狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 鉄道発祥の地・英国で生まれた国際標準軌 (4 ft 8 in) !と各国標準軌の歴史...》ー第7回ー

第7回 Narrow gauge

Stephenson gaugeより狭いNominal track gaugeを通常Nnarrow gauge(狭軌)と呼びます。

第1項 3 ft 6 in gauge railwaysは

3 ft 6 in gauge railwaysEmpire of Japan Standard gauge と称してもよい Track gauge です!

嘗ての大日本帝国が、日本本土、樺太、台湾、インドネシア、フィリピンで採用(敷設)した鉄道網で。

樺太(ロシア・サハリン※51)以外は、現在もEmpire of Japan Standard gauge(1067mm)を National Gauge、Nominal track gauge として採用しているわけです。

つまり、日本も含めてこの人たちは、レールの決められた位置の内法(うちのり)を Nominal track gauge とかたくなに守っているわけです?

なので日本の中古車が何の問題も無く第2の人生?を送れるのです。

参※51)樺太では主要幹線は既にRussian gauge に改軌されています!

参)当サイト関連記事 樺太鉄道は改軌されている はこちら。

南アフリカでは

旧イギリス帝国の南アフリカでは、Empire of Japan Standard gauge の3 ft 6 in(1067mm)とは異なる、ロシア同様にメートル法に下ずいた1,065 mm!と言う中途半端な軌間を採用していますが、

但しこれも、後述するようにメートル法と・ポンドヤード法表記の違いだけで、実質完全互換性があると考えてよいでしょう。

第2項 マレー半島に多いメーターゲージ

Metre-gauge railway(英語版)

1,000mmのMalay gaugeは、ポンドヤードに拘るイギリス帝国がどういうわけかcolony(植民地)のterritory(領有地・実行支配地)だったマレー半島と、同じくterritoryだった南半球のニュージーランドやオーストラリアの東西両海岸、そして南米のアルゼンチンで広めたTrack gaugeです。

世界60ケ国に普及して総延長は40,000kmを超えます!

その内ヨーロッパのドイツ、スイスでは、多くのTramが採用して、市内交通の大事な柱となっています。

つまり、後述するようにNarrow-gauge railwayは小回りが利くので、直角コーナーの多い路面電車に向いているわけです!

更に嘗ての colony(植民地)とその周辺の territory(領有地)で多く見かけるのは、

「敷設の容易さと、slack(ゆるい、たるんだ、いいかげんな)」で、管理のしやすさから採用されたのでしょう?

第3項 branch line として今も活躍している Narrow gauge railroad

但し中国やロシアの辺境部には、branch line(支線)としていまだに活躍している狭軌路線もあります。!

軽便王国だったロシア

嘗てロシアでは1981年当時、33,400キロメートル!の750㎜ Narrow-gauge lineがあって、

このうち"有望な路線"はnational gaug(1520mm)に改軌されましたが現在でもNarrow-gauge railways in Russia(ロシアの狭軌鉄道一覧)として残っています。

Алапаевская узкоколейная железная дорога

Belorucheyskaya narrow-gauge railway

ロシアではforest railway(森林鉄道)やmining railway(鉱山鉄道)などの軽便鉄道が現役で運行されています。

最新型のTU10 diesel locomotiveで近代化も行われて旅客輸送にも大活躍しています!

勿論これらの鉄道派、本線には直接乗り入れができないので「本線駅にある積み替え駅」で本線列車に積み替えて継走されています。

※地図中で赤信号で表している交点は本線とは繋がっていないmining railway & forest railwayです。

中国でも

嘗て、ロシアの東清鉄道時代や、満鉄時代には数万キロ!の路線網を誇っていた中国の narrow-gaugもほとんどが、標準機に改軌されるか、廃止されて、残る路線は少なくなっていますが、現在もmining railway(鉱山鉄道)として頑張っています。

第4項 Minimum gauge と呼ばれている 600㎜未満の track gauge

現行の日本の国内法規ではTrack gaugeに関する規定(数値)は無いので、Wikipediaで最小軌間として記述されている15 in (381 mm) も含めてそれ以下でも、鉄道としての「許認可申請」は出来ます。

実際に日本では、遊戯具(として届け出がされている「修善寺虹の郷」の園内遊戯具ロムニー鉄道の本家Romney, Hythe and Dymchurch Railwayは旅客鉄道としてCharter(許認可)されています。

更にイギリスのWells and Walsingham Light Railwayは10+1⁄4 in (260 mm!)で世界最小の鉄道として旅客営業しています。

全て国交省の管轄となりますが、現在日本国内のtransporter(輸送機)に関する法令は以下の通りです。

第1目 鉄道事業者や軌道会社として許認可を受ける場合

鉄道に関する技術上の基準を定める省令(平成十三年国土交通省令第百五十一号)に下ずいて、詳細な計画を立てれば基本OKです!

軌間については第三章 線路 第一節 軌間で

第十二条 軌間は、車両の構造、設計最高速度等を考慮し、車両の安全な走行及び安定した走行を確保することができるものでなければならない。

とかなりslack( ゆるい、たるんだ、いいかげんな、(...が)いいかげんで)な表現となっています!

つまり『安全が担保できレバ』運行実績のない gaugeでも構わない訳です。

なので嘗て、姫路市交通局!や小田急が運行していたロッキードタイプの"本物の mono rail "も新都市交通も、何でもありなわけです!

※ただしこれらは鉄道事業法ではなく、軌道法に基づいて特許申請されています。

名古屋のガイドウェーバスも"特殊走路"と言う名目で軌道法に下づいて特許申請されています。

更には黒4ダム以外では見かけなくなったトロリーバスも、"無軌条軌道"と言う名目で軌道法に下づいて認可されています。

その1(鉄道事業法、軌道法による施設)

観光鉄道・保存鉄道・軽便鉄道などがこれに当ります。

その2 遊戯用電車/都市公園法施行令(※1)に基づいた営業施設

都市公園法施行令第5条第3項に規定された遊具

  • 法第2条第2項第4号の政令で定める遊戯施設は、次に掲げるものとする。
  • 1) ぶらんこ、滑り台、シーソー、ジャングルジム、ラダー、砂場、徒渉池、舟遊場、 魚釣場、メリーゴーラウンド、遊戯用電車、野外ダンス場その他これらに類するも の
  • 2) 前号に掲げるもののほか、都市公園ごとに、地方公共団体の設置に係る都市公園 にあつては当該地方公共団体が条例で定める遊戯施設、国の設置に係る都市公園に あつては国土交通大臣が定める遊戯施設
その3 建築基準法による商業(営業)施設 

ミニ鉄道

その4 適用法令外の非公開施設(個人・団体専用施設)

ミニ鉄道

このうち遊戯用電車/都市公園法施行令(※1)に基づいた営業施設が意外と厳しく300㎜以下のTrack gaugeは認められない事になっています。

つまり日本では Wells and Walsingham Light Railway は遊具としての届け出は認められません!が、それ以外ではOKです。

 

公開:2011年11月16日
更新:2024年3月21日

投稿者:デジタヌ

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