狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 鉄道の歴史は Wagon(荷馬車)用の"木道" から始まった !》ー第3回ー

第3回 George Stephenson と彼の手勢が手掛けた鉄道とは...

第1項 Flange 付き Train wheel と Iron rail が発明されて...

George StephensonStephenson's Rocket(ロケット号)の特徴はいろいろ言われていますが、その後の steam locomotiveの定番となったMultiple boiler fire-tubes「多管式の高圧"煙管ボイラー"」に始まり、Blastpipeなどの、数多くのInnovationsを取り入れた steam locomotive でした!が...

しかし日本語ウイキペディアに記載されているように彼が発明した物ではなく!他の engineer が発明した mechanism を engineer ごと丸抱えで拝借!したにすぎません。

第1目 鉄道の基本要素を発明したのは...

多数の Canal (運河)を手掛けた土木技師のウィリアム・ジェソップが、1789年に今日一般的にみられるフランジのついた Train wheel を用いた Wheelset(輪軸)を発明!しました。

同時に魚腹形レールのネズミ"鋳鉄"製のレールも発明しましたが、"もろい"ために折損事故が多発していました。

1803年にニクソンと言う人が"錬鉄""を用いたレールを考案しましたが、錬鉄製造技術による"コスト"の問題から普及しませんでした。

第2項 実用 steam locomotive による世界初!の Hetton colliery railway!

G. Stephenson が最初に手掛けた全長13㎞の世界初の陸蒸気鉄道 Hetton colliery railway(1822年開業)は文字通りHetton Coal Companyの産出する Coal を輸送するための colliery railway(炭鉱鉄道)、mining railway(鉱山鉄道)でした。(※21)

この時に採用されたのが 別項に示す4 ft 8 in(1,422 mm)のOriginal Stephenson gaugeで(※22)トロッコを引いて約10mi/h(約16㎞/h)の速度で運行可能でした。

更に、イングランドでは、長らく、Freight Car(貨車)には制動装置(ブレーキ)が備わって無く!

10mi/h(約16㎞/h)と言うとんでもない低速運行をしていましたが!この鉄道は英国鉄道の貨物輸送の"ひな型"ともなった訳です。

これは、後述するpneumatic brake(エアブレーキ)が発明されて無く、比較的平坦な路線が多い(そのように建設した)イングランドでは取り扱い(配管接続)が面倒なpneumatic brakeが、長らく採用されなかったわけです。

参※21)collieryとは炭鉱施設全体を指す単語で、例えば嘗ての夕張炭鉱はYubari collieryと言うことになります。

参※22)当サイト内関連記事 鉄道における国家標準軌間と国際標準軌間?について はこちら。

第2目 Stockton and Darlington Railway

同じく彼が3年後に手掛けた、(passenger serviceも行う)full serviceの本格的なStockton and Darlington Railway(1825年9月開業)も、4 ft 8 in(1,422 mm)のOriginal Stephenson gauge!で敷設されて、no suspensionの& brake lessのrigid axleで構成されたFreight Car(貨車)、passenger car(客車)"正真正銘の「2軸 トロッコ」を用いた軽量トロッコ列車"が走行する、"世界初の public transportation(公共交通)でした。

Stockton and Darlington Railwayでは貨客混載列車が常用12 mph:19km / hの速度で運行されていました。

ちなみにこの時用いられたレールは28lb/yd(13.9 kg / m!)の可鍛鋳鉄でjunctions(point部分)は57.5 lb / yd(28.5 kg / m)のネズミ鋳鉄レールが用いられて、後の延伸開業区間では33 lb / yd(16 kg / m)の可鍛鋳鉄製のレールが使われました。

可鍛鋳鉄とその後に登場した錬鉄と現在のはほぼ同じ強靭性があり、特に錬鉄は有名なエッフェル塔にも使用された鉄材ですが、ネズミ鋳鉄は硬度は有りますが脆性(ぜいせい;脆さ)があり、折損(割れる)する性質があります。

さらにこの時用いられた可鍛鋳鉄レールも、現在では(炭鉱の構内軌道用)軽レールに分類される、鋼鉄製のレールと同程度の耐荷重で、大きな軸重には対応できませんでした!

第3項 Liverpool and Manchester Railway の成功!

日狂祖のお偉い先生方が監修(干渉した)!検定教科書では、「世界初の鉄道」とされている1830年9月15日開業のLiverpool and Manchester Railwayは...

full service(貨客営業)を行う高速! transit(公共交通)としては確かに世界初でした。

つまり Liverpool and Manchester Railway は当時のTGV新線に当たる Shinkansen !でした。

この鉄道では、前途した2つの鉄道建設で名声を勝ち得た Stephenson が produce した Stephenson's Rocket がcompetition に勝利して採用されたわけですが...

流石に当時のstagecoach(駅馬車)同様にleaf springのsuspensionは備えていましたが、1st.classがCabin CarriageいわゆるCoachで、2nd. classがOpen Carriageつまりwagonに座席を付けただけの無蓋客車!の混成で運行されていました!

ちなみにこの鉄道では、大部分の区間で、建設当初は当時一般的だった50lb /yd(23kg/m)の"ネズミ鋳鉄"の"魚腹形レールを"飛び石"の上に固定して使用していましたが、(どちらも「猫の大好物?」なので度々野良猫の被害にあい??? (´∀`*)ウフフ ジョーダン!)折損事故が頻発!していました。

また一部区間に当たるChat Moss泥炭エリア(湿地帯)では前途した錬鉄製の15フィート(4.6 m)長さの35 lb / yd(17 kg / m!)魚腹レールを使用していました。

更にこの区間では枕木をHerringbone pattern layoutに配置して「左右の沈下の均等性」を確保しました。(※23)

想像しずらいでしょうが、枕木が左右で夫々前後の枕木と接触して折れ線のように配置された layout の事で、ヨーロッパの軟弱地盤地帯ではよく見られる枕木配置ですが...

ご想像の通り、事項で述べるように Tie としての役割を果たさないので脱線事故が多く発生したのです。

参※23)現在泥炭や湖沼地帯などの"湿原"や、ツンドラ・タイガ地帯などの永久凍土地帯では...

USAで開発されたSleep latticeと呼ばれるLattice(格子状)のrug(敷物)grid-sleeperが、フロリダなどの湿原地帯での"不当沈下"を防止する目的で使用されています。

この動画で使用されている、軌道に埋設されたネット状のrug(敷物)が湖沼エリアの湿原での不当沈下対策に用いられるgrid-sleeperです!

 

公開:2011年11月 7日
更新:2024年3月21日

投稿者:デジタヌ

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