狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載『 Osaka international airport "伊丹空港"は廃港!?となり阪急空港線が開業する!』ー第7回ー

第6節 3線軌条化による2空港直結"狂気"鉄道が!?実現

「阪急大阪空港線」も「なにわ筋線連絡線」同様に軌間 1,067 mmの狭軌?に変更して、経路計画も見直して「分岐点を豊中駅の少し先」に変更し、その先から約1.16㎞の「狭軌」新線を空港まで建設する案に変更すれば、建設費は大幅に圧縮・削減可能で、単純計算でも 約240億円(※21)単線敷設なら150億円程度で建設できるでしょう!

また急行停車駅「豊中駅」(※22)を経由する案であれば豊中市の賛同・協力も得やすいはずです。

更に十三から分岐点まで約9.27㎞を3線軌条化(※23)して、JR・南海と相互乗り入れすることにより、大阪空港⇔関空間が1本(正確には2本)の鉄路で結ばれることになるわけです!

※21)路線延長比3.6㎞対1.2㎞の単純計算で 約240億

※22)豊中駅 ;通年平均乗降客;47,953人/日-2017年・年次統計

※23、三線軌条についてのWikipediaの解説はこちら。

第1項 嘗て頓挫した「堺筋線相互乗り入れ運行案」

昨年のコラム「泉北高速鉄道建設のいきさつ... 何故乗り入れ相手が市営地下鉄ではなかったのか?」で取り上げた通り、かつて阪急・南海は天下茶屋駅・天神橋6丁目間で「3線軌条」を介して相互乗り入れすることを検討していました!

この堺筋線建設問題が一向に進展しなかったので、"とばっちり"をうけた地下鉄御堂筋線中百舌鳥延伸が遅れ、当時「仲の悪かった」大阪府と大阪市のお互いの牽制もあり、結局は泉北高速・南海が相互乗り入れするかたちになったわけです。

当時は「技術的問題?」を理由に交渉決裂!

この当時は「技術的な問題」を最大の言い訳?にして阪急・南海相互乗りいれ話が決裂して、南海側が持っていた動物園前⇔天下茶屋駅間の「路線免許」を大阪市が譲り受ける(横取りする?)形で、「阪急・市営地下鉄両者間」のみの相互乗り入れで天下茶屋駅延伸接続となったわけです。

第2項 宝塚本線を3線軌条化する夢物語とその対応策

第1目 3線軌条化のデメリットとは?

3線軌条化には全くデメリットが無い訳でもありません。

十三⇔豊中間はすべて3線軌条化対策として、建築限界の大幅な見直し(※31)と上下線の軌道間の間隔見直し、軌道敷・路盤拡張が必要となってきます。

※参31)建築限界に関わる車両限界が、南海・JRは空港連絡線の関係で同じ(南海本線は10000系以降 全長20mx全幅2850㎜x全高4140㎜、JR阪和線は空港連絡線開業に合わせて導入された223系以来 全長20mx全幅2950㎜!)に対応しており、宝塚本線では9000系入線以降は全長19mx全幅2.75mx全高4.01m、に対応し設定(許認可)されています、つまり車両幅は最大で200㎜(片側100㎜)も違うことになります!

但し、最大幅はホーム高さ部分で絞りこまれておりホーム面では、3社ともに大差なく、以下で詳述する軌間の違いによる「車両中心のオフセット」の問題のほうが大きな問題となります。

1)軌道間隔及び軌道敷地拡幅の必要性

3線軌条とは、どちらか片側の線路を共有し、もういっぽうの線路を2本敷き、都合3本の線路を使って軌間の異なる車両を走行させる軌道敷のことです。

つまり車両幅(車両限界)が同じだとすれば、標準軌間1435mmー軌間 1,067 mm=368㎜ の1/2=184㎜センターがオフセットされるわけで、最低でも駅間では+184㎜の敷地拡幅、駅では上下線間を368㎜以上拡幅して、ホーム間隔はさらに片側184㎜両側で368㎜、つまり都合736㎜、ホーム間隔を広げないと、ホームと接触してしまいます!

2)乗り入れ列車ごとに異なるホームとの隙間の変化

駅では3線軌条のままだと、乗り入れ列車ごとに184㎜もホームとの間隔が変化することとなり、更に同線のように曲線区間にホームが設置された駅が多い場合には、更にホームと車両の「溝」は広がり危険でとても実用には耐えられないプラットホーム構造となってしまうでしょう。

このために前途した「1970年当時の堺筋線相互乗り入れ計画は計画倒れになった訳でもあります(※32)。

ただし構内のみ4線軌条にして「センター合わせ」を行えば、この問題は解消できます!

参※32)堺筋線だけではなく当時の目的地「万博西口」までの千里線の改修が困難な状況でした!

スイスルツェルン近郊線での実例

SBB(軌間1435mm)とツェントラル鉄道(軌間1000mm)の相互乗り入れ区間の様子、

右側の対抗線に注目、地下新線(3選軌条区間)が駅手前で4線軌条となり、ホームとの間隔を一定にしています!

第2項 宝塚本線を3線軌条化する場合の対応策

1)高架化本線部分の路盤拡幅改修工事

既に高架化された区間では、路盤拡幅のためにかなり大掛かりな工事が必要になってきますが、両側道を利用するだけで新たな用地取得問題は起こらないでしょう。

2)駅施設の対応
途中通過駅

殆どの通過駅の施設についても、ホーム間隔を736㎜広げるだけで、外側(ホーム側)2線の3線軌条化で対応できます。(なぜなら通過駅ではホームと車両の間隔が広がっても乗客の乗り降りは無いため!)

急行停車駅・豊中駅の処遇

急行停車駅でもあり、今回のプロジェクトのカギを握る「豊中市」の表玄関でもあるこの駅を通過させることはできないので「停車」は必須条件となりますが、現状でもホームが曲線部分にあり、ただでさえホームと車両の「溝」は広い!

したがって当駅のみは「4線軌条」で車両(台車)のセンターを合わせる必要があるでしょう!

3)狭軌車両基地として新大阪連絡線用地の利用

前途した通り、現行「なにわ筋線連絡線」計画素案のままでも、最低限 新たに10両編成通勤型車両3編成用分の「車庫」設備が必要になってきます。

そこで、既に取得積みの「新大阪連絡線」用地の一部の事業免許を変更すれば、車両基地新設に転用できるし、阪急電鉄は神戸線沿いの武田薬品工業㈱の敷地の一部を「用途未定!」で買収済みで、どうやらこの部分に車両基地(車庫)を設けるつもりでおられるようで?...

 

公開:2018年11月23日
更新:2024年3月10日

投稿者:デジタヌ

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