狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載『 シベリア新幹線"妄想!"はロシア版大言壮語 Russian Big Talk!』ー最終回ー

エピローグ 利用率も Russian big talk

第1項 現行のロシアン貨物列車は

現在ロシアでは、USAのように170両連結!積載量1万屯超の(全長2900m!)の運行はありませんが、

公式発表では、平均編成は「4,500ton/70両」の編成となっています。

ロシアの応接室?モスクワを含む"西シベリア"から、裏口極東のウラジオストクに至るまで、通過するシベリアは、"大河"が横たわる、タイガ・ツンドラ(湖沼地帯)が大部分なので路線の制限は...

Axle load limitation(軸重制限)、payload limitation(荷重制限)が

  • ●main line(50kg/m ASCE rail 区間);25 t/axle
  • ●regional line(75 PS rail;75 lb/m=34kg / m);20 ton/axle に据え置き

payload limitation

  • ●全線 6 t/m

単線区間(信号所・駅の退避設備)の関係で、編成長は2㎞以下となっています。

Russian hopper による鉱石輸送

つまりではRussian hopper による鉱石輸送では

積載重量は1両当たり abou 64 t/unit

Russian hopper 16mx70 unit =1.120m

牽引重量 83t X 70 units ≒5,800t

標準的な編成では、ホッパー車75両 積載量;4500屯 貨車全長;1,200m  

25kv交流電気機関車E5Kが 17.5mx3≒52m

ィーゼル機関車2 / 3TE25Kが20mx3=60m

なので全長は about 1300m

40 ft Intermodal container では

25m級 flat car(コンテナ貨車)によるtandem loadingでMax 70両

25m x 70 unit =1,750m 積載量60屯x70両=4,200屯

編成全長は about 1,800 m となっています。

tandem loadingのflat car(コンテナ貨車)の全長が25mなので

貨車だけの全長は25m/unit X70unit =1750m

標準的なAC25,000vの3ES5K(3両ユニット)がけん引したとすると+52m、つまり全長約1,8㎞となりGoogle earthやYoutube 動画に写っている列車長と合致します。

更に3ES5K,最新型の2TE25Kディーゼル機関車の軸重が共に2525 t/axle以下なので、まあ妥当な数値でしょうが...

またバム鉄道に関しては

...3年間で100キロメートル以上の2番目のトラックを敷設する予定です。

2015年の初めには、1日あたり約2,000台の車両がTynda駅を通過し、このセクションの再構築と拡張の後、その数は3倍になります...。

《ロシア語版Wikipedia ; Байкало-Амурская магистраль(Baikal-Amurメインライン)より引用》

の記述があり、上下で2000台 ÷70両≒29列車 モスクワ方向約15本は単線としては妥当な数値でしょうが、

Russian hopper & Russian flatcars(平積貨車;木材、重機、軍用車両、重量物、輸送バラ積貨車)が前途の通り約16mで 1,200m  機関車を入れてabout 1,300 mなので、まあこれもGoogle earthに写って画像と同じですが...

輸送量は、回送貨車を除くと実質約1000両 Russian hopperのabout Loading weight;60tonなので、輸送量は60 Kton、単線並走区間を除くバム鉄道のbusiness district(営業距離)は 4300 kmなのでabout 14ton/km/dayとなり、鉄道網全体の公表値 77.4ton/km/dayとはかけ離れすぎていて、77.4ton/km/dayは「Russian Big Talk!」であることがわかります。

数字に厳しかったスターリン時代なら"現社長は粛清"されていたでしょう!

日本からの欧州向け輸出量そのものの減少!

さらに、肝心なのは欧亜間の貿易貨物に占める、日本製品の割合がさほどでもないことです!

中国が一帯一路構想に注力しているのは、中国と東南アジアからの、家電製品・生活雑貨などの輸出が多いからです!

はっきり言って、鉄道事業としてみれば「日本の貿易」だけでは、建設費の40年償還など「夢のまた夢」毎年の融資額の金利すら回収できないでしょう!

第2項 旅客需要も

前途したように現在シベリア鉄道沿線の旅客は鉄道に頼っていますが、旅客便の設定はそれほど多くはありません!

つまりロシア本国!のモスコー近郊の大都市間は別にして、シベリア鉄道の沿線の各共和国を通る幹線沿線でも、モスクワを遠く離れた各共和国の都市間にあるТранссибирская магистраль(シベリア横断鉄道)沿線過疎駅では、上下方向共に週3便程度しか旅客列車は走っていません!

更にbranch line(支線)では週に1便程度!

