連載『 シベリア新幹線"妄想!"はロシア版大言壮語 Russian Big Talk!』ー第6回ー
中国の国慶節のような、「人民の大移動」に備える必要が無いので(※51)、
第1項 シベリア鉄道では"玉ねぎ列車?!"は走って無い!
都市部を除き「鉄道」はUSA同様に鉱産物・木材・輸送主体の"Transportation network"となっています。
したがって、中國のような大規模な路線改修(経路変更)は行われずに、
「嘗ての国鉄時代の北陸本線」のような部分改修で済ませて、
ロシアンゲージであるにもかかわらず、狭軌の mining railroad 同様に屈曲していて"高速運行には不向き"な路線となっています!
つまり、生鮮食品の輸送など「鮮度の要求」される貨物輸送は、主要 highway(幹線道路)のトラック輸送で賄えて、
ライフラインとしての鉄道が運ぶ生活物資は、衣類・紙などの消耗品と、家電製品などの耐久消費財に限られて、どちらも「旬のもの・際物」ではありま線!
更に、前途したように「モスコーを中心に構成された"役立たずのTransportation network"」です。
参※51)局地にある、鉄道も通っていないようなPioneer(開拓者)が暮らすmining townでも、landing strip(架設滑走路、簡易空港)やheliportは完備されていて、鉱山従事者に利用されていますが、
夕張市と同じような"廃村"が辺境部の各地に点在していて、セスナのような「軽飛行機でも、旅客需要が無く」、休止中や廃空港になったlanding stripも各地に散在しています。
参※ 英語表記にみられる飛行場の分類は
日本では国交省が、ランク分けをしていて、なんだかわけがわかりませんが...
- ●international airport 国際便が出ている国際空港
- ●regional airport(地方空港)、国内便専用の地方空港
- ●municipal airport(市営空港)地方自治体が運営する、市営空港
- ●landing strip(滑走路、簡易空港)日本で言えば北海道にある農業用滑走路のような簡易滑走路。グライダークラブなどが使用している滑走路もあります。
以上が小型機を含む商用航空が使用する民間旅客機空港です。
- ●Executive airport(自家用飛行機専用飛行場)小型機や・超軽量機だけではなく、ビジネスジェット、等の自家用機が使用する立派な飛行場で、自家用機の普及しているUSAには数多くあります。
- ●もちろんこの他にもAir force base(空軍基地)、Military airpor(軍事空港)などの非公開空港施設もあります。
日本では国交省が管理する大阪の八尾空港、小牧空港、調布飛行場、福井空港などが感覚的にはmunicipal airportに相当します。
但し諸外国のmunicipal airportは立派な中型ジェットが離発着できる立派な空港もあります。
第2項 シベリア鉄道の実力は?...
Railway track(軌道)の主役である、レールと、枕木は鉄道の輸送力(輸送密度)を決める重要な要素となっています!
第1目 Railway track(軌道)の規格
軌条 (レール)は、単位長さ(yd or kg)当りの重量(lb or kg)で細かくクラス分;Rail profile(規格化)されています。
基本単位「長さ当たりの重量」で kg / m(メートル法)で規定されていますが、元々は英国のBSのlb/yd規格(ヤード・ポンド法)が基本となっています。
更にASCE(アメリカ土木学会!)では、鉄道や軽便鉄道(構内鉄道)で使用するレールは普通レールと軽レールの2つのグループに分けています。
日本では
- ●JR各社のmain line(幹線)で使用されている60㎏Nレール
- ●大手私鉄鉄で用いられている 50kgN型レール
- ●regional line(地方交通線)rural line(地方鉄道)で用いいられている 40kgN型レール
日本の regional line(地方交通線)rural line(地方ローカル線)の多くでは保線が容易(人力)で、比較的安価?な40kgNレールを使用しています。
そして日本民営鉄道協会加盟の大手私鉄鉄の多くは、保線作業が省力化できる(嘗て新幹線でも使用された50kgPSレールの亜種)50kgNレールを使用し、
さらにJR幹線では、メンテナンス頻度の削減!と、列車の長大編成・高速化に対応するために、(新幹線でも使用されている)60㎏Nレールを用いて、保線作業の"効率化!"を図っています。
参※)当サイト内関連記事 Siberia Shinkansen は Russian Big Talk! はこちら。
第2目 payloadとAxle load
輸送力を決定付けるRailway trackの性能(制限)として、Axle load limitation(ton/axle) & payload( t/m)があります。
USA(at 50kg/m rail track)
