連載《 阪神 姫路線の旅? 姫路行" 直通特急 "を乗り通してみて... 》ー第2回ー
第2回 2020年10月27日の実地調査レポート
例によって、通院のついで?に姫路まで足を延ばしてみました。
第1項 山陽電車が飛び跳ねる!件を確認してみたかった...
山陽電車が"飛び跳ねる"のは「鉄オタ」では有名なお話です。
1951年生まれの"古参鉄オタ"としては、YouTube動画を見た途端に1966年当時の近鉄大阪線を思い浮かべてしまいました!
という事で、福井鉄道などの地方鉄道線同様に"軌道の状態が悪い"のではないか?という見当をつけていたわけですが...
第0目 小生が眉目秀麗な美少年の頃?...
当時小生は都会の高校に電車通学しており、毎日 近鉄大阪線・国分駅から高安駅まで準急に乗車して、そこから最寄り駅まで各停に乗り換えて通学していました。
この区間が「スリル満点区間」で(⌒▽⌒)V
踏切などでは列車が通過するたびに3cm!以上も浮き沈みしていたような"低規格軌道"上を、自重50t!もある2250系吊りかけ電車が体感100㎞/h(実際は80㎞/hぐらい?)で爆走してくれるのです!
当時は運転台に速度計などという気の利いた代物は無く!運転席には圧力計と電圧計だけ!なので、良く"飛び跳ねる"準急は体感的には100㎞/hぐらいかなと思っていましたが、よくよく考えると当時の特急電車ビスタカー2世(近鉄10100系電車)でも最高運転独度は110㎞/hでしかもこの速度は桜井駅以降の上り坂でのお話!、高安⇔国分駅間はロングレール化どころか現在の50kgN型レールも無い時代の40kg25mレールを用いた継ぎ目レール全盛時代!です。(当時は新幹線ですら50kgレールの時代)
さらに台車は当時近鉄で一般的だったコイルスプリングの軸箱バネを繋いだコライザー式+板バネ揺れ枕併用式です、飛び跳ねること飛び跳ねること!
今にして思えばよく"脱線"しなかったものだと感心させられます!
当時の近鉄ノンストップ特急は同じ路線の鶴橋⇔名古屋間186.6㎞を2時間13分(最高速度110㎞表定速度84,2㎞/h!)でぶっ飛ばしていました!当時の近鉄特急がいかに揺れていたかはYoutube動画からもしのばれます。
近鉄幹線全線の高規格化?が完了したのは、1980年のJIS E 1101で50kgN型レールが登場して以来実に8年後の1988年になってからの事で、
この年から名阪特急の最高運転速度が120㎞/h(※88)」にアップされて今と同じになりました!(急行以下の通勤型車両は110km/h)
参※88)一般的に言われている130㎞/h区間は新青山トンネル内の正しく上り勾配になっている大阪難波方面上り線区間だけです!
第2項 1980年当時の山電直通特急の印象は...
1980年当時の山電直通快速は3000系電車が主体で別段ぶっ飛んだ電車でも無かったように記憶しています!
その後に5000系が登場した現在も一部の直通特急で活躍しています。
実はこの5000系で阪神大阪梅田⇔山陽姫路間を走破してみたかったのですが、残念ながら実現できませんでした!
現在山電は帰路に乗った山陽電気鉄道6000系電車への世代交代が進んでおり転換クロスシートの5000系電車の直通快速運用はめっきり少なくなっています!
阪神大阪梅田⇔神戸三宮間 31.2kmの所要時間 33分!(表定速度56.7㎞!)320円に対して、
事実暗い暗渠(地下区間)を抜けた板宿⇔山陽姫路間 53.7㎞の所要時間 50分!(表定速度64.4㎞!)810円!
東二見⇔山陽明石(11.6㎞)の所要時間 9分!(表定速度77.3㎞!)370円
飛ばすことで有名なJR新快速との比較でも
新快速 姫路⇔明石(途中2駅停車)35.4㎞の所要時間 24分!(表定速度88.5㎞!)680円
参※)快速 (途中11駅停車)35.4㎞の所要時間 55分!(表定速度38.6㎞!)680円
※但し御覧の通り運賃は高い!
乗車した 阪神8000系電車特急電車では
山陽電車本線の最高運転速度は110㎞/hとなっています。
阪神8000系電車は阪神本線内では106㎞/hの速度制限を受けていますが110㎞/h運転に対応していて、山陽電車本線上では正に特急の名に恥じない走りをしてくれるわけです。
阪神8000系は板ばね支持式(ミンデン式)に近いダイレクトマウント・ボルスター(揺れ枕)形式の台車をはいています。
飛び跳ねるところを確認したかったので8142つまり中間車の連結部分の直ぐ隣の"シルバーシート"に陣取ってり揺れを楽しむ事にしました?が...
ところが、期待していたような揺れはありませんでした!
第3項 山陽電気鉄道3000系電車が揺れるわけは...
帰路に山陽姫路⇔飾磨間で運よく?3000系に乗車することが出来ました。
乗ったとたんに、犯人?は台車だとわかりました!
体重45kgも無い様な小柄なお婆さんが乗り込んできても、車体は激しく?左右にローリングします!
川崎重工製の軸梁式台車OK-25・25A・25B型を使用していて、空気ばねは横剛性の低いベローズタイプです。
いわゆるボルスターアンカーはありますが、車体との接続は心皿・側受のある旧来型台車で簡単にコイルバネ→空気ばねへの転用が容易なわけですが...
空気乗車時が特にひどい!
この空気ばねが曲者で「ダンパー」がない!ためにダンピングが悪く、
特定の周波数で共振状態となり、前途したヨーイング・ピッチングを引き起こし「酷い揺れ」を招くようです!
この傾向は「空気乗車」に近い状態のときにに特に表れやすいようです!
そこで、帰路で乗車した5000系電車では新設計の軸梁式(一般的なダイアフラム形空気ばねダイレクトマウント)である川崎重工業KW-93(Mc・M用)・KW-94(T・Tc用)に変更されています!
つまり阪神電車とほぼ同じになり、空車に近い状態から満員に近い状態まで良好なダンピング特性で、"脱線しそうな揺れ"が無くなったわけです!
公開:2020年10月28日
更新:2024年4月 4日
投稿者:デジタヌ
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