連載《鉄道客貨・混載事業を宅配事業者との提携で復活すれば赤字削減・事業継続への鉄路が開ける!》ー第3回ー
嘗て、国鉄や私鉄の一般小荷物営業が、駅の窓口で駅員さんが行っていましたが、近鉄などの地方の私鉄では貨物電車併結の光景も見られました。
また、大型の産業・事業荷物は、駅併設の"日通"営業所で集配を行い、側線で貨車に積み込まれて、機関車がけん引して操車場迄運んでいました。
現在各宅配便業者は、全国の大都市に拠点となる「拠点ターミナル」を置きターミナル間を「センター便」と称する、大型車で、結び、更に各地の「集配所(サテライトターミナル)」に中継便で中継されて、最終的に担当エリアの集配を担当する「集配便」が集配を行うピラミッド構造が採用されています。
コンビニなどの荷受け取扱店→(宅配車両)→集配所→(中継便)→エリア拠点ターミナル→(トラック・センター便輸送)→エリア拠点ターミナル→(中継便)→集配所→(宅配車両)→個人宅
第1項 遠距離の場合のJR貨物利用は
この、ターミナルから更に、最寄りのJR貨物の貨物駅(コンテナターミナル)に移送されて、大阪⇔東京間の東海道貨物ライナーとして輸送されているわけですが、
京阪神間のような、メガロポリスを形成している都市間ならば、鉄道路線に集配ターミナルを併設すれば鉄道利用も可能なわけです。
現状のJRのコンテナ貨物ターミナルでは、各宅配業者のターミナルが隣接している場合もありますが、直接荷積み・荷下ろし(行先配分)が行われている訳ではありません。
いわばJR貨物のオフレールステーションとほぼ同じ機能です。
エリア拠点ターミナル→(中継トラック便)→JRコンテナターミナル→(コンテナ列車)→JRコンテナターミナル→(中継トラック便)→エリア拠点ターミナル
第2項 宅配業者の"小荷物"輸送方式
一般のカタワ、宅配コンテナ貨車のコンテナには昔の有蓋貨車のように"バラ済み"されているように思われるかもしれませんが...
各コンテナの中には、籠台車(キャスターケージ)と呼ばれる、キャスタ-付きの台車が、積まれており、この台車に、エリア別のサブ宅配ターミナル、もしくは集配所別の"雑貨・小荷物"がまとめられているわけです!
通常は各エリアの拠点同士を、センター便と称する、大型トラックが、日に数便行き来しているわけです!
比較的近距離の、京阪神、東海エリア、などのメガロポリスでは、都市間輸送は、トラック便が主になっています。
姫路⇔大阪、京都⇔大阪、など等
第1目 集配所を鉄道路線の駅に併設すれば
そこで、鉄道路線最寄り駅に、嘗ての鉄道貨物便のように、集配所となる宅配サブターミナルを併設すれば、サブターミナル間のセンター便を置き換えることが可能になるわけです!
例えば、コロナ災害被害を最も受けている地方都市では、近郊路線の沿線都市の集配所を、駅に併設させれば、"鉄道が「サテライトターミナルを結ぶベルトコンベア」変わり"になってくれるわけです!
第2目 運用方法案
例えば、ルーラルラインの終着駅とか、都市近郊ローカル運用系統の終着駅に、ホーム直結の荷役施設を作れば...
所謂2面1線構造の荷役専用ホームを(一般人立ち入り禁止区間として)併設すれば、積み込み専用ホームと、荷下ろし専用ホームにあらかじめ、専用の小型コンテナを準備しておき、到着と同時に、両側から、コンテナの"押し込み"と"引き出し"をを"専用ローダー"で同時に行えば、荷役にはものの数分もかからなくなります。
つまり折り返し時間を、利用すれば荷役は完了します、途中駅でも荷捌きが迅速に行えるようになるわけです。
公開:2021年6月 1日
更新:2024年4月 1日
投稿者:デジタヌ
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