- Axle load limitation;22.5 tonnes (50kg/m rail) payload Limit.;8 t/m
BNSF Axle load limitation 24 ton/axle - main line(80kg/m rail track)
Japan
- main line 75 lb/yd rail track(37kg/m ASCE rail )
6t/m、20 ton/axle - regional line & branch linek 60lb/yd rail track(30kg/m ASCE rail )
- 5t/m , 20 ton/axle
ヨーロッパ一般路線 75 lb/yd rail track(37kg/m ASCEレール)
- payload;6t/m,Axle load limitation;20 ton/axle、
Russian
- main line 50kg/m ASCE rail (国際規格レール)25 t/axle
- regional line 75 PS rail(75 lb/m=34kg / m)!20 ton/axleに据え置き
- ●payload limitation;6 t/m
第1目 payload(ton/m)とは
これは主に、橋梁(連続高架橋)などの許容耐荷重設計値からきており、
車両総重量を全長(連結面間長さ)で除した値となっています。
- ●Association of American Railroads(アメリカ鉄道協会)規定では、一般鉄道は8 t/m
- ※ 日本では、幹線(本線)6t/m、地方線で5t/m 以下
となっていました。
第2目 Axle load limitation; ton/axle とは
Axle load (軸重)とは、車両1軸当りの、"Railway track"に対する load(荷重)のことで、一般的には静荷重(※25)を示します。
(※なのでeccentricでincongruous(アンバランス)なloading(搭載)を行うと、最大積載重量以下でもAxle load limitation(軸重制限)をexcess(超過)することが有ります(特に truck輸送では))
USAではAxle load limitation(軸重制限値)は 24 ton/axle となっています。
この値は、使用するレールによって制限されます。
(※25)静荷重とは静止状態つまりはカンカン(重量計)で計測できる荷重で、走行中の荷重を動荷重と称します。但し、動荷重は、走行状態(走行速度による縦揺れ、横揺れ)などで変化しますので、車軸ごとにロードセル(荷重センサー)を装着しないと実測は不可能です!
注※ Ton とはMKS(メートル法)単位だけの表記ではない!
Ton:t(トン) とはMKSでは1,000kgを意味しますが...日本の運送屋が好んで用いる尺貫法単位の"才(さい)"同様に長年ポンドヤード法に慣れ親しんだ(拘り続ける)米・英の運送業界では...
- ●国際ポンドヤードを使用する アメリカでは 1t:2000lb=907.18474kg
- ●"埃"高き強情者・英国病を病む イギリスでは 1t:2240lb=1016.0469088 kg
となっていて共に1t=1000kg ではありません!
第3目 Axle load の大きな要素♥ Tie!
Railway track)にはRailとTrack gaugeを規制する tie(sleeper)枕木が重要な要件となっています。
つまり英語圏で一般的に"枕木"がsleeperではなくtieと呼ばれているのは、Track gaugeを規制する tie (cross member)としての大事な役割を果たしているからです。
日本の例では
日本を例に説明すると、JNR時代は長らく『国有鉄道建設規定』第61条で、線路等級が細かく規定されていました。
幹線・地方交通線共に75 lb/m ASCErail(37kgレール!) を使用して、枕木本数:丁/10mで"等級付け"していました。
またrural line(田舎路線)harbour railway,colliery railwayなどの branch line では、60 lb/m ASCErail(30kgレール) と言うASCE(※27)最低ランクの鉄道用普通レールが使用されていました。
甲線 75 lb/yd ASCEレール(37kg/m rail)
- ※main line;幹線
- ●枕木本数 16丁/10m
- ●Axle load limitation;16ton/axle
- ●payload limitation;6 t/m
乙線 75 lb/yd ASCEレール(37kg/m rail)
- ※regional line;地方交通線
- ●枕木本数 15丁/10m
- ●Axle load limitation;15 ton/axle
- ●payload limitation;5 t/m
丙線 60 lb/yd ASCE rail(30 kg/m ) !
