狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載『 近鉄生駒線・田原本線LRT 化で王寺駅前旧街道 トランジットモール化で繋がれば...』ー第4回ー

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★第3節 両線の辿った鉄路

地図をご覧いただけばお判りの通り、両線は王子駅で繋がってはおらず分断されている!がその理由は...

1918年(大正7年)4月に開業した田原本線(旧・大和鉄道)が鉄道の結節点であった王寺駅と当時木材の一大集積地であった「桜井」とを最短距離?で木材輸送する目的で敷設された軌間1067mmの蒸気鉄道であり、

生駒線(旧・信貴生駒電気鉄道 )は王寺駅 から山下駅(現在の信貴山下駅)をへて信貴山駅に参拝客を運ぶための「電車線」として1922年5月に軌間1430㎜の「標準軌」で 開業した経緯の違いで繋がっていないわけである。

近鉄にとっては生駒線の東山ー王子間、田原本線の新王寺ー田原本間全線区間お荷物路線であることは以下のデータからもはっきりしている。

第1項 近鉄生駒線とは

王寺駅と 生駒駅を結ぶ(営業キロ):12.4 kmの支線

生駒駅構内で渡り線があり、車両の入れ替え検修は西大寺西大寺検車区で行っている。

軌間:1435mm
駅数:12駅(起終点駅含む)
複線区間:東山駅 - 萩の台駅間、南生駒駅 - 生駒駅間

電化区間:全線電化(直流1500V)
最高運転速度:65 km/h

生駒ー東山間 5.4km 所要時間11分 表定速度 29.5Km/h!

東山ー王子間 7.0㎞ 所要時間16分 表定速度 26.2Km/h!

閉塞方式:自動閉塞式

2004年3月18日から全列車(20m車両4両編成)でワンマン運転を実施している。

生駒線の旅客実績

生駒側は、生駒駅から続く他沿線宅地開発で大阪都市圏のベッドタウンとして「ある程度の需要」が確保され、前途のごとく現在生駒ー南生駒間、萩の台ー東山間と一部が複線化されている程の需要があり東山までは4両連結が通勤時間帯 最多7本/時 運転され、昼間は3本/時の運行を行っている。

但し東山伊南の王寺方面はラッシュ時でも毎時4本昼間毎時4本程度の需要しかない。

生駒駅 

乗車人員 ;22,602人/日平均(降車客含まず)/2016年

※但し奈良線、けいはんな線、生駒線全ての利用者含む。

菜畑駅

乗車人員 ;2,170人/日(降車客含まず)/2016年

一分駅

乗車人員 ;2,794人/日(降車客含まず)/2016年

南生駒駅

乗車人員 ;2,916人/日(降車客含まず)/2016年

萩の台駅

乗車人員 ;1,466人/日(降車客含まず)/2016年

東山駅

 乗車人員 ;1,727人/日(降車客含まず)/2016年

元山上駅

 乗車人員 ;974人/日(降車客含まず)/2016年

平群駅(へぐりえき)

乗車人員 ;1,754人/日(降車客含まず)/2016年

竜田川駅

乗車人員 ;1,041人/日(降車客含まず)/2016年

勢野北口

乗車人員 ;1,020人/日(降車客含まず)/2016年

信貴山下

乗車人員 ;1,571人/日(降車客含まず)/2016年

近鉄・王子駅

 乗車人員 ;5,253人/日(降車客含まず)/2016年

つまり東山駅以北は、近鉄奈良線の支線。伊南はJR大和路線の支線的色彩が強い!

★第2項 近鉄田原本 線とは

新王寺駅と西田原本駅を結ぶ営業キロ数10.1㎞の支線。

所要時間 21分 (表定速度28.9㎞/h!

西田原本駅構内で橿原線との渡り線がり車両の検修は西大寺検車区で行っている。

軌間:1435mm(開業時は非電化・狭軌1067mm
駅数:8駅(起終点駅含む)
複線区間:なし(全線単線)
電化区間:全線電化(直流1500V)
最高運転速度:65 km/h
閉塞方式:自動閉塞式

田原本線の旅客実績

ラッシュ時4本/時間

昼間3本/時

前途のごとく3両連結によるワンマン運行を実施中。

近鉄新王寺駅

4,039人/日(降車客含まず)/-2016年-

西田原本駅

4,809(乗降人員)/11月10日交通量調査特定日

第3項 ライバル並走線JR桜井線との関わりから眺めた田原本線、生駒線の歴史

1893年(明治26年)5月23日:旧・大阪鉄道 の王寺駅 - 高田駅間を延伸する形で、高田駅 - 桜井駅間(6M≒9.66km)が開業。畝傍駅・桜井駅が開業。

1898年5月11日:旧・奈良鉄道により京終駅 - 桜井駅間(10M10C≒16.29km)が開業。

京終駅・帯解駅・櫟本駅・丹波市駅(現在の天理駅)・柳本駅・三輪駅が開業。

1899年2月11日:奈良駅 - 京終駅間の貨物用仮連絡線が開業。
同年10月14日:奈良駅 - 京終駅間(1M5C≒1.71km)が正式に開業し桜井線全通。

1905年(明治38年)2月7日:奈良鉄道が関西鉄道に路線を譲渡。
1907年(明治40年)10月1日:関西鉄道が国有化。
1909年(明治42年)10月12日:国有鉄道線路名称制定により、奈良駅 ⇔ 高田駅間が桜井線になる

