狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載 Essay《 北海道 斜里町知床観光船海難"事件!"に見る 無秩序な観光振興策 》ー第6回ー

第6回 戦前日本の航空機産業で行われていた "プロジェクト体制"とは...

敗戦前の日本の軍需産業・特に航空機産業では、少ない開発陣リソースを有効に機能させるためにマトリクス・プロジェクト(リーダー)体制が敷かれていました。

旧三菱重工、中島航空機共作?で完成した零式艦上戦闘機の生みの親である堀越二郎技師と影の立役者・プロデューサーである大日本帝国海軍航空隊の存在です。

企業間の縦割り開発体制にメスを入れ、有能なプロジェクトリーダー堀越二郎の元に(機体・エンジン)開発陣を結集させて、機能させることで、少ない開発陣リソースを有効に機能させたわけです。このため技師長である堀越二郎は同時期に多数のプロジェクトを並立させられたわけです。

同じようなことは、東海道新幹線計画でも、当時の国鉄十河総裁がプロデュースして、 島秀雄 技師長が、車両開発、軌道開発、集中制御システム開発の統括責任者となり、大成功させています。

職制(人事管理)と職務(部門)は分離してマトリクス体制が必要では

つまり、労務管理を行う"職制"として局長、部長、課長etc. の管理職を置き、

職務・業務はグループ毎に分け、せいぜい係長の範囲内として!

大臣・局長並の権限を持つ担当相(と官房・プロジェクトリーダー)が各部署にまたがり、国家プロジェクト!を統括する体制が望まれているのではないでしょうか...

現在の各省庁出身の補佐官では、結局古巣への肩入れ!にしかなって無く!さらには各省庁のTopキャリア官僚(各局長)が、"絶大な権限(人事と金・権益)"を握っていては...

更には現状の中央省庁の内輪もめのを避けて通る内閣体質では、何(国家プロジェクト担当大臣体制)を行っても"絵に描いた餅"で空転するだけで何一つ実現(実効)しないのでしょう...

※例えば...

一方では無秩序な規制緩和へのすり替え!が...

更に2007年安倍内閣誕生に伴い規制改革推進本部および規制改革会議が設置されて、国鉄分割民営化(1987年)、鉄拳公団・日本道路公団解体(2005年10月1日)、郵政事業民営化(2007年10月1日)の実績?に焦点を集めて、規制緩和に問題がすり替え!られてしまったわけです。

結果各省庁内部の重複部署統合(削減)によるreconstruction(再構築)は全く進まなく(手が付けられなく)なり、現在に至っているわけです!

これにより、前途した特別民間法人 軽自動車検査協会 ※日本小型船舶検査機構 が誕生し更には規制緩和の名のもとに、陸運業の許認可制度が廃止されて運輸業が乱立して、碓氷峠でのスキーバス転落事件など数多くの重大インシデントが生じる結果となったわけです。

つまり、遊覧船・海上タクシー・釣り船などの小型船舶による観光事業(旅客不定期航路事業)の航路ついても、申請・届け出だけで許認可事業ではなくなったわけです!

さらに船舶検査は、不法係留・投棄を防止する目的で誕生した特別民間法人日本小型船舶検査機構が誕生したのをきっかけに、海事局(検査測度課)の地方支部局である北海道地方運輸局から日本小型船舶検査機構に移管されてしまった!わけです。

つまり、税収アップ(小型船舶登録制度)を主目的とする、特別民間法人日本小型船舶検査機構では、"書類"さえ整っていれば、実際の船体検査は省略されて、KAZU!のように、Bilge pump(ビルジポンプ)が停止!され、おまけに衛星電話、船舶無線も無く定時運行報告も行え無いような危険極まりない小型遊覧船でさえ書類審査を通って!しまう結果になったわけです。

 

公開:2022年5月 2日
更新:2024年4月 5日

投稿者:デジタヌ

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