いありません。

そういう意味では、「習近平皇帝率いる共産主義中国王朝」に後れを取っているわけです。

そこで、嘗ての「軍事超大国」を復活させるために、「隠し蔵」である"シベリア開発"に躍起になっているわけです。

前途した、親ロシア派の先鋒?となって、第3シベリア鉄道のプロパガンダを行っている、民間シンクタンクの(一財)国際臨海開発研究センター、東洋経済研究所、運輸会社の"日本通運!"等で、世論を煽っている"第3シベリア鉄道、間宮海峡トンネル、宗谷海峡トンネルの各プロジェクトを統合した、新SLB logistics構想ですが...

第1項 思惑の異なる二君主?

第1目 ロシア・中国は第2次大戦でロジスティクスライン"兵站路"としての重要性を認識しているが...

軍隊をいち早く、敵地に派遣(移動)、できるということは、「諸刃の刃」で、自国内への敵軍の侵攻を容易にしてしまうという事です。

ロシアの鉄道関係者は否定しますが、帝政ロシア国鉄時代のナポレオン侵攻の経験から、ヨーロッパ諸国とは異なる1520㎜の広軌にしているのはこのためです。

つまり下手に高速化すると、敵軍の侵攻を容易にしていまうからです!

コンクリート枕木は改軌が面倒

旧ロシア帝国時代とは異なり、今は(極寒の北極圏を除き※61)コンクリート枕木が主流の世の中です。

コンクリート枕木の軌道を改軌するには、膨大な機械化・物量作戦で対処しても、1日数キロしかすすみません!

更に機材を支えるLogistics (兵站)整備も必要に。

なので、ロシア・中国両国ともに、border周辺エリアでは、Narrow gaugeのmining railway迄コンクリート枕木を使用しているわけです!

参※61)極寒の北極圏では、短い夏季にコンクリート枕木に浸透した水分が、冬季は氷結して、膨張するするために、コンクリート枕木は粉々にされてしまいます!

だから、北極圏の軌道は今も木製の枕木が使用されています

勿論入手の容易さ(タイガから伐採すれば無尽蔵!)、bordeから遠く離れて敵軍の侵攻」の心配がない!などの条件も加わりますが...

第2目 ソ連時代(計画経済時代)を通じて現在に至るまでロシアではexploitation railway!が主目的

ジャンックションが全て、モスクワ方向への片流れなのがexploitation railway(開拓鉄道)"殖産鉄道"を主張しているように...

嘗ての共産党一党独裁&計画経済の時代から、資源輸出は考えていないからです。

mining railway(鉱山鉄道)から得られた鉱物資源は、すべて自国内で消費するのが前提で、「輸出して外貨を稼ぐ」という発想は無いわけです。

なので、「鮮度が要求されない」鉱物資源の為に「高速化」を行う必要性は一切ないわけです。

新生ロシア帝国が目指しているのは嘗ての軍事大国!

前途したように、(一財)国際臨海開発研究センターや日本通運、東洋経済研究所などの親ソ派の人達(内通者?)は、シベリア鉄道を利用した、日本⇔欧州間のSLB輸送に期待を掛けているようですが。

肝心のロシアは、日本の貿易(製品"輸出")のためのtransit cargo traffic(通過貨物)には興味はないでしょう!

第3目 中国は国土と外貨が欲しい!

国内にタップリ資源(資源・国民)を有する中共では、別段新たな資源開発にそれほど躍起にはなっていません!

むしろ、有り余る"人資源(国民)"を賄えるだけの"territory"(実効支配地)が欲しいわけです!

爆発した人口みんなが暮らせる"territory"(実効支配地)とその糧となる1ドルでも多くの外貨を欲しがっています!

更には、生産力・労働力を生かして、生産した産品を輸出して外貨($)を稼ぎたいわけです。

なので、high speed railway(高速鉄道)とautomobile road(自動車専用道)を同時に建設して、更にlarge‐scale Canalや, regional line(地方交通線)の改修「線形改善」もぬかりなく積極的に投資しているわけです。

更にロシアとは違い、鉱物資源よりも国内で生産した日用雑貨・衣類、家電製品などの「際物」「流行りもの(流行りもの)」の輸出にも熱心に取り組んでいます!

ロシアがシベリア横断鉄道を高速化してくれそうにないので、見切りをつけて?"一帯一路"方針をぶち上げて、隣国に経済協力を申し出ているわけです。

中ソ国境を境に大きく進化!している中国の東清鉄道が如実に

地図をご覧いただけばお分かりのように、ロシア側は殆ど線形(ルート拐取)改修されていませんが、中国側は、旧満鉄・そして新生中国により、大幅に線形(経路)が改修されています、。

また近年は、中国っ鋼鉄が新路線を開設したのに合わせて、旧経路を、廃線にして「高規格道路」用地に転用したりしています。

なので、直線部分が多くなっています。

  • ●紫ラインが高速新線
  • ●末期色汽車マークが(ローカル線)

第4目 国際貿易路は隠れ蓑 Logistics Line強化も目的!

確かに人口数十億人の中国では、地方からの出稼ぎ者などで、往来が激しく、更に国慶節や旧正月には人民の大移動があり、いくら空港整備をしてもとても、大都市のinternational airportや地方都市のregional airportだけで大移動は賄えない理由もありますが、

さらに重要なのがLogistics Line強化です!

広い国土と言うことは「長い国境線」で隣国と接しているという事で...

一度、紛争が勃発すれば、出来るだけ早く、大量の軍事物資のLogistics(兵站)を確保して、侵入者?と対峙したいわけです!

