狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 中共の"一帯一路"(新万里の長城!)とロシアの"鉄(道)のカーテン"とは...》ー第6回ー

第6回 SLBを支えるシベリア鉄道の問題点!

ロシアと深い(不快、不可解な)関係にあるシンクタンクが...

(一財)国際臨海開発研究センターや、大手物流企業の日本通運、右寄り!の一般シンクタンク東洋経済研究所などの親露派の人たち(もしかしたら内通者・協力者?)は、ロシアの片棒を担いて海路(スエズ運河経由)に代わる新たなcargo transportation(貨物輸送)のtransfer line(輸送路)として、SLBの優位性と第3シベリア鉄道建設に関する経済協力(融資)をプロパガンダしていますが...

第1項 「全ての(鉄)路はモスコーに通じる」が間違いのはじまり!

永年続いた"社会主義帝国"СССРの内政?政策のおかげで、Soviet Union territory(実効支配地)内は、1,520mmのCCCP National standard gaugeに統一され、しかも「全ての鉄路はモスクワに通ずる!」政策で、モスクワに通ずる幹線の整備が優先されて、極東アジアとヨーロッパ各国を結ぶ東西交通路は支線扱いでおろそかにされてきました!

つまり、極東アジアとヨーロッパを結ぶ欧亜間鉄道貨物列車は必然的にモスクワを経由せざるを得ない訳です!

これが、欧亜間の鉄道輸送の最大の障壁となっているわけです!

旧ソ連鉄道網の中央集権(モスクワ中心)主義が

何れの「非Russian gauge road」も、「旧CCCP鉄道網」の問題"モスクワ中心の放射状路線網"の問題にぶち当たるわけです!

さらに、犬猿の仲?のウズベキスタン、タジキスタン両国のように、旧CCCP各国も自国の首都を中心とした放射状路線を目指して「新線建設」やジャンクション改修(渡り線)」と電化を推し進めているわけですが...

ウズベキスタンの例

ウズベキスタンのように、首都と第2の都市が、東西に分断されていた国は新線建設で東西間が繋がり、トランスユーラシア鉄道にとっては都合よいわけですが...

通過国のキルギスは、ウズベキスタンの息?(追跡権)がかかっており、Торугартский перевал(トルガイト峠)を通る新線計画は、実質ウズベキスタンと、中國の2国間交渉になるわけですが...

新線区間がStephenson gaugeで建設されたとしても...それから後が繋がりません!

第2項 鉄道輸送と海運との比較では

現在、ロシアの日本海側にある唯一のcontainer-portは、Владивосток(ウラジオストク)の海の玄関口、Находка(ナホトカ)港にあるcontainer-portのみとなっていますが...

freight vessel(貨物船)には多数の種類があり、Porteにはそれに対応した施設が必要で設けられているわけです。

第1目 現行のIntermodal containerのcontainer ship輸送では

大型コンテナ船の経済運行速度が約20 kt(37㎞/h)(※41)程度といわれているので、1日に進む距離は20x1.852x24h≒889㎞ つまり21000㎞なら約30日

三井商船が運行しているヨーロッパ航路の実例では、

横浜→香港 約4日

香港→ロッテルダム 約35日 

実際には、中継港(国際貿易港)での貨物の滞留、通関その他の手続きで、荷主の手に渡るのは約40日から60日かかると言われています。

(※41)ノットとは1時間に進むnautical mile(海里)を表します。

1 kt=nautical mile/h≒1.852 km/h

更に元となる海里は赤道上の経度緯度1分(1度の60分の1)に相当する長さのことで、メートル法に換算するとnautical mile=1852 mと定められています。

1mile(1609.344m)とも異なり、中途半端な距離で日常生活ではなじみのない値ですが、

GPSが無かった当時の航海では、自分の位置を特定するのに六分儀を用いて、緯度経度を測定していました!

つまり、毎日進んだ距離(経度)を実測して、平均速度(残りの航海日数)を割り出すのに経度1分の単位は都合が良かったわけです。

第3項 意図が測りかねる?"第3シベリア縦断高速鉄道"妄想

※拡大してみてください

地図をご覧の通り、間宮海峡を"潜って?"樺太のノグリキに抜けたとしても、ロシア取ってはあまり"物流の意味"はありません!

せいぜいカムチャッカ半島へのフェリー便の中継ぐらいにしか用をなさないでしょう。

何故なら前途したように、鉱物資源を含む工業製品は自国内で消費して、アメリカに輸出する気は無いからです!

更に人の移動・旅客運輸については中国とは違い「空路」を重視しています、と言うより遠隔地ではその程度の輸送密度しかありません!

第1目 都合の良いデータだけをうのみにしては...

ロシアでは、passenger traffic(旅客輸送)に占めるrail-road の割合は90%以上だそうですが、都合の良いデータだけをうのみにしてはいけません!

ロシアでは絶対的に人口が少なく、しかも全土に跨って都市間を移動する人はビジネスマンやお役人などほんの一握りです。

更に、全行程を走破する旅客列車は週3便程度です!

しかも、廃墟だらけで、鉄道関係者しか住んでいないような、沿線の集落ではそもそも利用者は少なく、おまけに遠く離れたにも、トラックは走っていても、路線バスなどと言う便利な乗り物は走っていません!

つまり、利用率(乗車率)が高くて当たり前です!

 

公開:2021年12月11日
更新:2024年3月21日

投稿者:デジタヌ

連載《 中共の"一帯一路"(新万里の長城!)とロシアの"鉄(道)のカーテン"とは...》ー第5回ーTOP連載《 中共の"一帯一路"(新万里の長城!)とロシアの"鉄(道)のカーテン"とは...》ー第7回ー


 

 



▲鉄道史研究班へ戻る

 

ページ先頭に戻る