狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載 Essay《 北海道 斜里町知床観光船海難"事件!"に見る 無秩序な観光振興策 》ー第2回ー

第2回 今回の海難事件の背景には...

先般(2022年4月)に海難Incidentを起こした北海道斜里町は南北約82㎞!面積737km²もあり、南北約52km面積592km²の淡路島(淡路市・洲本市・南あわじ市)よりも はるかに大きく、更にお隣の羅臼町、標津町まで含めた知床半島3町では約1,872km²!もあり43自治体(33市9町1村)もある大阪府の約1,905km²南北約90㎞とほぼ同じ面積を持っているわけです!

第1項 バックアップ体制の無い斜里町 知床国立公園 観光事業!

(有)知床観光船 の杜撰な安全管理体制が招いた今回の遊覧船海難事件は、またしても経営者であり安全管理者である桂田誠一 と行方不明の船長個人を「魔女に仕立て上げ」て幕を引こうとしていますが...

今回の海難事件!の舞台となった世界自然遺産 知床国立公園 の観光開発その事態に多くの問題が隠されています!

今回の海難事件!では...

現状では、海が荒れていなくて、更に僚船がいて、海難に会われた方々が、救助されていたとしても...

カニシュの滝からウトロ迄は直線距離でも27㎞!もあり、(斜里町ウトロ支所)にある民間遊覧飛行会社の「北清ヘリシス」の特設(架設)ヘリポートを利用出来たとしても、隣接する小清水町にある、ヘリポート備えた小清水赤十字病院(救急医療に関する第3次医療機関)に救急搬送する間に...

更にESには直線距離で46㎞(一般道道程59㎞!)も離れた北見赤十字病院まで転送する必要がありますが、しかも、この間を繋ぐ緊急通路は一般国道R344のみ!
中間地点の美幌には陸上自衛隊の駐屯地もありますが、自治体からの災害時緊急要請がない限りは、ヘリポートを提供することはできません!

第2項 防災ヘリポートが未整備!状態の"小さな大陸北海道"

北海道のような広大な面積を誇る"小さな大陸"で重要な生命線となるヘリポートが未整備の状態です!

海難事故などの交通災害や、自然災害発生時に大事な救急医療に重要なヘリポートの整備が整っていないわけです。

今回の(有)知床観光船海難事件を起こした斜里町は、網走市に支所を構える行政区オホーツク総合振興局に属するわけですが...

オホーツク総合振興局内唯一の救命救急センター北見赤十字病院(ウトロから94㎞!)にはヘリポートがありません!

第1目 道東全体を見渡しても

災害時にヘリコプターの緊急輸送を行うにも...肝心のヘリポートが未整備の状況です!

道東で防災ヘリポートが整備されているのはお隣釧路総合振興局にある標茶河川防災ステーション ヘリポートのみです!

更に3か所あるヘリポートも全て遊覧飛行用の施設です。

更には、旧中標津飛行場(現陸上自衛隊基地)・現中標津飛行場も勿論使用できますが...

第2目 交通災害、自然災害、不慮の事故を想定した場合

知床岬に近い緊急避難港文吉港⇔ウトロ漁港間が海路で約50㎞!(直線距離でも40㎞!)

観光ベースとなるウトロ漁港⇔知床観光センター間が約5km
  • ●R334知床自然センター⇔カムイワッカ展望台駐車場 道道93号知床公園線で約19㎞の道程(ウトロから約24㎞)
  • ●カムイワッカ展望台駐車場⇔知床林道終点までが約12㎞のラフロード。(ウトロから約36㎞!))
  • ●知床自然センター⇔知床峠展望台間のR334が約11㎞。(ウトロから約16㎞)
ウトロ⇔斜里町(知床斜里駅)間

R334で約37㎞

斜里町⇔小清水赤十字病院

R334で約20㎞(ウトロから57㎞!約1時間※ヘリコプターだと直線で50㎞)

小清水赤十字病院⇔北見赤十字病院

一般道R334のみ約59㎞ 1時間以上

つまり、知床岬、カムイワッカ展望台、知床峠展望台、付近で事故に遭遇した場合、携帯電話などで119番通報したとしても...

(救急車到着の時間まで含めると)救命医療センターの北見赤十字病院までは最短でも3時間程度は必要!と言うことになってしまいます!

つまりこれらのポイントには緊急用ヘリポート設置が必要で、知床岬に近い緊急避難港"文吉港"には早急にヘリポート設置が望まれるわけです!

 

公開:2022年5月 2日
更新:2024年4月 5日

投稿者:デジタヌ

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