つまり、ロシア及び、長年犬猿の仲にあるインドを封じ込めたいわけです。

つまり国境に沿った"辺境部!"をカバーできる「鉄道網」の存在は「現代の万里の長城」なわけです。

なので、その一環として、嘗てシルクロードで結ばれていた「中央アジア各国」とイスラム社会のパキスタン・バングラディシュ、ヒマラヤ連山のお膝元ネパール、マレー半島のラオス・ミャンマーに接近してインド包囲網を引こうとしているわけです。(※62)

参※62)当サイト内関連記事 シベリア新幹線構想 VS 一帯一路構想 はこちら。

更にさらに、香港の民主化運動の封じ込めにも!

現在、過去の経緯から、自由貿易港として中国国内有数の経済力を持っています。

経済力を背景に、大学など高等教育機関も充実していて、学生運動も盛んです!

また、目の上のたん瘤(※72)"台湾に本社を置く正永海運エバーグリーンラインの中継港一大拠点でもあります。

つまり香港の経済力(就労・雇用事情)が中国全土から「有能で反体制的」な若者を呼び寄せ、国家体制を脅かしているわけで...

香港の経済力を低下させて、他の都市に分散させることが最も効果的なわけです!

なので、上海の南の海上にある杭州湾上嵊泗列島の大洋山島と小洋山島を間の小島を利用して、お得意の沖合埋め立てで、大規模な人工島を形成して新たな、巨大container termina(l自由貿易港)洋山深水港を建設してIntermodal container海上輸送の一大中継拠点とするプランを実行してすでに稼働しています!

この港は、上海市との間には長さ32.5kmで世界有数の長さの東海大橋が架橋されていて、container terminalで働く従業員の通勤に利用されています。

但し、このターミナルは、国内に流通するIntermodal containerの取り扱いはしておらず、あくまでも国際貨物の自由貿易港(中継港)として機能しています。なので港湾関係者以外の出入りは厳しく制限(監視されています)つまりinternational airportと同じで「パスポートと特別許可証」が無いと、入島できません!

つまり、貿易商社・金融機関などの頭脳労働者?の職はない代わりに、多くの労働者を雇用しているわけです!

輸出入貨物は、旧来からある上海港でcanal boat、flat boat、barge、flat car(コンテナ貨車)などにtransshipされて、上海周辺都市と結んでいます。

transit Intermodal container,(国内通過貨物)は北方約450㎞の位置にある連雲港市のcontainer-portで取り扱っています。

参※72)エバーグリーンラインはとかく問題企業で!、拉致した"奴隷"をコンテナ内に閉じ込めて輸送して"人身売買"に一役買ったり、北朝鮮の武器密輸に関与するなど、暗い面を一面をもたらす"中國マフィア"の活動のよりどころとなっていることで国際的にも悪評が立っている海運会社です。

先ごろのスエズ運河での座礁事故は

先ごろのスエズ運河でのcontainer ship座礁事故は、武器輸出・人身売買の情報を得たCIAが、「阻止するために仕組んだ座礁事故だともいわれています!

なので、エジプト政府も協力して、巨額な賠償金を提示して積み荷を差し押さえて、CIAの積み荷検査を援護するための時間稼ぎをししたともいわれています!

つまり中国としては、香港からエバーグリーンをeverにdepartureしたいわけです!

第2項 思惑は異なるが「大人の事情(利害)が一致した!」2大国

第1目 習近平皇帝・プーチン大帝

但し、習近平皇帝プーチン大帝になってからここ数年、両国の関係は急速に改善し、経済協力が急速に進みました。

スターリン、毛沢東時代には蜜月で、中ソ国境のアムール川には、鉄道教が架かっており、中ソ間の物資輸送(交易)に一役買っていましたが、スターリンの死後、関係が悪化して、アムール川で国境紛争が起こり。鉄道橋は閉鎖、破壊されていました。

しかし、数年前から、黒竜江省黒河市と対岸のБлаговещенск(ブラゴヴェシチェンスク)の間で架橋工事が開始されて、ついに本年4月末日に完成して、両国間が4本の線路(※91)で繋がったと、中共と友好関係?にある ANNnewsCH(※91) がいち早く中共国営メディア提供の特法?を報道しました。

つまり、ロシアのウクライナ侵攻(2022年2月末)により、ロシアが経済制裁を受けるであろうことを想定して、ヤクーツク油田の原油とシベリアの木材を、中共に輸出して中国製の日用品とTradeすることを、かなり以前から計画していたようです。

別途したように、ヤクート鉄道は既にレナ川を渡り、ヤクーツクまで全線開業しており、今回のアムール川渡河鉄橋の完成で、ヤクーツク⇔北京⇔重慶が鉄道で結ばれた"!ことになります。

第2目 ヤクート鉄道は中共の経済協力で完成した?!

うがった見方をすれば、先だって開業したстанция Томмот(トモット駅)⇔Якутск(ヤクーツク)間のЖелезные дороги Якутии(ヤクート鉄道)も、鉄道建設がお得意!な中共の経済協力だったのかもしれません!

参※91)当サイト内関連記事 共産思想の旗手、平和ボケ団体が好む(#)とプロパガンダサイトのURL一挙公開! はこちら。

参※91)中国は標準機、なので東清鉄道の両端の駅「牡丹江市」⇔Вокзал ст. Гродеково(グロデコヴォ駅)、「満州里」⇔ザバイカリスク、同様に、黒河市⇔Благовещенск(ブラゴヴェシチェンスク)間も単線並列!となっており、transship が行われていると推察できます。当サイト内関連記事 国際貨物輸送ではtransshipが常識! はこちら。

 

公開:2021年10月22日
更新:2024年3月21日

投稿者:デジタヌ

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