狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載『 東北新幹線・赤羽駅!実現で、新宿⇔札幌が4時間少々に!...』ー第2回ー

第2回 JR東日本の挑戦!

更なる速度向上を目指してJR東日本では東北新幹線内の宇都宮⇔盛岡間(425.8㎞)の 最高運転速度320㎞/hを360km/hに、さらには大宮⇔ 宇都宮間(79.2㎞)と、整備新幹線として建設された盛岡⇔ 新青森間(178.4㎞)の区間も改修して大宮⇔新青森間683.4km全区間で中国高速鉄道並みに?最高運転速度360km/hに引き上げて、何とか"表低?速度"を向上させようと、国・独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(※1)とともに整備新幹線区間速度向上のための大改修工事!を行っている訳です。

更に最高運転速度360km/hに対応する新型車両もJR東日本独自(予算)で車両メーカーと共同開発しているわけです。

※1、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構についてのWikipediaの解説はこちら

第1項 北海道新幹線海峡区間(新青森⇔新函館北斗)は現状維持がやっと

前途したようにJR東日本・JR北海道連合が在来線共用区間を除く北海道新幹線区間を最高運転速度360㎞/hに引き上げるための追加工事費(※1)の「差額」をJRで負担することで話がまとまり、東北新幹線の盛岡⇔新青森間・大宮⇔宇都宮についてもJR東日本が費用負担をして最高運転速度360km/h!運行に向かって着々と工事が進んでいますが...

※参1)北海道新幹線は、盛岡⇔新青森間と同じ整備新幹線区間なので最高運転速度 260 km/hが基本となって設計されました!

これらのプロジェクトが完了しても、東京駅⇔札幌駅間が最短で4時間ジャストが限界!

  • ●新青森⇔新函館北斗間 148.8㎞は、所要時間47分!
  • ●最高運転速度360㎞/h(海峡区間160㎞/h)表定速度 190㎞/h!新函館北斗⇔札幌間 212㎞は ノンストップ最速 約39分!
  • ●最高運転速度360km/h(表定速度326㎞/h!90%)
  • ●新青森⇔札幌間は新函館北斗1分停車含む最速87分(1時間27分)

が限界でこれ以下は無理でしょう!

大宮⇔札幌間は4時間の壁は破れそうですが...

  • ●大宮⇔新青森間683.4kmは 最高運転速度360km/h(ノンストップ表定速度326㎞/h!)で走行できたてして最短126分(2時間6分)の計算となりますが...
  • ●大宮⇔札幌間1,044㎞では、途中 盛岡・仙台・新青森・新函館北斗の4駅に停車すればさらに各駅の映写時間として4分が追加されて、所要時間216分(3時間36分)が限度となって...

新宿⇔札幌間4時間切りは夢物語

東京⇔大宮間 30.3㎞  最高速度110 km/h??? 所要時間23分+大宮駅1分停車を加えると東京⇔札幌間は最速でも丁度4時間で、空路にとって代わるには...?

つまり、新宿←(中央快速線)→東京←(東北・北海道新幹線)→札幌間4時間切りは夢のまた夢です!

すべての高速化プロジェクトが完了しても4時間の壁は厚い!

前途したようにすべての高速化プロジェクトが完了すれば東京⇔札幌間は最速4時間ジャストとなるわけで、5時間の壁は破れそうですが...4時間の壁は非常に厚い壁といことになります!

東京⇔札幌間を3時間代で結びたいJR東日本?!

出来ればあと10分ぐらいは 時間短縮して東京⇔札幌間が余裕をもって4時間以内に短縮できれば、東京⇔広島間のように空路にとって代われる!?可能性が生まれるわけです。

しかし大宮⇔札幌間 1,044㎞を、あと20分ぐらい短縮するには東北新幹線内大宮⇔新青森間683.4kmで稼ぐしかなく最短126分(2時間6分)を110分に短縮するには表定速度373/hとなってしまい最高運転速度は415km/h以上に引き上げなければならなくなり、もう"リニア新幹線"でもない限りは到底不可能!な数値となってしまいます。

第2項 捕らぬヒグマ?の皮算用

北海道新幹線東京⇔札幌間が4時間以内ならば、札幌駅と現在同程度?の時間・距離で同程度の旅客量がある博多駅(福岡空港)と並べたら...

  • ●東京⇔博多間(1174.9㎞)が"最速のぞみ"で4時間57分"
  • ●新幹線博多駅の乗客が 21,902/日(2017年度)乗降客換算で約2倍の4万人/日程度 (※但しこの数値は、博多駅で乗降する人数で、東京⇔博多間の通し利用客は殆ど稀!で鉄オタのみ?)
  • ●九州新幹線全通による増加分が約1000人/日、
  • ●福岡空港の国内線年間利用客 2017年実績で17,645,735人/年間 →1日当たりにして 48,345人/日 
  • ●東京⇔新千歳空港利用者 国内線年間18,824,306人/2016年→約5万1千600人/日

もしかすると...ウフフ?

但し次項の理由でそれは不可能!でしょう。

たとえ4時間を切っても安定したビジネス利用客は期待できない?

現在、東京⇔博多間は5時間を切って、安定した需要がありますが...。

東京⇔広島間の"4時間突破"とは事情が異なります!

