連載《 貿易路アジア横断鉄道 Trans-Asian Railway の理想ルートは大圏コース ! 》ー第2回ー
前途したように上空を飛行」する航空機では、向かい風(偏西風)が問題となりますが...
第1項 地上では偏西風の影響はない!
つまり、上空の偏西風の影響を受けない地上では、大圏コースに沿ったルート設定が「最短ルート」となり、
建設費、軌道の維持管理設・備更新費(保線)、鉄道車両の耐用年数(走行距離)に関する維持管理・設備更新費、更には燃料費(電気代)、管理要員(保線要員)の削減にもつながり、列車の運行コストが大幅に削減できます!
第2項 鉄道設備に関する維持管理・設備更新費では
特に、総延長1万キロメートルにも達する、ユーラシア大陸横断では、鉄道設備に関する維持管理設・備更新費は、「カウンターブロー」として"じわじわと効いてきて"持続可能な鉄道事業"にとっては大きな問題となります!
嘗てUSAのMilwaukee Road(※11)が破綻した原因の一つに「軌道設備・鉄道車両の老巧化」があげられています。
ロシア。中国ともに上下分離方式で「表向きは高収益」を上げていますが、トータルで見た場合は、電化されていても?「実態は汽車(火車)」でしょう!
参※11)当サイト内関連記事 廃業!したMilwaukee Roadから得られる教訓とは... はこちら。
第3項 日本から見れば朝鮮半島・中国・モンゴル縦走ルートが
つまり、現状の既存輸送網(水運)とのノード(結節点)を、連雲港市港、Duisburg(デュイスブルク)Hamburg(ハンブルグ)に拘らなくても、いろんなルートが考えられるわけです。
初回で述べたように。日本にとって、最も都合の良いのは、朝鮮半島の釜山→ソウル→ピョンヤン→瀋陽→ウラン=ウデ→Красноярск(クラスノヤルスク)→ガリチ→リトアニアのMockava (モスコヴァ)→プラハを通過する経路が、最短距離8,600kmと最も短くて済むわけですが...
現在Trans-Eurasia Logistics(トランス=ユーラシア・ロジスティクス)はドイツの鉄道会社DeutscheBahn とロシアのRZhD、China Railway Corporationの合弁事業で、行われているために、この経路は実現していません。
第1目 5,400km!以上にも及ぶ新線建設が必要
モンゴル国内では
- ●モンゴル国内に約500㎞程度の新たな幹線。
ロシア国内では
- ●同じくロシア国内のウランウデ⇔蒙露国境間に400㎞程度の新線。
- ●最低でもグラスノヤスク⇔リトアニアのMockava 間に4300㎞!の新線
但し中国国内は
但し、中國国内は殆どに御区間で高速新線が網羅されていて、中・朝国境⇔中・蒙国境間は高速新線で結ばれています!
第2目 ロシア国内事情にも符合する?
更に、ロシア国内のグラスノヤスク⇔ボログダ近郊区間は現在飽和状態らしい?Транссибирская магистраль(シベリア横断鉄道)のバイパス新線計画ともすり合わせが効き、話の進めよう(日本の経済協力)次第では実現可能かもしれませんが?...
モスクワを通過しない路線では、興味がわかないでしょう!
更に、通過されるだけの、モンゴルにとっては、メリットが無く、建設費全額を日本が経済協力しても、後々の設備維持管理・設備更新費が運賃収入だけでは、賄いきれずに持て余す結果となるでしょう。
モンゴルでは現状の中蒙露友好ルートの維持管理にも手を焼いていて、車両・線路状況 共に最悪の状態に近く、モンゴル鉄道が3国ルートのボトルネックとなっている状況です!
第4項 初心に戻りプラハ経由が...
但し日本では、経済協力に見合うだけの、日欧貿易が無くなっているのも事実です。
更に、連雲港港出発ルートとは違い中國にとっても、自国内の輸出拠点重慶から遠く離れ、輸出ルートとしては利用しずらくなります。
更に、東南アジア諸国とヨーロッパを渡す「架け橋」と言う大義名分を無くしてしまいます!
と言う事で国際貨物と言う事で現実的な落としどころは、当初のOrganization for Cooperation of Railways(鉄道国際協力機構)の発想に戻り、
チェコのプラハをELB(ヨーロッパランドブリッジ)のnode(結節点)として、ドイツ・フランス、旧オーストリー・ハンガリー帝国などの東欧圏、スペイン・イタリアなどの裸典?国家、イギリス国教会?ともつなげるのが適当ではないでしょうか?
お判りですか、鉄棒頭、先代鳥徹のご両人!
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公開:2021年12月10日
更新:2024年3月21日
投稿者:デジタヌ
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