- ※rural line(regional line)harbour railway,colliery railwayなどのbranch line,
- ●枕木本数 13丁/10m
- ●Axle load limitation;12 ton/axle
- ●payload limitation;5 t/m
となっていました。
つまりJNR当時は、1964年開業の特攻線?(特別甲線)の東海道新幹線でさえ50㎏/mレールの時代で、
在来線では幹線ですら(当時のヨーロッパと同じ)75 lb/yd ASCEレール(37kg/m ASCEレー ル!)が辺り前!で、ローカル線では今では見かけることも少ない最低!ランクの普通レール? 60 lb/yd ASCE rail(30 kg/m レール)(※25)が用いられていました。
参※25)但し現在でも、小湊鉄道、などのrural line(田舎鉄道!)では当時の60 lb/yd ASCE rail(30 kg/m レール)が残っています!
さらに、嘗ての"軽便鉄道"は"重量物輸送を行うforest railway(森林鉄道)でさえ殆どが 、45 lb/yd (22 kg/m )ASCEレール以下の軽レールで、一部の軽便鉄道では19世紀のStephenson当時の規格 28lb/yd(13.9 kg / m)レール!が使用され続けていて、そのために川越電気鉄道(西武大宮線)や名鉄高富線などでは「日常的に"脱線事故"」を繰り返していたわけです。
当サイト内関連記事 長良橋から先に伸びていた軽便鉄道!高富線 はこちら。
第3項 Russian Big Talk その4
第1目 Trans-Asian Railway(アジア横断鉄道)構想では
日本は蚊帳の外に放り出されたUN(対日戦連合!)の下部組織Trans-Asian Railway(アジア横断鉄道)では...
- ●Double-stack rail transport
- ●長大編成化
- ●AC25kvによる完全電化
を3本の矢(柱)に掲げており、
ロシア鉄道も134両編成!8000屯の Intermodal container 輸送を目指すと豪語していますが...
Double-stack rail transport は実現困難!
現状のロシアの実情では、Double-stack rail transportはまず不可能です、前途した通り(ぼつぼつ60kg/レールもみられますが.)現在やっと50kg/レールがいきわたりだしたばかりなので、
- ●main line 50kg/m ASCE rail (国際規格レール)25 t/axle
- regional line 75 PS rail(75 lb/m=34kg / m!)では20 ton/axleに据え置き
- ●payload limitation;6 t/m 据え置きとなっています。
Double-stack rail transportを行うには、積載量60t.payload;80ton に対応しなくてはならなくなり。
全長18m2bogie(台車)の low floor flat car(低床2層コンテナ貨車)ならば axle load;20t、payload;about 4.5t/mなので何とかなるでしょうが...
length;16m class articulated car を使用するには
全長を抑えるために、BSNFのようなarticulated car(連節車)を使用するとなると、軸重は40 t/axleと急に跳ね上がり、60kg/mレールでは対応できず、BNSFのような141 lb/yd (69.9 kg/m)レールを使用しないと対応不可能!となります。
更に、payload;about 5.3 t/mとなり、現在の橋梁(連続高架)や湿原エリアの盛り土部分のpayload limitation;6 t/mに対して余裕が無く、高速走行は不可能!となります。
更に車両限界、特にheightが必要で、電化設備・トンネル共に建築限界を引き上げる必要があり、全くの新線BAM-2は、別としてもТранссибирская магистраль、Байкало-Амурская магистраль両路線のトンネル、電化設備(Overhead wire;Trolley:架空線)を大改修する必要が生じます!
...が前途したようにJSCにはそんなお金は"有りま線!"
tandem loadingでは長すぎる!
現状の tandem loading(縦列輸送)では
25mx134両=3,350m!
機関車6台で104m
合計about 3,455m! となり、現行の駅・信号場の待避線設備Max2,000m をオーバーしてしまい!
container terminal、Depot、rolling stock yard(車両留置場)、sorting yard(操車場)全ての施設を大幅に改修(新設)する必要が生じます!...
その前に、この路線には Transportation demand(需要)そのものがありま線(せん)!
公開:2021年11月20日
更新:2025年1月25日
投稿者:デジタヌ
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