つまり広島空港は広島都心部から離れた壁地?にあり、かつ広島都心との連絡をリムジンバスに頼っている状況です。

空港アクセスの悪さから新幹線が4時間の壁を突破することでほぼ航空機を撃墜!できたわけです。

これに対して函館空港は、新函館北斗駅より中心部に近く千歳空港⇔札幌間もJR北海道のエアポート快速で39分で結ばれていて福岡空港同様に空路の方が断然便利!です。

JR北海道空港連絡線から撤退でもしない限りは、さほどのメリットもありません!

現在4時間代の東京⇔博多間でも乗り通す人は「鉄オタ以外はごくまれ」です!

広告代理業の「Youtuber(土建業界の)"中の人"」が唱えているように

『東京⇔札幌という大都市間を結べば、東京⇔博多間同様にインターアーバン列車となり、需要が期待できる?...』などはあり得ない話です!

太平洋・瀬戸内工業地帯を走る大動脈!東海道・山陽新幹線

つまり、東京⇔博多間は日本経済を支える基幹産業が連なる太平洋ベルト地帯となっている上に、さらに瀬戸内海は"天然運河"として機能して沿岸地帯は日本の経済基盤を支える重厚長大産業の密集した「モノづくり地帯」でもあるわけです!

つまり、東京⇔博多間にある(静岡・浜松・名古屋・大阪・神戸・岡山・福山・広島・北九州などの)都市間短距離移動?する「ビジネスマン」も多い訳!です。

(事実小生もセールスマン時代はそうでした!)

対して、東京⇔札幌間は...

本社・支社を構えているのは東京・仙台・札幌ぐらいで仙台支社から札幌支社への出張は、東京本社⇔札幌支社間に比べると殆ど無い!といってもよいぐらいでしょうし?

肝心の工業都市・室蘭を通らない新幹線では、セールスマンにとってもお呼びではないでしょう!

つまりは、ビジネス利用の殆どを占める東京⇔札幌間のビジネス客は5時間近くもかかる新幹線を利用するとは考えにくいし、これでは「日帰り出張」が出来ません!

(※事実、東京本社で勤務していたボトムセールスマン?時代の小生は、もっぱら空路を利用した日帰り出張が殆どでした!)

★第3項 ボトルネックは上野⇔大宮間!

前途したように2021年のダイヤ改正から最高運転速度は130km/hに解禁されましたが...

第1目 ボトルネックとなっている大宮⇔上野間の速度規制!協定

  • ●埼玉県・さいたま市・蕨市・戸田市 との協定で130㎞/h規制
  • ●東京都(庁)・板橋区・北区・台東区 との協定で110㎞/h規制

上野⇔大宮間では前途した様に、沿線自治体(埼玉県・東京都)との協定で速度規制が続いています!が、

騒音対策に対する「市民活動家?」の継続的な住人反対運動などの成(果)ではありません!

第2目 上野⇔大宮間が高速化できない理由は

沿線自治体のスキームが得られない!からです...

実は最新の防音設備(防音シェルター・防振スラブ軌道更新)で全線改修するだけで環境基準は十分にクリアできます!

これによりスピードアップ(最高運転速度160㎞/h)すれば110km/h→130km/hになっても多少貢献できてたように、10分程度の時短効果が期待できます!

※大阪市西区阪神なんば線の防音シェルターの例。

第3目 沿線自治体に百害あって一利なし!?のスピードアップ

首都圏にあるこの区間では

沿線自治体住民にとっては、上野大宮間をスピードアップ(所要時間短縮)しても、何のメリットもありません!

改修事業には事業スキーム(喜捨)が必要に...

更、千億円!程度の高速化事業費の内、幾何かは騒音対策(環境改善費)として、協力(事業スキーム)が必要となります!

グループ内資金還流!にも...

更にこの区間30.3㎞に改修工事を実施しても、ほんの1線(千)億円?程度で有り、クループ内(※11)への経済波及(グループ内資金還流)効果?もあまり期待できません。

参※11)当サイト関連記事 巨大企業グループとなったJR東日本 はこちら。

参※12)当サイト内関連記事 第2節「ギョーカイ」と利権集団を潤(うるお)す鉄道建設?! はこちら。

第4目 盛岡以北ならば沿線自治体の協力が

  • ●盛岡 ⇔新青森間(実区間距離 178.4㎞) 最高運転速度 260 km/h

盛岡 ⇔新青森間(178.4㎞)を最高時速360㎞/hに対応させるための改修工事を実施すると、"数千億円!"は必要となりますが...

東北新幹線沿線自治体の協力(事業スキーム)が得やすいのです。

時短効果が大きい東北

盛岡 ⇔新青森間(実区間距離 178.4㎞)の最高運転速度 260 km/hを、宇都宮⇔盛岡間 最高運転速度 320 km/h( はやさ表定速度282km/h! )と同等以上にすると、

所要時間38 分!となり現行の65分から一気に27分!も時間短縮できます

さらに、大宮⇔宇都宮間と青函トンネル区間以外の北海道新幹線内を整備新幹線規格(260㎞/h)から東北新幹線並み(320 km/h!)!にスピードアップできレバ...

 

公開:2019年8月16日
更新:2024年4月 7日

投稿者:デジタヌ

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