田原本線(旧大和鉄道)の開業

1918年(大正7年)4月26日:大和鉄道が新王寺駅 - 田原本駅(現在の西田原本駅)間を狭軌1067mmの蒸気鉄道として開業し新王寺駅・大輪田駅・池部駅・箸尾駅・黒田駅・田原本駅が開業した。

1922年(大正11年)5月16日:生駒線(旧信貴生駒電気鉄道) 王寺駅 - 山下駅(現在の信貴山下駅)間、鋼索線山下駅 - 信貴山駅間が開業。

同年9月3日:旧大和鉄道 田原本駅 - 味間駅間が開業。寺川駅・味間駅が開業。
1923年5月2日:旧大和鉄道 味間駅 - 桜井町間が開業。大泉駅・大福駅(大阪線の駅とは別)・桜井町駅が開業。※この時期に大和鉄道は大阪電気軌道(現近鉄)の傘下に入った。

1925年11月6日:信貴生駒電鉄に信貴生駒電気鉄道の路線全線を譲渡。
1926年10月21日:生駒線(信貴生駒電鉄) 山下駅 - 元山上口駅間が開業。
同年12月28日:生駒線(信貴生駒電鉄 )元山上口駅 - 仮新生駒駅間が開業。
1927年4月1日:生駒線(旧・信貴生駒電鉄 )仮新生駒駅 - 生駒駅間が開業し全通。

1928年 5月1日:旧・大和鉄道 桜井町駅 - 桜井駅間が開業。

※この時点でライバル国鉄桜井線に30年の遅れを取っていた。

しかし旺盛な木材需要にささえられ、木材の集積地桜井と交通結節点王子駅を結ぶ、国鉄桜井線のバイパス的な役割を担っていた。

1931年8月1日 信貴生駒電鉄が近鉄(旧大阪電気軌道)の系列となる。

1944年1月11日:敗戦前年に田原本駅 - 桜井駅間が不要不急路線として休止になり線路が撤去された!
1948年(昭和23年)6月15日:敗戦後3年を経て田原本線 新王寺駅 - 田原本駅間標準軌に改軌されて電化された。

この時点で田原本駅構内近鉄橿原線と短絡線で繋がり車両の共有化(レンタル使用)が開始された。

1951年(昭和26年)9月10日:生駒線山下駅が信貴山口駅改称。

1956年(昭和31年)12月13日:生駒駅が奈良線生駒線に統合

1958年12月27日:休止中の田原本駅 ⇔桜井駅間が正式に廃止・廃線となった。
1961年10月1日:信貴生駒電鉄大和鉄道が経営統合し信貴生駒電鉄田原本線となった。

1964年(昭和39年)10月1日:近畿日本鉄道が信貴生駒電鉄を吸収合併し近鉄生駒線・近鉄田原本線となり田原本線・田原本駅が西田原本駅に改称。

1969年(昭和44年)9月21日:奈良線・生駒線・田原本線・橿原線が架線電圧600Vから1500Vに昇圧

1990年(平成2年)7月1日:橿原線に遅れること17年にしてやっと新王寺駅 - 大輪田駅間の曲線緩和工事が完成し大型車の入線が可能となり大型車の運用を開始。
1992年(平成4年)3月19日:ワンマン運転開始。西田原本駅改良工事完成。

前日まで無人駅だった黒田駅が有人駅化され、これにより田原本線全8駅が駅員配置の有人駅となった。

1992年(平成4年)12月13日:生駒線菜畑付近が高架化。
1993年(平成5年)3月17日:生駒線東山駅 - 萩の台駅間が複線化。
1994年(平成6年)2月10日:生駒線菜畑駅 - 生駒駅間が複線化。
2001年(平成13年)3月22日:生駒線日中の一部列車が3両編成(8000系・8400系の3連を充当)となる。
2003年(平成15年)3月6日:生駒線再び全列車が4両編成となる。
2004年(平成16年)3月18日:生駒線ワンマン運転開始。

2007年(平成19年)4月1日:田原本線各駅でPiTaPa・ICOCAの取り扱い開始。

2011年(平成23年)10月1日:田原本線西田原本駅・新王寺駅の以外の駅が再び無人駅となった。

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公開:2018年11月21日
更新:2024年2月23日

投稿者:デジタヌ

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