狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 中共の"一帯一路"(新万里の長城!)とロシアの"鉄(道)のカーテン"とは...》ー第7回ー

第7回 『帯に短し、襷に長し!』の両構想

前途したように、

一帯一路構想が実現しても、大圏コースからは大きく外れて可成りの大廻となり、

ランドブリッジ?の利点の一つ"経済性(時間&輸送コスト)は実現できません!

またSLBでも、mining railwayに執着して線形改良(短絡線建設)に興味のないロシアのおかげで、陸路による距離(時間)短縮効果は発揮できていません!

第1項 更に軸重制限・重量制限・車両限界の問題が...

Trans-Asian Railway(アジア横断鉄道)構想では...

を3本の矢(柱)に掲げていますが...

第1目 Double-stack rail transportがらみの問題点

1項)軸重の問題

ヨーロッパ諸国では長らく37㎏レールによる軸重制限で 20トン/軸 が目安となっていますが

BNSFの例のように連接車両によるDouble-stackを狙うと、軸重30ton/軸

と1.5倍になり、

現状の、レールでは非力で、高速路線を中心に普及しだした60kgルールでも対応が難しく、BNSFのように80kgレール!の採用しか手立てはありません。

2)橋梁の耐荷重による列車総重量の問題

更に、多くの橋梁は、石造り・レンガ作りで、ロシア同様に

  • ●payload limitation;6 t/mと
  • ●橋梁通過総重量 4000t/編成までの制限を受けています。

なので現在ヨーロッパでは複層貨物輸送は行われていません!

3)トンネルの問題

更に汽車牽引時代から使われている古いトンネルは、当時の車両限界に合わせて建設限界(断面形状)特に高さが不足していて、BNSFのように巨額投資で断面積拡大改修を行う必要があります!

4)架線電圧の問題

以前から電化されているロシア・中国の都市近郊区間ではDC3,000V電化が標準的で、これでもロシアのように25mコンテナ列車70両4000屯輸送までは対応できますが...

BNSFのように複層輸送で1万屯超!の貨物輸送を狙うと、変電設備・送電設備に問題が生じて、shinkansen同様にAC25kv電化(※61)が必要となってきます。

(※61)登校拒否していた「ヤンキー鉄オタ」さんは知らないでしょうが?義務教育で習ったように電力=電圧 X電流なので、同じ太さ(断面積)の架空線ならDC3000vの約8.3倍!の電力が供給できるわけです。

嘗てのEF200のような変電所キラーの問題も無くなるわけです。

但し、高圧になるので、碍子などの絶縁(架空線設備)はやり直す必要が生じますが。

※変電所キラーで有名となった定格出力6,000kwのJR貨物EF200お化け電気機関車の例

第2項 一帯一路では輸送コストダウンには繋がらない

特にPort martyr Rajai(イラン)⇔イスタンブール(トルコ)routeは途中Tbili CNC workshopでのtransshipが必要無く、ソマリア海賊対策・スエズ運河渋滞の両問題が解消できて、trading company、海運業からは注目!されていますが...

コストダウンには繋がらない!イラン高原?(山岳地帯縦走)ルート

イラン高原が険しい山岳地帯となっています。

中國鐡道のように、長大トンネルと、橋梁で、山岳地帯の屈曲路線区間を解消しないと、スピードアップ(所要時間短縮 & 運行コストダウン)には繋がらないでしょう。

第3項 旧東欧圏は変化している!

以下の動画はブルガリアの首都ソフィアと西欧圏を結ぶ高速道路建設の様子です。

見ればお分かりのように、traffic network; (transportation system )はトラック輸送に変化してきています!

横を走っているのは鉄道幹線で、コンテナDepotも建設されていますが、loading line(荷役線)が短いのが見て取れます。つまりlengthy freight train(長大貨物列車)は運行されていません!

今後(維持管理・設備更新、"公益性")のことを考えると、鉄道などよりは、highway(自動車専用道)整備のほうが、公共投資効果が高いと判断されたわけです!

♥на автомагистрала "Европа" (ヨーロッパ高速道路)

第4項 中央アジア・中東の各国では道交法の改正のほうが...

むしろこのエリアでは、"道交法"を改正してオーストラリアのような、ランドトレインの運行を奨励したほうが得策でしょう!

前途したように、Oil・Gasはパイプラインで運べて、残る大量・重量物は、miningで得られる鉱石輸送に限られます!しかも、一時期ほどの産出量でもありません!

ロードトレインで十分賄える輸送量です!

 

公開:2021年12月11日
更新:2024年3月21日

投稿者:デジタヌ

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