連載『 ブレーメンタイプ(ライトライン)車両の"欠点"は複合カーブ通過と激しいヨーイング!』ー第3回ー
ライトラインの兄弟車両(正確には毒国Bombardier Transportation製ブレーメン型超低床類型車両)は現在国内各地で活躍していますが...
第0項 ベース車両ブレーメン型の基本仕様
第1目 台車懸架・単台車式車体・関節重連!車両
- ●軌間 標準軌 4 ft 8 in(1420㎜!※21)
- ●台車 axleless、ボルスタレス・ダイレクトマウント、
- ●台車回転角自由度:6.5°!
- ♥最小通過曲線半径 18R (日本仕様は30R!)
- ●前後輪 Idler gear 連動
- ●左右輪 Drive shaft 駆動(※22)
- ●動輪径 660mmΦ!
つまり、函館市電のハイカラさんを3重連した様な車両です。
参※21)当サイト内関連記事 英国生まれの国際標準軌 は 4 ft 8 in(1420mm) が基本! はこちら。
参※22)Wheelset(輪軸)を構成するTrain wheel(車輪)を装着したaxle(車軸)はありませんが、Targo の様な左右独立輪ではありません!
参※当サイト関連記事 Talgoとは"1軸連接車両"の事 はこちら。
疑似ボギー台車
特徴のある"疑似ボギー構造"はBolster(揺れ枕梁)の無い!bogie(台車)を、anchor(位置決めリンク機構)無し!で、"円錐ゴムブッシュ"を介してChassis,(台枠)、にダイレクトマウント!(固定)しており、
嘗ての国鉄の車掌車の様な単台車式車両に近い、馬車時代から使われている Beam axle (rigid axle) 形式なので実質自由度はありません!
円錐ゴムブッシュのたわみ!による自由度で首振りを
ボギー角(首振り角)6.5°!に相当する回転自由度は、固定ボルトに使用されている円錐ゴムブッシュのたわみ!で確保しています。
参※22)但しこれはオリジナル標準軌用純正品で、(当時Bombardier Transportationが再設計した"日本向け"狭軌用台車"も含め)現在新潟トランシスで国産化された台車を使用した車両では、1999年3月31日の熊本市電9700形2次車以降は、
バリアフリー法に準拠する"通路幅確保"の為に(※22)、"タイヤハウスの"出っ張りを少なくしてボギー角(首振り角度)を4.5度に狭め!最小曲線半径30Rに設計変更!されています。
※この程度のボギー角では「Railway track(軌道)のundulation(うねり)」による車両の"yawing "(中心ピン周りの回転振れ)を緩和???できる程度で、コーナー通過には寄与しません!
参※22) 2000年11月15日施行の通称「交通バリアフリー法」で"規制"された、標準的な"車いす"の車幅に由来する通路幅820mm以上規制をクリアするため。
第1目 熊本市交通局9700形電車
Bombardier Transportation (現・Alstom)が"製造していた"ブレーメン型車両を、新潟トランシスがライセンス生産して、熊本市交通局に収めた国内初の超低床車両です。
当初は心臓部の高出力小型?ACモーターは国産品なかったので(ボンバルディアからの)輸入品!を使用していました。
1997年8月2日 1次車(9701AB)9700形(♥オリジナル 台車使用)
- ●軌間 標準軌 4 ft 8 in(1420㎜!)
- ●動輪径 660mmΦ!
- ●台車 axleless、ボルスタレス・ダイレクトマウント、回転角自由度:6.5°!
- ●前後輪 Idler gear 連動
- ●左右輪 Drive shaft 駆動
- ♥最小通過曲線半径 18R!
この車両は、Bombardier Transportation のライセンスの下に、 platform(台車・モーター・制御器)を輸入!して、新潟トランシスがコーチビルダー(※13)としてボディーを架装した、いわばノックダウン生産品(※14)でした。
軌間 4 ft 8 in標準軌・DC600V仕様
参※13)当サイト内関連記事 架装業コーチビルダーとは はこちら。
参※14)当サイト関連記事 ノックダウン生産 はこちら。
●1999年4月運行開始 2次車 (9702AB・9703AB)
- ●動輪径 640mmΦ
- ✖台車回転角自由度:4.5°!
- ✖最小通過曲線半径 30R!
2次車導入の際に、足回りの台車が国産化!されて、動輪径も一般的な640mmΦとなり、制御器も国産(三菱電機製)となりましたが、
国産高出力小型ACモーターが無く、心臓部のモーターは輸入品!のままとなりました。
この時に、(緩やかな線形の)熊本市交通局の要請で、通路"確保の為に"タイヤハウス"の出っ張りを少なくできるように、ボギー角(首振り角度)を4.5度に狭め!最小曲線半径30R!に下方修正!されました。
つまり国産化車両はこの時点で最小曲線半径30R!に設計変更!されたのです!。
※下図を拡大してみてください、他の都市(軌道)に比べてかなり緩やかな線形となっています。
第2目 岡山電気軌道
国内初の狭軌用超低床車両として登場しました。
新潟トランシスが設計費(開発費)を負担!して、狭軌用のbogieをボンバルディアで設計変更・開発を行い、(新潟トランシスが国産化した bogie を採用したブレーメン型初の狭軌用超低床車両です。
その他の特徴としては、熊本市電のナローボディーに対しブレーメン型の標準幅となっています。
●9200形電車第1編成 (9201)
- ●運用開始 2002年7月5日
- ●電気方式 直流600 V(架空電車線方式)
- ●狭軌用
- ●ブレーメン型標準巾 全幅 2,400 mm(標準ボディー)
- ●動輪直径 640㎜Φ
- ✖台車回転角自由度:4.5°!
