狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 親露派が唱えるSLB;Sibirskey Logistics by Broad gaugeからは戦禍を被る以外何も...》ー第6回ー

第6回 Shibaria Shinkansen 建設では...

第1項 シベリアの湖沼地帯に設けられた pioneer road

北極圏にまで及ぶ!シベリアの各地には、数多くのexploratory drilling(試掘場)があり多くのpioneer roadが建設されています。

バム鉄道の例ではТайшет(タイシェト)・Бамовская(バモフスカヤ)・Известковаяイズヴェストコヴァヤがnode(Nodal point)に選ばれて、そこから両側にreclamation road建設が進められ、更にその後に線路が敷設されて本線となった訳です。

つまり、Shibaria Shinkansen route 予定地に「有望な鉱床」が見つかれば、バム鉄道などの既存の鉄道から伸びた、pioneer roadやforest railwayがmining branch lineとなる可能性があるわけで、かつShibaria Shinkansenの有望なルート候補にもなりうるわけです。

第1目 湖沼エリア通過より長大トンネル建設が容易?!

つまりТундра & Тайгаの湖沼エリアに鉄道を通すよりは、山脈を「長大トンネル」でくり貫くほうが、数段手っ取り早く、後々のメンテナンスも容易なわけです。

だから、短期間での鉄道建設がお得意な中国でも、湖沼地帯を通るShiberia Shinkansen Plannはおいそれとは引き受けてくれないでしょうし...

また余程有利な条件(移住者受け入れ!)でも提示しないと、自国内にまだまだ有望な鉱床を持つ中国は、「投資話」には乗ってこない訳です。

更には、新ロシア帝国も秘密(地形)が暴かれるので"国防上の都合"で話は持ちかけない訳です!

第2目 局地では都市部でも舗装路が少ない理由は

ほとんどが、永久凍土の極寒エリアなので、年間を通じて「隆起と沈降」を繰り返し、舗装しても表面から浸透したした水分(雨水、氷雪水)が氷結した時に膨張してすぐに、Crack(亀裂)だらけとなり、破壊されて意味をなさず、年間を通じて表面は「多少緩んでも」永久凍土地帯なので強度が保ててDirt trackの未舗装路でも充分に役立つわけです!

更に、モーターグレーダーで、路面の凹凸もお手軽に手入れできます。

第2項 極寒の地シベリアに鉄道を通すには通常の「盛り土・高架(連続橋梁)」では対応できない!

前途したように、シベリアに鉄道を建設する場合の"最大の障壁"は、シベリアを流れる大河流域に広がる、Тундра & Тайга(湿原・湖沼地帯)地帯、つまりは永久凍土地帯です!!

国土の大半が永久凍土地帯にあるロシア(Siberia)では、極寒期には地下水の氷結で地面が隆起して、短い夏季には、表層部の永久凍土が融解して表土層が沈降して"不当沈下"を起こし、

毎年これを繰り返してほんの数年メンテナンスを怠れば、写真のように再生不可能なほどに見るも無残な姿になっていまいます!

このために、Транссибирская магистраль(シベリア横断鉄道)も、当初予定されていた、Томск(トムスク)付近でのオビ川渡河を断念!して、現行のИркутской(ノヴォシビルスク)で渡河することにしたわけです。

その後に開業した世界最北の旅客鉄道Кировская железная дорога(キーロフスカヤ鉄道;ムルマンスク鉄道 1916年開業)では、当時知られていた、あらゆる手法を駆使しましたが、毎年の保線作業には、想像を絶する労力(多くの囚人)を要し、死屍累々の人柱?で維持していたのです。

第1目 forest railway では

forest railwayでは、G. StephensonLiverpool and Manchester Railwayでも用いた手法、

つまりは伐採したシベリア杉から「枝打ちした小枝」を敷き詰めて、その上に盛り土を築き、直接Tie(枕木)を置いて、沈下を防ぎ、後は"適当に保線"して不当沈下を躱す!手法がとられています。

なので、旅客営業を行っているforest railwayでも、「まともな路線」は有りま線(せん)

第3項 最新の永久凍土地帯通通過工法は grid-sleeper を用いた Sleep lattice 工法でも限界が...

別項でも触れましたように新線建設及び改修時には、フロリダなどの湿原地帯での"不当沈下"を防止する目的で、USAが実用化した、Sleep latticeと呼ばれるLattice(格子状)のrug(敷物)grid-sleeperを、バラストの下に敷く工法が用いられています。

この手法で、夏季の永久凍土氷解時に軟弱地盤となる、Тундра & Тайгаの湖沼・湿原地帯でも、不当沈下は"ある程度"防げるようになりました。

しかし、厳冬期には再氷結するので、"不等隆起"は避けられません!

この方式では、嘗て北海道で行われていたように、夏季の枕木の「下駄ばき!」による嵩上げなどが必要で、消極的と言えばそれまでですが、建設コストの面から考えると、安上がりなのでしょう。

但し、payload limitation;6 t/mが限度のようで、USAのような10,000ton/170unit/trainというような、超大編成化への対応は出来無いようです。

第1目 Russian Rail-road のspec

  • main line 50kg/m ASCE rail (国際規格レール)25 t/axle
  • regional line 75 PS rail(75 lb/m=34kg / m)!20 ton/axleに据え置き
  • ●payload limitation;6 t/m

参※)当サイト内関連記事 rans-Asian Railwayの原点となったシベリア横断鉄道とは? はこちら。

※エストニアの保線

この動画で使用されている、軌道に埋設されたネット状のrug(敷物)が極寒エリアの不当沈下(凍土対策)に用いられるgrid-sleeperです!

第2目 中国では

同じような永久凍土地帯を持つチベット高原を走る青蔵鉄道では、夏季に築堤部分の永久凍土が氷解しないように、築堤周辺にヒートパイプを打ち込んで年間を通じて永久凍土を保つ工夫がなされています。

これは現在建設中の川蔵線も同じです。

 

公開:2021年12月19日
更新:2024年3月21日

投稿者:デジタヌ

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