生活に密着した旅客輸送を行っている、forest railway(森林鉄道)でも日に3往復程度!

しかも鉄道の歴史が長すぎて、近年建設されたhighway(幹線道路)からは遠く離れており、

更にhighway(幹線道路)と言ってもトラック鹿通行してなく!

中心都市と限られたその周辺部でないと路線バスなど走っていません!

これなら乗車率が高くて当たり前です!

第1目 中核都市・鉱山都市にはショッピングモールも

更にロシア国内の旅客需要も、東欧圏に属する西シベリアのモスクワ⇔サンクトペテルブルク間のような、大都市間に限られ...

しかも各都市間の距離が数百キロ単位なので、"ビジネス需要は空路"が中心となり、例え250km/hの高速列車が運行可能な、Category IのHigh-speed railが誕生しても、長距離を移動す"ビジネスマン"は利用しないでしょう!

さらに地元住民も(数百㎞も離れた)遠い隣国(共和国)の田舎町にわざわざ出かけないでしょう!

何故ならどこに行っても「自国の田舎町と大して変わりらない」からです。

コンビニの存在まではわかりませんが ( ´艸`)

「地域の中核都市(集落?)」には、スーパーマーケットやショッピングモールが備わっています!

「更に鉱山労働者は"モスクワなどの西シベリアの大都市""物見遊山"に出かけるような暇もないし、トラックが運んできてくれる、豊富な生活物資で鉱山都市を離れる必要も無いのです!

さらにシベリア奥地の"辺境部"にも、「名も無いlanding strip(架設滑走路、簡易空港)やheliport」が建設されていて、鉱山関係者などのビジネスマンと"お役人様"の移動に供されています。

つまり、旅客鉄道事業は初めから大赤字が決まっているわけです!

Intercity を利用する一般観光客?がいるとしても...

ローカルエリア駅⇔空港間の移動だけ鉄道を利用すれば、主要都市に完備された空港利用ですればIntercity は賄えます。

つまり中心都市近郊のローカル輸送に限られます。

そのInterurban(都市圏近郊電車)ですら、時間1本程度!の間引き運行です。

極東のシベリア鉄道のような"辺境路線"!に至っては、週に3往復程度!

つまり輸送密度で言えば...廃止が取りざたされている、北海道や全国の痴呆ローカル線以下です!

日本の一般観光客も

暇な日本の観光客も、成田⇔パリ間が20時間程度で移動できるのに、態々3・4日かけてモスクワ迄辿り着き、更に飛行機に乗り継ぎ1週間もかけて、シベリア鉄道を乗りとおすようなような"大バカ者"はいません!

「余程もの好きな日本人の鉄オタ」程度です。

第3項 ロシア帝国の真の狙いは日本侵攻!

数百兆円もの!"拒否"を投じて、リターンが得られるのは、税金を払っている一般市民でも、ロシア鉄道働く社員でも無く、一部の資産家・富裕層と「新ロシア帝国政府」だけです!

日本が経済協力に加わるとしたら、第3シベリア鉄道㈱への投融資、つまり民活と言うことになるのでしょうが...

うかつに「Siberia Shinkansenに乗る」とすると...

チェチェン共和国反乱?鎮圧!、クリミヤ半島占領 そしてウクライナ侵攻と東部エリアロシア併合!等、大昔?の"樺太強奪"に限らず、平気で多国の領土を"かすめ取る"人達です!

北方領土返還など「夢のまた夢」!それどころか悪くすれば、いずれは「北海道はおろか、本州迄」ロシアに占拠されてしまうことになるでしょう!

売国奴が口にしない!ウクライナ侵攻に使われたlogisticsとは...

日本のジャーナリスト・有識者?は一切口をつぐんでいますが今回のウクライナ侵攻でも、

実はクリミア半島からの侵攻(兵站)に大活躍したのは「鉄道」です!

だから、間宮海峡トンネル、宗谷海峡トンネルなど実現しようものなら、間違いなしに...

新・ロシア帝国がSiberia Shinkansen を望んでいるのは?

第3シベリア鉄道(第2バム鉄道)が開業出来れば、"ロシアの資源庫シベリア"からロシア本国?へ、"無尽蔵のお宝"を引き出せるようになるからです。

鉄道事業への投融資だけではなく、シベリアの資源(エネルギー・鉱物資源)開発その物に、合弁事業などの形で資本参加させてくれないと、日本の経済界にとっては全くメリットは無い!でしょう...

 

公開:2021年11月20日
更新:2024年3月21日

投稿者:デジタヌ

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