- ✖最小通過曲線半径 30R!
でdesign(設計)されています。
第3目 旧・富山ライトレール(現・富山地方鉄道富山港線)
前途した、国内初の狭軌路線用岡山電気軌道9200形を modify して製作された車両です。
前途した様に、現・富山港線は、万葉線や福武線と同様に、鉄道事業法に下ずく区間(奥田中学校前 ⇔岩瀬浜間 6.5 km)と軌道法に下ずく併用軌道(富山駅⇔奥田中学校前間 1.2 km)で構成された丸本の"新時代LRT!"です。
広島電鉄(1999年6月9日運用開始広島電鉄5000形)、福武線(2013年3月31日運行開始F1000型)、筑豊電気鉄道線(2015年3月14日運行開始筑豊電気鉄道5000形)と共に、日本国内における♥鉄道路線での超低床トラムの高速走行(60km/h)を実現した路線です!
★
●TLR0600形電車
- ●運用開始 2006年4月29日
- ●電気方式 直流600 V(架空電車線方式)
- ●狭軌用
- ●ブレーメン型標準巾 全幅 2,400 mm(標準ボディー)
- ●動輪直径 640㎜Φ
- ✖台車回転角自由度:4.5°!
- ✖最小通過曲線半径 30R!
でdesign(設計)されています。
第4目 万葉線株式会社
この路線が、"地上げ仲間"( "雷都レールとちぎ" 、"県央まちづくり協議会" )反対派が論う(あげつらう)、「度重なる脱線事故」を起こした結果、「亀さん運行」を余儀なくされている"LRT"(※★)ですが...
一部異なるだけで前途したほぼ同時期のTLR0600形電車の♥双子車両です。
高岡軌道線内でたびたび脱線した原因は、前項の"富山港線(鉄道路線)"に比べて、30R以下の急カーブが多いため!でしょう。
参※)万葉線は前項の富山港線や次項の福武線同様に、軌道法に下ずく併用軌道の高岡軌道線(高岡駅停留場 ⇔六渡寺駅間8.0 km)と鉄道事業法に下ずく新湊港線(越ノ潟駅 ⇔六渡寺駅間4.9 km)で構成された新時代のLRT!です。
●万葉線MLRV1000形電車
- ●2004年1月21日運行開始
- ●電気方式 直流600 V(架空電車線方式)
- ●狭軌用
- ●ブレーメン型標準巾 全幅 2,400 mm(標準ボディー)
- ●車輪直径 640㎜Φ
- ✖台車回転角自由度:4.5°!
- ✖最小通過曲線半径 30R!
第5目 福井鉄道
2013年登場でライトラインの♥原型となったモデルです。
鉄道線(えちぜん鉄道)直通用に本邦初の♥ワイドボディー型超低床車両としてデビューしました。
更に、鉄道線内でのハイスピード走行(最高運転速度 65 km/h (40 mph)!)を実現した超低床トラムとして、広島電鉄5000形とともに有名です!
但し次節で詳述するように、ボギー角(首振り角)4.5°!の"疑似ボギー台車"は、
線路整備状況の悪さと相まって、「今にも脱線しそうな激しい yawing」で鉄オタYoutuber共の格好の餌食になっています!
●F1000形電車
- ●2013年3月31日運行開始
- ●電気方式 直流600 V(架空電車線方式)
- ●狭軌 メーターゲージ用
- ●ワイドボディー 全幅 2,650 mmワイドボディー
- ●車輪直径 640㎜Φ
- ✖台車回転角自由度:4.5°!
- ✖最小通過曲線半径 30R!
第6目 ライトライン車両
前項のF1000型をベースに、各部を modify した車両です。
但し、特徴ある bogie とマウント方法は modify されていない!ので、要求仕様の最小適応曲線半径 25R!はクリアできていない!???
新潟トランシス製ブレーメン型ライトラインHU300形電車
- ※ドア部床面高さ 300㎜+
- ●編成定員 160名(座席50名)
- ●編成乾燥重量(運転手1名含む) 39.0ton
- ●定員重量 160名乗車時 47.8ton
- ●想定満員(定員110%※003)176名乗車時 48.7ton
- ●編成長 29,520 mmX全幅 2,650 mmX全高 3,625 mm
- ●制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御方式
- ●編成出力 300kw(3基搭載)
- ●三菱電機 MB-5189-A 主電動機 かご形三相誘導電動機 100 kW
- ●動輪径 640Φ
- ●登坂能力 100‰???(空車牽引状態で67‰以上)※ライトライン賛成派の情報なので???
- ●制御装置 電気(発電/回生)ブレーキ、電気解除制御バネ式ディスクブレー
- ✖台車回転角自由度:4.5°!
- ✖最小通過曲線半径 30R!
参※003)クロスシート仕様の為
- ●車両購入総額 59億円/17編成/1編成3億4700万円!(フクラム標準タイプ3億1690万円)
公開:2023年7月22日
更新:2024年2月24日
投稿者:デジタヌ
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